ショートショート始めました。

奈央

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現実

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それにしても広い部屋だ。
ざっと50畳はあるだろう。

大きな窓の外は澄み渡った青空だ。視界を遮るものはほとんどない。
地平線の向こうには富士山がくっきりと見える。
視線を少し手前に戻すと東京タワーとスカイツリーが同時に確認できた。
眼下の巨大な公園には季節外れの桜が満開だ。米粒ほどの小さな人が行き交っおり、そのサイズがこの場所の高度を物語っている。

室内に視線を戻す。
ゆうに5人は並んで座れるだろう大きなソファ。そしてそこにはとびきりの美女が慎ましやかに座っている。
そっと彼女の隣に腰掛けた。
ソファは見た目の割に少し硬い気がしたが、まあそこはご愛嬌。
隣を向くと美女は微笑みながらこちらを覗き込んできた。
手を伸ばしたい所だが、今はやめておこう。

目の前には巨大なテレビが置かれている。
正確なところはわからないが、数字にして100インチはあるだろう。
リモコン操作でチャンネルをいくつか変えてみる。特にめぼしいものがないのでゲームでもやることにしよう。

ゲームをしながらふと考える。
少し前までは到底考えられなかった。
これらの全てが、たった数万円で誰にでも手に入るなんて。全くいい世の中になったものだ。

そういえばお腹が空いてきた。
横の美女が作ってくれればいいのだがそういうわけにもいかない。
確か冷蔵庫の中には何か入ってたな。
コントローラーを置いて立ち上がり、隣の彼女を避けるようにしてキッチンへと向かおうとしたその時。

痛っ!
しまった。
足をぶつけた。
またやってしまった。
頭につけている物を外す。
そこには空間が圧縮したかのごとく、4畳半の光景が広がっていた。
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