異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

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第3章『双子の少女を救出する事にした』

淡い期待と非常な現実

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ユートの体温がどんどん低下していく
視界が霞み始め…聴力も低下し辺りの状況がまったくわからなくなってきた

沖田がNo.01を呼んできた
だが…No.01はユートの近くまで行き頭を撫でる事しか出来なかった

「え?ちょっと…君は回復の魔法が使えるんでしょ?なら早く…」
沖田がNo.01のその行動の意味が理解出来ずに苛立ちを隠せなかった

「…《解答》ユウを治す事は不可能です…私もNo.02の《愚者》の光を浴びているので魔法は使えません」
「《結論》…このまま…ユウは
No.01がそう言った途端に式場の扉が開きレイカが入ってくる

レイカは非力なのを演出する為に、No.01達が戦っている間は外に避難していたのだ…
そして…式場の中に聞き耳を立てていたら…ユートは死ぬという言葉が聞こえてきた為梨華に正体がバレても構わないと覚悟を決めて入ってきたのだ

「ユート君!」
レイカは片膝を付いてユートを軽く持ち上げる

「ユート君…ユート君…なんで…なんで…死んじゃダメだよ…」
レイカは持ち上げたユートを抱擁する
ユートを全身で感じるように…ユートの一呼吸ですらも肌で感じる為に…

「…愚者の光に当っていない奴なら治せるんだよね?」
沖田はNo.01にそう聞くとNo.01は静かに頷く

「…貴方様を四賢者の『迅雷の武神マスター・オブ・スピリット』とお見受けします…街に新選組の医療系の遺伝粒子アーツが使える山崎がいます」
「その人をここまで連れてきて頂ければ…ユウ君…いえ…ユートは治せると思います」

沖田がそう言うとレイカは沖田に対して怨念がこもった目で睨んだ後…レイカは自身の変化魔法を解除する

「山崎って奴は見ればすぐわかるのか?」
レイカのその一時は殺意が全身に駆け巡る程の威圧感があり、沖田は言葉を発せられずに頷く事しか出来なかった

「…わかった」
レイカは静かに衝撃が無いようにNo.01に渡す
その後、レイカは自身に自らが持つ全ての俊敏スピードが上がるバフ魔法を発動させる

『金剛流剣闘術ー疾風迅雷ー』
レイカが持つ最速の術
さらに俊敏スピードが上がる魔法を全部掛けているのだ
その速さはユートの雷光化フルミネとほぼ同じ…いやそれ以上かもしれない程のスピードだった



レイカはパルテノン皇国内を血眼になって山崎を探し回った
途中に一般人とぶつかりそうになった時は少しスピードを緩めて避けながら懸命に探し回った

すると団子屋で呑気に空を見上げながらダンゴを食べているだんだら羽織の男を発見した
レイカは目の前に止まり山崎烝か尋ねる

「え?あぁはい、確かに私が山崎ですけど…」
その時のレイカの顔はユートといる時の温和な顔はどこにも無く…あるのは四賢者のと呼ばれていた頃の狂気的な顔をしていた

レイカは山崎と聞いた瞬間に山崎を担いですぐさま城の方へ走っていった



「えーっと…No.01ちゃんだっけ?ユート君は後どれくらいは持ちそう?」
沖田はNo.01にこんな質問を投げかけた
もしかしたらまだ結構余裕があるのかもしれない…と淡い期待を込めながら…

「…《解答》恐らくは…持って5分といったところでしょうか…それ程までにこの傷は深く…そして見事に急所を突かれています」
だが…No.01はそんな淡い期待すらも簡単に粉砕する

「連れてきたよ!」
沖田が黄昏ている所に一縷いちるの望みがやってきた

沖田とレイカの二人で山崎に現在の状況を説明する
その後山崎はユートの容態を確認した時…山崎は閉じかかっている瞼を開き眼球を見たり、心音を確認したりする

これで助かるとレイカ達は歓喜したが…山崎の口から出てきた言葉は…期待していた言葉とは真逆なものであった

「沖田さん…無理です…刺された傷も腐敗し始めています…普通ならば有り得ないほどの速度でで」
「この様子は…まるでユート君が自ら死を選んでいるようにも…」
山崎がそこまで言った時、レイカの鉄拳が山崎の頬を殴り抜け吹き飛ばす

「そんな訳ない!ユート君が…生きる事を諦めるなんて…そんな事」
レイカがそう声を荒らげた時…微かにユートから声が聞こえてくる

「落ち着け…レイカ…傷に響く…」
ユートの声は弱々しく…聞き取れるか疑問な程掠れていた

「安心しな…俺は元々一回死んでるんだ…あの時は死ぬ前にこっちに来たから…苦しみは少なかったがな」
呼吸が荒くなる…通常ならもうとっくに絶命しててもおかしくない程の衰弱具合であった

現に今のユートには辺りの状況はまったく伝わってこない
感じるのは抱き上げているNo.01の太ももの感触だけである
目はとうに見えなくなり…周りの声すらも聞き取れない

「レイカ…遺言ってヤツをアルカ達に伝えてくれるか…返事はいらない…聞こえねぇしな…」
「とは言っても一言だけだ…よく聞いとけよ…」
ユートの言葉は掠れていながらもレイカには鮮明に聞こえた

「アルカ…ドーラ…イリーナ…愛してるぜってな」
「そして…レイカ…アルカ達と俺の子どもをよろしくな…」
ユートはそう言い終わると全身の力が抜けていく
呼吸が緩やかになり落ち着いていく

そして…静かに…息を引き取った
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