3 / 34
第1章:奇妙な出会いと主従関係
1−3:雨宿りと、公爵閣下の嫌がらせ
しおりを挟む
その日は、朝から重苦しい雲が王都の空を覆っていた。 昼過ぎには予報通り、石畳を叩きつけるような激しい雨が降り始めた。
王都の片隅にあるとある雑貨店の扉が勢いよく開き、ずぶ濡れのカイトが飛び込んできた。
「……クソ、最悪だ! びしょ濡れじゃねえか!」
カイトは文句を言いながら、首に巻いたボロボロの手拭いで髪を拭う。彼は昨夜、店で食事を終えた後、「帰る場所があるんだ」と言ってスラム街の方へと消えていった。リヒトは、彼がそこの孤児院で年下の子供たちの面倒を見ていることを、彼の衣類に残った安い石鹸の匂いと、自分は食べずにパンを隠し持った手つきから既に把握していた。
「おかえりなさい、カイトくん。タオルはそこの棚にありますよ。」
「『おかえり』じゃねえよ。……ほら、これ。今日の分の『食事代』だ。」
カイトがカウンターに置いたのは、雨に濡れた銅貨だった。
「道端で運搬の手伝いをして稼いだ。……盗みは休業中だ。あんたに借りを返さなきゃならねえからな。」
リヒトは銅貨を手に取ることなく、穏やかに微笑んだ。
「感心ですね。では、その熱心な仕事ぶりに免じて、温かい飲み物を用意しましょう。」
平和な、いつも通りの光景。だが、その平穏は、店の前に止まった一台の豪華な馬車の音によって破られた。
雨音を切り裂くようにして、漆黒の外套を纏った男が店に入ってくる。整えられた顎髭、冷徹なまでに理知的な瞳。そして、立っているだけで周囲の空気が張り詰めるような、圧倒的な貴族の風格。
現れたのは、最も古くから王家に忠誠を尽くしている一族、アルヴァス公爵であった。
「……酷い雨だな。こんな掃き溜めのような店で雨宿りをする羽目になるとは、運がない。」
公爵は、入り口で立ち尽くすカイトをゴミを見るような目で見つめると、手袋を脱ぎ捨ててカウンターへと歩み寄った。
「なんだよ、このおっさん……。貴族様がこんな店に何の用だ?」
カイトが不機嫌そうに身構える。カイトにとって、貴族は孤児院から土地を奪おうとしたり、自分たちを人間扱いしない「敵」の象徴だ。
「カイトくん、失礼ですよ。こちらは当店の数少ない上顧客、アルヴァス公爵閣下です。」
リヒトが宥めるように言うが、公爵はフンと鼻を鳴らした。
「リヒト殿。相変わらず、拾い物の趣味が悪い。こんな野良犬を店に入れているとは、店主の正気を疑うぞ。」
「野良犬だと!? この髭野郎……!」
「やめなさい、カイトくん。」
リヒトの制止に、カイトは奥の棚の整理へと追いやられたが、その目には明らかな敵意が灯っている。
公爵は何もなかったかのようにリヒトに向き直ると、仰々しく、布に包まれた大きな「塊」をカウンターに置いた。
「鑑定を頼みたい。先日のオークションで競り落とした『伝説の英雄の盾』だ。歴史的な価値を含め、我が家の宝物庫に加えるに相応しいかどうかをな。」
リヒトは、その塊を覆う布をゆっくりと解いた。
現れたのは、重厚な鉄製の盾だった。中央には古王国の紋章が刻まれ、戦場を潜り抜けたことを示す生々しい剣傷がいくつもついている。
カイトは遠巻きにそれを眺めながら、思わず息を呑んだ。 (あれが、英雄の盾……。あんなのが一つあれば、孤児院の飯を十年分は買えるんじゃねえか?)
