社内恋愛にご注意！！

何で瑠美だけ…

やっぱりそうだった。


何かおかしいと思ってたんだよね。

マコ先輩ってば、義明と別れてから急に可愛くなったりおしゃれになったり犬飼ってたり、後輩磨いたり…。


惨めな生活送ってたら強がりでもあそこまで余裕持ってできないよね。


完全に騙された。



だから絶対瑠美には家の事教えてくれなかったんだ。


滝野瀬さんは家に招待する癖に瑠美はのけ者だし、ほんといい性格してるわ。



私が仕事で困ってたり、義明との同棲で最近上手くいってないのにマコ先輩だけは後輩可愛くして、きもい男味方にして豚みたいな犬飼ってあんな広そうなセンス良い部屋に住んでるんだ。

悔しい…。


なんで瑠美だけこんな悔しい思いしなくちゃいけないの？



ずるい、悔しい、腹が立つ…。


私がマコ先輩に負けていないところ、あるはずなんだから。


何だろう…、あの努力せずして勝ち組になる目障りな女に私が勝っているところ…。



男だ。


そうだ、マコ先輩には彼氏さえいてない。

デザイン課で嫌われ者の滝川ときもい山根に挟まれていい男と出会えるわけがないじゃん。



そうだ、そう考えたら瑠美の方が義明が居る分何倍も勝ってるじゃん。


私がさっさと義明と結婚してこんな泥試合から抜け出してやる。

お先に憧れのセレブマダムの仲間入りしてやるんだから。


そして、独身のマコ先輩に高みの見物してやるんだから！






『カシャ』



「ん？何？シャッター音？」



音のした方に視線をやるも誰もいない。



「何よ…気持ち悪いわね。」


ここはネットパトロールするのに穴場の場所だ。

ほとんど人気が居ないから気に入ってるのに。



「もう一つの穴場に行くか…。」



あの音は勘違いかもしれないけど、気味が悪いから場所を移した。