10 / 29
雪解け
しおりを挟む
成美ちゃんはバレー部だったらしく大活躍だった。
そして成美ちゃん狙いの草野主任はここでもイケメンを発揮し何度もスパイクを決めてチームは優勝した。
俺はときどーき飛んでくるボールをあげるくらいで終わった。
そして驚くべきことに市川君も草野主任に負けず劣らずスパイクを決めていた。
君、あの学部はガリ勉必須なのに運動できるなんて。
しかも今流行りの韓流系イケメンだそうで、しっかり女子軍の心を掴んでいるようだ。
裏切り者め。
けど、バレーを通して市川君と少し笑い合ってプレイできたことは何よりだ。
その後は夜ご飯までまたミーティング。夜はビュッフェでこの会社の福利厚生の良さを知った。
夜には肝試しがあるそうで、できれば可愛い子とペアになりたいよねって同室の男の子と部屋で祈っていると市川君が訪ねてきた。
外に出てちょうど夕焼けが綺麗な場所で市川君の話を聞くことにした。
「あの、りょ、涼さん。今日の朝はすみませんでした。営業がどうのこうのって突っかかて。」
「ああ、別に気にしてないよ。」
「俺、ずっと涼さんに会いたかったんです。」
「へ?俺に?」
「はい。俺の研究が昔涼さんが取り組んでいる内容で何度も卒論を参考にさせてもらいました。
いっつも教授が言うんです。彼は優秀だったって。初めは比べられてムカついてたんですけど、涼さんの事知っている先輩たちもみんな涼さんが良い人だったって言い続けていて…。そんなすごい人ならいつか一緒に仕事がしたいって思うようになったんです。」
「え~そんなにすごくないよ俺。」
「涼さんが名字代わってるって言うのは先輩たちから聞いていて、新入社員の転職者リストに涼さんの名前見つけたときすっごく嬉しかったんです。でも、何故か営業部だった。それで、悔しくてあんなこと言っちゃってました。」
「そっか。まあ遠回りはしてるけどさっきも言ったように営業って俺好きなんだ。だから全く不満はない。それにこれからいくらでも市川君と仕事は一緒にできるじゃない。同じ会社だよ?」
「そう、ですね。」
「そうだ、今度市川君のいる技術部にこっそり行っても良い?外部社員じゃないからだ丈夫でしょ?嫌がられるかな?」
「大丈夫です。技術部の主任が涼さんの事知ってるみたいで会いたいって言ってました。」
「え~そうなの?嬉しいなあ。」
「主任に入社してからいつも怒られます。学生じゃないんだから好きな事ばかりするなって。」
「ははは。なるほど。けど、君みたいな正直でまっすぐな青年がこの分野に居てくれることが僕は励みになるよ。今日こうやって思いをぶつけてくれて本当に嬉しかったから。」
「ありがとうございます。俺も涼さんが会社に居てくれたらなんかやる気出ます。」
「ははは。一応僕も新人だけどね。今度一緒に飲みに行こうよ。ゼミの話も教えて欲しいな。」
「ぜ、ぜひ!」
俺と市川君が先輩後輩の非常に良い雪解けを感じているときにまたしても神出鬼没なあの人が登場した。
「ああ、君たちここに居たのか。和解出来たみたいだな。良かった。」
「あ、は、はい。」
俺も市川君もびっくりした顔している。
「そろそろ夜のレクリエーションの組み合わせが発表になるみたいだぞ。」
草野主任…。いつからここに居たんでしょうか?成美ちゃんとよろしくやってたんじゃないんですか?
「えっと、じゃあ市川君また後で連絡先交換しようね。それじゃあ組み合わせ見に行こうか?草野主任はまだ見てないんですか?」
「ああ、私も知らない。」
「じゃあ、みんなで行きましょう。」
そう言って男三人日が落ちかけの夕闇の中無言でノコノコと部屋に戻る。
何だこのシュールな絵面は。
そして、最悪なことに俺のペアは草野主任だった。
そして成美ちゃん狙いの草野主任はここでもイケメンを発揮し何度もスパイクを決めてチームは優勝した。
俺はときどーき飛んでくるボールをあげるくらいで終わった。
そして驚くべきことに市川君も草野主任に負けず劣らずスパイクを決めていた。
君、あの学部はガリ勉必須なのに運動できるなんて。
しかも今流行りの韓流系イケメンだそうで、しっかり女子軍の心を掴んでいるようだ。
裏切り者め。
けど、バレーを通して市川君と少し笑い合ってプレイできたことは何よりだ。
その後は夜ご飯までまたミーティング。夜はビュッフェでこの会社の福利厚生の良さを知った。
夜には肝試しがあるそうで、できれば可愛い子とペアになりたいよねって同室の男の子と部屋で祈っていると市川君が訪ねてきた。
外に出てちょうど夕焼けが綺麗な場所で市川君の話を聞くことにした。
「あの、りょ、涼さん。今日の朝はすみませんでした。営業がどうのこうのって突っかかて。」
「ああ、別に気にしてないよ。」
「俺、ずっと涼さんに会いたかったんです。」
「へ?俺に?」
「はい。俺の研究が昔涼さんが取り組んでいる内容で何度も卒論を参考にさせてもらいました。
いっつも教授が言うんです。彼は優秀だったって。初めは比べられてムカついてたんですけど、涼さんの事知っている先輩たちもみんな涼さんが良い人だったって言い続けていて…。そんなすごい人ならいつか一緒に仕事がしたいって思うようになったんです。」
「え~そんなにすごくないよ俺。」
「涼さんが名字代わってるって言うのは先輩たちから聞いていて、新入社員の転職者リストに涼さんの名前見つけたときすっごく嬉しかったんです。でも、何故か営業部だった。それで、悔しくてあんなこと言っちゃってました。」
「そっか。まあ遠回りはしてるけどさっきも言ったように営業って俺好きなんだ。だから全く不満はない。それにこれからいくらでも市川君と仕事は一緒にできるじゃない。同じ会社だよ?」
「そう、ですね。」
「そうだ、今度市川君のいる技術部にこっそり行っても良い?外部社員じゃないからだ丈夫でしょ?嫌がられるかな?」
「大丈夫です。技術部の主任が涼さんの事知ってるみたいで会いたいって言ってました。」
「え~そうなの?嬉しいなあ。」
「主任に入社してからいつも怒られます。学生じゃないんだから好きな事ばかりするなって。」
「ははは。なるほど。けど、君みたいな正直でまっすぐな青年がこの分野に居てくれることが僕は励みになるよ。今日こうやって思いをぶつけてくれて本当に嬉しかったから。」
「ありがとうございます。俺も涼さんが会社に居てくれたらなんかやる気出ます。」
「ははは。一応僕も新人だけどね。今度一緒に飲みに行こうよ。ゼミの話も教えて欲しいな。」
「ぜ、ぜひ!」
俺と市川君が先輩後輩の非常に良い雪解けを感じているときにまたしても神出鬼没なあの人が登場した。
「ああ、君たちここに居たのか。和解出来たみたいだな。良かった。」
「あ、は、はい。」
俺も市川君もびっくりした顔している。
「そろそろ夜のレクリエーションの組み合わせが発表になるみたいだぞ。」
草野主任…。いつからここに居たんでしょうか?成美ちゃんとよろしくやってたんじゃないんですか?
「えっと、じゃあ市川君また後で連絡先交換しようね。それじゃあ組み合わせ見に行こうか?草野主任はまだ見てないんですか?」
「ああ、私も知らない。」
「じゃあ、みんなで行きましょう。」
そう言って男三人日が落ちかけの夕闇の中無言でノコノコと部屋に戻る。
何だこのシュールな絵面は。
そして、最悪なことに俺のペアは草野主任だった。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
67
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる