異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

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Another Stoira 2nd

大人の言葉とカボチャの涙

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「お父しゃん…お母しゃん…帰りたいよぉ…」
「パパ…ママ…ヤダ…やだよォ…」
アイトとユラはずっと泣いている、帰りたい、ごめんなさいと…だが、その声はジャック以外には聞こえていないのだ

「なぁ…何でお前等は諦めないんだ?」
「どうせお前等の親も、裏ではお前等の悪口を言ったりウザがってるに決まっているさ…それに…もうお前等はあんなに酷い事をしたんだ…帰る事なんて出来ないのさ、諦める…それが一番楽になる方法だぜ?」

先程からジャックはそう言って二人に諦める様に諭しているが…二人は泣く事を止めずジャックと少しずつ苛立ち始めていた

そんな時、ガサガサと森の奥の方から何者かがジャック達の方へ向けてやってくる気配を感じたジャックは、かくれんぼの時やイタズラを仕掛ける際にした様にスキルを発動させて隠れる


「アイト~ここにいるんですか?」
「ユラ~…いたら返事するっすよ~」
アルカとドーラがアイト達のことを探しに来たのだ

その姿を見たアイトとユラは歓喜する、お家に帰れると思った二人は泣くのを止めてアルカ達に抱き着こうとするが…アイトの体はアルカの体をすり抜けてしまい触れる事が出来なかった

「言ったじゃーん…もう君は闇の住人となったんだよ…」
「もう僕等以外とは触れ合うことすら出来ないのさ…」
ジャックのその言葉は、まだ生まれて間もない子どもには重い一撃となり…等々アイト達はアルカ達から離れ、宙に浮かんでいった

「やっと諦めてくれたんだね、それじゃあ行こっか」
ジャックはそう言って二人に手を差し伸べる、そのままどこかに行ってしまおうとした…その時であった


「アイト…そこにいるのですか?」
アルカはそう言って、宙に浮かんでいるアイトを指差す

アイトは気の所為だと思っていたが…明らかにアルカはアイトを指さして話しかけてきているのだ
ドーラも同様にユラを指さして話しかけている

「お母しゃん…僕の事…わかるの?」
アイトがそう言うとアルカは両手を開いて受け入れる

「アイト、早く帰っておいで…ユートも心配していますよ」
アルカのその優しい言葉にアイトは涙が溢れてきた…僕は帰っていいんだ…僕は嫌われてなんていないんだ…

そう思った矢先、突然ジャックが実態化してアルカ達の前に現れる
アイトは何かと思いジャックの顔をカボチャの掘られた箇所から覗くと…その顔は憤怒に満ち溢れており今にも爆発しそうであった

「…なんで…なんでそんな事言えるんだよ!」
「アイト君とユラちゃんはお前等にあんなに酷い事をしたんだぞ!なのに…嫌いにならないのか?憎しみが生まれないのか?いいやそんな訳ない!そんな事ありえない!」

「どうせ内心では、後でどんなに酷い仕置きをしようか心の中でウズウズとしてるんだろ!子どもが気付いていないとでも思ったら大間違いだ!」
ジャックは心の叫びをあげた、昔々の大昔に出会ったあの男達の様にどうせ上辺で優しい言葉を投げ掛けて後でアイト達に酷い事をする…そうに違いないと思っているジャックは連れていかせないように意地を張る

「どうせ叱るんだろ!なんでさ!怒るなんて無駄じゃないか!」
「労力の無駄だ、時間の無駄だ、ストレスの無駄だ…お前等大人達は所詮ただの憂さ晴らしの為に僕等子どもを叱るんだろ!そうに決まってる!」

「大人なんて…僕の母さんも父さんも村の人もみんな…大っ嫌いだ!!!!!」
「あんな…僕を騙してた大人達なんて大っ嫌いだ…」
ジャックの言葉は森中を駆け巡った、心の思いを…全てをぶちまけた…大人に対する不信感、大人に対する憎しみを…子どもながらに言葉がまとまらないがぶちまけたのだ

アルカは全てを受け止めた、ジャックの胸の内を全て受け止めた
そして、アルカはゆっくりとジャックに近付いた

「何だよ…叩くのか!シツケだと言って叩くのか?」
「良いよなぁ!子どもは大人に逆らえないもんなぁ」
ジャックは近付いてくるアルカに怯え、最後の虚勢を張る

すると、次の瞬間にジャックの予想外の事態が起こった
アルカはジャックを優しく…まるで羽毛の様に抱き締める…もう大丈夫だよ…もう心配しないで…アルカはそう優しく話し掛けている

「な…何を……」
ジャックは予想外の温もりに驚きを隠せずにいた
そして、ジャックの肩に一粒の涙が滴るのを感じる

「…辛かったんだね…ユートから聞きましたよ…怖かったよね…でも大丈夫だから…もう…誰もアナタの事を怖がらせる大人はここにはいませんから…ね?」
アルカのその優しい言葉にジャックはカボチャの目から涙が溢れ始める…

「…ホント?本当に怖がらせたりしない?」
ジャックはそう言って恐る恐るアルカに尋ねると、アルカは小さく頷く




そして、アイトとユラは解放され森に掛けていた迷いの呪いを解除するジャックはその後ユートにたっぷりと怒られました

部屋で不貞腐れているジャックをみてユートは慰めようと近付いた

「む~…怒らないってアルカは言ってたのに…」
ジャックはそう言ってブツブツと文句を言い始める

「ジャック、お前もしかして…大人が自分を怒るのはお前が嫌いだから怒ってると思ってるのか?」
「だとしたら大きな間違いだぞ、大人ってのはな…自分が大事な生き物なんだよ…だから所詮他人は他人だと割り切る人間なんてごろごろといる」

「だが…それでもなお、血が繋がってるにしても…本当に赤の他人だとしても怒るのは何でだと思う?」
「それはな…愛してるからだ…放っておけないからだ…自分と同じ…もしくはそれ以上の大事な存在だと思っているから叱るんだ」
ユートはそう言ってジャックの頭に手を置いて撫でる素振りをする


「ちょっと待ってな」
ユートはそう言ってジャックを置いて部屋を出ていく

しばらくすると、ユートはアイトとユラを連れて戻ってきた…なにやらおかしな格好をして…

「これは仮装だ、ジャック・オー・ランタンを見送るのに最適だと思ってな」
ユートはそう言って『錬成士アルケミスト』のスキルで即席の一回コッキリのカメラを錬成する

その後、『衣装替えドレスアップ』のスキルを部屋全体に発動させてハロウィンチックな雰囲気を作り出す

「ほら、もっと寄って…それじゃあ撮るぜ…ジャックの思い出の品だ」
ユートはそう言ってカメラのタイマーをオンにして三人の後ろに回る



すると…ジャックの身体が突然消え始めてしまう
どうやら…最後に親の愛という物に触れられてこの世の未練が断ち切られ成仏するようだ…あとタイマーが10秒のタイミングで…

「お…おい!もう少し待っててくれ!」
ユートはそう言って必死に言うがカメラの『ピピッ』という音に反応してしまう、そのせいで少しだけ顔がぎこちなくなってしまった

『アイト君…ユラちゃん…また遊ぼうね…』
ジャックはそう言い残して消えていった




「…まったく…中途半端な写真だぜ…」
ユートはそう言って写真を写真入れに入れて子供部屋に飾った



Another Storia 2nd~ハロウィン特別編~ 完
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