12 / 29
第12話 金稼ぎと童壺仙法
しおりを挟む
【クルルの餌代】
薄い夜霧が山腹を覆い、灯籠の灯は水面の上に揺れ、淡い光の粒を遠くの峰々へ落としていた。霧獣法流の弟子部屋は深い静寂に包まれ、遠くの山影からは狼の遠吠えが余韻のように響く。月は出ていないにも関わらず、星だけがやけに鮮明だった。
その神秘的な情景とは裏腹に、正雪の部屋では重たいため息ばかりが満ちていた。
小さな卓の前に座り込んだ正雪は、髪をぐしゃぐしゃにかき乱しながら帳面を睨みつけている。
「……強くなるのに、修行だけじゃ足りないのかよ」
石机に広げられた帳面には、「霊薬」「霊器」「霊札」といった修行に必要なものが細かい字で並び、その中でも最も大きく丸がつけられた項目が正雪の頭痛の種だった。
『クルルの餌代』
布団の横では、蛇頸灰鳥の幼体──灰色の鳥“クルル”が丸くなって眠っていた。「くるる、くるる」と鳴くからその名になった。寝返りのたびに、長い首が布団からはみ出し、淡い灰羽がふわりと揺れる。
「……お前、本当に成長期なんだな。霊魚三十匹って、俺の三日分の飯代より高いぞ……」
ため息を押し出し、壺の中へ視線を向ける。
「翠ちゃん。お前、金稼ぐ方法とか知らねぇのか?」
「あるなら、とっくにやってるわ。蛙が金持ちって話、聞いたことあるか? ないだろ。だから金はない!」
仙蛙・翠夏が壺の縁から顔を出し、ふんぞり返った姿で言い放つ。
と――壺の奥から、しっとりした声が響いた。
「正雪。わたくし、妙案があるのだけれど──」
声の主は貝の妖・梨花だった。以前より声音は落ち着き、壺の中の環境にすっかり馴染んでいるらしい。翠夏とも妙に仲良くなっている。
「……妙案?」
「ええ。ただし──条件があるわ」
正雪は眉をひそめた。
「条件を先に言うのか」
「蛙が教えたのよ」
横で翠夏が胸を張る。
「交渉は先手必勝だ!」
「……で、その条件は?」
「わたくしを壺から解放する約束。そして──得た金の三分の一」
「三分の一!? 多すぎる。五分の一だ」
「……なら四分の一」
「二割。三年後、俺が参階になったら壺から出す。取り分は二割。それでどうだ?」
梨花は、小声で呟いた。
「二割と五分の一ってどっちが多い……? 二のほうが大きい気が……二割で成立だ……!」
「……さすが正雪。お前、交渉強いな……」翠夏はぶつぶつと感心している。
交渉成立後、梨花は静かに企画を語った。
壺の第三層も海へ改造し、今ある第二層と合わせて霊魚と阿古屋貝の養殖場にする。霊真珠を生成し販売し、その収益で霊薬や霊液を買い、循環させる──すなわち、小規模霊産業を始めるというのだ。
「魚はクルルちゃん用。真珠は金用。完璧でしょう?」
「……確かに。天才か」
「当然よ」
こうして正雪の生活は、修行・商い・クルルの世話で一気に忙しくなった。クルルは毎日霊魚を貪り、翠夏は稼いだ金を数えてにやけ、梨花は海と貝に囲まれ満足げだった。
【月光珠】
すべては順調だった──あの夜までは。
中元の夜。満月が天を満たし、霊気がもっとも濃くなる特別な夜。満月は異様なほど明るく、空気は張り詰め、霊獣たちの声すら遠ざかって世界は不気味な静寂に沈んでいた。
正雪の背筋に、ぞくりと冷たい感覚が走る。今日は何かが違う。次の瞬間、胸が焼けるように熱くなった。
「っ……ぐ……!」
呼吸法を試す。梨花に教わった、波が満ち引くように心を鎮める海の呼吸。しかし、熱は鎮まらない。
(ダメなのか!?)
胸の灼熱は喉へ、さらに頭へと昇り詰め──
ゴッ──ッ!
正雪の口から光の玉が吐き出された。
それは月と同じ色の丸い光。脈動し、宙に浮かび、淡く揺らめく。クルルが目を開き、翠夏と梨花は言葉を失ったまま見つめる。
光玉は月光を吸収し、徐々に強く輝き──、夜明けとともに薄れ、粒となって正雪の胸へ戻った。床には、濁った灰色の塊──まるで体内の穢れが固まったようなものが残っていた。
「……俺の体、何が起こってる……?」
答えられる者はいなかった。
それから毎夜、月のある夜に同じ現象が起きた。光玉は霊体の形を持つようになり、残る穢れは増え続けた。同時に、正雪の修為は静かに、だが確実に変質し始めた。
その現象は──百夜以上続いた。
【名乗らない敵】
──そして今夜。
細い月が空に懸かり、淡い光だけが山野を照らしていた。正雪は静かに部屋を出て、月光が遮られない場所を求めて宗門の外へ向かう。
やがて、人里離れた山の中腹。 冷たい風が通る岩の上に腰を下ろした。この場所なら、月光を真正面から浴びられる。それが、今夜の修行に必要だった。
壺の中では、翠夏と梨花もまた、それぞれの術式で修行に没頭している。
周囲には灯りも声もない。ただ、遠くの梢が風に揺れる気配と、虫のかすかな鳴き声だけが、この夜をつくっていた。
山は深い静寂に満ち、その静けささえ、まるで修行の一部であるかのように思えた。
潮音珠──いや、今は月光珠と呼ぶべきそれは、月光を受けながらゆっくり回転し、淀みを浄化し続ける。
その光は丹田へ流れ、穢れを押し流し、霊力を澄ませ、血を温かく巡らせた。
──はずだった。
ドォォォンッ!!!
大地が震え、岩が跳ねた。衝撃が地面を走り抜ける。正雪は反射で月光珠を体内に戻し、身を翻す。
空から二つの影が墜ち──正雪の目の前に叩きつけられた。
月光に照らされ、倒れている姿が露わになる。
「──紗綾……!?」
紫衣は裂け、血と泥にまみれ、傍らには息絶えた霊禽──緑孔雀が横たわっていた。
紗綾は血に濡れた唇を震わせ、正雪を見上げた。
「……逃げろ……あいつらは……参階の者だ。お前じゃ……絶対勝てない……」
正雪はその肩を支え、そっと地面に座らせる。荷袋から今朝稼いだ金で買った高級霊薬を取り出し、口移しで飲ませた。
「喋るな。治療が先だ」
霊薬が体内に巡り、紗綾の顔色がわずかに戻る──しかしその瞬間。
月影の奥から、二つの影が音もなく現れた。一人は黒漆の長弓を背負い、もう一人は湾曲した妖気を纏う刀を携えている。二人は獣のような目でこちらを射抜いた。
「重傷の参階と、壱階の小僧か。逃げられると思ったのか?」
刀使いが口元だけで笑う。
「見られた以上──生かして返すわけにはいかない」
「……卑怯者……!」
紗綾が血を吐きながら叫ぶ。
「名を言え! せめて墓に刻む名前くらい、言ってみろ!」
弓使いは嗤った。
「死にゆく者に名乗る価値はない──冥土で聞け」
その言葉と同時に、二人は襲いかかった。
紗綾は辛うじて刀使いの斬撃を受け止める。火花が散り、骨が軋む音が響いた。
正雪は弓使いの矢を霊盾で受けたが、衝撃は盾ごと身体を吹き飛ばし、十歩以上後方へ弾き飛ばされた。
(まずい……ここで止めないと、俺たちは死ぬ──)
クルルは宗門の部屋で眠っている。護衛を置かず外に出たのは、明らかな判断ミスだった。
正雪は必死に頭を回し、息を荒げながら後退する。背後には岩壁──狭い空間。
(……ここなら、使える)
【童壺仙法】
――童壺仙法。
仙蛙・翠夏から授かった切り札。だが欠点はひとつ。一度の発動で霊力をすべて使い切る“一発仙法”。使えば、後がない術だ。
それでも、選択の余地はなかった。
正雪は壺を呼び出す。小さな河童の壺は瞬く間に膨張し、正雪と同じ大きさにまで肥大した。
「――行けッ!!」
壺を頭上に掲げ、地面へ振り下ろす。轟音。大地が裂け、亀裂は生き物のように弓使いへ走り、足に絡み、そして──爆ぜた。
爆風と破片が月下を舞い、弓使いは悲鳴と共に空へ飛ばされた。
「……やった、のか……」
正雪の膝が崩れ落ちる。体内の霊力は空、指一本動かすだけでも重い。
だが。砂煙の向こう、ゆらりと影が立ち上がる。弓使いだ。片腕が折れ、血を垂らし、だがその瞳だけは燃え続けていた。
「小僧……よくも……やってくれたな……」
足を引きずりながら、一歩、一歩迫ってくる。
「殺す。必ず殺す──今すぐにな」
正雪は立ち上がろうとする──しかし身体は動かない。
声も、霊も、力も、残っていない。
絶体絶命──。
薄い夜霧が山腹を覆い、灯籠の灯は水面の上に揺れ、淡い光の粒を遠くの峰々へ落としていた。霧獣法流の弟子部屋は深い静寂に包まれ、遠くの山影からは狼の遠吠えが余韻のように響く。月は出ていないにも関わらず、星だけがやけに鮮明だった。
その神秘的な情景とは裏腹に、正雪の部屋では重たいため息ばかりが満ちていた。
小さな卓の前に座り込んだ正雪は、髪をぐしゃぐしゃにかき乱しながら帳面を睨みつけている。
「……強くなるのに、修行だけじゃ足りないのかよ」
石机に広げられた帳面には、「霊薬」「霊器」「霊札」といった修行に必要なものが細かい字で並び、その中でも最も大きく丸がつけられた項目が正雪の頭痛の種だった。
『クルルの餌代』
布団の横では、蛇頸灰鳥の幼体──灰色の鳥“クルル”が丸くなって眠っていた。「くるる、くるる」と鳴くからその名になった。寝返りのたびに、長い首が布団からはみ出し、淡い灰羽がふわりと揺れる。
「……お前、本当に成長期なんだな。霊魚三十匹って、俺の三日分の飯代より高いぞ……」
ため息を押し出し、壺の中へ視線を向ける。
「翠ちゃん。お前、金稼ぐ方法とか知らねぇのか?」
「あるなら、とっくにやってるわ。蛙が金持ちって話、聞いたことあるか? ないだろ。だから金はない!」
仙蛙・翠夏が壺の縁から顔を出し、ふんぞり返った姿で言い放つ。
と――壺の奥から、しっとりした声が響いた。
「正雪。わたくし、妙案があるのだけれど──」
声の主は貝の妖・梨花だった。以前より声音は落ち着き、壺の中の環境にすっかり馴染んでいるらしい。翠夏とも妙に仲良くなっている。
「……妙案?」
「ええ。ただし──条件があるわ」
正雪は眉をひそめた。
「条件を先に言うのか」
「蛙が教えたのよ」
横で翠夏が胸を張る。
「交渉は先手必勝だ!」
「……で、その条件は?」
「わたくしを壺から解放する約束。そして──得た金の三分の一」
「三分の一!? 多すぎる。五分の一だ」
「……なら四分の一」
「二割。三年後、俺が参階になったら壺から出す。取り分は二割。それでどうだ?」
梨花は、小声で呟いた。
「二割と五分の一ってどっちが多い……? 二のほうが大きい気が……二割で成立だ……!」
「……さすが正雪。お前、交渉強いな……」翠夏はぶつぶつと感心している。
交渉成立後、梨花は静かに企画を語った。
壺の第三層も海へ改造し、今ある第二層と合わせて霊魚と阿古屋貝の養殖場にする。霊真珠を生成し販売し、その収益で霊薬や霊液を買い、循環させる──すなわち、小規模霊産業を始めるというのだ。
「魚はクルルちゃん用。真珠は金用。完璧でしょう?」
「……確かに。天才か」
「当然よ」
こうして正雪の生活は、修行・商い・クルルの世話で一気に忙しくなった。クルルは毎日霊魚を貪り、翠夏は稼いだ金を数えてにやけ、梨花は海と貝に囲まれ満足げだった。
【月光珠】
すべては順調だった──あの夜までは。
中元の夜。満月が天を満たし、霊気がもっとも濃くなる特別な夜。満月は異様なほど明るく、空気は張り詰め、霊獣たちの声すら遠ざかって世界は不気味な静寂に沈んでいた。
正雪の背筋に、ぞくりと冷たい感覚が走る。今日は何かが違う。次の瞬間、胸が焼けるように熱くなった。
「っ……ぐ……!」
呼吸法を試す。梨花に教わった、波が満ち引くように心を鎮める海の呼吸。しかし、熱は鎮まらない。
(ダメなのか!?)
胸の灼熱は喉へ、さらに頭へと昇り詰め──
ゴッ──ッ!
正雪の口から光の玉が吐き出された。
それは月と同じ色の丸い光。脈動し、宙に浮かび、淡く揺らめく。クルルが目を開き、翠夏と梨花は言葉を失ったまま見つめる。
光玉は月光を吸収し、徐々に強く輝き──、夜明けとともに薄れ、粒となって正雪の胸へ戻った。床には、濁った灰色の塊──まるで体内の穢れが固まったようなものが残っていた。
「……俺の体、何が起こってる……?」
答えられる者はいなかった。
それから毎夜、月のある夜に同じ現象が起きた。光玉は霊体の形を持つようになり、残る穢れは増え続けた。同時に、正雪の修為は静かに、だが確実に変質し始めた。
その現象は──百夜以上続いた。
【名乗らない敵】
──そして今夜。
細い月が空に懸かり、淡い光だけが山野を照らしていた。正雪は静かに部屋を出て、月光が遮られない場所を求めて宗門の外へ向かう。
やがて、人里離れた山の中腹。 冷たい風が通る岩の上に腰を下ろした。この場所なら、月光を真正面から浴びられる。それが、今夜の修行に必要だった。
壺の中では、翠夏と梨花もまた、それぞれの術式で修行に没頭している。
周囲には灯りも声もない。ただ、遠くの梢が風に揺れる気配と、虫のかすかな鳴き声だけが、この夜をつくっていた。
山は深い静寂に満ち、その静けささえ、まるで修行の一部であるかのように思えた。
潮音珠──いや、今は月光珠と呼ぶべきそれは、月光を受けながらゆっくり回転し、淀みを浄化し続ける。
その光は丹田へ流れ、穢れを押し流し、霊力を澄ませ、血を温かく巡らせた。
──はずだった。
ドォォォンッ!!!
大地が震え、岩が跳ねた。衝撃が地面を走り抜ける。正雪は反射で月光珠を体内に戻し、身を翻す。
空から二つの影が墜ち──正雪の目の前に叩きつけられた。
月光に照らされ、倒れている姿が露わになる。
「──紗綾……!?」
紫衣は裂け、血と泥にまみれ、傍らには息絶えた霊禽──緑孔雀が横たわっていた。
紗綾は血に濡れた唇を震わせ、正雪を見上げた。
「……逃げろ……あいつらは……参階の者だ。お前じゃ……絶対勝てない……」
正雪はその肩を支え、そっと地面に座らせる。荷袋から今朝稼いだ金で買った高級霊薬を取り出し、口移しで飲ませた。
「喋るな。治療が先だ」
霊薬が体内に巡り、紗綾の顔色がわずかに戻る──しかしその瞬間。
月影の奥から、二つの影が音もなく現れた。一人は黒漆の長弓を背負い、もう一人は湾曲した妖気を纏う刀を携えている。二人は獣のような目でこちらを射抜いた。
「重傷の参階と、壱階の小僧か。逃げられると思ったのか?」
刀使いが口元だけで笑う。
「見られた以上──生かして返すわけにはいかない」
「……卑怯者……!」
紗綾が血を吐きながら叫ぶ。
「名を言え! せめて墓に刻む名前くらい、言ってみろ!」
弓使いは嗤った。
「死にゆく者に名乗る価値はない──冥土で聞け」
その言葉と同時に、二人は襲いかかった。
紗綾は辛うじて刀使いの斬撃を受け止める。火花が散り、骨が軋む音が響いた。
正雪は弓使いの矢を霊盾で受けたが、衝撃は盾ごと身体を吹き飛ばし、十歩以上後方へ弾き飛ばされた。
(まずい……ここで止めないと、俺たちは死ぬ──)
クルルは宗門の部屋で眠っている。護衛を置かず外に出たのは、明らかな判断ミスだった。
正雪は必死に頭を回し、息を荒げながら後退する。背後には岩壁──狭い空間。
(……ここなら、使える)
【童壺仙法】
――童壺仙法。
仙蛙・翠夏から授かった切り札。だが欠点はひとつ。一度の発動で霊力をすべて使い切る“一発仙法”。使えば、後がない術だ。
それでも、選択の余地はなかった。
正雪は壺を呼び出す。小さな河童の壺は瞬く間に膨張し、正雪と同じ大きさにまで肥大した。
「――行けッ!!」
壺を頭上に掲げ、地面へ振り下ろす。轟音。大地が裂け、亀裂は生き物のように弓使いへ走り、足に絡み、そして──爆ぜた。
爆風と破片が月下を舞い、弓使いは悲鳴と共に空へ飛ばされた。
「……やった、のか……」
正雪の膝が崩れ落ちる。体内の霊力は空、指一本動かすだけでも重い。
だが。砂煙の向こう、ゆらりと影が立ち上がる。弓使いだ。片腕が折れ、血を垂らし、だがその瞳だけは燃え続けていた。
「小僧……よくも……やってくれたな……」
足を引きずりながら、一歩、一歩迫ってくる。
「殺す。必ず殺す──今すぐにな」
正雪は立ち上がろうとする──しかし身体は動かない。
声も、霊も、力も、残っていない。
絶体絶命──。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。
本条蒼依
ファンタジー
山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、
残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして
遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。
そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を
拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、
町から逃げ出すところから始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる