とある最強盗賊の苦悩

水色の山葵

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第二章 プレイヤー

16話 罠

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 玉座の間
 何故俺がこの世界に居るのかは知らない。
 けれど、俺はこの状況を幸福だと感じている。
 そして、同時にその幸福を奪おうとする奴らに怒りを覚えている。
 多分、俺も奴らと変わらない。精神がガキのままなんだろう。

 俺は今からプレイヤー3人と敵対する。
 彼らをおびき出すのは簡単だ、ただ拠点周りに発動されている結界魔法を解除すればいい。
 奴らだって俺がおびき寄せていると理解できるはずだが、時間をかける事は俺に対してどんどん不利になる事だと理解しているだろう。
 だからこそ、あいつらは全戦力で攻めて来るしかない。
 それがあいつ等にとって一番勝率の高い戦い方だからだ。
 あいつらは逃げられない。俺の方がリソースが少ないから、俺の方が知識が薄いから、俺の方がこの世界を知らないから、魔力以外の全てで俺が負けているから。そんな風に考えているからこそ、俺は確信している。あいつ等は来ると。 

 俺は彼女に、彼女と……彼女を守りたい。

 横に控えるプランターを見る。
 中世的で整った顔立ち、美しく煌めく黒い髪、体つきもアピールし過ぎない俺好みの物だ。
 何よりも、俺は彼女が俺の隣で戦ってくれた彼女だからこそ好きなんだ。

 プランターはゲーム時代の記憶を持っている。
 彼女は俺の最後の対戦で召喚されたまま、俺と一緒に異世界に召喚されたようなのだ。
 だから、彼女は最後の対戦の記憶を持ち、俺の切り札としての役割を全うするために存在する。
 だからこそ、頼られなくなった彼女は自らの存在理由を定義しきれずに暴走した。

 そして俺はそれを知っている。
 だからこそ、二度と間違えない。
 成長しないとは、学習しない事ではないのだから。

「プランター。俺はお前と対等な存在になりたい」

「私は貴方にとって必要な存在になりたいの」

 多分、今のプランターは極論、俺が死ねと言えばそうするのだろう。
 だけど、俺の求める存在は俺と対等で意見を言い合える存在だ。

「俺の求める存在は俺と対等で意見を言い合える存在だ」

 だから、俺の答えは単純明快。
 ただ想いを、考えを伝える事。

「分かったわ。では私は貴方の妻と言う事で」

「はい!?」

「何か、文句がおありですか? 旦那様?」

 綺麗な笑顔でプランターは笑う。
 確かにそれは対等な存在だ。
 だが、いや、うん。
 まあいっか。俺の願いその物でもあるし。よく考えれば俺には何の問題も無い。

「大歓迎だ。俺も二度とお前から離れない」

 玉座を立ち上がり、彼女に近づく。
 『異次元収納』から玉座を取り出し、最初からあった玉座の横に設置する。
 この椅子はマップ埋めの為に行った、とある国の王宮からスキルでパクって来たのだが、結構いい感じの装飾になっている。
 俺の玉座は黒を基調に赤色の線とクッションが入った玉座なのだが、それに対してプランターの為の席は白を基調に金色の線と赤色のクッションの入った装飾をしている。
 見た目から入るのが俺流だと言っておこうか。

「ここが今日から俺達の家だ」

「はい。私は貴方に全てを捧げる事を誓います」



 _________________________






「まあ準備もある程度整ったし。そろそろ隠密魔法を解いてくれ」

「かしこまりました」

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