異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

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第5章『悪魔の王様を探す事にした』

開始した式典と恥ずかしさの頂点

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床には中央にレッドカーペットが正面のお立ち台まで伸び、天井にはキラキラと眩しい程輝くシャンデリアが吊り下げれられ会場全体を照らしている。

レッドカーペットの両隣に広がるのはビッフェ形式で色彩様々な料理が並ぶ。

紅く香ばしい匂い沸き立つステーキは細かく刻まれ、口に入れた瞬間に溶けだす様なお肉がある肉料理。
その隣にはみずみずしくシャキシャキと歯応えがたまらないサラダの上にぷりぷりの小エビが振りかけられている野菜料理。
更に隣にはスープ料理が並んでいるが…その中でも紅黄緑と様々な色の料理が列を成し目で想像し、香りで味わい、舌の上で踊らせる。

料理が並ぶテーブルの周りにいるのは金色等の豪華な装飾を施したドレスや衣装に身を包み辺りの貴族と話し込む人々。子どもの貴族達も場の空気に圧倒され騒ぐ気配すら感じない。

正に様式美と言える風景を映し出している此処は、普段は巨大な図書館だが今だけは貴族達の式典を描きだした絵画の様。

そんな中、その芸術作品内をせわしなく動き続ける人もいる。この式典の主催とも言える男…いや、今は女と言うのが正しいだろう。女の家族は足りなくなった料理を追加し、貴族達を案内し、未然にトラブルを防ぐ係を勤めている

「やぁ、アルカちゃん。相変わらず大変そうだね」

家族スタッフの一人のアルカは話しかけて来た男を見ると、その男は式典の筈なのに若干の紅いシミが目につく白い鎧に包まれたカイトであった

「カイトさん?あぁ、誰かの護衛ですか。何か御用ですか?」

だが、カイトの事は気にも止めずにまた黙々と受付で招待状を送った貴族達の名簿をチェックしながら眉間を指でつまむ。既に式が始まって二時間が経過しているのだが…まだ本番が始まらない事にクレームを入れに来る人もいる為にやる事が増えていき疲れが出てきたのだ

「もしかしてまたユート君はどこかに行ってしまったのかな? ユート君らしいっちゃらしいけど…今回は一体何処へ行ったのかな?」

カイトは白ワインが入ったワイングラスをユラユラと揺らしながら笑うが、アルカは明後日の方向を見つめて乾いた笑いを見せる。

「それならまだ良かったんですけどね…ユート…いえ、ユーさんなら裏にいますよ…カイトさんからも説得してください」

カイトはそう言われ不思議に思いながらも会場を出てユートの部屋と思わしき場所に近づいて行くと、ギャーギャーとどったんばったん大騒ぎしている声が聞こえてきた

「ユート!観念して着るんだ!!! 既に二時間も経っているんだぞ!? 貴族様達に失礼だと思わないのか」
「無理だっつの! なんでこんなに露出度が高いんだよ!! こんなの着るくらいなら死ぬ方がマシだ」

部屋の中を覗いてみると簡易試着室の中に足を掴んで引きずり込もうとしているイリーナとレイカの姿と必死に絨毯にしがみついて抵抗している今まで見たことが無い半裸女性を視認する

「おぉカイト殿、ユー殿がさっきからこうして言う事を聞かないんだ!! カイト殿から何とか言ってくれないか」

そう言われて黒髪の女性を見るとそう言われれば何処かユートの面影がある様なない様な…と。曖昧な感情が芽生えてくるのだがユートだと仮定して話しかける

「え~っと…ユート君?イリーナさんもレイカさんも困っている事だし大人しくした方が良いと僕は思うんだけどなぁ…」

黒髪の女性…いや、はキッとカイトを睨み返し簡易試着室の中に掛けてあるドレスを指差して叫ぶ様にカイトに言い放つ

「ふっざけんな! あんなの着たらそれこそ男として終了だっての!! そもそもだ、へそも出ているし谷間も見えているぞ!? 中に着るのはあみ上の薄い布地だ。背中も前回で見えるし肩も出てる!! これ着るくらいなら裸の方がマシだ!!!」

真っ赤な革に銀色のチップが散りばめられ、鎖骨からへその少し下の辺りまで所々にバツ字で隠れているが殆ど露出し、背中に至っては尾てい骨の辺りまで肌色が見えてしまう。

「あれはユートく…ユー子ちゃんが買ってきたモノでしょ!! 」

二人曰く、ユートのクローゼットを漁っていたら見つけたドレスだからユートが着るのは当然だと言い張るのだが…ユートは別に自分で着る用のドレスは他に買ってあるのだ

「これは俺用じゃねぇ!! これは…その………だよ…。」

途端に下を向き口をつねらせて両手の指を合わせて目線を逸らし始めたユートの顔をイリーナは両手でユートの頬をつまみながら上にあげる

「だから…お前用だよ……ほら…お前後一月位したら出産の予定じゃん? それで…その……随分とご無沙汰だから…俺自身ないからこれで息子ジュニアを臨戦にさせようとしてな…」

それを聞いたイリーナは一瞬頬を紅潮させてたじろぐが…コホンと咳払いをして即座にユートの背後に回り込み首のうなじの辺りをトンと手刀で気絶させる

「……カイト殿、カイト殿は何も聞いていないし何も見ていない…良いよな?」

手刀を構えながらカイトを睨み付けるイリーナの姿を見てカイトはこう考える。
 ―イリーナさんを怒らせるのは辞めておこう……と。
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