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1話
私が健介と結婚して1年2ヶ月ほどが経過した。今も新婚と言えるけど、結婚当初は手続きなんかでバタバタしていたし色々変わった生活に慣れようとしていたらいつの間にか時が過ぎていた。
偶には派手に喧嘩もするけれど、交際当初からずっと楽しく暮らしていて健介と結婚出来て本当に良かったと思っている。
……ただ、ここ2ヶ月健介と致していない。お互いに仕事をしているときでも1週間に1回以上はHをしていたのに、最近はご無沙汰だ。全くない。
浮気……? いやいや毎日ハグもするしキスだってする。うーん、なんなんだろう……。
そんなモヤモヤを抱きながら、夕ご飯の準備をして健介の帰りを待つ。
ピンポーン。
夕ご飯の準備を終えて、次の原稿のプロットを考えているときにインターホンがなった。リビングの椅子から立ち上がって玄関へと向かう。
玄関の鍵が開く音と共に扉が開く。仕事から帰ってきた健介の姿が見えてくる。
「健介、お帰り」
「黄帆、ただいまー」
そう言いながら、健介は私に抱きついてくる。私も彼の背中に手を回して、少しその時間を楽しむ。仕事帰りということもあって、健介が持つ体臭と汗の匂いが混じったものが鼻腔を擽る。私が大好きな彼の匂いだ。気づかれないように嗅ぐと彼に守られている感じがしてとても落ち着く。
私の方が背が小さいため、可愛らしく上目遣いで健介の瞳を見る。
「ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し?」
「うーん、汗流したいからお風呂かなー」
「…………」
カッチーン。
最近ずっとこうだ。私から誘っても健介は夜の営みを拒否する。私とハグしているときに彼のあそこは大きくなっているのが分かるし、私を"女"と見ているのは確かだ。なのに、私に手を出さなくなってしまった。この原因が分からない。
「黄帆、好きだよ」
そう言って、健介は私の額にキスを落す。そして、革靴を脱いでサッサと自分の部屋に戻っていった。私は離れていく健介の背中を見て内心叫ぶ。
好きって言うんなら私を抱いてよ!! バカ健介!
徐々に積み重なるイライラが私の中で膨れていて、3回ほど深呼吸して無理矢理気持ちを静めた。
健介の後に私もお風呂に入って、準備していた白米、味噌汁、鮭のボイル焼きとほうれん草のごま和えを食べ終わった。今は食休み中だ。
彼はソファに寝っ転がりながらテレビでお笑いを見てはゲラゲラ笑っている。食卓の側の椅子に座りながら、私はそんな彼を落ち着かない様子で見る。
ムダ毛の処理は大丈夫だし、明日はお互いに休日。今夜こそ!
そう思って、私は健介に話し掛ける。
「ねぇ、健介? そろそろ一緒に寝ない?」
「えー、俺このお笑いまだ見てんだけど。めっちゃおもろくない?」
「……面白くないけど」
……はぁ、また拒否されてしまった…………。
私が機嫌を損ねたことに気づかない健介はそのままお笑い番組を見続ける。結局今日も駄目そうだ。ふて腐れた私は椅子から立上がって寝室に向かう。
「そ、じゃあいいや。……明日友達と遊んでくるから」
「あーい、明日は俺がご飯作るから楽しんできてなー」
その気遣いが出来るなら私に一言言ってくれてもいいんじゃ無い?
ささくれだった今の状態では怒声を浴びせてしまいそうだ。私不機嫌ですよ! それを知らせるために足音を立てて歩く。それにも関わらず、結局健介はずっとゲラゲラ笑っていた。
「それで不機嫌なんだね、黄帆」
「そー、何したら良いのよ。……分かる? 海里」
「うーん……」
親同士が仲良かったことで物心ついた時からの親友とと一緒にカフェでこの時間を楽しむ。昔からの空気感でいられて心地良い。糖分が足りないかもね。そんな風に言われた私はメロンソーダのフロートを。そして、海里はカモミールのハーブティーを頼んだ。それぞれ舌鼓を打ちながらその味を楽しむ。
「……言いにくいけどキャバクラとか風俗の可能性は?」
「うーん、別の女が使ってる香水とかの匂いはしてないんだよね。煙草も吸わないから柔軟剤とかの匂いだけかな」
「まぁ、まめな人は着替えを準備してから行くって聞くし。現時点ではちょっと分かんないよね。……スマホとか見た?」
「見てない。実際に誰かと関係持ってたら気持ち悪くなりそうだし」
「だよねー……。黄帆の旦那さんが浮気とかするようなタイプには見えないんだけどなぁ」
「そう信じたいけど…………」
一旦会話が途切れてそれぞれ頼んだものを口に運ぶ。バニラクリームとメロンソーダを摂ることでささくれ立つ私の怒りはちょっと静まっていく。学生の時にしていたスイーツパラダイスの食べ歩きみたいな無茶は出来そうに無いけど、働いてからの給料で高いものを楽しめるようになってきた。27歳になって、30歳も見えてきてしまったのでこれからはより一層食べ物に気をつけないといけなさそうだ。……まあ、でも偶には良いよね。
「ほら、せっかく会えたんだし今日は楽しもう? あたし、ここの新作チーズケーキが楽しみだったんだー」
「えーどれどれ……? え、めっちゃ美味しそうだね!」
「でしょー、会社から帰ってる時に偶然見つけたんだよ。黄帆と遊びに行くときに来ようって思ってたんだー」
「えー、嬉しいじゃん。よし、じゃあ頼もっか!」
備え付けられている呼び出し用のインターホンを鳴らして店員が来るのを待つ。メニュー表に乗っているブルーベリーとチーズケーキの新作はとても美味しそうだった。
チーズケーキを頼んで5分くらいが経過した。無事に届いて、目の前には美味しそうなチーズケーキがある。思わず生唾を飲み込んでしまい、甘い物に飢えているのが分かった。私達は何も発せ無い。それ位の衝撃だ。
「じゃあ……」
「うん……」
頂きます。そう心の中で呟いて、さっそく食べ始めようとフォークを持つ。
お互いに示し合わせてチーズケーキをフォークで切り分ける。切り分けたものをフォークで刺して口に運んだ。
……こ、これは! チーズケーキの甘さが口の中に広がった後はブルーベリーのほどよい酸味が口の中で広がって……。喉を通り過ぎる頃には上手く調和されて……。頬が取れるんじゃ無いかって位美味しい…………!
チーズケーキを食べた海里の顔も幸せそうで、私も同じ顔をしているに違いない。記憶にある初めて誕生日を祝われたときと同じ顔で目を輝かせながらうっとりしている。
私達は何も話すことなくそのチーズケーキを心から堪能した。
「はぁー、すっごく美味しかったね。誘ってくれてありがと」
「いいえー、また来よ?」
「もちろん! ……海里は最近どう?」
「え? あたしぃ……?」
チーズケーキを堪能したときとは違う幸せが海里の顔には溢れ出す。海里は海里で上手くいってるみたいだ。
「先週彼にプロポーズされたよー」
「え!? やったね! おめでとう!」
「近いうちにお互いの家に挨拶しに行くかなー。とは言っても何回か逢ったりはしてるんだけどさ」
「結婚式、いつ頃になりそう?」
「半年以内にはって言ってるけどまだまだ分からないかなー……。新婦の友人でスピーチお願いね? あたしもしたんだし」
「もちろん! 今から考えとく」
「いやいや、まだ早いって」
喉を潤すために、チーズケーキと一緒に頼んでいたハイビスカスのハーブティーの入ったカップを持って口元に持って行く。カップを唇に付けて傾けると爽やかな味な口の中を通っていく。これも素材の良さが際立っていて、学生向けのお店とは違った高級感がある。
「そろそろお店出る? 混んできたし」
「そうだねー、ショッピングしたいから出よっか」
正午に近付いてきて、ランチを取ろうとする同年代の女性やカップルが増えてきた。頼んだものを心のそこから堪能出来たからとても満足だ。海里と一緒にウインドウショッピングに行こう。
バッグからメイク用のウエストポーチを取り出して、中のリップを手に取る。そして、上唇と下唇に塗ってハムハムする。鏡で確認しないととは思うけど及第点だろう。
海里は私が使ったリップを見て私に問いかけてきた。
「そのリップどこの?」
「これ? A&Z社のでー。確かこれから行くデパートにも置いてるお店があると思うから行ってみよ?」
「うん、行きたい!」
私達はバッグと注文書を持って会計をする為に歩いていく。
偶には派手に喧嘩もするけれど、交際当初からずっと楽しく暮らしていて健介と結婚出来て本当に良かったと思っている。
……ただ、ここ2ヶ月健介と致していない。お互いに仕事をしているときでも1週間に1回以上はHをしていたのに、最近はご無沙汰だ。全くない。
浮気……? いやいや毎日ハグもするしキスだってする。うーん、なんなんだろう……。
そんなモヤモヤを抱きながら、夕ご飯の準備をして健介の帰りを待つ。
ピンポーン。
夕ご飯の準備を終えて、次の原稿のプロットを考えているときにインターホンがなった。リビングの椅子から立ち上がって玄関へと向かう。
玄関の鍵が開く音と共に扉が開く。仕事から帰ってきた健介の姿が見えてくる。
「健介、お帰り」
「黄帆、ただいまー」
そう言いながら、健介は私に抱きついてくる。私も彼の背中に手を回して、少しその時間を楽しむ。仕事帰りということもあって、健介が持つ体臭と汗の匂いが混じったものが鼻腔を擽る。私が大好きな彼の匂いだ。気づかれないように嗅ぐと彼に守られている感じがしてとても落ち着く。
私の方が背が小さいため、可愛らしく上目遣いで健介の瞳を見る。
「ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し?」
「うーん、汗流したいからお風呂かなー」
「…………」
カッチーン。
最近ずっとこうだ。私から誘っても健介は夜の営みを拒否する。私とハグしているときに彼のあそこは大きくなっているのが分かるし、私を"女"と見ているのは確かだ。なのに、私に手を出さなくなってしまった。この原因が分からない。
「黄帆、好きだよ」
そう言って、健介は私の額にキスを落す。そして、革靴を脱いでサッサと自分の部屋に戻っていった。私は離れていく健介の背中を見て内心叫ぶ。
好きって言うんなら私を抱いてよ!! バカ健介!
徐々に積み重なるイライラが私の中で膨れていて、3回ほど深呼吸して無理矢理気持ちを静めた。
健介の後に私もお風呂に入って、準備していた白米、味噌汁、鮭のボイル焼きとほうれん草のごま和えを食べ終わった。今は食休み中だ。
彼はソファに寝っ転がりながらテレビでお笑いを見てはゲラゲラ笑っている。食卓の側の椅子に座りながら、私はそんな彼を落ち着かない様子で見る。
ムダ毛の処理は大丈夫だし、明日はお互いに休日。今夜こそ!
そう思って、私は健介に話し掛ける。
「ねぇ、健介? そろそろ一緒に寝ない?」
「えー、俺このお笑いまだ見てんだけど。めっちゃおもろくない?」
「……面白くないけど」
……はぁ、また拒否されてしまった…………。
私が機嫌を損ねたことに気づかない健介はそのままお笑い番組を見続ける。結局今日も駄目そうだ。ふて腐れた私は椅子から立上がって寝室に向かう。
「そ、じゃあいいや。……明日友達と遊んでくるから」
「あーい、明日は俺がご飯作るから楽しんできてなー」
その気遣いが出来るなら私に一言言ってくれてもいいんじゃ無い?
ささくれだった今の状態では怒声を浴びせてしまいそうだ。私不機嫌ですよ! それを知らせるために足音を立てて歩く。それにも関わらず、結局健介はずっとゲラゲラ笑っていた。
「それで不機嫌なんだね、黄帆」
「そー、何したら良いのよ。……分かる? 海里」
「うーん……」
親同士が仲良かったことで物心ついた時からの親友とと一緒にカフェでこの時間を楽しむ。昔からの空気感でいられて心地良い。糖分が足りないかもね。そんな風に言われた私はメロンソーダのフロートを。そして、海里はカモミールのハーブティーを頼んだ。それぞれ舌鼓を打ちながらその味を楽しむ。
「……言いにくいけどキャバクラとか風俗の可能性は?」
「うーん、別の女が使ってる香水とかの匂いはしてないんだよね。煙草も吸わないから柔軟剤とかの匂いだけかな」
「まぁ、まめな人は着替えを準備してから行くって聞くし。現時点ではちょっと分かんないよね。……スマホとか見た?」
「見てない。実際に誰かと関係持ってたら気持ち悪くなりそうだし」
「だよねー……。黄帆の旦那さんが浮気とかするようなタイプには見えないんだけどなぁ」
「そう信じたいけど…………」
一旦会話が途切れてそれぞれ頼んだものを口に運ぶ。バニラクリームとメロンソーダを摂ることでささくれ立つ私の怒りはちょっと静まっていく。学生の時にしていたスイーツパラダイスの食べ歩きみたいな無茶は出来そうに無いけど、働いてからの給料で高いものを楽しめるようになってきた。27歳になって、30歳も見えてきてしまったのでこれからはより一層食べ物に気をつけないといけなさそうだ。……まあ、でも偶には良いよね。
「ほら、せっかく会えたんだし今日は楽しもう? あたし、ここの新作チーズケーキが楽しみだったんだー」
「えーどれどれ……? え、めっちゃ美味しそうだね!」
「でしょー、会社から帰ってる時に偶然見つけたんだよ。黄帆と遊びに行くときに来ようって思ってたんだー」
「えー、嬉しいじゃん。よし、じゃあ頼もっか!」
備え付けられている呼び出し用のインターホンを鳴らして店員が来るのを待つ。メニュー表に乗っているブルーベリーとチーズケーキの新作はとても美味しそうだった。
チーズケーキを頼んで5分くらいが経過した。無事に届いて、目の前には美味しそうなチーズケーキがある。思わず生唾を飲み込んでしまい、甘い物に飢えているのが分かった。私達は何も発せ無い。それ位の衝撃だ。
「じゃあ……」
「うん……」
頂きます。そう心の中で呟いて、さっそく食べ始めようとフォークを持つ。
お互いに示し合わせてチーズケーキをフォークで切り分ける。切り分けたものをフォークで刺して口に運んだ。
……こ、これは! チーズケーキの甘さが口の中に広がった後はブルーベリーのほどよい酸味が口の中で広がって……。喉を通り過ぎる頃には上手く調和されて……。頬が取れるんじゃ無いかって位美味しい…………!
チーズケーキを食べた海里の顔も幸せそうで、私も同じ顔をしているに違いない。記憶にある初めて誕生日を祝われたときと同じ顔で目を輝かせながらうっとりしている。
私達は何も話すことなくそのチーズケーキを心から堪能した。
「はぁー、すっごく美味しかったね。誘ってくれてありがと」
「いいえー、また来よ?」
「もちろん! ……海里は最近どう?」
「え? あたしぃ……?」
チーズケーキを堪能したときとは違う幸せが海里の顔には溢れ出す。海里は海里で上手くいってるみたいだ。
「先週彼にプロポーズされたよー」
「え!? やったね! おめでとう!」
「近いうちにお互いの家に挨拶しに行くかなー。とは言っても何回か逢ったりはしてるんだけどさ」
「結婚式、いつ頃になりそう?」
「半年以内にはって言ってるけどまだまだ分からないかなー……。新婦の友人でスピーチお願いね? あたしもしたんだし」
「もちろん! 今から考えとく」
「いやいや、まだ早いって」
喉を潤すために、チーズケーキと一緒に頼んでいたハイビスカスのハーブティーの入ったカップを持って口元に持って行く。カップを唇に付けて傾けると爽やかな味な口の中を通っていく。これも素材の良さが際立っていて、学生向けのお店とは違った高級感がある。
「そろそろお店出る? 混んできたし」
「そうだねー、ショッピングしたいから出よっか」
正午に近付いてきて、ランチを取ろうとする同年代の女性やカップルが増えてきた。頼んだものを心のそこから堪能出来たからとても満足だ。海里と一緒にウインドウショッピングに行こう。
バッグからメイク用のウエストポーチを取り出して、中のリップを手に取る。そして、上唇と下唇に塗ってハムハムする。鏡で確認しないととは思うけど及第点だろう。
海里は私が使ったリップを見て私に問いかけてきた。
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