45 / 48
第二章
箱庭ゲーム
そのまま、屋敷に帰っても胸の中に残るもやっとした気持ちは晴れない。
買ってきた教科書を予習しながら、ベアトリーチェはため息をついていた。
隣にいたフェリシアが、
「大きなため息をつくと幸せが逃げるって聞くけど?」
きゅるんと大きな青い目で見つめてきた。
「聞こえたのね…」
「うん。もしかして、今日のこと」
「そうね。なんだかもやもやして、気分が晴れないの」
「じゃあ、勉強を止めて気晴らしに箱庭ゲームをしようよ。小父様が面白いものが出たっていってかして下さったのよ。じゃーーん、これ」
「なに…これって」
「そう、最近貴族の間で流行っているゲームなんだって」
「どういうもの」
「なんでも双六で駒を進めて、そこに書かれている条件をクリアしていけばゴールするもの。きっと気晴らしになるよ」
「そうね」
ベアトリーチェは、気が進まないが心配するフェリシアを安心させるために、箱を開けた。
箱を開けと暗闇が広がり、四角い板の様が沢山繋がっている道が光っている。二人はスタートと書かれた文字の上に立っていて、その前にはいくつもの扉が立っていた。
道の果ては暗闇で見えない。
ベアトリーチェ達は、目の前に現れた指令分文を読んだ。
「最初は、サイコロを振ってその数の合計分進む、そして、そこで出された問題をクリアしていくことね」
サイコロには6面に1から6までの数字が書いてある。フェリシアが最初にサイコロを振ると6と3が出て、
「きゃあーーーっ」
目の前の扉が開くと、フェリシアの体は何かに引っ張られるように吸い込まれていき、ベアトリーチェがフェリシアを掴もうとした瞬間に目の前の扉が閉じた。
「大丈夫なのーーー?」
ベアトリーチェが大きな声でフェリシアの安否を確認すると、
「うん平気。でもなんにもないよ」
良かったと安堵したのも束の間、次はベアトリーチェの番だった。
ベアトリーチェがサイコロを振ると6と5が出て、また先ほどと同じように引っ張られていく。
目の前の扉が勝手に開いてフェリシアを追い越して、止まった。
ベアトリーチェの目の前に、文字が浮かんできた。
「一回休憩?」
どうやら、フェリシアが2回サイコロを振るまで、ベアトリーチェは先に進めないらしい。
何度も何度もサイコロを振りながら、出されたお題をクリアしていくとフェリシアが先にゴールした時点でゲームオーバーとなった。
二人とも元の部屋の中に帰っていた。
「面白かったね」
「そうね。ところでフェリシア?その手に持っている物は何?」
「げっ…まだあったんだ。実はね…」
と、フェリシアがクリアしたお題の中に、眠っているオジサンの鬘を取って来ることという物があったらしく。無事クリアしたので、ゲームの景品としてプレゼントされたようだ。
「こんなもの何に使うのよ」と二人は大笑いした。
ベアトリーチェの方も何だか分からない洞窟になる光る石を取ってこい。とか落書きの様な絵に何が描かれているかを当てるもの等、子供の悪戯の延長の様なお題が多かった。
確かにしてはいけないことを大ぴらに出来るから、ストレス解消になるかもしれないとベアトリーチェは思った。
何だか眠くなってきた二人は、ゲームの余韻が残っているのか。ああだこうだとお喋りをしながら眠りについた。
でも、興奮しているのかなんだか寝付けないベアトリーチェはバルコニーに出て、中庭を見下ろしていた。
誰かが、下の小路を歩いている姿を見つける。その人物に目が合ったベアトリーチェは慌てて手すりの下に隠れたが、
「なんで隠れるんだよ。お嬢…」
「だって…」
「だって、何?」
ベアトリーチェの顔を覗き込みながら、不敵な笑みを見せている。月明かりに照らされた黒髪は青みがかっている。
その鼻筋の通った整った顔が近くにあるだけで、ベアトリーチェの心臓は激しく鼓動した。
「わたし、こんなか…格好をしているから」
「今更…」
もう見慣れたとでも言いそうな口ぶりにベアトリーチェは頬を膨らませた。
14才で大人の仲間入りを果たしたこの少年からすれば、13才のベアトリーチェはまだ子供だと言いたのだろうかと…。
「ところで、昼間会ったのに、なんで帰ったんだ。声を掛けてくれれば良かったのに、それに俺の剣舞も見て欲しかったし」
「それは…」
隣の少女と仲良さ気にしている少年を見ていたくなかったとは言えないベアトリーチェは、
「は…早く帰りたかっただけよ。疲れたから」
「そっか、それなら仕方がない。まあ、見ろよ」
そう言って、少年はまた下の小路に戻ると、剣を取り出して剣舞を見せてくれた。
月に照らされて、剣が青白く光り、舞っているその姿も幻想的…。
──綺麗…。
心の中で自然とそう呟いていた。
一振り舞って少年は、
「どうだった?」
「そうね。じょ…まあまあなんじゃない」
「まあまあ…か」
どうにも素直になれないベアトリーチェは本音を言えない。
「次はもっと上手に舞えるように頑張るよ」
「次…」
「ああ、2カ月後にまた大会があるんだ。それに参加しようかと思ってる」
「2ヶ月…」
ベアトリーチェの中に何か濁った黒い感情が湧いてきた。
また、あの子と2カ月後にも一緒にいるのかと…。
「大丈夫か?」
心配そうに覗き込む少年の袖を掴んでベアトリーチェはハッとした。
──わたし、今何を言おうとしたの?
