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第1章
第52話 後片付け、その2
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村に戻ると、初めて村に来た時のように門のところでレクレットに止められてしまった。
「と、止まれ!…ボン…お前一体…」
「…俺は俺です。…それとも…化け物にでも見えますか?」
レクレットさんは、俺に向けて槍を構えているが、その穂先は定まらず、上下左右に震えている。
村を壊滅の危機から救ったんだ…少しくらい感謝してくれても良いだろう…に…
「レクレットさん…俺は村を守ったんですよ?それなのに、これですか?」
「…はぁ~…そうだよな…いや、分かってはいるんだ…だが…すまん…」
レクレットさんは構えを解いてくれるが、手が震えてしまい槍を落としてしまう。
そして、その場に座り込んでしまった。
「…ボン、俺は少しお前が怖い…」
「そうですか…」
面と向かって言われると、結構きついものがある…
ヘタリ込むレクレットさんを置いて、村の門を開けて中へと入る。
そこには、多くの村人たちが集まっていて、遠巻きにこちらを伺っているのが分かった。
俺が1歩踏み出すと、村人たちは1歩下がる。
もう1歩進むと、村人たちは1歩下がる…
避けられているのかな…
「お…おい!通してくれ!…っとっと…ボン!無事か!?生きてるな!?」
「ボン!良かった…無事だったんだな…」
ノノーキルとキャナタさんは、人混みをかき分けて前に出てきた。
相変わらずノノーキルの声は大きいが、俺のことを心配してくれる人もいるんだなと、少し嬉しくなってしまう。
「お前!何かやるやつだと思っていたが!まさかこれほどとは思わなかったぞ!?」
「痛い!痛いから止めろ!」
「あ、すまん…それにしても、ルルに聞いたが、凄い数だったんだろ?良く無事だったな…?」
ノノーキルは、怪我してる肩をバンバン叩いてくれる。
このおっさんは、どこに目をつけているんだ?怪我してるのが見えないのだろうか?
「いてて…まったく。この通り、怪我はしたけど無事ですよ。…あの…キャナタさん、さっきはすみませんでした。」
緊急時とはいえ、少しやりすぎた感はあったので、キャナタさんには謝っておく。
少しだけ強引だった気もするしね…
「ボン、頭を上げてくれ。お前のおかげでみんな怪我もせずに助かったんだ。責めたりする奴は居ないよ。」
「キャナタさん…」
まぁ、外の惨状を見てないからかもな…
レクレットさんは明らかに怖がっていたし…
「そうそう、みんな感謝してるんだぜ?なぁ!?」
ノノーキルが周りに向けて話しかけると、パラパラと声がしはじめ、そのうち多くの村人が感謝の言葉を口々に発しはじめた。
「な?だから、そんな悲しそうな顔をするな。」
そう言って、ノノーキルは俺の肩を叩く。
「いったいな!」
「お?すまんすまん。」
マジでこのおっさんは…
俺が痛がっていると、村人達からも笑い声が上がった。
さっきの重苦しい空気よりはマシかな…
「通し…通してくれ!」
どこかで見た気のする男が、声をあげながらこちらに近づいてきた。
誰だか分からないが、俺に用があるのだろうか?
「良かった!間に合ったんだな!?」
誰だ?
「あれはシャクル、この村に定期便を運んでくる担当者だ。」
ノノーキルが、男の名前を教えてくれるが…定期便?
あ、見たことあると思ったら馬車に乗ってた奴か!?
「すぐにガジャノを向かわせた俺のおかげだな!いやー誰かは知らんが、良かったな!感謝すると良いぞ!わっはっは!!」
なんだこいつ…自分の手柄だとでも言いたいのか?
「ん?どうした?」
「…いや、別に…」
文句を言おうかと思って見たいたのに気付かれた…が、別に手柄が欲しかったわけでもないし、無駄に絡まれても疲れるだけな気がするから、勝手に言わせておこうと思う…もう疲れたしね…
「別に?…そう言えばお前の顔は初めて…」
まだ何か言っているが、無視して宿に戻ろう…
そう思って、キャナタさんの方に向くと、後ろから肩を掴まれた。
「いっ!!!」
「おい!どこに行くつもりだ?まだ話は終わってないだろうが!」
シャクルっておっさんが、俺の右肩を掴んだため、痛みの引きかけていた傷が開いてしまう。
肩を押さえてしゃがみ込んだ俺に、シャクルはこう言った。
「最近のガキは、助けてもらっておいて、礼の1つも言えんのか!?うちの護衛が助けてやったんだぞ?おい、妙な服着てるガキ!親はどこだ!?」
そして、俺の右腕を掴んで、立ち上がらせようとしたのか、引き上げられる。
「がっ!!この!!麻痺毒枷!!」
持ち上げられたことで、肩の痛みは更にひどくなる。
イラっとしたのもあるが、咄嗟に魔法を使ってしまった…
「ぎ…えべ…べ…」
シャクルは、変な声を出しながら、泡を吹いて後ろに倒れて行った。
地面に倒れたシャクルは、ビクビクと死にかけの魚みたいに動いている。
「…ぬぎ!…このクソ野朗!何して…」
「お、おいボン!解呪だ解呪!シャクルが死ぬぞ!!」
「…は?死んでも俺は困らな…」
「俺らが困るんだよ!頼むから解呪してくれよ!この通りだ!!」
キャナタさんが頭を下げる必要は無さそうなものだが…そう言われては仕方ない…シャクルの麻痺は一応解呪しておいた。
すると、それと同時くらいに見覚えのある人が、武装した人を数人連れて村の奥から歩いてきているのが見えた…
もう終わったけど…?
ーーーー
作者です。
早く村を出たいな…
後、各話のタイトルが…
感想その他、お時間あれば是非
「と、止まれ!…ボン…お前一体…」
「…俺は俺です。…それとも…化け物にでも見えますか?」
レクレットさんは、俺に向けて槍を構えているが、その穂先は定まらず、上下左右に震えている。
村を壊滅の危機から救ったんだ…少しくらい感謝してくれても良いだろう…に…
「レクレットさん…俺は村を守ったんですよ?それなのに、これですか?」
「…はぁ~…そうだよな…いや、分かってはいるんだ…だが…すまん…」
レクレットさんは構えを解いてくれるが、手が震えてしまい槍を落としてしまう。
そして、その場に座り込んでしまった。
「…ボン、俺は少しお前が怖い…」
「そうですか…」
面と向かって言われると、結構きついものがある…
ヘタリ込むレクレットさんを置いて、村の門を開けて中へと入る。
そこには、多くの村人たちが集まっていて、遠巻きにこちらを伺っているのが分かった。
俺が1歩踏み出すと、村人たちは1歩下がる。
もう1歩進むと、村人たちは1歩下がる…
避けられているのかな…
「お…おい!通してくれ!…っとっと…ボン!無事か!?生きてるな!?」
「ボン!良かった…無事だったんだな…」
ノノーキルとキャナタさんは、人混みをかき分けて前に出てきた。
相変わらずノノーキルの声は大きいが、俺のことを心配してくれる人もいるんだなと、少し嬉しくなってしまう。
「お前!何かやるやつだと思っていたが!まさかこれほどとは思わなかったぞ!?」
「痛い!痛いから止めろ!」
「あ、すまん…それにしても、ルルに聞いたが、凄い数だったんだろ?良く無事だったな…?」
ノノーキルは、怪我してる肩をバンバン叩いてくれる。
このおっさんは、どこに目をつけているんだ?怪我してるのが見えないのだろうか?
「いてて…まったく。この通り、怪我はしたけど無事ですよ。…あの…キャナタさん、さっきはすみませんでした。」
緊急時とはいえ、少しやりすぎた感はあったので、キャナタさんには謝っておく。
少しだけ強引だった気もするしね…
「ボン、頭を上げてくれ。お前のおかげでみんな怪我もせずに助かったんだ。責めたりする奴は居ないよ。」
「キャナタさん…」
まぁ、外の惨状を見てないからかもな…
レクレットさんは明らかに怖がっていたし…
「そうそう、みんな感謝してるんだぜ?なぁ!?」
ノノーキルが周りに向けて話しかけると、パラパラと声がしはじめ、そのうち多くの村人が感謝の言葉を口々に発しはじめた。
「な?だから、そんな悲しそうな顔をするな。」
そう言って、ノノーキルは俺の肩を叩く。
「いったいな!」
「お?すまんすまん。」
マジでこのおっさんは…
俺が痛がっていると、村人達からも笑い声が上がった。
さっきの重苦しい空気よりはマシかな…
「通し…通してくれ!」
どこかで見た気のする男が、声をあげながらこちらに近づいてきた。
誰だか分からないが、俺に用があるのだろうか?
「良かった!間に合ったんだな!?」
誰だ?
「あれはシャクル、この村に定期便を運んでくる担当者だ。」
ノノーキルが、男の名前を教えてくれるが…定期便?
あ、見たことあると思ったら馬車に乗ってた奴か!?
「すぐにガジャノを向かわせた俺のおかげだな!いやー誰かは知らんが、良かったな!感謝すると良いぞ!わっはっは!!」
なんだこいつ…自分の手柄だとでも言いたいのか?
「ん?どうした?」
「…いや、別に…」
文句を言おうかと思って見たいたのに気付かれた…が、別に手柄が欲しかったわけでもないし、無駄に絡まれても疲れるだけな気がするから、勝手に言わせておこうと思う…もう疲れたしね…
「別に?…そう言えばお前の顔は初めて…」
まだ何か言っているが、無視して宿に戻ろう…
そう思って、キャナタさんの方に向くと、後ろから肩を掴まれた。
「いっ!!!」
「おい!どこに行くつもりだ?まだ話は終わってないだろうが!」
シャクルっておっさんが、俺の右肩を掴んだため、痛みの引きかけていた傷が開いてしまう。
肩を押さえてしゃがみ込んだ俺に、シャクルはこう言った。
「最近のガキは、助けてもらっておいて、礼の1つも言えんのか!?うちの護衛が助けてやったんだぞ?おい、妙な服着てるガキ!親はどこだ!?」
そして、俺の右腕を掴んで、立ち上がらせようとしたのか、引き上げられる。
「がっ!!この!!麻痺毒枷!!」
持ち上げられたことで、肩の痛みは更にひどくなる。
イラっとしたのもあるが、咄嗟に魔法を使ってしまった…
「ぎ…えべ…べ…」
シャクルは、変な声を出しながら、泡を吹いて後ろに倒れて行った。
地面に倒れたシャクルは、ビクビクと死にかけの魚みたいに動いている。
「…ぬぎ!…このクソ野朗!何して…」
「お、おいボン!解呪だ解呪!シャクルが死ぬぞ!!」
「…は?死んでも俺は困らな…」
「俺らが困るんだよ!頼むから解呪してくれよ!この通りだ!!」
キャナタさんが頭を下げる必要は無さそうなものだが…そう言われては仕方ない…シャクルの麻痺は一応解呪しておいた。
すると、それと同時くらいに見覚えのある人が、武装した人を数人連れて村の奥から歩いてきているのが見えた…
もう終わったけど…?
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作者です。
早く村を出たいな…
後、各話のタイトルが…
感想その他、お時間あれば是非
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