だが、リヒトは盾に触れることさえせず、ため息を漏らした。
「……閣下。また『時計の針(クロック)』を止めるような、退屈な嫌がらせですか?」
リヒトがわざと混ぜ込んだ隠語に、公爵の口角が、わずかに吊り上がる。
「何のことかな?」
「この盾、確かに材質は古王国のものと同じ鋼です。ですが、中央の紋章の刻み込みが深すぎる。当時の鍛冶技術では、これほどの精密な彫刻を鋼に施すことは不可能です。……これは、後世の熱狂的な愛好家が作った『最高級のレプリカ』ですよ。市場価値は、あなたが支払った額の百分の一もありません。」
「な……っ!」 カイトが驚いて声を上げる。
「さすがだな。……だが、これだけではない。」
公爵は動じず、懐から古びた小さな「指輪」を取り出した。
「では、これはどうだ? 没落した地方貴族の遺品だと聞いたが、石の色が気に入らなくてな。ゴミなら今すぐこの窓から捨てるつもりだ。」
リヒトはその指輪を手に取り、ルーペで石の奥を覗き込んだ。その瞬間、リヒトの瞳に微かな熱が宿った。
「……これは。閣下、本気で言っていますか?」
「ゴミだろう? そこの小汚いガキにでもくれてやればいい。」
「いいえ。これは『青い涙』と呼ばれる、失われた鉱山のサファイアです。石自体の美しさもさることながら、この裏面……。ここには、かつての王妃が幼くして別れた王子へ宛てた、秘匿の刻印が刻まれています。」
リヒトの言葉に、店内がしんと静まり返った。アルヴァス公爵の瞳から、それまでの不遜な色が消え、冷徹な「同志」の輝きが現れた。
「……ほう。あの『青い涙』か。あれには、死者に安らぎを与えるという言い伝えがあったはずだが。……この店には似合わぬ代物だな。」
「価値を判らぬ者の手に渡るよりは、この棚の隅で埃を被っている方が、指輪にとっても幸せでしょう。」
公爵は、リヒトと数秒間、言葉を介さぬ視線の交換を行った後、再び傲慢な貴族の仮面を被った。
「……気に入らんな。鑑定料だ。そのゴミのような指輪は、好きにしろ。雨が上がったようだ、私は帰る。」
公爵は一度もカイトを見ることなく、馬車へと戻っていった。
馬車が去った後、カイトが詰め寄ってきた。
「おい、リヒトさん! 今の、本当かよ!? あの指輪、王妃様が王子に贈ったものだって……」
「ええ。ですが、世間的にはただの古い指輪です。……カイトくん、今日はお疲れ様。雨も止みましたし、そろそろ孤児院の門限ではありませんか?」
リヒトは、カウンターの上に置かれた指輪をそっと握りしめた。 それは、十年前の火災で、自分が母から受け取るはずだった……しかし、届かなかったはずの形見だった。
(アルヴァス……。相変わらず、贈り物のやり方が不器用ですね。)
「……変な一日だったな。」 カイトは不思議そうに首を傾げながらも、リヒトから渡された「余ったパン」を抱えて店を飛び出していった。
王都の空には、雨上がりの冷たい星が輝き始めていた。リヒトは一人、店の明かりを消し、闇の中でサファイアの青い輝きを見つめていた。
