夫婦で異世界放浪記

片桐 零

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第2章

第15話 整理整頓

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でっかちゃんが泣き止むまで、なだめたりなんだりと結構な時間がかかってしまったが、その間にナビさんは再起動を終えたようで、近づいて来る魔物モンスターはいないことを教えてくれた。

「やっぱりにいさんは凄いです。こんな魔物モンスターを狩れるなんて…」

ストレージリングが重すぎたため、収納していた多頭鰐スクナダイル陸草鰐グラスゲーターの死体を外に出していると、魔樹の上から降りたシーホが寄ってきた。

「俺が凄いわけじゃないよ…」

シーホにはナビさんのことを秘密にしているため、どうしても含みがある感じになってしまうが、凄いのはナビさんで俺じゃない。

「いーえ。にいさんは凄いです。誰がなんと言おうと凄いんです。」

「分かった…分かったから少し離れろ…」

昨夜の突然の妹宣言以降、照れ臭くて距離を置いていたのに、急にグイグイ来られても困る…
てか、腕を掴むな。

「嫌です。お姉様からも仲良くって言われてますし、離れません。」

うん、絶対意味違う。

「…作業しづらいから少し離れてって意味なんだけど…」

「あ、それなら。はい。」

やっと離してくれたが、問題がもう一つ…

「でっかちゃんも降りて…」

「や。」

「…そうですか…」

俺の頭に乗り、四つの足で掴まっているでっかちゃんは、全く降りようとしてくれない…
重くは無いし、視界が遮られる訳でも無いんだが、某テーマパークで浮かれている人みたいで…正直やめて欲しいんだがね…

でっかちゃんを頭に乗せたまま、ストレージリング内の入れ替え作業を続けていくのだが、内側に入れているストレージリングの重量が、ずいぶん重くなってきた。

元々地球から持ってきた物だけでも、20kgを超える重量になっていたんだけど、鰐以外の魔物モンスターを入れているだけで30kg以上、軽量化されてなかったら3tの大荷物…
あ、体重計とかは持っていないので、各重量についてはナビさんから情報を教えてもらっている。

因みに、陸草鰐グラスゲーター2匹と多頭鰐スクナダイル1匹で合計が2.4t…
見るからに巨大なこともあるが、こいつらだけで軽量化がかかっても24kgもあったので、外に出すだけで随分腕の負担が軽くなった。

普段使いで外側のストレージリングに入れていた家具も、この機会に一度内側に戻してしまう。

何が面白いのか、シーホはニコニコしながらそんな作業を見ていたが、あまり気にしなくてもいいだろう。

毒液の檻ベノムケージに溶かされたものを除いて、全て収納し終わったのだが…
肝心の移動手段である旅する魔樹大老トラベルトレンダーの根元に立っても、いつものように持ち上げてくれることもなく、それどころかまるで動こうとしない。

(ナビさん。なんで動かないのか分かる?)

『回答提示。敵性体である陸草鰐グラスゲーターが、旅する魔樹大老トラベルトレンダーの感知範囲内にいることが原因と推察します。』

まだ残ってたのか…
もうデカイワニとか、いろんな意味でお腹いっぱいなんですけど…

(ナビさん、ワニを倒すか遠くに行かせないと、こいつは動かないってこと?
もしそうなら、倒しにいくしか無いんだろうけど、ここから離れて倒しても置いて行かれたら困るんだけど…)

『回答提示。旅する魔樹大老トラベルトレンダーにとっての脅威が消えれば、移動を再開可能になります。
旅する魔樹大老トラベルトレンダーの移動を制限するのであれば、敵性体である陸草鰐グラスゲーターを、旅する魔樹大老トラベルトレンダーの近辺まで誘導してくることを提案します。』

近くまで連れてきて戦うのか…
優子マメやシーホが地上に降りている状況で、あまり魔物モンスターを近くに連れて来たくはないな…

(ナビさん、出来れば他の方法はないかな?)

『回答提示。ストレージリング内の陸草鰐グラスゲーターの肉体を、この場所に設置しておくことで、旅する魔樹大老トラベルトレンダーの動きを制限することは可能です。』

OK
それなら、みんなをここに置いて行っても、俺だけ取り残されることも無いし、問題ないな。

優子マメ魔物モンスターが残っていると、この木は動かないらしい。
少し離れたところだけど、これから行って倒してくるから、でっかちゃん達とここで待ってて貰えるか?」

「ボンさんだけで行っちゃダメですー!また怪我するでしょー!」

「ちょ、頭の上で暴れんな…」

落ちないように4つの足で掴まりながら、でっかちゃんが体を動かして主張してきた。
頭の上で暴れられると、視界もブレるし辛いものがある。

「ぼん?みんなで行ったらダメなの?」

「…は?みん…え?何言ってるんだ?」

優子マメがよく分からないことを言ってきた。
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