私はサキュバス

シンフジ サイ

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中山響史朗 36歳 WEBデザイナー

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 近々東京ラージタウンって所で”漫画市場”っていう催しがあるみたいなのよねぇ。
 ”こすぷれーい”の披露とか自分で創ったものを売買するって聞いているけど、なんだか面白そうね。
 せっかくだから私の姿でもお披露目しようかしら。羽とか尻尾とかも”創ってます”って言えば大丈夫だと思うし。
 ……あはっ、案外良い精魂を持つ雄が集まるみたいじゃない。私も楽しませて貰おうっと。

                ◇◇◇

 その男--中山響史郎--はヲタクだ。
 普段はWEBデザイナーとしてプログラムを書いてヲタク活動の資金を貯めている。休みの日にはネットサーフィンなどでアニメやゲームなどへつぎ込んでいた。
 独り暮らしの中誰かの目を気にせずにグッズを集め続けていて、そこまで悪い見た目で無いにもかかわらず、女性からは相手にされていない。親や職場の人間からもそれとなく伝えられているものの、「ロリコンは正義だ!」と言って周囲を戸惑わせている。
 そう、彼の恋愛対象となる女性は10歳より下の少女であった。彼は「生理が来た女はもうBBAだ!」とよく言っている。それ故に女性からは顰蹙を買っていた。その言動さえ改めれば彼女だって出来るし、結婚だって出来るのにと思われている。そんな残念な男性だった。
 物心付いたときから美少女アニメにのめり込んで、性癖はどんどん歪んでいった。今では妹物のアダルトゲームやアニメなどを中心に集めている。更には妹っぽい声を持つ声優やアイドルが彼の日々の餌になっていた。
 今日も今日とて彼は妹物のゲームを楽しむ。今回は泣けるゲームと評されているものだ。
 モニターに病院のベッドに横になっている幼い妹と丸椅子に座っている学生服の少年の背中が映っている。外には月が浮かんでいた。
 会話パートに移る。

『おにいちゃん』
『なんだ、ほのか?』
『もうすぐクリスマスだね』
『そうだな』
『ほのかね、イルミネーション見に行きたい』

 妹のお願いに、兄は一瞬声を詰まらせて返事をする。

『っ!! ああっ! 行こう! 一緒に行こう!』
『それでね、たくさんケーキも食べたい、イチゴの載ったケーキって美味しいんでしょ?』
『美味しいよ、目茶苦茶美味しいよ! ほのかだって絶対に気に入るさ!!』
『そう? 楽しみだなぁ』
『他には無いのか?』

 そこには日に日に体調を崩していく妹に楽しいことを考えさせる兄がいた。

『えーっとえーっと……。あ、サンタさんに会ってみたい』
『おお、そっか! 会おう、俺呼んでくるよ!』
『ほんと? あとね、水族館とか動物園にも行ってみたい』
『ああっ、今度お医者さんに外出許可貰ってくるよ』
『他にもいっぱいしたいことあるんだ』
『全部しよう! 絶対に楽しいって!』
『そうだよね……』

 そこで、妹は兄から視線を外して外の月を見た。まん丸でよく見たらウサギがいるかもしれない月だ。

『お兄ちゃん』
『ん? どうした?』
『私・・・』

 ピンポーン。
 しかし、そこでインターホンが鳴らされた。彼は現実に戻ってくる。慌ててスタートボタンを押してゲームを中断した。

「(いま良いところだったんですけどぉ!?)」

 PCの時計を確認する……何かを配達される予定の時間では無かった。

「(良い良い、無視だ無視!)」

 そう思った彼はゲームを再開しようとしたものの。
 ピンポーン、ピンポーン、ピピピンポーン、ピピピピピンポーン。
 連続して聞こえてくるインターホンの音に彼は我慢出来なくなった。足音を鳴らしながら玄関へと向かって鍵を開いて思いっきり開く。

「うるせえぞ!」
「あ、やっと来たっすね、先輩」

 扉を開けた先には彼の大学の後輩である古市健吾がうちわを扇いで待っていた。
 一緒にアニメサークルに入っていた仲で今になっても夏と冬には一緒に漫画市場に行くような関係だ。彼らは自分が”ヲタク”であることをしっかりと認識していて、一般人に悪影響を出さないように気を配っている。

「古市、お前何で来たんだよ?」
「何でって、今日”漫市”の打ち合わせでしたよね? どこ回るかの」
「…………あ」
「えっ、忘れてたとか先輩さいてーっす」
「悪い、忘れてたわ。……入ってくれ」
「はーい、おじゃまするっす。あ、これどうぞ」
「おお、悪いな」

 古市健吾は手に持っていたスーパーマーケットのビニール袋を彼に渡した。中にはスポーツドリンクや麦茶、アイスなどが入っていた。
 2人はそのまま彼の部屋に入って、クーラーで冷やされる。

「あ゛ー、今年も暑いっすねぇ」
「だな、まーじやってらんねえ」
「あ、【ボクイモ】やってたんすね」
「おう」
「この場面良いっすよね~、兄ちゃんと妹の会話」
「な。神が新作出すって発表してたからやり直してる。もう涙ボロボロよ」
「いや~、これが発売したのがもう15年前っすからね。俺達が大学生の時っすよ。
 まさか新作出してくれるとは思わなかったっす。もちろん?」
「買うさ、ったりめえだろ?」
「そうっすね」

 当時はそこまで有名では無かったものの、今ではプレミア価格が付いていて10万はくだらないゲームについて2人は語る。語っていくうちに大学生活の話も出てきた。
 大学生故に引っ越しやイベント設営などの慣れない肉体労働の短期バイトでひいひい言いながら漫画市場の資金を貯めて当日を楽しんだ。今では社会人と言うこともあって大学生の頃よりも使える資金は格段に増えており、彼らが”神”と呼ぶ人間達に多大の金を費やしている。そんな2人だった。


 彼らが打ち合わせをして、仕事や日々の生活を送っていくと、遂に漫画市場の日になった。
 古市健吾の家が幸運にも都内にあって、彼は前日から泊まって英気を養った上で東京ラージタウンへと行くのだった。

「欲しいもの明日だから、レイヤーさんの写真撮ってるわ」
「おっけーっす、俺も目的のもの買えたらそっちに向かいますね」
「おう、……死ぬなよ?」
「先輩こそ」

 不敵に笑った2人は各々の目的地へと向かっていった。
 彼らはもうベテランで、この漫画市場については熟知している。それでもこのお祭りには心躍るのであった。買えるか買えないか、そんな戦いがこの戦場にはある。
 古市健吾と別れた彼はコスプレエリアに到着する。彼の推しも午後からお披露目会をするそうだ。

「(さーて、写真撮ろーっと。…………あれ?)」

 そこで彼はサキュバスのコスプレをしている幼女と警備員が揉めているのを見つけた。その幼女の事が気になった彼は興味本位で近付く。彼女達の会話が聞こえてきた。声優だと言われてもおかしくないソプラノ声だ。

「だーかーらー、私もう20歳越えてますって! 成人してます!」
「……そう言えって言われてるんじゃなくて?」
「違いますー! 体質で背が低いだけなんですって! ほら、免許証と診断書!」
「……【エリー・ブラックフェザー】さんね。事情は分かりました。ただ……」
「分かってます! 問題は起こしません!」
「……気を付けて下さいね。申し訳ありませんでした」

 揉め事は収まったみたいだ。警備員はエリー・ブラックフェザーのことを気にしながらこの場を離れていく。
 改めて、彼はエリー・ブラックフェザーのことを観察した。
 身長は140cm以下に見えて、そこまで発育も良くない。ぱっと見10代に入ったか入ってないかというのが問題だったようだ。アニメに出てくるようなサキュバスの格好で、時折翼と尻尾が動いているように見えた。きっと創作したんだろう。
 ただ、名前の通り外国の血が強いらしく、フランス人形のように見えた。コスプレで無くても十分目立つ。それほどの可愛らしさだった。作り物の中に本物がいる、そんな人だ。
 フランス人形がサキュバスのコスプレをしている、そんなアンマッチさがよりエリー・ブラックフェザーを際立たせていた。
 騒動を終えて、ほっと息を吐いているエリー・ブラックフェザーにカメラを持ったちょっと小太りの男性が話し掛ける。街中であれば事案行為だが、この漫画市場においては許された。
 その男性も【No 幼女 No Life!】を心がけているのだろう。

「すみません、写真撮っても良いですか?」
「はい、大丈夫ですよ!」
「ありがとうございます! えーっと、ポーズはこんな感じで」
「はーい!」

 あ、あのサキュバスの娘可愛い、写真撮ろ。
 こう思ったカメラマンがぞろぞろと並び始めた。それを見て彼も並ぶ。しかし、少し出遅れたせいか前に15人ほど並んでしまってしくじたる思いであのサキュバスの娘を見る。

「(うへ、うへへへへ。やっばぁ、超可愛いだけど。『お兄ちゃん』って呼んで貰えるかな? あんな子が妹だったらなぁ、うへへへへ)」

 すっかりエリー・ブラックフェザーの魅力に惹かれた彼は逸る気持ちで自分の番を待つ。
 ぼーっとしながら前のカメラマンとの撮影を見る。

「エリーちゃん、可愛いよ!」
「ありがとう!」

「怒った顔でお願いしていい?」
「んーとこんな感じ?」
「そうそう! きゃわわだよ!」
「えへへー」

「おじさんを踏みつけるようなポーズしてくれないかな?」
「大丈夫だよ! えいっ!」
「っ~~~~!! 最高だよ、エリーちゃん!」
「可愛く撮ってくれてありがとう!」

 エリー・ブラックフェザーは割とサービス精神豊富だったようで、局部のアップや直接触るようなことをしなければ、大体のポーズとシチュエーションは許された。たまに警備員が注意してくるが。
 そして、エリー・ブラックフェザーはこの場の人気者となる。彼の後ろにはずらっと自分と同類が並んでいた。

「エリーちゃん、日本語上手だね!」
「大学で勉強したんだぁ」

「SNSはやってないの?」
「これだよ!」
「おじさんフォローしちゃうね!」
「ありがと~!」

「エリーちゃんの翼と尻尾可愛いね!」
「ほんとぉ!? 創って良かったぁ!」

 そんな会話を聞いていると、遂に彼の番になった。
 緊張で支離滅裂な話し方に鳴らないように気を付けながら話しかける。

「よろしくお願いします!」
「はい、こちらこそ! 何か有りますか?」
「ブラコンの妹が兄に抱きついてくるような感じでお願いします!」
「えーっと、こんな感じかな?」

 エリー・ブラックフェザーは両手を広げて彼に飛びつくようなポーズを取る。そこにはまさしく”妹”がいた。

「あ、それでお願いします!」
「はーい、じゃあ行きますね。……お兄ちゃん、大好き!」
「「「ぐはぁーっ!?」」」

 彼と同じように、エリー・ブラックフェザーの可愛さに限界突破しそうになったヲタク達がいた。
 徐々に昇天していく中で、必死に彼はシャッターを切る。切り続ける。我が人生に一片の悔い無し……とでも言いたそうな安らかな表情だ。
 10枚ほど取ったらようやく現世に戻ってきた。

「……大丈夫?」
「はぁはぁ……、はい大丈夫です」
「どんな感じですかぁー?」

 そう言って、エリー・ブラックフェザーは彼のカメラを覗き見る。突拍子の無い行動に彼は酷く動揺した。直ぐそこにエリー・ブラックフェザーがいて肌が触れそうな距離に彼は絶頂しかける。

「(うはぁ!? 近い近い近いよ!? でも良い匂いだ、どこか甘い匂いもする。香水かな? うわぁ、まつげながぁ!)」
「……大丈夫ですか?」
「ああ、うん大丈夫。写真ありがとね、エリーちゃん」
「こっちこそ! また今度撮ってね、おにーちゃん!」
「げべればっ!?」

 エリー・ブラックフェザーの笑顔を見て浄化されそうになった彼は蹌踉めきながらその場を離れる。きっとエリー・ブラックフェザーの写真は宝物になるだろう。
 息を整えながら当初の目的地へと辿り着いた彼は推しのコスプレを撮ろうと列に並ぶ。
 エリー・ブラックフェザーに人を盗られているのか、その女性の列の人数は少なくてすぐに彼の番になった。
 6年前にここでであった【シャリー】だ。もちろん彼とシャリーはSNSでも繋がっている。
 シャリーは幼い少女が魔法使いとなって戦うアニメが好きで、彼とも案外気が合う人物である。150cm半ばと成人女性の平均的な身長だが、計算されたあざとさで人気になっている女性だ。今も魔法少女の格好をしている。

「シャリーちゃん、ヤッホー」
「あ、中山さん。今日も参加してたんですね」
「もちろん」
「見てましたよー、あのサキュバスの娘可愛いですよね。私も撮って貰おーっと」
「なんというか、コスプレじゃ無くて本物っぽいよね」
「……いやいや、サキュバスなんて3次元でしょう? 悪いものでも食べましたか?」

 存外にイカレましたか? と聞いてくるシャリーを呆れた目で見る。
 2次元は2次元、3次元は3次元。それを切り替えられないとただの痛い人だ。そしてメディアはこういう人を叩く材料にする。ここにいる人はしっかりと理解している。

「あのねぇ、ただでさえヲタクは社会の毒なんだからしっかりと棲み分けはしておかないと。鉄道とかVtuberのやり過ぎるヲタクのせいでヲタク全体が白い目で見られてんだからさぁ」
「……そうですね、最近も女の子向けのアニメのコスプレをした男が小学生を誘拐して捕まりましたし」
「そうだろ? ……写真撮っても良いかな?」
「あ、そうでしたね。お願いします」

 ここはお祭りだ。それを思い出した彼らは毎度のように写真撮影に移る。
 勝手知ったる仲故に、シャリーは彼がどんなポーズが好きなのかを熟知しており、彼もまたシャリーがどうすれば綺麗に引き立つのかを熟知しているからスムーズに進む。

「……こんな感じだね、今日はありがとう。シャリーちゃん」
「いーえ、いつもみたいにデータ頂けると嬉しいですー」
「OK、じゃあまた明日」
「はーい、明日も宜しくお願いしまーす」

 推しを取り終えた彼は、シャリーの元から離れていった。
 シャリーが初めてコスプレをした日からずっと応援し続けていて、父親や兄のように応援しているのだった。


 目一杯遊び尽くした彼は古市健吾と合流して家に帰る。
 古市健吾の家の中も彼と同様にアニメのフィギュアやゲームなどで埋まっていた。

「いやー、いっぱい買いましたね~」
「それはお前だろ? 俺は明日だ」
「そうっすね、でも今日行けてマジで良かったっす。……風呂洗ってくるんでちょっと待ってて下さい」
「先入って良いぞ、お前の家なんだし」
「そうっすか? じゃあお先っす」
「おー」

 古市健吾は着替えとパジャマを持ってお風呂場に向かっていった。
 落ち着く場所を戻ってきたせいか、彼は1つ欠伸をする。自分が疲れていると自覚した彼に睡魔が襲いかかってきて、そのまま身を委ねた。

「(貴方の夢、叶えてあげるわ)」

 聞いたことがある声に返事をしようと試みた彼だが、抵抗する間もなく意識は無くなった。

                ◇◇◇

 ん……、あ……?
 水を叩くような音と人の遊んでいるような雰囲気、光に身を焼かれているような感覚がして俺は起きる。
 ぼんやりと目を開いたら目の前の光景に目を見開いた。

「エリーちゃん!?」
「ちょ、お兄ちゃん。エリーの手を放さないでよ!」
「え? お、おう……。いや、ちょっと待ってって」
「どうしたの? 今日お兄ちゃん、エリーに水泳教えてくれる約束でしょ?」
「……俺が?」

 エリーちゃんの両手を持ってバタ足の練習に付き合っていた。ここは小学校の室内プールだ。周りにもチラホラ遊んでいる小学生がいる。
 俺は卒業したけどエリーはまだ通っている。……んんっ? なんか身体が幼いような?

「お兄ちゃんどうしたの?」
「俺働いてなかったっけ?」
「……アイスでも食べ過ぎちゃった? お兄ちゃん中学生でしょ?」
「…………?」

 エリーの小馬鹿にした顔が無性に癪に障った。落ち着いてよく考える。……うん、だんだん思い出してきた。
 俺は13歳で中学2年。そんでエリーは8歳で小学3年生にあがったんだ。水泳の授業が始まったんだけど泳げなくて俺が教えることになったんだっけ。
 そうだ、そうだった。父さんが捨てられてたエリーを保護して一緒に住むことになったんだ。うーん、あの時の父さんナイス! おかげさまでフランス人形みたいなエリーが妹になったぜ。
 俺が働くぅ? そんなのまだ10年先だっつうの。今はエリーを喜ばせないと。

「ん、大丈夫、思い出したよ」
「そう? ……どうしたら泳げるようになるの?」
「全身から力を抜いてみ、まずは浮くことから覚えた方が良いかも」
「人間って浮くの?」
「浮くよ、見ててみ」

 水中ゴーグルを付けて、横隔膜と腹筋を意識しながら息を大きく吸い込む。
 そして、両手でエリーの両手を掴んだまま俺は潜った。だらんと力を抜いて海藻みたいになる。同じく水中ゴーグルを付けて顔だけ潜ったエリーと眼が合う。
 浮力を得た俺の身体はだんだんと浮かんできて、遂には水面まで戻ってくる。そこで潜るのを止めた。

「どうだ?」
「エリーに出来るかな……」
「今は出来なくても良い、でも自分で泳ぎたいだろ?」
「うん……」
「じゃあやってみよう。皆最初は出来ないんだから」
「うん……」
「そうだなー、バタ足で5m進んだらお菓子買ってやるよ」
「ほんと!?」
「おう、だから少しずつ頑張ろう。な?」
「うん、エリー頑張る!」

 さあ、始めるかって時に誰かが後ろからぶつかってくる。というか俺がぶつかってたっぽい。
 後ろを見ると、俺よりもエリーと同じくらいの女の子達が遊んでいた。

「あ、ごめん、大丈夫?」
「お兄さん、ごめんなさい」
「俺は大丈夫だよ、ごめんね」

 会話はそこで終わってまた女の子達は遊び始めた。俺もエリーの方を向く。

「ちゃんと前向かないとだね、お兄ちゃん」
「だな、夏だししょうが無いかぁ……」
「うん、……あれ、お兄ちゃんの水着なんだかモッコリしてるよ?」
「へ? ……げっ!?」

 エリーの視線を辿っていくと、俺の股間に到着した。……そうか、妹っぽい子と接触したから反応しちゃったんだ。
 エリーはきょとんとしながら俺の股間を見てくる。

「ねえねえ、なんでお兄ちゃんとパパのお股とママとエリーのお股って違うの?」
「そそそ、それはっ! エリーが知るには早いんじゃ無いかなぁっ!?」
「むー、エリーももう8歳だよ。学校でもお姉さんだもん」
「だからって!」
「よくお兄ちゃんがしてるみたいにシコシコしてみてもいい?」
「駄目です、絶対に駄目!」
「えー、そんなぁ」
「って言うか何で知ってんの!?」
「え? だってママがお兄ちゃんのお部屋掃除するときに見つけてるし、裸のお姉さんの写真」
「母さん!?」

 母さん、兄の威厳が今損なわれようとしているのですが、それはどのようにお思いでしょうか? 息子のベッドの下を掃除するなんてサイテー!

「ほら、エリーが気持ちよくしてあげるよ? ね?」
「駄目だ、エリーにはまだ早い!」
「いいから、さあ早く」

 妹と、妹とエッチなことをするなんて絶対にらめぇ!! お兄ちゃん許しません!

                ◇◇◇

 がばっと彼は起きて周りを見渡す。そこは古市健吾の家だった。

「どうしたんすか? 先輩」
「いや、なんか今……あれ?」
「風呂入ってきて良いっすよ」
「……おう、そうする」

 そう言ったものの、彼はその場から動こうとしない。何やら思案顔で唸っていた。
 アイスを食べている古市健吾はそんな彼を訝しむ。

「先輩?」
「……何というか、妹が出来た気がする」
「何馬鹿言ってんすか、臭いんで早く風呂入ってきて下さい」
「え、そんな臭い?」
「そりゃあ先輩ってヲタクですし?」
「ヲ、ヲタクが全員臭いわけじゃ無いだろ!?」
「はいはい、明日もあるんで早く寝ておきましょうよ」
「最近後輩が俺に冷たく当たってくる件について」
「先輩マジキモいっす」
「うがぁーー!」

 1つ咆哮した彼はようやく立上がって下着と寝間着を持って脱衣所へと向かっていった。
 しかし、先程までの夢のことは一切覚えておらず、どことなく幸せだったような気がする彼であった。
 後日、「なんか良い夢を見た気がする」と同士達と話したものの、全員その内容を全く覚えていなかった。

                ◇◇◇

 91点ね、やっぱりHENTAIの精魂は甘美だわぁ。
 しかも色んな雄があっちからのこのことやってきてくれるのだもの。人間共の催しは最高の栄養調達場ね。おかげさまで大満足させて頂きましたわ。
 案外”こすぷれーい”っていうのも悪くないわね。変身の魔法を使っていなくてもバレなかった訳だし。
 さぁて、まだまだ楽しまないとねぇ。きゃはっ☆ 
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