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第1話
しおりを挟む私はレイチェル。
明日で16歳の成人を迎える少女だ。
この村では珍しい栗色の髪を、女学校ではいつも他の生徒達にからかわれている。
今日も1日嫌な気分だった。今日はあの子に相談してみようかな。
物心がついた時から私の隣にはいつもある男の子がいた。
男の子の名前は知らないけど、いつも私の隣で笑顔を見せてくれるとても優しい人。
何でも話せてとても頼りになるし、人見知りの私には唯一の友達だ。
「ただいま」
「おかえり、レイチェル。
今日も彼、裏庭に来ているよ。」
そうパパが教えてくれた裏庭に行くと、いつものように彼が私を待っていた。
「おかえり。
今日は何か悩みがあるのかな?」
いつもの優しい笑みを浮かべた顔をこちらに向け、彼が話しかけてきた。
「いらっしゃい!
あのね、今日女学校で髪の毛のことでからかわれて…」
「それは辛かったね。
大丈夫、君の髪は誰よりも美しいよ。」
「ありがとう」
彼はいつも慰めてくれる。
「女学校のことは僕に任せて。
明日からはもう大丈夫だからね。」
—————————————————-
次の日。
「レイチェルさん、あの、今までごめんなさいね。」
私をからかっていた生徒達が謝ってきた。
一体どうしたのだろうか。
昨日までは強気な口調だったのに。
昔からこんな事がよくあった。
彼に相談するとなぜか良い方に事が運ぶのだ。
放課後。
帰る前に私はパパに頼まれたものを買いに商店街に寄った。
目当ての店を探してキョロキョロと周りを見ながら歩いていると————
ドン——
きゃっ
「すみません!お怪我はないですか?」
目の前に手を差し伸べている男性がいた。
どうやら私はぶつかって転んでしまったらしい。
「大丈夫です。こちらこそぼーっとしていて、
すみませんでした。」
「怪我がないのなら良かったです。
ぼーっとしていたとは、何かお探しだったのですか?」
「あ、はい。
ヴェントブルクという店を探してまして…」
「それなら知っています!
ぶつかったお詫びに案内いたしますよ。」
「いいのですか?
ありがとうございます!」
なんて優しい人なんだろう。
こっちがよそ見していたのに、道まで案内してくれるなんて。
——————————————-
「本当にありがとうございました。
道に迷っていたのでとても助かりました。」
「いえ、もしこの後お時間があるのでしたら、
ご一緒にお茶でもいかがですか?」
「ありがとうございます、ぜひ」
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