26 / 63
許嫁と過ごす日々
※味見
しおりを挟む
「真面目で業務態度が模範的な副操縦士であることは認めるが、優しくはないぞ」
「弱みにつけ込むのが得意だって、知りたくなかったわ」
「幻滅したか」
「そうね。とても」
この場でしてないわと素直な気持ちを打ち明けたら、本音を告げた意味がない。
だからこそ。
心にもない言葉を、告げたのだけれど――どうやらそれが、押し留めていた理性の引き金を引いてしまったみたいなのよね……。
航晴は勢いよく、こちらに手を伸ばした。
――あ、やばい。
身の危険を感じた時には、両肩を掴まれてソファーの上に押し倒されたあとだった。
私はじっと、彼を見つめる。
航晴は口をへの字に曲げて、こちらを見下していた。
「俺たちは許嫁だ。交際はしていないが、最初から結婚前提の付き合いだからな。次のステップに進んでも、許されると思うのだが……」
「大事なことを、忘れていないかしら。あなたにとっては長年手を出したくて仕方ない許嫁だとしても、私にとっては存在を認識してから三日しか経っていないのよ。人となりを理解できてすらいない人に、二度も身体を許すと思う?」
「……両親の愛し合う姿を見たくないから、俺を頼ってきたのではないのか」
「それは、そうだけど」
「天倉の家に居づらいと感じたならば、俺と肌を重ね合わせるのも悪くはない選択肢だという意味だ。無理強いはしない」
彼は私に、選択を迫ってきた。
このまま何事もなかったかのように天倉に戻るか。
肌を許してそのまま結婚をし、航晴に囚われるか――。
――後者はないわね。
少なくとも、現段階では。
航晴との結婚にメリットがあるとすれば、今のところは気になっていた人と添い遂げられる。その程度しかなかった。
私は代わりにキャリアを失い、彼との子どもを育て自由を奪われる。
彼に尽くす人生の始まりだ。
血の滲むような努力をして。
せっかく、CAになれたのに……。
志半ばでやっとの思いで手に入れた職を捨てるなど、冗談ではない。
その時がくるとしたら。
夢を捨てても構わないと思うほどに、狂おしいほど彼を求める時だけだわ。
「今日は、遠慮してくださる?」
不敵な笑みを浮かべて挑発してやれば、航晴はぐっと唇を噛み締めたまま固まってしまった。
彼だって、私と仲違いなんてしたくないでしょうし。
手を出すなど、絶対にあり得ないことだわ。
「わかった」
ゆっくりと身体を離して開放してくれるはずだと信じていた私は、完全に油断していた。
「最後まではしないが……」
最後まで?
一体なんの話だと、目を見開けば。
航晴は口元を緩め、Tシャツの裾からスルスルと大きくてゴツゴツとした手を差し込んできた。
「――味見くらいは、させてくれ」
「な……っ!?」
ご遠慮くださいの意味さえ理解できないほど、私としたいわけ!?
そんなの絶対あり得ないと、身を捩ったけれど……。
彼の指先が腹部をなぞりながら豊かな胸の膨らみに到達すれば。
私の意志に反して、身体は反応を示してしまう。
「……っ!?」
やだ……っ。
触られたくない、はずなのに……!
荒い息を吐き出しながら、熱っぽい瞳で彼を見つめてしまった。
「物欲しそうな目をしている」
「ち……っ! ちが……っ!」
「全身の力を抜け」
「ぁ……っ。そんなこと、言われたって……!」
こんなの、絶対おかしい。
いつかは一糸まとわぬ姿を航晴へ見せることになったとしても!
結婚する前から、こんなこと……っ。
何度も経験するなんて、あり得ないはずなのに……!
どうして私の身体は彼に触れられるたびに、航晴を求めて疼くの……!?
「そうか」
「ひ……っ」
彼の指先が、豊かな胸の膨らみを支えるブラジャーの上まで到着した。
感触を確かめるように優しくそこを包み込むように触れると、航晴は親指で豊かな果実の中央に位置する頂を弾く。
「ならば身体の力が抜けるように、サポートしなければ……」
「んん……っ!」
下着の上からでも秘所を弄られると、1度目に感じた時の快楽を思い出すせいか。身体は敏感に反応を示すもので……。
私は唇を噛み締めながら声を圧し殺すと、その指先から逃れようと身体を捩る。
けれどその動きが返って、胸元を弄ぶ彼の手に自らの豊かな膨らみを押しつけてしまっているようだ。
耐え難い快楽を得た私は全身を小刻みに震わせながら、航晴に懇願した。
「そこ! 駄目……っ!」
「もう、限界か」
小馬鹿したような発言に苛立ち、キツく睨みつけるが……。
すっかりその気の航晴には、猫に鋭利な爪で頬を引っかかれた程度の不快感しか与えられなかったのだろう。
「下着の上から触れただけで、すっかり蕩けきっているとは……」
「ひ……ぁ……っ!?」
「この先が、思いやられるな」
呆れたようにため息を溢した彼は、豊かな胸の膨らみを守る鎧を大きな手を使って強引に押し退け、直接触れてきた。
「弱みにつけ込むのが得意だって、知りたくなかったわ」
「幻滅したか」
「そうね。とても」
この場でしてないわと素直な気持ちを打ち明けたら、本音を告げた意味がない。
だからこそ。
心にもない言葉を、告げたのだけれど――どうやらそれが、押し留めていた理性の引き金を引いてしまったみたいなのよね……。
航晴は勢いよく、こちらに手を伸ばした。
――あ、やばい。
身の危険を感じた時には、両肩を掴まれてソファーの上に押し倒されたあとだった。
私はじっと、彼を見つめる。
航晴は口をへの字に曲げて、こちらを見下していた。
「俺たちは許嫁だ。交際はしていないが、最初から結婚前提の付き合いだからな。次のステップに進んでも、許されると思うのだが……」
「大事なことを、忘れていないかしら。あなたにとっては長年手を出したくて仕方ない許嫁だとしても、私にとっては存在を認識してから三日しか経っていないのよ。人となりを理解できてすらいない人に、二度も身体を許すと思う?」
「……両親の愛し合う姿を見たくないから、俺を頼ってきたのではないのか」
「それは、そうだけど」
「天倉の家に居づらいと感じたならば、俺と肌を重ね合わせるのも悪くはない選択肢だという意味だ。無理強いはしない」
彼は私に、選択を迫ってきた。
このまま何事もなかったかのように天倉に戻るか。
肌を許してそのまま結婚をし、航晴に囚われるか――。
――後者はないわね。
少なくとも、現段階では。
航晴との結婚にメリットがあるとすれば、今のところは気になっていた人と添い遂げられる。その程度しかなかった。
私は代わりにキャリアを失い、彼との子どもを育て自由を奪われる。
彼に尽くす人生の始まりだ。
血の滲むような努力をして。
せっかく、CAになれたのに……。
志半ばでやっとの思いで手に入れた職を捨てるなど、冗談ではない。
その時がくるとしたら。
夢を捨てても構わないと思うほどに、狂おしいほど彼を求める時だけだわ。
「今日は、遠慮してくださる?」
不敵な笑みを浮かべて挑発してやれば、航晴はぐっと唇を噛み締めたまま固まってしまった。
彼だって、私と仲違いなんてしたくないでしょうし。
手を出すなど、絶対にあり得ないことだわ。
「わかった」
ゆっくりと身体を離して開放してくれるはずだと信じていた私は、完全に油断していた。
「最後まではしないが……」
最後まで?
一体なんの話だと、目を見開けば。
航晴は口元を緩め、Tシャツの裾からスルスルと大きくてゴツゴツとした手を差し込んできた。
「――味見くらいは、させてくれ」
「な……っ!?」
ご遠慮くださいの意味さえ理解できないほど、私としたいわけ!?
