異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

文字の大きさ
83 / 241
第3章『双子の少女を救出する事にした』

気違いのお茶会と時間殺し

しおりを挟む
「砂糖はいくつ入れる?あれ?もしかしてミルク派かな?」
「そうだ!ちょうど新しいクッキーがあるんだ美味しいよ」
「新しい紅茶をこの前仕入れたんだ!飲むかい?」
マッドハッターは俺にどんどんお茶を勧めてきては新しい話題を繰り返す
まるで壊れたレコードのように……

そして、お茶会が始まってから二時間あまりが過ぎ、帰ろうとしたその時

「ちょっと…どこへ行くんだい?お茶会はまだまだ始まったばかりだよ?」
マッドハッターは俺の腕を掴み逃げられない様にする

「用事を思い出したんだ、悪いが後はお前らで茶会を続けてくれ」
俺は掴まれた腕に力を込めるが全く振り解けない

「ダメだよ…茶会に参加したなら終わるまでいなきゃ…ずーっとずっーと…ずっーとずっーと……」
マッドハッターの目付きが変わる

「それで?この茶会が終わるのは後どれくらいだよ…」

「終わり?そうだなぁ…この時計が七時を示したら終わりだよ…それまでこのお茶会はずっ~~~と続くんだ」
6時…
狂った帽子屋マッドハッター気違いのお茶会マッドティーパーティーか…

「しかし後一時間か…それくらいなら良いかな」
俺はイスに座り茶会の続きを始める
……とは言っても俺はお茶を飲んでない、既に五杯も飲んだのだ…飽きてくるぞ

またマッドハッターの話が始まる
三月うさぎに関してはマッドハッターの話に耳を傾ける様子は無く夢中でクッキーを貪っている



……おかしい
流石にもう一時間はとっくに越したはずだ
念の為に心の中で3600秒数えた…さらに言えばそれを既に三回は繰り返している
しかし…マッドハッターの懐中時計は短針どころか秒針で動いてないじゃないか!

「おい!いい加減にしろマッドハッター!俺は帰るぞ」
俺は席を立ち上がり森の方へ行こうとすると何か見えない壁に立ち塞がれて行けない

「もう出られないのさ、この茶会は来る者は拒まず去る者は許さずなのさ」
なんて理不尽なんだ

「悪いが俺はそんな事気にしないのでな…勝手に帰らせてもらうぜ?」
俺が考えるにこの壁は結界の様な物だろう
ならば…話は簡単…結界の壁を壊せば良い
未知の透明な壁ならいざ知らず…魔力で構成された結界の壁ならば問題ない

俺は右腕に魔力を溜め、一気に拳に乗せて撃ち込む
『龍撃拳』
本来は右腕に気を溜めて相手の骨を粉々に砕く技であるが
その『気』を『魔力』に変えるだけで魔法と魔法を反発させて脆くなった所を拳が崩すという技となった

しかし…見えない壁には当たらず拳を空を斬る
辺りに空気が舞う
マッドハッターは頭の帽子を必死に抑え、三月うさぎはクッキーが飛んでいかない様に覆い被さった

「ユート君凄いね!本当に壁を壊しちゃうかと思ったよ」
マッドハッターが俺に近づき熱い抱擁をする

「次!次頑張ろうかユート君!君の魔力が回復するまでお茶会を続けようか」
マッドハッターはそのまま俺を引きずってテーブルに座らせようとする

「ちょちょ…ちょっと待った!お前ってあれじゃないのか?『このお茶会を抜ける方法は死だけさ』とか言って襲いかかってくる場面だろ!どういう事だ!」
俺がそう言うとマッドハッターは涙ぐむ

「そうか…君も外から来た人なんだね…君もアンナちゃんの能力によって来たんだね」
『アンナ』…それがあの女の子の名前か

「私も昔々…はるか昔…あの女の子と相対してこの能力よって抜け出せなくなった」
マッドハッターは明後日の方向を見て微笑む

「は?じゃああの新しい人が来るのは150年ぶりって言うのは…」

「そうだよ、僕は150年前にこの世界に閉じ込められたのさ」
150年前…相当昔だ

「ん?と言うことは150年間ずっとこの茶会をしているのか!?」

「そうだね、でもまぁ…この姿のおかげで栄養失調になったりとかは大丈夫みたいだよ?」
マッドハッターはさっきまで涙ぐんでいたが急に笑いだす

「マッドハッター、この茶会は本当に七時になったら終わるんだな?」
早く話を進めよう
チェシャ猫の言う通りこいつといると気が滅入る

「ん?そう言えばチェシャ猫ってこの茶会に参加した事あるのか?」

「え?あるけど…それがどうかしたかい?」
「でも彼が抜ける時はいつも私の時計を盗んでその後森の方へ帰って行ったんだ、あっ!その後にちゃんと時計は返してもらったよ?」
こいつ…馬鹿なのか?

「なぁ…その時計が脱出のヒントを持ってそうじゃないか?」
俺はマッドハッターの懐中時計を指差してため息をつく

「……そうか!この時計を持ってる人は出られるのか!よ~し!」
そう言うとマッドハッターは少し後ろへ下がる
次の瞬間、マッドハッターは見えない壁に向かって思いっ切り走り出し…顔面を強打した……

「なんで?!私は時計を持っているよ?」
……ここを出たらこいつと関わるのは辞めておこう

「ちょっと貸せ…」
俺はマッドハッターから懐中時計をぶん取りテーブルの上で分解する

「あっ!私の時計が……」
マッドハッターは後ろでわたわたと慌てているが無視しよう

ふむ…別に壊れてる箇所は無いな…
歯車も正常に動いてるし部品も足りてない訳じゃない…

「なぁマッドハッター、この時計はどこで壊したんだ?」

「え?…確か元の話ではハートの女王が私の事を時間殺しって言ったからこの時計は6時で止まったっていう話だと思うけど…」
マッドハッターは慌てるのをやめじっと探り探り考える

「時間殺し…か…つまりこの時計は意志を持ってるって事で良いんだな?」

「うーん…そう考えても良いと思うよ?」
マッドハッターは考えるのをやめてあっけらかんとした顔をする

「じゃあ試す価値はあるな…」
俺は立ち上がり時計に手をかざす

『ー精霊対話フェアリータイムー』
これは元々命を持たない物に一時的に命を吹き込み動かす事が出来るというものだが話す事は出来ない
元々意志を持つ物ならば話す事も可能だと考えたのだ
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...