55 / 100
第1章
第51話 後片付け、その1
しおりを挟む
『情報提示。脅威個体総数、2体に減少しました。』
風が収まると、魔物だったものがいくつか転がっているだけで、
…
砂礫旋風で無傷に近かった奴らが、ほんの数秒の魔法を受けただけで、原形をとどめている個体は居なくなり、バラバラのドロドロに溶け落ちた残骸がほんの少し残っているだけ…
思った以上にエゲツない威力だった…
「…ナビさん、残りの敵は…どこに?」
『情報提示。村の裏手に疾風蟷螂2体の反応があります。』
残りはカマキリだけ…それも2体だけなら他に任せても大丈夫じゃないかな?
「ナビさん、行動提案は?」
『行動提案。毒麻痺霧及び毒液の檻の解呪、その後冒険者ガジャノ、冒険者ルルヘットに対処を任せることを提案。』
ルルヘット?…護衛のもう1人か?
でも…後2体なら、俺が倒しに行った方が早くないか?
「ナビさん、なんで他人に任せるんだ?」
『情報提示。これ以上の魔法使用による生体魔素転換路への負荷は、今後の活動に支障をきたす恐れがあります。』
支障…それは魔法が使えなくなるかもってことか?
それは困るな…
「ナビさんの提案を受け入れるよ。毒麻痺霧と毒液の檻、展開解呪。」
周りから薄黄色の毒液が、空気に解けるように消えていった。
元々無色の霧に関しては、消えたかどうか分からないが…多分大丈夫だろう。
よし、この辺の片付けと、残敵の処理はガジャノ達に任せるとしよう。
ゆっくり歩いて村に戻りながら、途中にいるガジャノに声をかけた。
「おい、ガジャノ。あんたとあんたの仲間、冒険者なんだろ?毒液と毒霧はもう消した。後は任せたいがどうだ?」
「君は凄いな…さっきの魔法はなんだい?」
ガジャノに声をかけると、彼は驚いた様子で問いかけてくる。
質問に質問で返さないで欲しいんだが…
「…俺の魔法のことを答える気は無い。それより、俺は疲れてるんだ。後のことは任せていいのか?どうなんだ?」
「…そうだな…後のことは私達が処理させてもらう。」
ガジャノは、そう言って頷いてくれた。
後はこいつらに任せて、俺は村に戻るとしよう…
流石に疲れたし、やることも残っているからな…
「…すまない、今回は迷惑をかけた…」
「…本当にな…あと、村の裏手に2体残ってるから、それも頼むね。」
「な!君、それは…」
名前しか知らないが、冒険者なんだろう?カマキリ2体くらい余裕だろ…
殆ど俺が倒したんだ、最後くらい仕事をしてもらわないとな。
「落とし前…つけてくれるんだろう?」
ガジャノは、まだ何か言いたそうにしていたが、俺はこれ以上構うつもりはない。
「…ってわけで、後はよろしく。」
何か言っていたようだが、無視だ無視。
そのままガジャノを置いて村の方に歩いていく。と、村の方から誰かが歩いて…いや、走ってきた。
「君凄いね!」
こちらに走ってきたのは、明るい銀髪を後ろで結んだ綺麗な女性だった。
俺より少しだけ背の低い彼女は、人懐こそうな笑顔を浮かべて俺の手を握る。
「…痛!ちょ…あんた…いや、ガジャノの仲間だろ?俺に構わなくていいから、向こうを手伝って…」
握られた手を振りほどき、暗に離れろと伝えたのだが、彼女、ルルヘットは少し驚いただけで、今度は腕を絡めてくる。
「良い!君、ウチらと組もうよ!ね?」
「な!?ちょ…痛いからはな…」
「あん…もう…どこ触ってんの?」
「は!?俺は…なにも…」
突き放そうとした時に、俺の手がルルヘットの胸に触れたらしい…
両腕負傷してるんだぞ?それなのに抱きついてくる方が悪くないか?
こんなん不可抗力…だろ?
「ニヒヒ!ウチ、魔導士いないからさ、ちょうど良かったよ!」
「いや、入るなんて言って…」
俺が困っていると、ルルヘットがニヤリと笑った気がした。
「えぇ~…人の体、こんなに触っておいて断るの?」
自分から腕を絡めてきて、今も胸を押し当てるように腕を引き寄せながら、無茶苦茶なこと言い出した…
「おい、あんたが俺に…」
「ね?この事は他の人には黙っててあげるからさ、ウチに入っ…」
「ルル。良い加減にしろ。…これ以上迷惑をかけるな。すまなかったな、後は私が引き受けるよ。」
後ろからガジャノがやってきて、ルルヘットの腕を取り俺から引き剥がしてくれた。
「えぇ~ガジャ待ってよ~」
「待たない、まだ魔物は居るんだ。最後くらい仕事をしろ。」
「も~…君~また後でね~」
ガジャノがルルヘットを、引きずって行ってくれたが、いったい何だったんだ…
ーーーー
作者です。
定期便の護衛は、彼等2人でした。
詳しいことは次…いや、その次くらいかな?
感想その他、お時間あれば是非。
風が収まると、魔物だったものがいくつか転がっているだけで、
…
砂礫旋風で無傷に近かった奴らが、ほんの数秒の魔法を受けただけで、原形をとどめている個体は居なくなり、バラバラのドロドロに溶け落ちた残骸がほんの少し残っているだけ…
思った以上にエゲツない威力だった…
「…ナビさん、残りの敵は…どこに?」
『情報提示。村の裏手に疾風蟷螂2体の反応があります。』
残りはカマキリだけ…それも2体だけなら他に任せても大丈夫じゃないかな?
「ナビさん、行動提案は?」
『行動提案。毒麻痺霧及び毒液の檻の解呪、その後冒険者ガジャノ、冒険者ルルヘットに対処を任せることを提案。』
ルルヘット?…護衛のもう1人か?
でも…後2体なら、俺が倒しに行った方が早くないか?
「ナビさん、なんで他人に任せるんだ?」
『情報提示。これ以上の魔法使用による生体魔素転換路への負荷は、今後の活動に支障をきたす恐れがあります。』
支障…それは魔法が使えなくなるかもってことか?
それは困るな…
「ナビさんの提案を受け入れるよ。毒麻痺霧と毒液の檻、展開解呪。」
周りから薄黄色の毒液が、空気に解けるように消えていった。
元々無色の霧に関しては、消えたかどうか分からないが…多分大丈夫だろう。
よし、この辺の片付けと、残敵の処理はガジャノ達に任せるとしよう。
ゆっくり歩いて村に戻りながら、途中にいるガジャノに声をかけた。
「おい、ガジャノ。あんたとあんたの仲間、冒険者なんだろ?毒液と毒霧はもう消した。後は任せたいがどうだ?」
「君は凄いな…さっきの魔法はなんだい?」
ガジャノに声をかけると、彼は驚いた様子で問いかけてくる。
質問に質問で返さないで欲しいんだが…
「…俺の魔法のことを答える気は無い。それより、俺は疲れてるんだ。後のことは任せていいのか?どうなんだ?」
「…そうだな…後のことは私達が処理させてもらう。」
ガジャノは、そう言って頷いてくれた。
後はこいつらに任せて、俺は村に戻るとしよう…
流石に疲れたし、やることも残っているからな…
「…すまない、今回は迷惑をかけた…」
「…本当にな…あと、村の裏手に2体残ってるから、それも頼むね。」
「な!君、それは…」
名前しか知らないが、冒険者なんだろう?カマキリ2体くらい余裕だろ…
殆ど俺が倒したんだ、最後くらい仕事をしてもらわないとな。
「落とし前…つけてくれるんだろう?」
ガジャノは、まだ何か言いたそうにしていたが、俺はこれ以上構うつもりはない。
「…ってわけで、後はよろしく。」
何か言っていたようだが、無視だ無視。
そのままガジャノを置いて村の方に歩いていく。と、村の方から誰かが歩いて…いや、走ってきた。
「君凄いね!」
こちらに走ってきたのは、明るい銀髪を後ろで結んだ綺麗な女性だった。
俺より少しだけ背の低い彼女は、人懐こそうな笑顔を浮かべて俺の手を握る。
「…痛!ちょ…あんた…いや、ガジャノの仲間だろ?俺に構わなくていいから、向こうを手伝って…」
握られた手を振りほどき、暗に離れろと伝えたのだが、彼女、ルルヘットは少し驚いただけで、今度は腕を絡めてくる。
「良い!君、ウチらと組もうよ!ね?」
「な!?ちょ…痛いからはな…」
「あん…もう…どこ触ってんの?」
「は!?俺は…なにも…」
突き放そうとした時に、俺の手がルルヘットの胸に触れたらしい…
両腕負傷してるんだぞ?それなのに抱きついてくる方が悪くないか?
こんなん不可抗力…だろ?
「ニヒヒ!ウチ、魔導士いないからさ、ちょうど良かったよ!」
「いや、入るなんて言って…」
俺が困っていると、ルルヘットがニヤリと笑った気がした。
「えぇ~…人の体、こんなに触っておいて断るの?」
自分から腕を絡めてきて、今も胸を押し当てるように腕を引き寄せながら、無茶苦茶なこと言い出した…
「おい、あんたが俺に…」
「ね?この事は他の人には黙っててあげるからさ、ウチに入っ…」
「ルル。良い加減にしろ。…これ以上迷惑をかけるな。すまなかったな、後は私が引き受けるよ。」
後ろからガジャノがやってきて、ルルヘットの腕を取り俺から引き剥がしてくれた。
「えぇ~ガジャ待ってよ~」
「待たない、まだ魔物は居るんだ。最後くらい仕事をしろ。」
「も~…君~また後でね~」
ガジャノがルルヘットを、引きずって行ってくれたが、いったい何だったんだ…
ーーーー
作者です。
定期便の護衛は、彼等2人でした。
詳しいことは次…いや、その次くらいかな?
感想その他、お時間あれば是非。
0
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
神に選ばれ、魔素の循環する界へと送り込まれたのは――現代の薬師。
剣も魔法も扱えない彼が憑依したのは、戦闘力ゼロの商人見習いの少年だった。
彼の武器は、知識と経験。商品を生み出し、人脈を築き、産業を広げていく。
「居場所を見つけたい」その願いが、やがて世界を変える力となる。
これは、一人の薬師が紡ぐ研究と開発、そして成長の物語。
【カクヨムでも掲載しています】
表紙は紹介文をもとに、ai【adobe firefly】で作成したものです。(参考程度に……)
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化!
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる