88 / 241
第3章『双子の少女を救出する事にした』
能力の弱点と恋煩い
しおりを挟む
「何その帽子…ただの帽子じゃない」
アンナは警戒を解くことなく虚勢を張る
「ただの帽子じゃない、マッドハッター特製の『正直な帽子』さ」
マッドハッターは自慢げに帽子を掲げる
「この帽子は嘘をつかないのさ…この帽子を被った者は嘘をつけなくなる…絶対にね」
マッドハッターはアンナに近づく
ゆっくりと確かな足取りで
「ちょっと待って!そんな事ある訳ないじゃない!女王様、こいつは嘘吐きなんですよ!こいつの話を鵜呑みにしてはいけません!」
アンナは困惑する
(まずい…私の能力の弱点を突かれた…)
アンナが持つ『私だけの夢の世界』は絵本の中に引きずり込むという物…そこまではユートの考察通りである
しかし、物語の主要な人物達を意のままに操る事は出来ない
あくまで登場人物達は各々が自我を持ち、アンナに牙を向けることも可能なのだ
すなわち、今マッドハッターのあの帽子によってさっきハートの女王に進言した事が嘘だと知られた場合…
ハートの女王はアンナを斬首にするだろう
そして…アンナは自分が物語に入ってしまった場合は途中でこの世界から抜ける事も終わらせる事も出来ないのだ
アンナが助かる方法はこの物語を終わらせる事
しかし、それをしたらユートやマッドハッターまでもこの絵本の世界から出てしまうのだ
「チェックメイトだアンナちゃん」
マッドハッターがアンナに帽子を被せようとした瞬間
「もうよい!やめるのじゃマッドハッター!」
ハートの女王が制止させる
その顔は怒りを隠しきれてないが冷静を保とうとしている
「妾は知っているのだ…アンナが妾のバラを白バラにすり替えた事は…」
「そして…貴様がそんな事をする訳ないという事も…」
その場の者すべてが驚愕した、そこでマッドハッターは一つの疑問を投げかける
「だったら何故私達を捕らえようとしたんだい?君の様な聡明な女性が考え無しに行動するとは思えないんだけど」
マッドハッターはハートの女王に近づく
「わ…妾に近づくなぁァァ!」
ハートの女王はマッドハッターを突き飛ばす
その後玉座を立て直しその陰に隠れる
「何故かは解らぬが…貴様を見ていると胸が痛むのじゃ…これはお前の呪いなのだろう?貴様がいなければこの胸の痛みは治まるのじゃ!だから貴様を三月うさぎがいる森の奥深くに閉じ込めていたのに…」
ハートの女王は顔を真っ赤にし俯く
「その胸の痛みはつまり…恋煩いじゃな」
ハートの女王は目の前に漂う不思議な光に話し掛けられ顔を上げる
「こ…恋煩いだと?あんな変なメイクをして更にバカで空気も読めなくて…それなのに心は優しくてあの胸に飛び込めたらどれだけ嬉しかろう…って何を言わせるのじゃ!」
ハートの女王はクローノを平手で弾き飛ばそうとするが当然当たらない
「これはチャンスじゃぞ?告白してしまうのじゃ」
クローノはクスクスと笑い出す
「ここ…告白!?無理じゃ!そんなのできる訳無い!」
ハートの女王はさっきまでのカリスマ溢れる顔はどこへ行ったのか
その顔は1人の恋する乙女の顔になっている
「めんどいのぉ…それじゃあ告白が出来る様になる魔法を掛けてやるのじゃ」
『ー愛の力ー』
クローノは手のひらから細かい鱗粉の様な物を発生させ、その鱗粉をハートの女王に浴びさせる
「なんか…行ける気がするのじゃ…」
ハートの女王は立ち上がりマッドハッターの方を向く
「マッドハッター!」
ハートの女王はカツカツとハイヒールの音を立てながらマッドハッターに詰め寄る
「は、はい!」
マッドハッターは直立し動けなくなる
ハートの女王の顔は険しくその目力で押し潰されそうになったからだ
ハートの女王はマッドハッターの胸ぐらを掴み顔を見入る
「妾は…妾は…お前が好きなんじゃぁァ!」
マッドハッターは口を開けて呆気を取られている
「え…でも君は私の事を嫌いだって…」
「それは!…正直に貴様の事を好きじゃと言える訳ないのじゃ!そんな風にスグに思い人に結婚してくれとか平気で言える奴の方がおかしいのじゃ」
ーユースティア王国ー
アルカ達は宿屋にて寛いでいた
と言うよりも外に出る事すらユートに咎められている為、寛ぐ位しかやる事がなかった
「へくちっ」
イリーナがクシャミをする
「風邪っすかイリーナ様」
ドーラはひょこっとイリーナの目の前に来る
「いや…別に熱は無いのだが…」
イリーナは頭に手を当て熱があるか確認する
「誰れかが私の噂話でもしているのかもな」
「まさかぁ…そんな訳ないですよぉ」
アルカは笑いながら否定する
「そうだな」
そう言うと三人はクスクスと笑った
三人はそんな他愛もない話をして時間を潰していた
ユートが帰る時を心待ちにして…
ー絵本の中ー
「わ…私なんかで良ければ…」
マッドハッターはメイクで解りにくいが頬を赤くして告白を受け入れた
「何二人でイチャイチャしてんだよ」
部屋に入ってきた男は入ってくるなり嘲笑する
「な…なんじゃ貴様は!」
ハートの女王は良い雰囲気に水を刺され機嫌を悪くする
「マッドハッター良かったな、これでお前も晴れて卒業だな」
俺はそんなハートの女王には目もくれずマッドハッターにピースサインを送る
「卒業って!…ユート君!少しはデリカシーという物を!」
「妾は…貴様が望むのであれば…」
「何よ…何よ何よ何よ!私抜きでハッピーエンドだなんて許さない!」
アンナは『不思議の国のアリス』の絵本を手に取る
「こんな世界…もういい…消えちゃえ!」
アンナはそう叫びながら絵本を半分から真っ二つに引き裂く
すると物凄い大きな地震が俺達を襲った
「全て無かった事にするの!素敵でしょ?愛を誓い合った男女はバラバラに引き裂かれるの!最高の終幕でしょ!」
アンナは警戒を解くことなく虚勢を張る
「ただの帽子じゃない、マッドハッター特製の『正直な帽子』さ」
マッドハッターは自慢げに帽子を掲げる
「この帽子は嘘をつかないのさ…この帽子を被った者は嘘をつけなくなる…絶対にね」
マッドハッターはアンナに近づく
ゆっくりと確かな足取りで
「ちょっと待って!そんな事ある訳ないじゃない!女王様、こいつは嘘吐きなんですよ!こいつの話を鵜呑みにしてはいけません!」
アンナは困惑する
(まずい…私の能力の弱点を突かれた…)
アンナが持つ『私だけの夢の世界』は絵本の中に引きずり込むという物…そこまではユートの考察通りである
しかし、物語の主要な人物達を意のままに操る事は出来ない
あくまで登場人物達は各々が自我を持ち、アンナに牙を向けることも可能なのだ
すなわち、今マッドハッターのあの帽子によってさっきハートの女王に進言した事が嘘だと知られた場合…
ハートの女王はアンナを斬首にするだろう
そして…アンナは自分が物語に入ってしまった場合は途中でこの世界から抜ける事も終わらせる事も出来ないのだ
アンナが助かる方法はこの物語を終わらせる事
しかし、それをしたらユートやマッドハッターまでもこの絵本の世界から出てしまうのだ
「チェックメイトだアンナちゃん」
マッドハッターがアンナに帽子を被せようとした瞬間
「もうよい!やめるのじゃマッドハッター!」
ハートの女王が制止させる
その顔は怒りを隠しきれてないが冷静を保とうとしている
「妾は知っているのだ…アンナが妾のバラを白バラにすり替えた事は…」
「そして…貴様がそんな事をする訳ないという事も…」
その場の者すべてが驚愕した、そこでマッドハッターは一つの疑問を投げかける
「だったら何故私達を捕らえようとしたんだい?君の様な聡明な女性が考え無しに行動するとは思えないんだけど」
マッドハッターはハートの女王に近づく
「わ…妾に近づくなぁァァ!」
ハートの女王はマッドハッターを突き飛ばす
その後玉座を立て直しその陰に隠れる
「何故かは解らぬが…貴様を見ていると胸が痛むのじゃ…これはお前の呪いなのだろう?貴様がいなければこの胸の痛みは治まるのじゃ!だから貴様を三月うさぎがいる森の奥深くに閉じ込めていたのに…」
ハートの女王は顔を真っ赤にし俯く
「その胸の痛みはつまり…恋煩いじゃな」
ハートの女王は目の前に漂う不思議な光に話し掛けられ顔を上げる
「こ…恋煩いだと?あんな変なメイクをして更にバカで空気も読めなくて…それなのに心は優しくてあの胸に飛び込めたらどれだけ嬉しかろう…って何を言わせるのじゃ!」
ハートの女王はクローノを平手で弾き飛ばそうとするが当然当たらない
「これはチャンスじゃぞ?告白してしまうのじゃ」
クローノはクスクスと笑い出す
「ここ…告白!?無理じゃ!そんなのできる訳無い!」
ハートの女王はさっきまでのカリスマ溢れる顔はどこへ行ったのか
その顔は1人の恋する乙女の顔になっている
「めんどいのぉ…それじゃあ告白が出来る様になる魔法を掛けてやるのじゃ」
『ー愛の力ー』
クローノは手のひらから細かい鱗粉の様な物を発生させ、その鱗粉をハートの女王に浴びさせる
「なんか…行ける気がするのじゃ…」
ハートの女王は立ち上がりマッドハッターの方を向く
「マッドハッター!」
ハートの女王はカツカツとハイヒールの音を立てながらマッドハッターに詰め寄る
「は、はい!」
マッドハッターは直立し動けなくなる
ハートの女王の顔は険しくその目力で押し潰されそうになったからだ
ハートの女王はマッドハッターの胸ぐらを掴み顔を見入る
「妾は…妾は…お前が好きなんじゃぁァ!」
マッドハッターは口を開けて呆気を取られている
「え…でも君は私の事を嫌いだって…」
「それは!…正直に貴様の事を好きじゃと言える訳ないのじゃ!そんな風にスグに思い人に結婚してくれとか平気で言える奴の方がおかしいのじゃ」
ーユースティア王国ー
アルカ達は宿屋にて寛いでいた
と言うよりも外に出る事すらユートに咎められている為、寛ぐ位しかやる事がなかった
「へくちっ」
イリーナがクシャミをする
「風邪っすかイリーナ様」
ドーラはひょこっとイリーナの目の前に来る
「いや…別に熱は無いのだが…」
イリーナは頭に手を当て熱があるか確認する
「誰れかが私の噂話でもしているのかもな」
「まさかぁ…そんな訳ないですよぉ」
アルカは笑いながら否定する
「そうだな」
そう言うと三人はクスクスと笑った
三人はそんな他愛もない話をして時間を潰していた
ユートが帰る時を心待ちにして…
ー絵本の中ー
「わ…私なんかで良ければ…」
マッドハッターはメイクで解りにくいが頬を赤くして告白を受け入れた
「何二人でイチャイチャしてんだよ」
部屋に入ってきた男は入ってくるなり嘲笑する
「な…なんじゃ貴様は!」
ハートの女王は良い雰囲気に水を刺され機嫌を悪くする
「マッドハッター良かったな、これでお前も晴れて卒業だな」
俺はそんなハートの女王には目もくれずマッドハッターにピースサインを送る
「卒業って!…ユート君!少しはデリカシーという物を!」
「妾は…貴様が望むのであれば…」
「何よ…何よ何よ何よ!私抜きでハッピーエンドだなんて許さない!」
アンナは『不思議の国のアリス』の絵本を手に取る
「こんな世界…もういい…消えちゃえ!」
アンナはそう叫びながら絵本を半分から真っ二つに引き裂く
すると物凄い大きな地震が俺達を襲った
「全て無かった事にするの!素敵でしょ?愛を誓い合った男女はバラバラに引き裂かれるの!最高の終幕でしょ!」
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる