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悪事を働く聖騎士をざまぁした俺が進む道
聖騎士ざまぁ
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1つ、今の状況を必ず、改善できるわけではないこと。
2つ、ラスシアの病気が治った際には、相応の金銭対価を支払うこと。
3つ、ラスシアの病気が直る、直らないに関わらずマルクス・メイホールを俺の今座る椅子に座らせること。
1つ目の約束は失敗したときに俺は責任を取りませんよと約束させる為のものだったが、ラスシアが目覚めたことによって約束の効力はほぼないと言ってもいい。
これからフレシアに守ってほしい約束は2つ目と3つ目だ。
「ラスシアの病気を直すのは、たくさんのお金が必要だと思い…貯めておいたお金です。好きなだけお持ちください」
「これ全部?貯めるの大変だったろ」
「妹の為ですから…」
俺の両親が教会に献金した総額の15倍は超えている貯金額に慄けば、フレシアは遠い目をして疲れたように笑った。
柄の悪い聖騎士に身体で支払うと言っていた辺り、フレシアが生きてきた7年間はどんなに消したくても、消せない黒歴史になるのだろう。
それとも、妹の病気を直すため、勇気を出して戦った称賛の時間になるかは、俺にはわからないが。
「今後の生活もあるだろうし、金銭は三分の一でいい」
「でも、私。このお金は全部妹の病気を直すために使用しようって思っていたんです。だからーー」
「こんな大金を全額…受け取れないよ。無駄遣いしないで済んだとでも思って、残りのお金はこのまま貯金しとけばいいんだ。わかったか?」
「…お兄さん、お父さんみたいです」
お父さん、と来たか。
お兄さんから退化している。
スピカは対価として貯金額のすべてを根こそぎ奪えばいいのにと不貞腐れているようだったが、これから聖騎士を処刑するなら、金銭はいくらでも手に入る。
当面の生活費さえあれば、今はそれで構わない。貯金額すべて奪うなど。
それは教会のやり方だ。
俺の本意ではない。
「現金がいいですよね…?」
「そうだな。即金150万。銀行の窓口で降ろそうにも、理由がないと疑われるだろ。そこで、3つ目の約束と関連付けて、ある噂をでっち上げたい」
「噂、ですか…?」
「そう。噂だ。ラスシアは持病で亡くなったので、葬儀代が必要になったと説明してお金を引き出す。聖騎士には7年も魔力譲渡を提供する仲だったんだからと泣きついて、葬儀に参列させるんだ。参列しようと出てきた所を、フレシアがこの椅子に座らせれば、三つの約束は果たされる。簡単だろ?」
「ラスシアが亡くなったって…嘘をついて…?ラスシアは生きているのに…」
「24時間仮死状態だった、お騒がせして申し訳ございませんとでも言えばいい。庭での火葬なら、それほど大きな問題にはならないはずだ。人が一人消えるだけで、あとは全員ハッピーエンド」
うまく行けばの話だが。
こんな簡単に話が進めば誰も苦労しないんだよなぁ。
聖騎士がどんな性格しているかわからないのに、「ラスシアが死んだ。葬儀に来い」と泣き落とせと迫るのは心が痛む。
フレシアは「わかりました」と頷き、見事約束の現金を引き出し、聖騎士を処刑椅子へ座らせることに成功した。
「ちょっと待って。今、お茶を用意してくる」
「はあ?茶なんざいらねーだろ、頭おかしいのかてめえは」
フレシアが部屋を出た瞬間を見計らい、スピカに合図を送る。
「捕まえた」ーーその声は恐らく聖騎士には届いていないであろうが、木製椅子の足から伸びてきた触手が手足を拘束したことに気づいた聖騎士は、その木製椅子がどの用途で利用される椅子であるかと言うことに気づいた。
「なっ、処刑椅子だと!?誰がこんなもん用意した!これの執行権は、上層部にしか…!」
「ーーマルクス・メイホール」
「あぁ!?誰だ!」
「処刑椅子の執行権を持つ15人の聖騎士が一人。生まれつき魔力濃度が高いせいで、魔力譲渡すると、魔力保管の持つ女が魔力中毒を起こすと知りながら、フレシアに懇願されるがままラスシアへ魔力を注ぎ込んだな?」
「てめえに関係あんのかよ!?」
「聖騎士って職業は都合がよかったんだろ。それだけ魔力濃度が高ければ、魔力の波長が合う女以外は2、3回魔力譲渡を受ければ死に至る。ドサクサに紛れて性的興奮を得るため何人の女を殺した?」
「殺したやつの中に恋人がいたってオチか?知らねえ、覚えてねえ!」
「わかった。スピカ、どうだ?」
「48人殺した重罪人。スピカ、待ち切れない。じゅるり」
「48人か…。この椅子に座らせて、処刑を執行した数を除いてその数なんだ。生きているだけでかなりの重罪人だよな」
「や、やめ…!」
「じゃあ、お疲れ」
「ぐっ…!んんん!んぅううう!」
叫ばれると面倒だとスピカも認識していたのだろう。
賢い精霊だ。真っ先に木製椅子の四足から蔦や木々の触手を伸ばし聖騎士の口を塞ぐと、器用に正装を脱がし、パサパサと乱雑に制服を剥がしていく。
俺はその乱雑に床に投げ捨てられた制服を回収し聖騎士とスピカの処刑椅子から離れた所で、聖騎士の最後を見守ることにした。
ーー俺も、こんな風に死んでいたんだよな。
スピカが処刑椅子として殺人を犯す姿を見るのも、そろそろ片手では足りなくなってきた。
スピカはウネウネと蔦を動かすと、下着姿を無惨にも晒す聖騎士の首元から魔石を抉り出し、こちらに投げて寄越す。べったりと付着するはずの血はすでに吸い取られた後らしく、キラキラと魔石が俺の手元で輝いている。
魔石は人間にとって第二の心臓だ。たとえ心臓を貫かれても、十分な魔力が蓄積された魔石が体内に残っていれば、心臓は再生する。魔石を持つ人間を殺害するには、魔石の破壊、及び身体に埋め込まれた魔石を抉り取った上で急所である心臓を一突きする必要があるのだ。
手慣れた手付きで身体の隅々を食らうスピカは、聖騎士の死体をすべて食らい尽くすと、木製椅子から人間の姿で顕現しーー満足そうに、瞳を輝かせた。
2つ、ラスシアの病気が治った際には、相応の金銭対価を支払うこと。
3つ、ラスシアの病気が直る、直らないに関わらずマルクス・メイホールを俺の今座る椅子に座らせること。
1つ目の約束は失敗したときに俺は責任を取りませんよと約束させる為のものだったが、ラスシアが目覚めたことによって約束の効力はほぼないと言ってもいい。
これからフレシアに守ってほしい約束は2つ目と3つ目だ。
「ラスシアの病気を直すのは、たくさんのお金が必要だと思い…貯めておいたお金です。好きなだけお持ちください」
「これ全部?貯めるの大変だったろ」
「妹の為ですから…」
俺の両親が教会に献金した総額の15倍は超えている貯金額に慄けば、フレシアは遠い目をして疲れたように笑った。
柄の悪い聖騎士に身体で支払うと言っていた辺り、フレシアが生きてきた7年間はどんなに消したくても、消せない黒歴史になるのだろう。
それとも、妹の病気を直すため、勇気を出して戦った称賛の時間になるかは、俺にはわからないが。
「今後の生活もあるだろうし、金銭は三分の一でいい」
「でも、私。このお金は全部妹の病気を直すために使用しようって思っていたんです。だからーー」
「こんな大金を全額…受け取れないよ。無駄遣いしないで済んだとでも思って、残りのお金はこのまま貯金しとけばいいんだ。わかったか?」
「…お兄さん、お父さんみたいです」
お父さん、と来たか。
お兄さんから退化している。
スピカは対価として貯金額のすべてを根こそぎ奪えばいいのにと不貞腐れているようだったが、これから聖騎士を処刑するなら、金銭はいくらでも手に入る。
当面の生活費さえあれば、今はそれで構わない。貯金額すべて奪うなど。
それは教会のやり方だ。
俺の本意ではない。
「現金がいいですよね…?」
「そうだな。即金150万。銀行の窓口で降ろそうにも、理由がないと疑われるだろ。そこで、3つ目の約束と関連付けて、ある噂をでっち上げたい」
「噂、ですか…?」
「そう。噂だ。ラスシアは持病で亡くなったので、葬儀代が必要になったと説明してお金を引き出す。聖騎士には7年も魔力譲渡を提供する仲だったんだからと泣きついて、葬儀に参列させるんだ。参列しようと出てきた所を、フレシアがこの椅子に座らせれば、三つの約束は果たされる。簡単だろ?」
「ラスシアが亡くなったって…嘘をついて…?ラスシアは生きているのに…」
「24時間仮死状態だった、お騒がせして申し訳ございませんとでも言えばいい。庭での火葬なら、それほど大きな問題にはならないはずだ。人が一人消えるだけで、あとは全員ハッピーエンド」
うまく行けばの話だが。
こんな簡単に話が進めば誰も苦労しないんだよなぁ。
聖騎士がどんな性格しているかわからないのに、「ラスシアが死んだ。葬儀に来い」と泣き落とせと迫るのは心が痛む。
フレシアは「わかりました」と頷き、見事約束の現金を引き出し、聖騎士を処刑椅子へ座らせることに成功した。
「ちょっと待って。今、お茶を用意してくる」
「はあ?茶なんざいらねーだろ、頭おかしいのかてめえは」
フレシアが部屋を出た瞬間を見計らい、スピカに合図を送る。
「捕まえた」ーーその声は恐らく聖騎士には届いていないであろうが、木製椅子の足から伸びてきた触手が手足を拘束したことに気づいた聖騎士は、その木製椅子がどの用途で利用される椅子であるかと言うことに気づいた。
「なっ、処刑椅子だと!?誰がこんなもん用意した!これの執行権は、上層部にしか…!」
「ーーマルクス・メイホール」
「あぁ!?誰だ!」
「処刑椅子の執行権を持つ15人の聖騎士が一人。生まれつき魔力濃度が高いせいで、魔力譲渡すると、魔力保管の持つ女が魔力中毒を起こすと知りながら、フレシアに懇願されるがままラスシアへ魔力を注ぎ込んだな?」
「てめえに関係あんのかよ!?」
「聖騎士って職業は都合がよかったんだろ。それだけ魔力濃度が高ければ、魔力の波長が合う女以外は2、3回魔力譲渡を受ければ死に至る。ドサクサに紛れて性的興奮を得るため何人の女を殺した?」
「殺したやつの中に恋人がいたってオチか?知らねえ、覚えてねえ!」
「わかった。スピカ、どうだ?」
「48人殺した重罪人。スピカ、待ち切れない。じゅるり」
「48人か…。この椅子に座らせて、処刑を執行した数を除いてその数なんだ。生きているだけでかなりの重罪人だよな」
「や、やめ…!」
「じゃあ、お疲れ」
「ぐっ…!んんん!んぅううう!」
叫ばれると面倒だとスピカも認識していたのだろう。
賢い精霊だ。真っ先に木製椅子の四足から蔦や木々の触手を伸ばし聖騎士の口を塞ぐと、器用に正装を脱がし、パサパサと乱雑に制服を剥がしていく。
俺はその乱雑に床に投げ捨てられた制服を回収し聖騎士とスピカの処刑椅子から離れた所で、聖騎士の最後を見守ることにした。
ーー俺も、こんな風に死んでいたんだよな。
スピカが処刑椅子として殺人を犯す姿を見るのも、そろそろ片手では足りなくなってきた。
スピカはウネウネと蔦を動かすと、下着姿を無惨にも晒す聖騎士の首元から魔石を抉り出し、こちらに投げて寄越す。べったりと付着するはずの血はすでに吸い取られた後らしく、キラキラと魔石が俺の手元で輝いている。
魔石は人間にとって第二の心臓だ。たとえ心臓を貫かれても、十分な魔力が蓄積された魔石が体内に残っていれば、心臓は再生する。魔石を持つ人間を殺害するには、魔石の破壊、及び身体に埋め込まれた魔石を抉り取った上で急所である心臓を一突きする必要があるのだ。
手慣れた手付きで身体の隅々を食らうスピカは、聖騎士の死体をすべて食らい尽くすと、木製椅子から人間の姿で顕現しーー満足そうに、瞳を輝かせた。
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