【完結】番のキミが幸せでありさえすれば それでいい

美麗

文字の大きさ
2 / 3

後編

………ひどい人………





命の助かった番の姿を見て、

あの人 エンリケは静かに笑った。

一筋 涙を こぼし





そして、静かに虹の橋へと旅立った。





本当ならば、嫉妬で狂う番の存在。

でも、こんなことがあるのだろうか。





彼、エンリケはもう齢80を超えていた。

エンリケのみつけた番は十を過ぎたあたりだろう。





しかもボロボロで傷だらけ

食事も足りていないのか体も小さそうだ。





70を過ぎた私が、みっともなく嫉妬するわけもない。

こんなことがおこるなんて………







❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁







エンリケの葬儀を行い

もうとっくに公爵領は息子夫婦に譲っていたため

私とティナは領地の別邸へと移った。



この、番騒動には息子達も苦笑い。

隣国ではまだ命の危険があるので

結局私の侍女として過ごすことになった。





番制度に思うところはあるけれど、

ティナの命を救えたことは

本当に感謝している。





最期まで、私を一人にしてくれなかった貴方。

もう少しだけ

ティナと過ごして

ティナのことを私に任せてしまった貴方に

逢いに行きますね。















❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁





私は、ティナ。

ルーナ大奥様の侍女として公爵領の別邸で働いている。

記憶にはないが、隣国で死にかけていたところを助けて頂いたらしい。

大奥様は穏やかで優しい方だ。

別邸の他の使用人の方も優しく

ここではゆっくりとした時間が流れている。









何故、大奥様方が私を助けて下さったのかは分からない。

でも、この別邸に来ることができて本当に良かったと思う。







私は侍女とはいえ、たいした仕事はしていない。

これから、大奥様と一緒に手紙を読んで

私が返事を代筆するのだ。



そのために

字を覚えて、美しい文字が書けるように

たくさん練習したのだ。





初めて手紙を書いたのは

もう何年も前

大奥様に感謝の言葉を書いたのだ。



大奥様は泣きながら喜んでくださった。













そして



いつか



私を救う手筈を整えてくださったという

亡くなった

大旦那へもお礼の手紙を書いてみたい









私は







幸せです、と。











感想 0

あなたにおすすめの小説

初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました

山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。 だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。 なろうにも投稿しています。

大事な婚約者が傷付けられたので全力で報復する事にした。

オーガスト
恋愛
 イーデルハイト王国王太子・ルカリオは王家の唯一の王位継承者。1,000年の歴史を誇る大陸最古の王家の存亡は彼とその婚約者の肩に掛かっている。そんなルカリオの婚約者の名はルーシェ。王国3大貴族に名を連ねる侯爵家の長女であり、才色兼備で知られていた。  ルカリオはそんな彼女と共に王家の未来を明るい物とするべく奮闘していたのだがある日ルーシェは婚約の解消を願い出て辺境の別荘に引きこもってしまう。  突然の申し出に困惑する彼だが侯爵から原因となった雑誌を見せられ激怒  全力で報復する事にした。  ノーリアリティ&ノークオリティご注意

勝手にしろと言ったのに、流刑地で愛人と子供たちと幸せスローライフを送ることに、なにか問題が?

赤羽夕夜
恋愛
アエノール・リンダークネッシュは新婚一日目にして、夫のエリオット・リンダークネッシュにより、リンダークネッシュ家の領地であり、滞在人の流刑地である孤島に送られることになる。 その理由が、平民の愛人であるエディットと真実の愛に満ちた生活を送る為。アエノールは二人の体裁を守る為に嫁に迎えられた駒に過ぎなかった。 ――それから10年後。アエノールのことも忘れ、愛人との幸せな日々を過ごしていたエリオットの元に、アエノールによる離婚状と慰謝料の請求の紙が送られてくる。 王室と裁判所が正式に受理したことを示す紋章。事態を把握するために、アエノールが暮らしている流刑地に向かうと。 絶海孤島だった流刑地は、ひとつの島として栄えていた。10年以上前は、たしかになにもない島だったはずなのに、いつの間にか一つの町を形成していて領主屋敷と呼ばれる建物も建てられていた。 エリオットが尋ねると、その庭園部分では、十年前、追い出したはずのアエノールと、愛する人と一緒になる為に婚約者を晒し者にして国王の怒りを買って流刑地に送られた悪役王子――エドが幼い子を抱いて幸せに笑い合う姿が――。 ※気が向いたら物語の補填となるような短めなお話を追加していこうかなと思うので、気長にお待ちいただければ幸いです。

特殊能力を持つ妹に婚約者を取られた姉、義兄になるはずだった第一王子と新たに婚約する

下菊みこと
恋愛
妹のために尽くしてきた姉、妹の裏切りで幸せになる。 ナタリアはルリアに婚約者を取られる。しかしそのおかげで力を遺憾なく発揮できるようになる。周りはルリアから手のひらを返してナタリアを歓迎するようになる。 小説家になろう様でも投稿しています。

四季の聖女

篠月珪霞
恋愛
エスタシオン国には、四季を司る4人の聖女が存在する。大陸に季節をもたらし恙なく過ぎるよう、管理者としての役割を担っているが、聖女自体に特別な力はない。 選定は人によるものではなく、神の遺物と言われている腕輪が持ち主を選ぶ。複製不可能なその腕輪は、出自、身分、年齢、容姿は基準とならず、あくまでも当人の資質によって選ぶのだという。 四季を司る、4人の聖女の物語。 *最終的にはハピエンの予定でしたが、取り敢えず完結とします。

私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?

百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。 だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……

五人姉妹の上から四番目でいつも空気だった私は少々出遅れていましたが……? ~ハッピーエンドへ走りたい~

四季
恋愛
五人姉妹の上から四番目でいつも空気だった私は少々出遅れていましたが……?

【完結済】25年目の厄災

恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。 だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは…… 25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。