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1.異世界転生!?
いつか、元の世界へ帰れる───そう思っていた。
俺は、佐久間 秋都。25才。
身長は170センチ、普通体型…と、まぁ若くは見られるが、なかなか良い出会いも無く、仕事に明け暮れる毎日をおくっていた。
幼い頃に両親が離婚し、母と高校までは二人で暮らしていたが、大学を卒業後、高校からの友人、九条 雪夜と同居をすることになった。
母は再婚をして第二の人生を楽しむのだと言う。最近は、あまり連絡を取っていない。
「雪夜!遅くなって、ごめん!!仕事が長引いて…」
見慣れたスーツ姿の男性に声をかける。
雪夜は俺と違って身長も高く、メガネをかけたスーツの似合う男だ。モテるはずなのに、彼女がいないのが不思議すぎる。俺なんかと一緒に住んでるから、出会いが無いのかもしれない…。
ちなみに、大学時代は一人暮らしをしていて お互い彼女がいた時期もあったが、卒業前には二人とも別れてしまい、会社も近く、家賃半額という雪夜の素敵な提案に乗ってしまった。
休みの日には一緒に買い物へ行ったり、家でゲームをしたり…。とにかく気が楽というか、今はまだ彼女は いいか、と思ってしまっている。
「俺も今 着いたところ。」
嬉しそうに雪夜は笑った。
普段は早く帰れる方が夕食を作っているのだが、土曜の夜は一緒に外食しようと決めている。
「明日はお互い休みだし、今日はお酒も飲んで帰ろーぜ!」
「あぁ。そのつもりだ。」
食事と、バーで少しお酒を飲んで、帰る頃には0時を回ろうとしていた。ふと、目に入った帰り道の公園へと寄り道をして帰ることにした俺たちは、人影のない公園へと入り、ベンチに腰を下ろす。
心地よい風を感じて、背伸びをした。
「ふぁ~っ、今日も疲れた!あとは帰って風呂入って寝るだけだな!」
「風呂入る前に寝るなよ。」
クスっと笑った雪夜を見て俺も笑顔になる。
前回、お風呂を溜めてる間に寝てしまい、起こすのが大変だったのだと言っていた。
口数は少ないが、面倒見の良いところは、雪夜の良いとろだと思う。
「さぁ!帰ろっか。」
立ち上がると、少し先の方に黒い球体のようなものが見えた。
「あれ、なんだろう?よく見えないけど、何か浮いてない?」
「?見てくるから、そこにいて。」
雪夜が立ち上がり、その何かに近づく。
すると……
「!!?」
急に、その黒い球体のようなものが大きくなり、雪夜を引っ張るように取り込もうとしていた。
「雪夜!!!」
「秋都、逃げ…」
慌てて雪夜に駆け寄るが手は届かず、雪夜が「にげて」と言い終わる前に雪夜を、次に俺を引っ張りこんだ。
◇◇◇◇
長い夢を見ていた気がする……
目を開けると、見慣れない天井が目に入った。
ゆっくりと体を起こすと、ズキンと頭が痛んだ。
「…っ」
「アルフィ!?」
ベッドの横には知らない女性が座っていた。
三つ編みをした茶色い髪に灰色の瞳。片手には本を持っている。
(アルフィって俺に言ったのか?)
「え、誰…?」
「…!?先生!!アルフィが…!」
青ざめた女性はスクっと立ち上がり、
パタパタと扉へと かけていった。
(いったい、なんなんだ…。雪夜は?俺は どうなったんだ?)
知らない部屋だが、ここは、どこなんだ?
俺の部屋の倍はある広さ、西洋風のセミダブル ベッドがあり、窓際に机と椅子が置いてある。
ふと、壁に掛けてある鏡をチラッと見ると、知らない青年が映っていた。
茶色い髪に綺麗な青い瞳、年齢は20才前後くらいだろうか。
「…え!俺??!」
両頬に手を当て鏡に映った自分の顔を凝視する。
いつもの自分の顔の面影はあるものの、別人である。
ここは、どこ?俺は誰?状態に、取り乱していると、さっきの女性と白衣を着た男性が部屋へ入ってきた。
「目が覚めて良かったよ、アルフィくん。」
白衣を着た男性は深緑の髪にメガネをかけている。
二人とも40才代といった印象だ。
瞳の色、髪色から察するに ここが日本じゃないのは明らかだ。
「アルフィと言うのは、俺の名前ですか?ここは、いったい…」
「…っ、やっぱり記憶が…」
女性の方は今にも泣き出しそうである。
「君の名前はアルフィ・ルイス。20才。彼女は母親のソフィア・ルイス。僕は医者のルーベン・ウォード。君は3日間、高熱が出て生死を彷徨っていたんだよ。やっと昨日熱が下がったんだけど…覚えていないかい?」
白衣の男性ルーベンが説明してくれるが、もちろん全く身に覚えはなく、首を横に振ることしか出来なかった。
沈黙を破るように、バタバタと こちらへ走ってくる音とともに、バンッと扉が開いた。
「アルフィ!!」
ドアを開けたのは、金色の髪、灰色の瞳の男性だった。俺より少し年上そうな彼は、スラッとしていて、イケメンと言ってもいいくらい整った顔をしていた。軍服のような服装がとてもよく似合っているが、肩が少し破れ、肌から血をにじませていた。
「目が覚めて良かった!!」
ツカツカとベッドへ駆け寄り、ガバッと俺を抱きしめた。
「もう、レオン!勤務中に抜けてきたでしょ!」
ソフィアが呆れた顔で彼を見ていた。
「だって、母さん、アルフィが目を覚ましたって聞いて、待ってられないよ!」
「??」
(今度は誰?状況についていけない…)
ふと、肩の傷に目がいった
「あの、傷が…」
「あぁ。かすり傷だよ、ちゃんと倒してきたから安心して。」
もう一度、きゅっと抱きしめられる。
温かい…
誰かに抱きしめてもらうなんて、いつぶりだろうか。
(なにか流れてくる感じだ。ほっとするというか……なんだろう?)
そっと彼の背中に手をまわす。
「…!?」
パッと、引き離され、彼は驚いた顔をした。
「アルフィ、ガイド能力が?!肩の傷が癒えてる」
肩を見ると、さっきまで血がにじんでいた傷が綺麗になっていた。
「え?!俺は何も…」
みんなが驚いた顔をして俺を見ていた。
俺は、佐久間 秋都。25才。
身長は170センチ、普通体型…と、まぁ若くは見られるが、なかなか良い出会いも無く、仕事に明け暮れる毎日をおくっていた。
幼い頃に両親が離婚し、母と高校までは二人で暮らしていたが、大学を卒業後、高校からの友人、九条 雪夜と同居をすることになった。
母は再婚をして第二の人生を楽しむのだと言う。最近は、あまり連絡を取っていない。
「雪夜!遅くなって、ごめん!!仕事が長引いて…」
見慣れたスーツ姿の男性に声をかける。
雪夜は俺と違って身長も高く、メガネをかけたスーツの似合う男だ。モテるはずなのに、彼女がいないのが不思議すぎる。俺なんかと一緒に住んでるから、出会いが無いのかもしれない…。
ちなみに、大学時代は一人暮らしをしていて お互い彼女がいた時期もあったが、卒業前には二人とも別れてしまい、会社も近く、家賃半額という雪夜の素敵な提案に乗ってしまった。
休みの日には一緒に買い物へ行ったり、家でゲームをしたり…。とにかく気が楽というか、今はまだ彼女は いいか、と思ってしまっている。
「俺も今 着いたところ。」
嬉しそうに雪夜は笑った。
普段は早く帰れる方が夕食を作っているのだが、土曜の夜は一緒に外食しようと決めている。
「明日はお互い休みだし、今日はお酒も飲んで帰ろーぜ!」
「あぁ。そのつもりだ。」
食事と、バーで少しお酒を飲んで、帰る頃には0時を回ろうとしていた。ふと、目に入った帰り道の公園へと寄り道をして帰ることにした俺たちは、人影のない公園へと入り、ベンチに腰を下ろす。
心地よい風を感じて、背伸びをした。
「ふぁ~っ、今日も疲れた!あとは帰って風呂入って寝るだけだな!」
「風呂入る前に寝るなよ。」
クスっと笑った雪夜を見て俺も笑顔になる。
前回、お風呂を溜めてる間に寝てしまい、起こすのが大変だったのだと言っていた。
口数は少ないが、面倒見の良いところは、雪夜の良いとろだと思う。
「さぁ!帰ろっか。」
立ち上がると、少し先の方に黒い球体のようなものが見えた。
「あれ、なんだろう?よく見えないけど、何か浮いてない?」
「?見てくるから、そこにいて。」
雪夜が立ち上がり、その何かに近づく。
すると……
「!!?」
急に、その黒い球体のようなものが大きくなり、雪夜を引っ張るように取り込もうとしていた。
「雪夜!!!」
「秋都、逃げ…」
慌てて雪夜に駆け寄るが手は届かず、雪夜が「にげて」と言い終わる前に雪夜を、次に俺を引っ張りこんだ。
◇◇◇◇
長い夢を見ていた気がする……
目を開けると、見慣れない天井が目に入った。
ゆっくりと体を起こすと、ズキンと頭が痛んだ。
「…っ」
「アルフィ!?」
ベッドの横には知らない女性が座っていた。
三つ編みをした茶色い髪に灰色の瞳。片手には本を持っている。
(アルフィって俺に言ったのか?)