そんなの絶対あり得ないと、身を捩ったけれど……。
彼の指先が腹部をなぞりながら豊かな胸の膨らみに到達すれば。
私の意志に反して、身体は反応を示してしまう。
「……っ!?」
やだ……っ。
触られたくない、はずなのに……!
荒い息を吐き出しながら、熱っぽい瞳で彼を見つめてしまった。
「物欲しそうな目をしている」
「ち……っ! ちが……っ!」
「全身の力を抜け」
「ぁ……っ。そんなこと、言われたって……!」
こんなの、絶対おかしい。
いつかは一糸まとわぬ姿を航晴へ見せることになったとしても!
結婚する前から、こんなこと……っ。
何度も経験するなんて、あり得ないはずなのに……!
どうして私の身体は彼に触れられるたびに、航晴を求めて疼くの……!?
「そうか」
「ひ……っ」
彼の指先が、豊かな胸の膨らみを支えるブラジャーの上まで到着した。
感触を確かめるように優しくそこを包み込むように触れると、航晴は親指で豊かな果実の中央に位置する頂を弾く。
「ならば身体の力が抜けるように、サポートしなければ……」
「んん……っ!」
下着の上からでも秘所を弄られると、1度目に感じた時の快楽を思い出すせいか。身体は敏感に反応を示すもので……。
私は唇を噛み締めながら声を圧し殺すと、その指先から逃れようと身体を捩る。
けれどその動きが返って、胸元を弄ぶ彼の手に自らの豊かな膨らみを押しつけてしまっているようだ。
耐え難い快楽を得た私は全身を小刻みに震わせながら、航晴に懇願した。
「そこ! 駄目……っ!」
「もう、限界か」
小馬鹿したような発言に苛立ち、キツく睨みつけるが……。
すっかりその気の航晴には、猫に鋭利な爪で頬を引っかかれた程度の不快感しか与えられなかったのだろう。
「下着の上から触れただけで、すっかり蕩けきっているとは……」
「ひ……ぁ……っ!?」
「この先が、思いやられるな」
呆れたようにため息を溢した彼は、豊かな胸の膨らみを守る鎧を大きな手を使って強引に押し退け、直接触れてきた。
2
あなたにおすすめの小説
ハイスペミュージシャンは女神(ミューズ)を手放さない!
汐瀬うに
恋愛
雫は失恋し、単身オーストリア旅行へ。そこで素性を隠した男:隆介と出会う。意気投合したふたりは数日を共にしたが、最終日、隆介は雫を残してひと足先にった。スマホのない雫に番号を書いたメモを残したが、それを別れの言葉だと思った雫は連絡せずに日本へ帰国。日本で再会したふたりの恋はすぐに再燃するが、そこには様々な障害が…
互いに惹かれ合う大人の溺愛×運命のラブストーリーです。
※ムーンライトノベルス・アルファポリス・Nola・Berry'scafeで同時掲載しています
お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
綾美は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、お見合いの代理出席をする為にホテルへ向かったのだが、そこにいたのは!?
堅物上司の不埒な激愛
結城由真《ガジュマル》
恋愛
望月かなめは、皆からオカンと呼ばれ慕われている人当たりが良い会社員。
恋愛は奥手で興味もなかったが、同じ部署の上司、鎌田課長のさり気ない優しさに一目ぼれ。
次第に鎌田課長に熱中するようになったかなめは、自分でも知らぬうちに小悪魔女子へと変貌していく。
しかし鎌田課長は堅物で、アプローチに全く動じなくて……
財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。
専務は御曹司の元上司。
その専務が社内政争に巻き込まれ退任。
菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。
居場所がなくなった彼女は退職を希望したが
支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。
ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に
海外にいたはずの御曹司が現れて?!
【完結】執着系御曹司との甘く切ない政略結婚 ー愛した人は姉の婚約者でしたー
波野雫
恋愛
波川音羽(なみかわ おとは)は、昔から優秀で美人の姉・一嘩(いちか)と比較されて育ってきた。
実家が営む和菓子屋『波川屋』の業績に陰りが見えはじめた頃、かつて祖父の代に援助をした小野寺(おのでら)コーポレーションから提携の打診を受ける。
それに伴い、小野寺の御曹司である碧斗(あおと)との縁談も持ち上がった。
相手は指定されておらず、姉妹のどちらかが嫁ぐことになる。
その話を受けたとき、すぐさま名乗りを上げたのは一嘩だった。
当初は美男美女でお似合いのふたりを祝福していた音羽だったが、碧斗の優しい気遣いに触れて、次第に心惹かれてしまう。
このままふたりの近くにいては苦しくなるばかりだと、音羽は単身でフランスへ渡る決意をした。
数年経ってもふたりが結婚しないことに疑念を抱いた音羽だったが、ある日突然、実家から帰国を命じられる。
いよいよそのときが来たのかと、覚悟を決めた音羽。
しかし両親に聞かされたのは姉たちの結婚ではなく、ふたりが婚約を破棄したという予想外の話だった。
両社は共同で多くの事業を立ち上げており、とん挫すればお互いに損失は免れない。
それを避けるために両家の縁を切るべきではないと、音羽は碧斗に請われて姉の代わりに結婚することになってしまう。
想いを打ち明けられないままはじまった新婚生活だったが、意外にも碧斗からは大切にされ、音羽は次第に彼に気を許していく。
碧斗に恋愛感情はなくとも、このまま穏やかな日々が続くのだろうと思っていた矢先、駆け落ちのようにしていなくなった姉がふたりの前に姿を現した。
*R回は予告なしに入ります。
*初投稿で不慣れですが、最後までお付き合いいただけるとうれいしです。
*すでに公開部分も、予告なしに編集をすることがあります。
最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
けいこ
恋愛
ホテルマンとして、大好きなあなたと毎日一緒に仕事が出来ることに幸せを感じていた。
あなたは、グレースホテル東京の総支配人。
今や、世界中に点在する最高級ホテルの創始者の孫。
つまりは、最高ランクの御曹司。
おまけに、容姿端麗、頭脳明晰。
総支配人と、同じホテルで働く地味で大人しめのコンシェルジュの私とは、明らかに身分違い。
私は、ただ、あなたを遠くから見つめているだけで良かったのに…
それなのに、突然、あなたから頼まれた偽装結婚の相手役。
こんな私に、どうしてそんなことを?
『なぜ普通以下なんて自分をさげすむんだ。一花は…そんなに可愛いのに…』
そう言って、私を抱きしめるのはなぜ?
告白されたわけじゃないのに、気がづけば一緒に住むことになって…
仕事では見ることが出来ない、私だけに向けられるその笑顔と優しさ、そして、あなたの甘い囁きに、毎日胸がキュンキュンしてしまう。
親友からのキツイ言葉に深く傷ついたり、ホテルに長期滞在しているお客様や、同僚からのアプローチにも翻弄されて…
私、一体、この先どうなっていくのかな?
この溺愛は契約外です~恋焦がれた外科医から愛し愛されるまで~
水羽 凛
恋愛
不幸な境遇を生きる健気な女性花名は母親の治療費と引き換えに外科医である純正の身の回りの世話をすることになる。恋心を隠せない花名に純正は……。
恋は秘密のその先に
葉月 まい
恋愛
秘書課の皆が逃げ出すほど冷血な副社長
仕方なく穴埋めを命じられ
副社長の秘書につくことになった
入社3年目の人事部のOL
やがて互いの秘密を知り
ますます相手と距離を置く
果たして秘密の真相は?
互いのピンチを救えるのか?
そして行き着く二人の関係は…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる