とある最強盗賊の苦悩

水色の山葵

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第二章 プレイヤー

15話 金貨の謎

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 プランターは、伝承通り魔神より魔法を多く使える最強の存在なのだよ。
 そして、その魔法の中には転移という魔法の有るのだよ。
 その魔法を使って一気にマップを埋めていく。

 ダンジョン攻略後、メニューに幾つかの項目が追加された。
 その中には、味方ユニットのステータスという項目も含まれている。


 【名称】  奪神・プランター

 【コスト】 200
 【レベル】 100
 【体力】  1000000
 【攻撃】  10000
 【速度】  50m/s

 【スキル】
 『魔法略奪』
 ・この世界で使用された全ての魔法を使用可能。
 『ゼロマジック』
 ・魔法に必要なデメリットが消失し、再詠唱リキャスト時間が5秒になる。
 『魔法完全耐性』
 ・プレイヤー・拠点・ユニットは魔法でダメージを受けない。


 ユニットはプレイヤーと違い、レベル1の状態でスキルを持っている。
 それに加えて5レベルと10レベルで新たにスキルを習得する。
 やはり、この世界で新たにスキルとスキルスロットを得るには自分と同格の相手を倒す必要があるみたいだ。
 それが新に言う所のレベルアップという奴なのだろう。


 プランターは俺の拠点の位置も把握していた。
 拠点が敵の手に落ちている事も危惧されたが、そこはしっかり者のプランターさん、この世界の魔法で完全に隠密していたらしい。
 プレイヤーの『マッピング』も誤魔化すような結界だ。
 やはり、この世界のあらゆる魔法を使用可能と言うのは相当チートだろう。

 ゲーム時代、拠点という奴はレベルの上昇と共に施設なども豪華な作りに変わっていた。
 ゲームだったら背景が綺麗になった程度の意味しかなかったのだが、現実となった今、それもレベル100の拠点だ。
 もう、王宮だ。
 装飾品の数々は一品一品に魔力が宿っていて、その価値を高めている。
 無駄に物が置かれる事も無く、その配列も完璧なバランスを保っている。
 ゲーム時代の名残なのか、汚れる事も無いようだ。
 部屋の数もゲーム時代とは全然違い、把握できないような数になっている。

 外見はちっぽけな洞くつだったのだが、個の広さは次元を歪めているとしか思えない。
 盗賊のアジトとしては少し、いやかなり豪華すぎる家だ。

 大きく分けると、拠点は幾つかの区画に別れている。
 玉座、客間、円卓の間、使用人区画、食堂、客人用の寝室。
 使用人区画と客人用の寝室は合計2000室以上存在し、結構なユニットを生活させる事が可能だろう。

 そう考えると、ユニットを召喚しまくって体勢を整えた方が良いんだろうけど。

「なあプランター。千年前の俺はどうやってあいつらを壊滅寸前まで追い詰めたんだ?」

「私の魔法が基本戦略だったけど、エクストラカードも何枚か使って居たわね」

 なるほど、俺のバグった資金もそれが原因か。
 まず俺は千年もあれば9999兆枚くらいの金貨は簡単に溜まると思っていたが、そもそもそれが違った。
 金貨製造速度は分速100枚。
 計算としたら、60(一時間)×24(一日)×365(一年)×1000(千年)となり、最後に100(分速)をかける。
 計算結果を見れば、52,560,000,000となる。
 約500億枚だ。
 この数字をみれば俺の数字がいかに異常か解るだろう。
 俺がこの世界に来た時、拠点の情報が停止になっていたのはプランターの魔法で俺と拠点との接続が切断されていたからだと考えられる。
 それは情報の隠密魔法であり、状態が不明なだけで拠点の機能が完全に停止していたわけでは無いのだろう。
 千年の間100枚/mで製造し続けても得られる金貨は500億枚程度。
 では、俺の貯蔵金貨1京枚をどう解釈するべきか。

 盗賊連合クラスには金貨を増やすカードが幾つも存在する。
 しかし、俺のデッキに入っているその類いのカードは2種類だけだ。
 一つは魔法『窃盗刀』、実はこの魔法、ステータスの略奪のほかに倒した敵ユニットの拠点から1%の金貨を奪い取るという能力も備わっている。
 二枚目は拠点機能拡張ユニット『黄金鉱山』だ。
 このユニットには『金貨製造速度1%上昇』というスキルが付いている。この%はレベル×1なのだが、これが仮にレベル100で3枚分存在しているとすれば……単純に金貨製造速度は1800枚/mとなる。
 90,000,000,000,000。
 これでも千年で90兆枚。
 まだ足りない。

 現状俺の拠点スキルは『貯蔵額増加』×50『金貨製造速度上昇』×50。
 この『金貨製造速度上昇』×50で5倍なのだが、仮に100枠全てにそのスキル、『金貨製造速度上昇』が付いているとすれば、金貨製造速度の最終値は3300枚/m。
 165兆まで増えた。
 
 でだ、ここに更にエクストラカードの効果が追加されているとする。
 まあ、その説明の前にエクストラカードと言うのが一体何なのか説明したいと思う。
 エクストラカードっていうのは、簡単に言えばフィールドに隠されたカードだ。
 ゲーム時代、このゲームには決定的な欠陥が存在した、それは大陸1つを思わせるような広大過ぎるマップだ。
 このゲームのジャンルはストラテジー、それを広大過ぎるマップでやればどうなるか。

 答えは単純明快、凄く時間が掛かるのだ。

 VRマシンに搭載された加速システムでゲーム時間を現実の三倍にしても、一日に最大三度までしか対戦できなかった。つまり、1ゲームにかかる必要時間が丸一日な訳である。
 そのせいで発売一週間たたずに過疎ったこのゲームは1年間の稼働でサービスを終了する予定だった。
 まあ、俺はその最終日にこの世界に送られた訳だが。
 それで、その広大なマップに隠された特別なカードが100種類存在した。それがエクストラカードである。
 エクストラカードは全てのクラスに入れられる共通カードで、まあ探してる、ってか存在を知っている奴も少ない位のレアカードだ。

 俺もあの広大なマップでエクストラカードを100種類集めるのには苦労した。

 てか、結局デッキには40枚までしか入れられない筈なんだけど、100種類集めたボーナスかなんかだろうか。
 それを全て使用可能になっている。

 それで、その中の問題のカードがこれ、魔法『黄金の生贄』。
 味方ユニット一体を破壊して、そのレベル×コスト×10の金貨を得る能力の魔法だ。
 仮に俺が千年前、この魔法を一度でも使って居たとすれば、その魔法もプランターの『魔法略奪』の対象となり、さらに『ゼロマジック』によってリキャストは5秒となる。
 この魔法の優秀な所はコストが10の所だ。
 どんなコストでもレベル1ユニットを生贄にすれば、支払った金貨以上の金貨を得る事が出来るという能力を持つ。

 そして『奪神・プランター』の『ゼロマジック』にはデメリットを消失させる効果がある。
 この場合のデメリットは味方ユニットの破壊、それが消失していたとしても破壊するユニットが居なければ最終数値が0になるので意味はない。
 だから、この魔法のデメリット消失の意味するところは『味方』ユニットの破壊では無くなる事にある。
 結果的にプランターがその魔法で殺した敵ユニットさえも金貨に変換する事が可能になった訳だ。
 と言っても無条件に誰でも殺せるわけでは無く、ある程度弱っていなければ敵ユニットを生贄にする事は出来ないようだが。

 それと、魔法発動に必要なコストだが、内包する魔力で補えるっぽい。
 魔力最大量はステータスの合計値に依存する。
 逆にこの世界の魔法は使用すると一時的にステータスが減少すると言う事だ。
 プレイヤーは『エネルギー自動生成』で魔力を無限に自動生成する事が出来るが、この世界の住人は基本的に睡眠や食事によって使用した魔力を回復させるようだ。

 一言で言ってしまえば、この拠点に蓄えられている金貨の殆どはプランターによって集められた物だと言う事だ。
 俺はプランターと対等に接すると決めた。だからこそ、彼女の御かげで存在しているリソースを我が物顔で使うなんて事はしたくない。

 と言っても拠点の生成だけで金貨が160兆枚ほどある訳だが。
 敵のクラスに金貨を増やす類いの、魔法やユニットは少なく、それは採用率の低いカードばかりで入っている可能性は低い。

 相手の戦力は金貨500億枚相当。三人合わせても1500億枚ていどだ。
 正直160兆:1500億枚とか、どう頑張っても負けない。

 まあ、最大の問題はユニットの同時召喚限界数についてなんだけどな。
 
 
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