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第二章 初学院編
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少し時間がたち、各自の交流がスタートしたところで俺は「外の空気を吸いに行く」と言って少し席を外した。少々息抜きをしたかった。
このレストランには薔薇が見事な中庭があるようなのでそこに行くことにした。本日の主役が長時間席を外すのは流石にまずいので、十分ほどで戻ろうと思う。
中庭に出ると薔薇の心地いい香りが漂ってきた。あれ、薔薇ってこんなにも色の種類があったっけ? 赤やピンクはわかるけど、青やオレンジ、緑といった薔薇がある。俺の知識がないだけで前世にもあるかもしれない。
「おい、さっきはよくもやってくれたな。まさか、わざとやったわけではないだろうな?」
声のした方を見ると、不貞腐れたような顔をしたキルが立っていた。こういう表情は初めて見るので少しうれしい。まあ、本人はそういう気分ではないみたいけど………
「えーと、わざとではないよ。事実を述べて大丈夫そうだなと判断した結果、あのようになってしまったわけでその………。すみませんでした。」
「………まあ、わざとでないないら許してやる。」
キルはそういうと、俺の近くまでゆっくりと歩いてきた。そうだ、いいタイミングだし昨日の件を話してしまおう。それから俺は昨日の件は、国王陛下とキルの関係をアルベルト殿下たちに確認したものだということを話した。
「そうか、気になっていたのは父上のことだったんだな。まあ誰も話題にしなかったから、気になったのも仕方がない。俺が話さなかったのはあれだ………少し言いづらかったというか照れ臭かったとかそういう理由だ。」
キルはそういうと、しゃがみこんでしまった。キルのこういうところって、すごくかわいらしいと思う。まあ、本人には口が裂けても言えないけど。今なら撫でてもいいかな………。
俺はゆっくりとキルの頭に手を置いてみた。キルは一瞬驚いたようだったけど、俺の好きにさせてくれるようだった。すぐに腕を掴まれるかと思っていたから少し意外だった。だけど好きにさせてくれるなら、少しそれに甘えようかな………。
それから少しの間キルの頭を撫でた。なんかこう、頭をなでていると失礼な話だけど昔飼っていたワンちゃんを思い出してしまう。
「………アースは人の頭をなでるのが好きなのか?」
少しの間頭を撫でられ続けていたキルが口を開いた。特に撫でることが好きとかそういうのではないと思うけど………キルに触れられるなら何でも嬉しいかな。だけど、動物と触れ合うのも好きだから総じていえば好きなのかもしれないな。
「えーと、そうだね………。意外にも好きなのかもしれない。ジールとかは喜んでくれそうだよね。」
「………最近ジールと仲いいよな。」
「ジールはいい人すぎるからね。一緒にいて心地いいかな。もちろんローウェルとキースもいい人たちだよね。」
「ああ、そうだな。あいつらは俺にはもったいないくらいの人材だ。もちろんお前もな、アース。」
お、突然褒められたみたいだ。これは素直にうれしい。ただ俺にとってキルは、俺にはもったいないくらいの主だよ。
「ありがとうございます、キルヴェスター殿下。」
俺がそういうと、キルは俺の腕をつかんで立ち上がった。そろそろ頭なでなでタイムは終わりのようだ。
「1つ言いたいことがあるんだが、むやみやたらに人の頭を撫でまわしたり、人目があるところで寝たりするな。………撫でたいなら俺の頭を貸してやるから。」
一つ目はわかるけど、二つ目はいったいどういうことだろうか? 人目があるところで寝ると………。
もしかして、初学院には学院で寝てはいけないという規則があるとか、人前で寝ると不真面目な生徒という印象を与えてしまうというところだろうか?
うん? さりげなくキルの頭をなでる権利を得ることができたよな? いいのか、本当にいいのか?
「二つ目は、不真面目な生徒と受け取られてしまうということ?」
「………まあ、そんなところだ。」
「わかった、そうするよ。あと、本当に撫でてもいいの? 頭を触られることがあんまり好きではない人も多いから、もしそうなら無理しなくて大丈夫だよ。」
「無理なんかしてないさ。構わないが、人前ではするなよ。」
もちろんそれは心得ている。人前で殿下が頭をなでられていたら問題だからな。それに俺とキルがそういう関係だと周りに誤解をあたえてしまう恐れがある。それだけは避けないと………。
「もちろん、わかっているよ。じゃあ、そろそろ戻ろうか。」
「いや、少し話があるんだ。いいか?」
話? さっきのキルヴェスター殿下野生児事件のことを注意しに来たのかと思ったけど、別に話があったみたいだ。俺はもちろん頷いて話の先を促した。
「………時間のある時でいいから、俺と一緒に母上のお墓に行ってほしい。今まではアースも想像できると思うが、母上に顔向けなんかできないと避けてきたが、今は母上に挨拶したいと思っている。この二年の間に行くことも考えたが、やはり最初に行くなら俺に本当の母上の思いを気付かせてくれたアースと行くのが筋だと思った。だから、一緒に行ってくれないか?」
うれしい………。そんな大事なことに、俺を連れて行ってくれるなんて………。俺でいいなら、もちろん同行するよ。
「………わかった。キルの大事な一歩に立ち会う機会をくれてありがとう。俺でよければ、喜んで同行するよ。」
すると、キルが今まで見たことのないような満面の笑みを見せた。これまで様々なキルの笑顔を見てきたけど、こんなに心に残るような笑顔を持ち合わせていたのか………。
こんな笑顔を見せられたら、俺はもうキルから離れられなくなっちゃうよ………。俺はその場にしゃがみこんで顔のほてりを冷ますことに集中した。
キルはすぐに俺の心配をして肩をゆすったり、顔を覗き込んで来ようとしたりと、俺にさらに追い打ちをかけてきた。
このレストランには薔薇が見事な中庭があるようなのでそこに行くことにした。本日の主役が長時間席を外すのは流石にまずいので、十分ほどで戻ろうと思う。
中庭に出ると薔薇の心地いい香りが漂ってきた。あれ、薔薇ってこんなにも色の種類があったっけ? 赤やピンクはわかるけど、青やオレンジ、緑といった薔薇がある。俺の知識がないだけで前世にもあるかもしれない。
「おい、さっきはよくもやってくれたな。まさか、わざとやったわけではないだろうな?」
声のした方を見ると、不貞腐れたような顔をしたキルが立っていた。こういう表情は初めて見るので少しうれしい。まあ、本人はそういう気分ではないみたいけど………
「えーと、わざとではないよ。事実を述べて大丈夫そうだなと判断した結果、あのようになってしまったわけでその………。すみませんでした。」
「………まあ、わざとでないないら許してやる。」
キルはそういうと、俺の近くまでゆっくりと歩いてきた。そうだ、いいタイミングだし昨日の件を話してしまおう。それから俺は昨日の件は、国王陛下とキルの関係をアルベルト殿下たちに確認したものだということを話した。
「そうか、気になっていたのは父上のことだったんだな。まあ誰も話題にしなかったから、気になったのも仕方がない。俺が話さなかったのはあれだ………少し言いづらかったというか照れ臭かったとかそういう理由だ。」
キルはそういうと、しゃがみこんでしまった。キルのこういうところって、すごくかわいらしいと思う。まあ、本人には口が裂けても言えないけど。今なら撫でてもいいかな………。
俺はゆっくりとキルの頭に手を置いてみた。キルは一瞬驚いたようだったけど、俺の好きにさせてくれるようだった。すぐに腕を掴まれるかと思っていたから少し意外だった。だけど好きにさせてくれるなら、少しそれに甘えようかな………。
それから少しの間キルの頭を撫でた。なんかこう、頭をなでていると失礼な話だけど昔飼っていたワンちゃんを思い出してしまう。
「………アースは人の頭をなでるのが好きなのか?」
少しの間頭を撫でられ続けていたキルが口を開いた。特に撫でることが好きとかそういうのではないと思うけど………キルに触れられるなら何でも嬉しいかな。だけど、動物と触れ合うのも好きだから総じていえば好きなのかもしれないな。
「えーと、そうだね………。意外にも好きなのかもしれない。ジールとかは喜んでくれそうだよね。」
「………最近ジールと仲いいよな。」
「ジールはいい人すぎるからね。一緒にいて心地いいかな。もちろんローウェルとキースもいい人たちだよね。」
「ああ、そうだな。あいつらは俺にはもったいないくらいの人材だ。もちろんお前もな、アース。」
お、突然褒められたみたいだ。これは素直にうれしい。ただ俺にとってキルは、俺にはもったいないくらいの主だよ。
「ありがとうございます、キルヴェスター殿下。」
俺がそういうと、キルは俺の腕をつかんで立ち上がった。そろそろ頭なでなでタイムは終わりのようだ。
「1つ言いたいことがあるんだが、むやみやたらに人の頭を撫でまわしたり、人目があるところで寝たりするな。………撫でたいなら俺の頭を貸してやるから。」
一つ目はわかるけど、二つ目はいったいどういうことだろうか? 人目があるところで寝ると………。
もしかして、初学院には学院で寝てはいけないという規則があるとか、人前で寝ると不真面目な生徒という印象を与えてしまうというところだろうか?
うん? さりげなくキルの頭をなでる権利を得ることができたよな? いいのか、本当にいいのか?
「二つ目は、不真面目な生徒と受け取られてしまうということ?」
「………まあ、そんなところだ。」
「わかった、そうするよ。あと、本当に撫でてもいいの? 頭を触られることがあんまり好きではない人も多いから、もしそうなら無理しなくて大丈夫だよ。」
「無理なんかしてないさ。構わないが、人前ではするなよ。」
もちろんそれは心得ている。人前で殿下が頭をなでられていたら問題だからな。それに俺とキルがそういう関係だと周りに誤解をあたえてしまう恐れがある。それだけは避けないと………。
「もちろん、わかっているよ。じゃあ、そろそろ戻ろうか。」
「いや、少し話があるんだ。いいか?」
話? さっきのキルヴェスター殿下野生児事件のことを注意しに来たのかと思ったけど、別に話があったみたいだ。俺はもちろん頷いて話の先を促した。
「………時間のある時でいいから、俺と一緒に母上のお墓に行ってほしい。今まではアースも想像できると思うが、母上に顔向けなんかできないと避けてきたが、今は母上に挨拶したいと思っている。この二年の間に行くことも考えたが、やはり最初に行くなら俺に本当の母上の思いを気付かせてくれたアースと行くのが筋だと思った。だから、一緒に行ってくれないか?」
うれしい………。そんな大事なことに、俺を連れて行ってくれるなんて………。俺でいいなら、もちろん同行するよ。
「………わかった。キルの大事な一歩に立ち会う機会をくれてありがとう。俺でよければ、喜んで同行するよ。」
すると、キルが今まで見たことのないような満面の笑みを見せた。これまで様々なキルの笑顔を見てきたけど、こんなに心に残るような笑顔を持ち合わせていたのか………。
こんな笑顔を見せられたら、俺はもうキルから離れられなくなっちゃうよ………。俺はその場にしゃがみこんで顔のほてりを冷ますことに集中した。
キルはすぐに俺の心配をして肩をゆすったり、顔を覗き込んで来ようとしたりと、俺にさらに追い打ちをかけてきた。
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