王都の片隅にあるとある雑貨店の扉が勢いよく開き、ずぶ濡れのカイトが飛び込んできた。
「……クソ、最悪だ! びしょ濡れじゃねえか!」
カイトは文句を言いながら、首に巻いたボロボロの手拭いで髪を拭う。彼は昨夜、店で食事を終えた後、「帰る場所があるんだ」と言ってスラム街の方へと消えていった。リヒトは、彼がそこの孤児院で年下の子供たちの面倒を見ていることを、彼の衣類に残った安い石鹸の匂いと、自分は食べずにパンを隠し持った手つきから既に把握していた。
「おかえりなさい、カイトくん。タオルはそこの棚にありますよ。」
「『おかえり』じゃねえよ。……ほら、これ。今日の分の『食事代』だ。」
カイトがカウンターに置いたのは、雨に濡れた銅貨だった。
「道端で運搬の手伝いをして稼いだ。……盗みは休業中だ。あんたに借りを返さなきゃならねえからな。」
リヒトは銅貨を手に取ることなく、穏やかに微笑んだ。
「感心ですね。では、その熱心な仕事ぶりに免じて、温かい飲み物を用意しましょう。」
平和な、いつも通りの光景。だが、その平穏は、店の前に止まった一台の豪華な馬車の音によって破られた。
雨音を切り裂くようにして、漆黒の外套を纏った男が店に入ってくる。整えられた顎髭、冷徹なまでに理知的な瞳。そして、立っているだけで周囲の空気が張り詰めるような、圧倒的な貴族の風格。
現れたのは、最も古くから王家に忠誠を尽くしている一族、アルヴァス公爵であった。
「……酷い雨だな。こんな掃き溜めのような店で雨宿りをする羽目になるとは、運がない。」
公爵は、入り口で立ち尽くすカイトをゴミを見るような目で見つめると、手袋を脱ぎ捨ててカウンターへと歩み寄った。
「なんだよ、このおっさん……。貴族様がこんな店に何の用だ?」
カイトが不機嫌そうに身構える。カイトにとって、貴族は孤児院から土地を奪おうとしたり、自分たちを人間扱いしない「敵」の象徴だ。
「カイトくん、失礼ですよ。こちらは当店の数少ない上顧客、アルヴァス公爵閣下です。」
リヒトが宥めるように言うが、公爵はフンと鼻を鳴らした。
「リヒト殿。相変わらず、拾い物の趣味が悪い。こんな野良犬を店に入れているとは、店主の正気を疑うぞ。」
「野良犬だと!? この髭野郎……!」
「やめなさい、カイトくん。」
リヒトの制止に、カイトは奥の棚の整理へと追いやられたが、その目には明らかな敵意が灯っている。
公爵は何もなかったかのようにリヒトに向き直ると、仰々しく、布に包まれた大きな「塊」をカウンターに置いた。
「鑑定を頼みたい。先日のオークションで競り落とした『伝説の英雄の盾』だ。歴史的な価値を含め、我が家の宝物庫に加えるに相応しいかどうかをな。」
リヒトは、その塊を覆う布をゆっくりと解いた。
現れたのは、重厚な鉄製の盾だった。中央には古王国の紋章が刻まれ、戦場を潜り抜けたことを示す生々しい剣傷がいくつもついている。
カイトは遠巻きにそれを眺めながら、思わず息を呑んだ。 (あれが、英雄の盾……。あんなのが一つあれば、孤児院の飯を十年分は買えるんじゃねえか?)
だが、リヒトは盾に触れることさえせず、ため息を漏らした。
「……閣下。また『時計の針(クロック)』を止めるような、退屈な嫌がらせですか?」
リヒトがわざと混ぜ込んだ隠語に、公爵の口角が、わずかに吊り上がる。
「何のことかな?」
「この盾、確かに材質は古王国のものと同じ鋼です。ですが、中央の紋章の刻み込みが深すぎる。当時の鍛冶技術では、これほどの精密な彫刻を鋼に施すことは不可能です。……これは、後世の熱狂的な愛好家が作った『最高級のレプリカ』ですよ。市場価値は、あなたが支払った額の百分の一もありません。」
「な……っ!」 カイトが驚いて声を上げる。
「さすがだな。……だが、これだけではない。」
公爵は動じず、懐から古びた小さな「指輪」を取り出した。
「では、これはどうだ? 没落した地方貴族の遺品だと聞いたが、石の色が気に入らなくてな。ゴミなら今すぐこの窓から捨てるつもりだ。」
リヒトはその指輪を手に取り、ルーペで石の奥を覗き込んだ。その瞬間、リヒトの瞳に微かな熱が宿った。
「……これは。閣下、本気で言っていますか?」
「ゴミだろう? そこの小汚いガキにでもくれてやればいい。」
「いいえ。これは『青い涙』と呼ばれる、失われた鉱山のサファイアです。石自体の美しさもさることながら、この裏面……。ここには、かつての王妃が幼くして別れた王子へ宛てた、秘匿の刻印が刻まれています。」
リヒトの言葉に、店内がしんと静まり返った。アルヴァス公爵の瞳から、それまでの不遜な色が消え、冷徹な「同志」の輝きが現れた。
「……ほう。あの『青い涙』か。あれには、死者に安らぎを与えるという言い伝えがあったはずだが。……この店には似合わぬ代物だな。」
「価値を判らぬ者の手に渡るよりは、この棚の隅で埃を被っている方が、指輪にとっても幸せでしょう。」
公爵は、リヒトと数秒間、言葉を介さぬ視線の交換を行った後、再び傲慢な貴族の仮面を被った。
「……気に入らんな。鑑定料だ。そのゴミのような指輪は、好きにしろ。雨が上がったようだ、私は帰る。」
公爵は一度もカイトを見ることなく、馬車へと戻っていった。
馬車が去った後、カイトが詰め寄ってきた。
「おい、リヒトさん! 今の、本当かよ!? あの指輪、王妃様が王子に贈ったものだって……」
「ええ。ですが、世間的にはただの古い指輪です。……カイトくん、今日はお疲れ様。雨も止みましたし、そろそろ孤児院の門限ではありませんか?」
リヒトは、カウンターの上に置かれた指輪をそっと握りしめた。 それは、十年前の火災で、自分が母から受け取るはずだった……しかし、届かなかったはずの形見だった。
(アルヴァス……。相変わらず、贈り物のやり方が不器用ですね。)
「……変な一日だったな。」 カイトは不思議そうに首を傾げながらも、リヒトから渡された「余ったパン」を抱えて店を飛び出していった。
王都の空には、雨上がりの冷たい星が輝き始めていた。リヒトは一人、店の明かりを消し、闇の中でサファイアの青い輝きを見つめていた。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
【完結済】獅子姫と七人の騎士〜婚約破棄のうえ追放された公爵令嬢は戦場でも社交界でも無双するが恋愛には鈍感な件〜
鈴木 桜
恋愛
強く賢く、美しい。絵に描いたように完璧な公爵令嬢は、婚約者の王太子によって追放されてしまいます。
しかし……
「誰にも踏み躙られない。誰にも蔑ろにされない。私は、私として尊重されて生きたい」
追放されたが故に、彼女は最強の令嬢に成長していくのです。
さて。この最強の公爵令嬢には一つだけ欠点がありました。
それが『恋愛には鈍感である』ということ。
彼女に思いを寄せる男たちのアプローチを、ことごとくスルーして……。
一癖も二癖もある七人の騎士たちの、必死のアプローチの行方は……?
追放された『哀れな公爵令嬢』は、いかにして『帝国の英雄』にまで上り詰めるのか……?
どんなアプローチも全く効果なし!鈍感だけど最強の令嬢と騎士たちの英雄譚!
どうぞ、お楽しみください!
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!
ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」
特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18)
最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。
そしてカルミアの口が動く。
「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」
オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。
「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」
この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。
私、今から婚約破棄されるらしいですよ!舞踏会で噂の的です
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
デビュタント以来久しぶりに舞踏会に参加しています。久しぶりだからか私の顔を知っている方は少ないようです。何故なら、今から私が婚約破棄されるとの噂で持ちきりなんです。
私は婚約破棄大歓迎です、でも不利になるのはいただけませんわ。婚約破棄の流れは皆様が教えてくれたし、さて、どうしましょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる