剣と魔法と愛と

御夢

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学園で

俺、恨まれてる?

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   「ねー、僕たちが言ってることが分からないの?」

    「ほんと馬鹿だよねー?」

   「なんでこんな奴がレオンハルト様の婚約者なんだろう」

    ………………すごく覚えのある光景が広がっている。んー、俺、何か悪いところあったかなー?

   「おい!!!黙ってないで何か言えよ!!!」

   ガンッ!!!

   俺を囲んでいる1人が、強く壁を蹴った。すごい音がしたけど、大丈夫かな?...........................なんか、最近、色々なことがありすぎて、慣れてきたのかな?

   なんか、驚かなくなってきた。

   「チッ!お前は、自分の立場をわかってないな。理解してくれるかな?お前なんかがレオンハルト様のそばに居ていいわけないんだよ!!!そばにいていいのは、ここに居られる、サラリル・クルーゲル侯爵令息なんだよ!!!」

   「は、はぁ。」

   誰だろう?俺、知らないんだけど。それに、養子とはいえ、俺、一応公爵令息なんだけど。

   「ねー、その態度がムカつくんだよ。サラリル様が可哀想。」

   「いいのですよ、皆さん。」

   「「「「サラリル様!!」」」」

   「きっと、殿下は一時の迷いで、このような方を婚約者に選んでしまったんでしょう。だからこそ、殿下に気づいていただくことが、最優先ですよ。」

   「さすが、サラリル様です。」

   「確かに、殿下がサラリル様を選ばないわけないですね。」

   「サラリル様ほど、美しく、家柄も問題のなく、殿下に似合う方はおりません。」

   「そうですよ!サラリル様は、とても素晴らしい方なんですから!!」

   んー、帰っていい?俺、あんまり関係ないよね。うん。

   それに、レオ様は、俺のことがす、好きだもんね。...............恥ずかしい。

   「あの、皆様、何かおかしなことを言っているようですが、レオンハルト様の婚約者は、ここにいるアカネ様ただ一人です。お間違えのないように。」

   「え、り、リアン?」

   「は?お前、何言ってるの?ここに居られる、サラリル様こそレオンハルト様にふさわしいのが分からないの?」

   「てか、お前、誰?お前なんかお呼びでないんだけど。」

   「あなた達に、覚えていただけてなくて結構です。」

   「.....................何様だよ?」

   「はっ、どうせお前、平民でしょ?お似合いだね、そこにいるブサイクと一緒で。」

   ........................ブサイクだって。酷いこと言うよね。まぁ、大して可愛くないのは認めるけどさ。

   リアンのことを馬鹿にするのは許せない。

   「すみませんが、リアンのことを悪く言わないでください。」

   「はぁ?ほんと、何様?」

   「サラリル様、こいつらに見せつけてやりましょうよ。」

   「........................いいえ。きっと、そのうち分かるでしょう。誰が、レオンハルト様に相応しいのか。誰が、レオンハルト様に愛されているのか。............それでは。」

    「ふんっ。」

    ...........................なんだったんだろう。

   俺がレオ様に、ふさわしくないことは知ってるよ。言われなくても。

   それにしても、俺、恨まれてる?そんなことした?うーん。俺、悪いことしてないしなー。

   レオ様に、言うことでもないし。何もされてないからね。まー、なんとかなるよね。うん。
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