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第一章
昼と夜の精霊
その昔、神は人を造り、食べる為に作物の苗を与えた。
そして、作物がよく実るように昼の精霊を創った。昼の精霊は、沢山の光を集めて大きな太陽を造り、作物と人間に元気を与えたが、あまりの光の強さに人も動物も作物も涸れようとしていた。
そこで人々は神に祈りを捧げ、日差しを遮り安らぎを求めた。
神は、人々の願いを叶え、昼の精霊の影から夜の精霊を創った。
夜が生まれると人々は、暗闇の中に灯りを欲しがった。
夜の精霊は人々の為に、小さな灯りを集めて月を造り、砂を夜空に撒くとそれが星となって輝いた。
こうして、人々は日中働き、夜に眠る事になったのだ。
しかし、何時の間にか夜の精霊は闇の精霊と呼ばれるようになり、人々に畏怖と恐怖を与える対象となっていく。
多くの夜の精霊達がその命を落とすと、同時に同じ数の光の精霊もまた消えて行った。
光と闇は一心同体で、光が生まれれば闇もまた生まれる。対の存在だったのだ。
何も知らなかった人々は闇の精霊を怖がって、迫害し続けた結果、光の精霊と契約した精霊師の数もまた減っていった。。
いつしか精霊の力を借りる精霊師よりも錬金術で化学を発展させることに成功した人間は、その力で精霊の森を伐採し、精霊の棲家を脅かした。
今では精霊師という存在そのもが稀有なものとなっている。
***********
何百年か前にある大陸で、強力な闇の精霊師が現れ、魅了という術を用いて、人々を虜にした。
見目麗しいその女性を多くの男性が取り合い、世界中で戦争が起き、人々の生活は困窮した。
そんな時に、一人の若者が光の精霊の力を使って闇の精霊師を倒した。
だが、同時に若者は力を使い果たして、光の精霊を失った。
人々は若者を初代国王の座に着け、その偉業を後世にまで伝えた。
その国がアルカイド王国の始まりだった。
だから、アルカイド王国では光の精霊は善で、闇の精霊は悪とされたのだ。夜の精霊は、彼女が起こした事件の所為で、人々から夜ではなく闇と呼ばれるようになった。
夜の精霊の力は安眠や心の平穏があるが、稀に欲深い者がその力を持つと洗脳という人を操る能力を発現させることもある。
何より、虐げられ続けた夜の精霊の多くは愛されたいという願望が勝っているため、魅了を無意識に掛けたりもするのだ。
そして、それは精霊師の境遇にも反応する。
ベアトリーチェのように愛されたい欲求が強い者ほど、効果を発揮した。
ベアトリーチェとフェリシア。
二人の闇の精霊にも当然対になる光の精霊がいる。
ベアトリーチェ達は再び謁見室の扉を開いて、玉座に座る国王を挨拶した。
「緊急だとの知らせを受けたが、一体何があったのだ。順を追って話してくれ」
謁見室には国王の声が響き渡った。
「畏れながら、フェリシア王女殿下は闇の精霊と契約なさいました。そして、対となる光の精霊と契約しているのはレイノルド王太子殿下だと思われます」
そのレオンハルトの言葉に、国王は驚いた。
「ま…誠か。それが本当なら再び光の精霊の力を呼び戻した事になるのだぞ」
「詳しい話はレイノルド殿下にお尋ねになった方がよろしいのでは…」
「レイノルド、フェリクス大公の申した事は本当の事なのか?そなたの口からじかに聞きたい」
「そ…それは本当です。僕は…フェリシアを助ける為に光の精霊と契約しました」
「もしかしたら、4才の時の事か」
「はい…」
「なら得心がいった。それまでは宝石眼を持っていなかったのに、急に発現した理由も」
レイノルドに会ったときは既に宝石眼を持っていた。
王子誕生時、国中が知っている。
──宝石眼を持った王子誕生だと…。
知らせを受けた国民は、大いに喜んだと聞いていたのに…。
レイノルドは生まれた時には宝石眼を持っていなかったのなら、その知らせは一体なんだったのだろうか?
ベアトリーチェは初めて聞く話に驚きを隠せなかった。
******
いつも、「もう、あなたを愛することはないでしょう」をお読み頂き、ありがとうございます。
次回より、レイノルド視点での回帰前編を投稿致します。
ベアトリーチェとの確執や王妃オパールとの歪んだ関係、そしてフェリシアの謎の死についてふれていきます。
読者の皆様に楽しんでいただけるように、更新を頑張っていきたいと思っています。そして、良かったなと思ったら、恋愛大賞参加作品ですので、ぽちっと投票して頂けたらなあと厚かましい希望を書いてしましいましたが、よろしくお願いします。
そして、作物がよく実るように昼の精霊を創った。昼の精霊は、沢山の光を集めて大きな太陽を造り、作物と人間に元気を与えたが、あまりの光の強さに人も動物も作物も涸れようとしていた。
そこで人々は神に祈りを捧げ、日差しを遮り安らぎを求めた。
神は、人々の願いを叶え、昼の精霊の影から夜の精霊を創った。
夜が生まれると人々は、暗闇の中に灯りを欲しがった。
夜の精霊は人々の為に、小さな灯りを集めて月を造り、砂を夜空に撒くとそれが星となって輝いた。
こうして、人々は日中働き、夜に眠る事になったのだ。
しかし、何時の間にか夜の精霊は闇の精霊と呼ばれるようになり、人々に畏怖と恐怖を与える対象となっていく。
多くの夜の精霊達がその命を落とすと、同時に同じ数の光の精霊もまた消えて行った。
光と闇は一心同体で、光が生まれれば闇もまた生まれる。対の存在だったのだ。
何も知らなかった人々は闇の精霊を怖がって、迫害し続けた結果、光の精霊と契約した精霊師の数もまた減っていった。。
いつしか精霊の力を借りる精霊師よりも錬金術で化学を発展させることに成功した人間は、その力で精霊の森を伐採し、精霊の棲家を脅かした。
今では精霊師という存在そのもが稀有なものとなっている。
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見目麗しいその女性を多くの男性が取り合い、世界中で戦争が起き、人々の生活は困窮した。
そんな時に、一人の若者が光の精霊の力を使って闇の精霊師を倒した。
だが、同時に若者は力を使い果たして、光の精霊を失った。
人々は若者を初代国王の座に着け、その偉業を後世にまで伝えた。
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だから、アルカイド王国では光の精霊は善で、闇の精霊は悪とされたのだ。夜の精霊は、彼女が起こした事件の所為で、人々から夜ではなく闇と呼ばれるようになった。
夜の精霊の力は安眠や心の平穏があるが、稀に欲深い者がその力を持つと洗脳という人を操る能力を発現させることもある。
何より、虐げられ続けた夜の精霊の多くは愛されたいという願望が勝っているため、魅了を無意識に掛けたりもするのだ。
そして、それは精霊師の境遇にも反応する。
ベアトリーチェのように愛されたい欲求が強い者ほど、効果を発揮した。
ベアトリーチェとフェリシア。
二人の闇の精霊にも当然対になる光の精霊がいる。
ベアトリーチェ達は再び謁見室の扉を開いて、玉座に座る国王を挨拶した。
「緊急だとの知らせを受けたが、一体何があったのだ。順を追って話してくれ」
謁見室には国王の声が響き渡った。
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そのレオンハルトの言葉に、国王は驚いた。
「ま…誠か。それが本当なら再び光の精霊の力を呼び戻した事になるのだぞ」
「詳しい話はレイノルド殿下にお尋ねになった方がよろしいのでは…」
「レイノルド、フェリクス大公の申した事は本当の事なのか?そなたの口からじかに聞きたい」
「そ…それは本当です。僕は…フェリシアを助ける為に光の精霊と契約しました」
「もしかしたら、4才の時の事か」
「はい…」
「なら得心がいった。それまでは宝石眼を持っていなかったのに、急に発現した理由も」
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レイノルドは生まれた時には宝石眼を持っていなかったのなら、その知らせは一体なんだったのだろうか?
ベアトリーチェは初めて聞く話に驚きを隠せなかった。
******
いつも、「もう、あなたを愛することはないでしょう」をお読み頂き、ありがとうございます。
次回より、レイノルド視点での回帰前編を投稿致します。
ベアトリーチェとの確執や王妃オパールとの歪んだ関係、そしてフェリシアの謎の死についてふれていきます。
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