「え、誰…?」
「…!?先生!!アルフィが…!」
青ざめた女性はスクっと立ち上がり、
パタパタと扉へと かけていった。
(いったい、なんなんだ…。雪夜は?俺は どうなったんだ?)
知らない部屋だが、ここは、どこなんだ?
俺の部屋の倍はある広さ、西洋風のセミダブル ベッドがあり、窓際に机と椅子が置いてある。
ふと、壁に掛けてある鏡をチラッと見ると、知らない青年が映っていた。
茶色い髪に綺麗な青い瞳、年齢は20才前後くらいだろうか。
「…え!俺??!」
両頬に手を当て鏡に映った自分の顔を凝視する。
いつもの自分の顔の面影はあるものの、別人である。
ここは、どこ?俺は誰?状態に、取り乱していると、さっきの女性と白衣を着た男性が部屋へ入ってきた。
「目が覚めて良かったよ、アルフィくん。」
白衣を着た男性は深緑の髪にメガネをかけている。
二人とも40才代といった印象だ。
瞳の色、髪色から察するに ここが日本じゃないのは明らかだ。
「アルフィと言うのは、俺の名前ですか?ここは、いったい…」
「…っ、やっぱり記憶が…」
女性の方は今にも泣き出しそうである。
「君の名前はアルフィ・ルイス。20才。彼女は母親のソフィア・ルイス。僕は医者のルーベン・ウォード。君は3日間、高熱が出て生死を彷徨っていたんだよ。やっと昨日熱が下がったんだけど…覚えていないかい?」
白衣の男性ルーベンが説明してくれるが、もちろん全く身に覚えはなく、首を横に振ることしか出来なかった。
沈黙を破るように、バタバタと こちらへ走ってくる音とともに、バンッと扉が開いた。
「アルフィ!!」
ドアを開けたのは、金色の髪、灰色の瞳の男性だった。俺より少し年上そうな彼は、スラッとしていて、イケメンと言ってもいいくらい整った顔をしていた。軍服のような服装がとてもよく似合っているが、肩が少し破れ、肌から血をにじませていた。
「目が覚めて良かった!!」
ツカツカとベッドへ駆け寄り、ガバッと俺を抱きしめた。
「もう、レオン!勤務中に抜けてきたでしょ!」
ソフィアが呆れた顔で彼を見ていた。
「だって、母さん、アルフィが目を覚ましたって聞いて、待ってられないよ!」
「??」
(今度は誰?状況についていけない…)
ふと、肩の傷に目がいった
「あの、傷が…」
「あぁ。かすり傷だよ、ちゃんと倒してきたから安心して。」
もう一度、きゅっと抱きしめられる。
温かい…
誰かに抱きしめてもらうなんて、いつぶりだろうか。
(なにか流れてくる感じだ。ほっとするというか……なんだろう?)
そっと彼の背中に手をまわす。
「…!?」
パッと、引き離され、彼は驚いた顔をした。
「アルフィ、ガイド能力が?!肩の傷が癒えてる」
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「え?!俺は何も…」
みんなが驚いた顔をして俺を見ていた。
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