デミオンが誰と親しくしようとわたしには関係がないのに…。
自分の感情に困惑したベアトリーチェは誤魔化す様に、
「ちょっと待ってて」
部屋に帰って自分の引き出しからある物を取り出した。
「これ…」
「なに…」
「誕生日でしょう」
「ああ、くれるのか。サンキュー」
ほくほく顔で、中身を確認して、
「すげーーっ、これ今日発売の箱庭ゲームの新作か。中々手に入らないって聞いたけど、うれしい、ありがとな」
ベアトリーチェの頭をポンポンと軽く叩く少年にベアトリーチェは、また子供扱いをしてと辟易した。
「それでは、またな」
別れの言葉を口にしながら、少年はベアトリーチェの指にキスをする。
これって、淑女にする紳士の挨拶…。
意識が…全ての感覚が指先に集中していくのを感じる。そして、顔から熱さを感じるのはきっと火照っているからだとはっきりと分かる。
月が雲に隠れていなければ、きっとこの少年にも今のベアトリーチェの表情が丸分かりになるだろう。
さっと、また視界から消えた少年の後ろ姿を見送りながら、部屋に戻って窓を閉めると、ベアトリーチェは限界だったのか、その場にへたたり込む。
「デミオンの馬鹿…」
ベアトリーチェは、先ほどから熱を持っている指先を自分の唇にあてながら呟いた。
雲から再び顔を出した月がベアトリーチェの部屋の方を見つめるデミオンを照らす。
その表情は、月とは対照的に翳りを見せていた。
「ベアトリーチェ…君が彼女なら良かったのに…」
そう呟いて、デミオンは闇の中に消えた。
買ってきた教科書を予習しながら、ベアトリーチェはため息をついていた。
隣にいたフェリシアが、
「大きなため息をつくと幸せが逃げるって聞くけど?」
きゅるんと大きな青い目で見つめてきた。
「聞こえたのね…」
「うん。もしかして、今日のこと」
「そうね。なんだかもやもやして、気分が晴れないの」
「じゃあ、勉強を止めて気晴らしに箱庭ゲームをしようよ。小父様が面白いものが出たっていってかして下さったのよ。じゃーーん、これ」
「なに…これって」
「そう、最近貴族の間で流行っているゲームなんだって」
「どういうもの」
「なんでも双六で駒を進めて、そこに書かれている条件をクリアしていけばゴールするもの。きっと気晴らしになるよ」
「そうね」
ベアトリーチェは、気が進まないが心配するフェリシアを安心させるために、箱を開けた。
箱を開けと暗闇が広がり、四角い板の様が沢山繋がっている道が光っている。二人はスタートと書かれた文字の上に立っていて、その前にはいくつもの扉が立っていた。
道の果ては暗闇で見えない。
ベアトリーチェ達は、目の前に現れた指令分文を読んだ。
「最初は、サイコロを振ってその数の合計分進む、そして、そこで出された問題をクリアしていくことね」
サイコロには6面に1から6までの数字が書いてある。フェリシアが最初にサイコロを振ると6と3が出て、
「きゃあーーーっ」
目の前の扉が開くと、フェリシアの体は何かに引っ張られるように吸い込まれていき、ベアトリーチェがフェリシアを掴もうとした瞬間に目の前の扉が閉じた。
「大丈夫なのーーー?」
ベアトリーチェが大きな声でフェリシアの安否を確認すると、
「うん平気。でもなんにもないよ」
良かったと安堵したのも束の間、次はベアトリーチェの番だった。
ベアトリーチェがサイコロを振ると6と5が出て、また先ほどと同じように引っ張られていく。
目の前の扉が勝手に開いてフェリシアを追い越して、止まった。
ベアトリーチェの目の前に、文字が浮かんできた。
「一回休憩?」
どうやら、フェリシアが2回サイコロを振るまで、ベアトリーチェは先に進めないらしい。
何度も何度もサイコロを振りながら、出されたお題をクリアしていくとフェリシアが先にゴールした時点でゲームオーバーとなった。
二人とも元の部屋の中に帰っていた。
「面白かったね」
「そうね。ところでフェリシア?その手に持っている物は何?」
「げっ…まだあったんだ。実はね…」
と、フェリシアがクリアしたお題の中に、眠っているオジサンの鬘を取って来ることという物があったらしく。無事クリアしたので、ゲームの景品としてプレゼントされたようだ。
「こんなもの何に使うのよ」と二人は大笑いした。
ベアトリーチェの方も何だか分からない洞窟になる光る石を取ってこい。とか落書きの様な絵に何が描かれているかを当てるもの等、子供の悪戯の延長の様なお題が多かった。
確かにしてはいけないことを大ぴらに出来るから、ストレス解消になるかもしれないとベアトリーチェは思った。
何だか眠くなってきた二人は、ゲームの余韻が残っているのか。ああだこうだとお喋りをしながら眠りについた。
でも、興奮しているのかなんだか寝付けないベアトリーチェはバルコニーに出て、中庭を見下ろしていた。
誰かが、下の小路を歩いている姿を見つける。その人物に目が合ったベアトリーチェは慌てて手すりの下に隠れたが、
「なんで隠れるんだよ。お嬢…」
「だって…」
「だって、何?」
ベアトリーチェの顔を覗き込みながら、不敵な笑みを見せている。月明かりに照らされた黒髪は青みがかっている。
その鼻筋の通った整った顔が近くにあるだけで、ベアトリーチェの心臓は激しく鼓動した。
「わたし、こんなか…格好をしているから」
「今更…」
もう見慣れたとでも言いそうな口ぶりにベアトリーチェは頬を膨らませた。
14才で大人の仲間入りを果たしたこの少年からすれば、13才のベアトリーチェはまだ子供だと言いたのだろうかと…。
「ところで、昼間会ったのに、なんで帰ったんだ。声を掛けてくれれば良かったのに、それに俺の剣舞も見て欲しかったし」
「それは…」
隣の少女と仲良さ気にしている少年を見ていたくなかったとは言えないベアトリーチェは、
「は…早く帰りたかっただけよ。疲れたから」
「そっか、それなら仕方がない。まあ、見ろよ」
そう言って、少年はまた下の小路に戻ると、剣を取り出して剣舞を見せてくれた。
月に照らされて、剣が青白く光り、舞っているその姿も幻想的…。
──綺麗…。
心の中で自然とそう呟いていた。
一振り舞って少年は、
「どうだった?」
「そうね。じょ…まあまあなんじゃない」
「まあまあ…か」
どうにも素直になれないベアトリーチェは本音を言えない。
「次はもっと上手に舞えるように頑張るよ」
「次…」
「ああ、2カ月後にまた大会があるんだ。それに参加しようかと思ってる」
「2ヶ月…」
ベアトリーチェの中に何か濁った黒い感情が湧いてきた。
また、あの子と2カ月後にも一緒にいるのかと…。
「大丈夫か?」
心配そうに覗き込む少年の袖を掴んでベアトリーチェはハッとした。
──わたし、今何を言おうとしたの?
デミオンが誰と親しくしようとわたしには関係がないのに…。
自分の感情に困惑したベアトリーチェは誤魔化す様に、
「ちょっと待ってて」
部屋に帰って自分の引き出しからある物を取り出した。
「これ…」
「なに…」
「誕生日でしょう」
「ああ、くれるのか。サンキュー」
ほくほく顔で、中身を確認して、
「すげーーっ、これ今日発売の箱庭ゲームの新作か。中々手に入らないって聞いたけど、うれしい、ありがとな」
ベアトリーチェの頭をポンポンと軽く叩く少年にベアトリーチェは、また子供扱いをしてと辟易した。
「それでは、またな」
別れの言葉を口にしながら、少年はベアトリーチェの指にキスをする。
これって、淑女にする紳士の挨拶…。
意識が…全ての感覚が指先に集中していくのを感じる。そして、顔から熱さを感じるのはきっと火照っているからだとはっきりと分かる。
月が雲に隠れていなければ、きっとこの少年にも今のベアトリーチェの表情が丸分かりになるだろう。
さっと、また視界から消えた少年の後ろ姿を見送りながら、部屋に戻って窓を閉めると、ベアトリーチェは限界だったのか、その場にへたたり込む。
「デミオンの馬鹿…」
ベアトリーチェは、先ほどから熱を持っている指先を自分の唇にあてながら呟いた。
雲から再び顔を出した月がベアトリーチェの部屋の方を見つめるデミオンを照らす。
その表情は、月とは対照的に翳りを見せていた。
「ベアトリーチェ…君が彼女なら良かったのに…」
そう呟いて、デミオンは闇の中に消えた。
あなたにおすすめの小説
そんなに幼馴染を優先したいですか? あなたの隣はいりません
夏生 羽都
恋愛
レーデン王国、王立学院の貴族科に通うセレスには、想い人であり婚約する予定の辺境伯家次男のヒューゴがいる。しかし騎士科に通うヒューゴの隣には彼の幼馴染みであり、侯爵家令嬢のニーナがいつもいるのだった。
子爵家に後見をしてもらう事で学院へ通っているセレスは、高位貴族であるニーナとヒューゴに強く言えず、二人の距離が近過ぎても見ている事しかできなかった。
ヒューゴとの交流会の日、セレスはヒューゴと観るために両親が送ってくれた歌劇のチケットを用意していたのだが、ヒューゴに付いてきたニーナにチケットを強請られてしまう。
「ニーナに譲ってくれないか?」ヒューゴのひと事でチケットを譲る事になり、帰りの馬車がないセレスは徒歩で帰る事になる。日が落ちかける街の中を歩くセレスは、帰り道が分からずに迷子になってしまう。そんなセレスを偶然見かけて声をかけてくれたのが、帝国からの留学生でセレスと同じクラスのアルウィンだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になる方は、ブラウザバックをお願い致します。
選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
十八年前の赤子の取り違え——婚約破棄された「養女」が、公爵家のただ一人の正統な令嬢だと判明した日
歩人
ファンタジー
メリルは、レイクハート公爵家に引き取られた「遠縁の養女」として育った。社交界に出ることも許されず、領地の治療院で病人の世話に明け暮れる日々。義姉ソフィアが王家に嫁ぐまでの「つなぎ」として第二王子の仮の婚約者に立てられても、メリルは「いずれ退く身代わり」と承知していた。
けれど治療院に通う第二王子リオネルと、メリルは本当に心を通わせてしまう。義姉ソフィアと後見人ライラは「養女が分を超えた」と激怒し、婚約を破棄してメリルを治療院ごと辺境へ追放した。
だが、辺境で疫病が広がったとき、王都は気づく。病を癒せる「聖癒」の力を持つ者が、もう一人も残っていないことに。
十八年前、ひとつの嘘があった。公爵令嬢の赤子と、後見人の娘の赤子がすり替えられていたのだ。社交界の令嬢ソフィアではなく——治療院の「養女」メリルこそが、公爵家のただ一人の正統な令嬢だった。
日陰で生きてきた手が、王国を救う。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
夫の幼馴染に家も財産も奪われたので、彼女が捨てた兄妹を連れて出ていきます〜辺境伯家の住み込み家政婦になった今、戻れと言われてももう遅い~
他力本願寺
ファンタジー
夫の幼馴染に家も財産も奪われ、身一つで追い出されたアリシア。
しかし雨の宿場町で、その幼馴染が実子の幼い兄妹を置き去りにした現場を目撃する。
「私が守る」――血の繋がらないエミルとリリィを連れ、彼女は辺境伯家で住み込み家政婦として生き抜くことを選んだ。
帳簿と観察力、揺るぎない実務能力を武器に屋敷を立て直し、偏屈だが真っ直ぐな辺境伯ヴィルヘルムの信頼を得るアリシア。
子どもたちに「先生」と呼ばれ、家族のような温かさに包まれながら、彼との心の距離も静かに縮まっていく。
やがて王都から元夫と幼馴染が「戻ってきてほしい」と懇願してくるが――。
アリシアは静かに微笑み、こう告げた。
「もう、遅いわ」
追放された有能妻が、子どもたちとの家族愛と辺境伯との恋で本当の幸せを掴む、ざまぁと甘さの両方を味わえる完全復讐再生ラブストーリー。
【完結】貴方をお慕いしておりました。婚約を解消してください。
暮田呉子
恋愛
公爵家の次男であるエルドは、伯爵家の次女リアーナと婚約していた。
リアーナは何かとエルドを苛立たせ、ある日「二度と顔を見せるな」と言ってしまった。
その翌日、二人の婚約は解消されることになった。
急な展開に困惑したエルドはリアーナに会おうとするが……。
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。