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得た物
しおりを挟む「君たちは日本の宝だ」
そう言ったのは日本国の大統領、龍仙大和。この国で実質的に一番偉い人間だ。
そして、その人物が僕たちの功績を認め国営放送で表彰式を開いていた。しかし、勿論僕の姿は会場には存在しない。いや、正確に言うのならば、僕は会場が設置された建物の内部にはいるが表彰式が行われている部屋とは別の部屋にいる。
そりゃそうだ。不明が観衆の元に姿を晒す事など在り得ないのだから。僕の情報は今や国家機密だ。表彰式なんかにでれば一発で他国の鑑定持ちに僕の能力がばれる。
日本は結局、出来るだけ僕の情報を隠すと決めたようだった。それは仮に他国と戦争になった場合の最終策としてだろう。
と、表彰式に出る訳ではないのならどうして僕がこの建物にいるのかと言うと、それは一重に大統領の希望だ。
大統領さんに会って話がしたいなどと言われれば時間を作らない訳にはいかない。今のところ僕は日本以外の国につくつもりはない。勿論、そうする事で発生するデメリットが限界を越えればその考えを変える事はやぶさかではないが。少なくとも、一ノ瀬家の問題を解決するまでは、そして椎名寧という女性がこの国の人間である限り、僕はこの国の人間であるつもりだ。
今回の一見で僕のレベルは大幅に上昇した。それに天空の塔に存在するモンスターは殆どの確率でスキルスクロールがドロップした。つまり、間違いなく全世界で今最も力を持っているのは日本だ。ただし、核兵器の使用を制限した場合の話で合って武力戦争になれば依然アメリカの戦力にはかなわない。
しかし、スキルスクロールを安価に簡単に手に入れる事ができるようになるのはそんなに遠くない未来だろう。幸いと言うべきか白龍を倒しても天空の島のダンジョンは、消えたりはしなかった。つまり、あのダンジョンにいる魔物を倒せるだけの戦闘能力があれば、スキルスクロールを乱獲できる。
僕は僕自身が今回の戦いで得たものを確認する。
樋口 徹
レベル78
体力 5.62/5.62
魔力 9.85/9.85
攻撃 7.36
防御 7.11
敏捷 11.82
反射 12.01
器用 15.37
ユニークスキル
早熟9
幸運4
天の塔転移権限
解析鑑定
選定妖精の加護
ダンジョン間転移
先導者
能力合成
Pスキル
剣術10
体術10
武術10
回避10
命中10
剣速上昇9
身体操作10
多刀流8
換装7
模倣10
身体強化10
疾風8
縦横無尽10
生命感知10
聴覚強化10
魔力感知10
心眼10
神聖魔法10
影魔法10
光魔法5
無効化魔法5
天空魔法5
魔力循環10
錬金術8
魔力譲渡8
魔力変質8
属性付与9
魔力容量10
隠形8
隠密8
魔闘8
Aスキル
Ⅳ 不可視の腕
Ⅳダブルドライブ
Ⅴシャドウドライブ
Ⅴ超加速
Ⅴトルネードファング
Ⅴ天狐
Ⅴエリクヒール
Ⅴ影空間移動
Ⅴレーザー
Ⅵ先読みの魔眼
Ⅵ 神聖の加護
Ⅵトリプルウェーブスラッシュ
Ⅵ天舞
Ⅵ影分身
Ⅶマナコントロール
Ⅶ千切り
Ⅶ影の武具
Ⅹ勇者の証
Ⅹザ・ワン
Ⅹ天の力
Ⅹ虫の密語
ついに早熟や他の主要スキルのレベルが10に至った。これで打ち止めなのだろうか。
そう思ったが、どうやらそんな事はないようだ。
スキルレベル10……スキルレベルが10へ至った場合、これ以上スキルに熟練度がたまる事はない。しかし、スキルレベル10のスキルを複数個所持する事で稀に合成され上位スキルへと至る場合がある。
早熟9……基本レベル100までの必要経験値が半減し、スキルレベル10までの必要熟練度が半減する。基本レベル100以上のスキルの必要経験値が倍加する。
そして新たなユニークスキル能力合成。これは選定妖精の加護の効果で得られるボス討伐報酬だろう、そして能力接続が無くなっている事から進化した物だと思われる。上位スキルとはユニークスキルの事なのだろうか。
能力合成……複数のスキルの効果を掛け合わせる事で全く新たなスキルを作成する。ただしその効果で上位スキルが発生する事はない。
大まかなとこはこのくらいだろう。他にも、天の力や勇者の証などの強力なスキルも手に入った事で僕の能力は更に上がった。
全スキルの効果を把握するのが終わるの当時に、僕が居る部屋の扉が開けられた。
そこにいたのは、今回僕と一緒に天空の島の攻略に参加した7人と大統領の龍仙大和、外務大臣の本郷悟、最後にダンジョン対策機関の隊長を務める真鍋弘樹だった。
「今回の一件は日本にとって様々な幸福をもたらす物だ。心から感謝する」
そう言って龍仙大和は頭を下げた。
俺たちはあっけにとられる。まさか首相自らが感謝の為に頭まで下げるとは思わなかった。確かに今回の一件で日本は他の国に対して一歩先に行けたと言える。ただ、ここにはオリビアさんもいる訳だがいいのだろうかとか思う。まあ、そこまで重要な話はしないのだろう。それか、オリビアからアメリカに持ち帰ってもらいたい情報でもあるのかもしれない。
なんか他の奴らが僕を見てる。何故に僕がなんて反応するか気にしているような雰囲気なのだろうか。僕は別にこのチームのリーダーになった覚えはないのだけど。
「いえ、頭を上げてください。首相にそこまでされると逆に緊張してしまいます」
「ああ、そうだね」
頭を上げてくれた。てかなんで僕が何か言うまで誰も何も言わないんだ。10秒くらい頭さげてたけどこの人。
「それで、私はまだ君たちの事について書面でしかその能力を知らないのだ。よければ君たちが見たものや君たちが成した事を話してはくれないかね?」
どうやら、今回の目的は僕達から直接報告を受ける事にあったようだ。勿論、天空の島のダンジョンについての報告書は参加した全員が報告書にして提出している。だが、この人は本人から聞いてみたいのだろう。
「はい。勿論かまいませんよ」
そして僕達が体験してきた冒険についてを彼に話して聞かせた。時に影魔法でシルエットながら攻防を再現してみたり。結構熟練度上昇に使えるんじゃないだろうか、この方法。
首相は楽しそうに聞いてくれた。普通に考えればライトノベルにでもなりそうな題材だが、これが現実と言うのだから笑うしかない。そんな苦笑いを時折見せていたが、この話が本当である事を彼は疑いもしなかった。
「ありがとう。なるほど、やはり冒険者の育成はこれからの時代必須なのかもしれないね」
首相がつぶやいた言葉の意味を俺を含めてこの部屋にいる人間の大半は分からなかった。冒険者採用試験なんて物を開いておきながら今更どうしたというのだろうか。
「首相は冒険者制度の導入を最後まで反対されておられたのだよ」
その真意をくみ取ったのは外務大臣の悟さんだった。その言葉を聞いて納得する。冒険者という職業が存在する事によって日本人の死亡件数が増える事を危惧しているのだろう。
世の中は少子化社会だ。冒険者なんてできるのは当然若い人間だけだろうが、その若い人間の死亡件数が増えれば少子化は加速するだろう。それは確かに由々しき事態だ。
だが、ダンジョンを放置するという愚策に比べればはるかに増しだと思う。
「いや、冒険者の必要性は理解した。冒険者の死亡者をできるだけ出さないように努めるしかないな」
その後、謎の親睦会もどきが始まり、何故か僕の携帯の連絡先にこの室内の全員が追加された。
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