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前編
悩むより進むこと 2
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サマンサは、じぃっと1人で考え込んでいる。
彼からの提案について、だ。
ともすれば「それもいいか」などと流されそうになる。
彼が言った「彼といるのを嫌がってはいない」ことを否定はできなかった。
彼とは気兼ねなく話せて、腹を立てさせられても悪い気分にはならない。
守られていると感じることもあるし、守りたいと思うこともある。
彼は、サマンサに女性的な魅力を感じていて、サマンサにも似た感覚はあった。
口づけも嫌ではなかったし。
「でも、それなら、友人でいいのじゃない? 婚姻する必要なんてないわ。友人とベッドをともにするというのは有り得ないから、そこは外すとしても。感覚的には友人ってふうよね? ベッドでのことは、単なる欲望でしょう?」
私室のベッドで、体を横にして、サマンサは寝転がっている。
ラナを呼び、湯に浸かって、寝支度も整えてもらったが、無駄になりそうだ。
いつもより時間が遅いにもかかわらず、眠れる気がしない。
夕食の席で変えられた筋書きに、考えがまとまらなくなっている。
正直、中庭で決めた筋書きが、サマンサにとっては最善なのだ。
彼の味方であり続けたいし、支えたいとも思う。
駒として「囮」に使われることにも不服はない。
危険に晒されるとわかっていても、彼の役に立つのなら、不満はなかった。
だが、役割が終わったら、彼との関係も終わる。
長く、ここに留まるわけではないと、ずっと思ってきたのだ。
ラナや、この別邸から離れるのは寂しいが、いずれは王都に帰る。
そのつもりで、生活していた。
「王都暮らしが、恋しいわけではないのよね。彼に言えば、いつでもティンザーの屋敷に帰れるもの。家族と会えれば、不満はない。体型が変わっても、夜会は苦手だと思うし……むしろ、よけいに苦手になりそうな気もしているから……」
劇場でのことを思うと、憂鬱になる。
彼に語った「落胆」は、本音だ。
サマンサ自身の性格が変わったとか、大きく振る舞いが変わったわけではない。
なのに、子息たちは、簡単に手のひらを返した。
いかに、容姿重視であるかがわかる。
逆に言えば、中身などどうでもいい、と言われているに等しい。
それが、サマンサの憂鬱の原因だ。
「……あんな調子で、新しい愛を望める? 私を気に入っているのか、私の外見を気に入っているのか、わからないような人ばかりじゃない。選択肢に入りたいとは思ったけれど……思っていたのとは違ったわね……」
サマンサは、ほんのちょっぴりの自信がほしかったのだ。
テーブル席で体を縮めてやり過ごすだけの夜会ではなく、普通にダンスに誘われたり、令嬢たちと対等に話ができたりする程度で良かった。
嘲られ、蔑まれる自分でさえなければ、満足できただろう。
だが、夜会で彼女を嘲り、ニヤニヤと嫌な笑いを顔に張り付けていた子息たちが劇場では、跪かんばかりだったのだ、
そのくせ「体型が戻るかも」と言ったとたん、サマンサの元を離れている。
呆れるしかなかった。
あまりに変わり過ぎた自分の姿に、実はサマンサ自身が、まだ慣れていない。
器の影響だったのだから、実際には、本当の姿に戻ったと言える。
元々、サマンサは「こう」だったはずなのだ。
とはいえ、以前の体型と18年もつきあってきた。
その間に起きたこと、されたことを忘れることはできない。
だから、つい「前の体型だったら、どうなっていたか」を考える。
ダンスに誘ってきたこの子息は、確実にサマンサを嘲笑していただろう、とか。
今の姿を、自分本来の姿として受け入れられていないせいだ。
生まれながらのものだと、心の切り替えができていたなら、そんなことをいちいち考える必要はない。
「王都では難しいかもしれないわね。せめて、以前の私を知らない人……ああ……でも……この人だって、以前の私を知っていたら、態度が違ったかもって、疑ってしまいそうだわ……こんな調子では……辺境地巡りでもするしかないかもね」
ころん…と、サマンサは寝返りを打つ。
ちっとも眠くはならなかったし、解決策も見つからない。
彼の言うことにも一理ある、と考えている自分が情けなかった。
確かに、彼とであれば、安定的な関係を築けるだろう。
お互いに嘘はつかないし、婚姻しても相手に誠実であり続けるはずだ。
サマンサはもとより、彼だって不逞なことはしない。
隠れてサロン通いをするくらいなら、婚姻無効とする。
彼は、そういう人だ。
「だって、人でなしだもの」
口に出して言いつつも、その可能性すらないという気がしている。
なにしろ、女性に不自由していない彼が「婚姻」を提案してきたのだ。
永続的な関係を望まないのなら、筋書き通りに話を進めたに違いない。
「本当に、冷酷な人ね……喉が渇いている時に、ワインの瓶を差し出しておいて、でも、その栓は抜けないのよ……瓶が永久に私の手元にあったとしても、ワインを飲むことはできない。つまり、そういうこと」
サマンサは、大きく溜め息をつく。
彼の提案は、魅力的に過ぎた。
心が、へし折れそうになる。
当然、彼は、サマンサの心をへし折りにきているのだろうが、それはともかく。
「彼は、愛を必要としない。私に愛されたいとも思っていない。なのに、手元には置きたがっていて、ベッドをともにする気もある……永続的な関係になってもいいと考えているから婚姻を持ち出した……そこまで気にいられることをした記憶はないわよ。そんなに脛を蹴飛ばされるのが好きなのかしら」
最後のくだりは、冗談だ。
本気で思っているのではない。
サマンサも、彼の提案に乗らなかったのをどうかしている、と少し思っている。
理性的な部分では、彼女の家族の反応と似たり寄ったりだ。
悪い話ではないと、わかっている。
少なくとも、彼が相手であれば「以前の私だったら」との疑念を、いだかずにいられた。
彼は、サマンサがアドラントを訪れた時から「誘って」いたのだし。
「それでも……」
サマンサは、上掛けを、ぎゅっと握り締める。
そこに、顔を押しつけた。
「朝、顔を合わせて、楽しく会話をしていたとしても……夜、ベッドをともにしていたとしても……毎日、私は思わなくちゃならないのよ……」
ああ、この人は私を愛していないのだ。
そんな人生に耐えられるはずがない。
ただ一緒にいられるというだけでは足りない。
ほかのことがすべて与えられても、満足できない。
「……私が欲張りなのね、きっと……こんないい話はないのに……」
サマンサが心をあずけることを、彼は望まないだろう。
そして、彼がサマンサに心をあずけることもない。
2人の関係は、それぞれの優先順位を越えるものではないのだ。
無意識の中ででも、自分にはこの人がいる、と思えるような関係にはならない。
それは、どこか「無関心」と似ている。
もちろんティモシーのサマンサに対する無関心さとは違うが、互いが別のほうを見ているような感覚だ。
何もかもが揃っているのに、見ている景色はいつも違う、というような。
サマンサは、彼と観た芝居を、ふと思い出す。
主人公の女性は、愛を貫き、殺された。
2人いた子供のうち1人も殺され、愛していた人も命を奪われてしまったのだ。
それでも、サマンサは、彼女は正しかったと感じる。
諦めていれば命を失わずにすんだかもしれない。
だが、生き残ったあとの人生で、彼女は笑って生きていけただろうか。
なにもなかったかのように、元の暮らしに戻れただろうか。
幸せになれただろうか。
「死んだほうがマシとは言えない。ただ……元には戻れない。それは確かね……」
サマンサは、気持ちを切り替える。
この先の人生のほうが長いのだ。
空虚な想いをかかえて、ただ安定した暮らしを続けるのは、つら過ぎる。
諦めるのは、まだ早い。
「そうよ。フレデリックと話せば、先行きの見通しも変わるわ。彼、人脈は広そうだし、誰か紹介してもらえるかもしれないもの。それに、嘘を見抜く方法も心得ているはずだから、それも教えてもらわなくちゃ」
前向きなことを考えられたからか、瞼が重くなってきた。
ともかく、いろんなことに片をつけ、新しい愛を探すのだと決意しながら、彼女は目を伏せる。
彼からの提案について、だ。
ともすれば「それもいいか」などと流されそうになる。
彼が言った「彼といるのを嫌がってはいない」ことを否定はできなかった。
彼とは気兼ねなく話せて、腹を立てさせられても悪い気分にはならない。
守られていると感じることもあるし、守りたいと思うこともある。
彼は、サマンサに女性的な魅力を感じていて、サマンサにも似た感覚はあった。
口づけも嫌ではなかったし。
「でも、それなら、友人でいいのじゃない? 婚姻する必要なんてないわ。友人とベッドをともにするというのは有り得ないから、そこは外すとしても。感覚的には友人ってふうよね? ベッドでのことは、単なる欲望でしょう?」
私室のベッドで、体を横にして、サマンサは寝転がっている。
ラナを呼び、湯に浸かって、寝支度も整えてもらったが、無駄になりそうだ。
いつもより時間が遅いにもかかわらず、眠れる気がしない。
夕食の席で変えられた筋書きに、考えがまとまらなくなっている。
正直、中庭で決めた筋書きが、サマンサにとっては最善なのだ。
彼の味方であり続けたいし、支えたいとも思う。
駒として「囮」に使われることにも不服はない。
危険に晒されるとわかっていても、彼の役に立つのなら、不満はなかった。
だが、役割が終わったら、彼との関係も終わる。
長く、ここに留まるわけではないと、ずっと思ってきたのだ。
ラナや、この別邸から離れるのは寂しいが、いずれは王都に帰る。
そのつもりで、生活していた。
「王都暮らしが、恋しいわけではないのよね。彼に言えば、いつでもティンザーの屋敷に帰れるもの。家族と会えれば、不満はない。体型が変わっても、夜会は苦手だと思うし……むしろ、よけいに苦手になりそうな気もしているから……」
劇場でのことを思うと、憂鬱になる。
彼に語った「落胆」は、本音だ。
サマンサ自身の性格が変わったとか、大きく振る舞いが変わったわけではない。
なのに、子息たちは、簡単に手のひらを返した。
いかに、容姿重視であるかがわかる。
逆に言えば、中身などどうでもいい、と言われているに等しい。
それが、サマンサの憂鬱の原因だ。
「……あんな調子で、新しい愛を望める? 私を気に入っているのか、私の外見を気に入っているのか、わからないような人ばかりじゃない。選択肢に入りたいとは思ったけれど……思っていたのとは違ったわね……」
サマンサは、ほんのちょっぴりの自信がほしかったのだ。
テーブル席で体を縮めてやり過ごすだけの夜会ではなく、普通にダンスに誘われたり、令嬢たちと対等に話ができたりする程度で良かった。
嘲られ、蔑まれる自分でさえなければ、満足できただろう。
だが、夜会で彼女を嘲り、ニヤニヤと嫌な笑いを顔に張り付けていた子息たちが劇場では、跪かんばかりだったのだ、
そのくせ「体型が戻るかも」と言ったとたん、サマンサの元を離れている。
呆れるしかなかった。
あまりに変わり過ぎた自分の姿に、実はサマンサ自身が、まだ慣れていない。
器の影響だったのだから、実際には、本当の姿に戻ったと言える。
元々、サマンサは「こう」だったはずなのだ。
とはいえ、以前の体型と18年もつきあってきた。
その間に起きたこと、されたことを忘れることはできない。
だから、つい「前の体型だったら、どうなっていたか」を考える。
ダンスに誘ってきたこの子息は、確実にサマンサを嘲笑していただろう、とか。
今の姿を、自分本来の姿として受け入れられていないせいだ。
生まれながらのものだと、心の切り替えができていたなら、そんなことをいちいち考える必要はない。
「王都では難しいかもしれないわね。せめて、以前の私を知らない人……ああ……でも……この人だって、以前の私を知っていたら、態度が違ったかもって、疑ってしまいそうだわ……こんな調子では……辺境地巡りでもするしかないかもね」
ころん…と、サマンサは寝返りを打つ。
ちっとも眠くはならなかったし、解決策も見つからない。
彼の言うことにも一理ある、と考えている自分が情けなかった。
確かに、彼とであれば、安定的な関係を築けるだろう。
お互いに嘘はつかないし、婚姻しても相手に誠実であり続けるはずだ。
サマンサはもとより、彼だって不逞なことはしない。
隠れてサロン通いをするくらいなら、婚姻無効とする。
彼は、そういう人だ。
「だって、人でなしだもの」
口に出して言いつつも、その可能性すらないという気がしている。
なにしろ、女性に不自由していない彼が「婚姻」を提案してきたのだ。
永続的な関係を望まないのなら、筋書き通りに話を進めたに違いない。
「本当に、冷酷な人ね……喉が渇いている時に、ワインの瓶を差し出しておいて、でも、その栓は抜けないのよ……瓶が永久に私の手元にあったとしても、ワインを飲むことはできない。つまり、そういうこと」
サマンサは、大きく溜め息をつく。
彼の提案は、魅力的に過ぎた。
心が、へし折れそうになる。
当然、彼は、サマンサの心をへし折りにきているのだろうが、それはともかく。
「彼は、愛を必要としない。私に愛されたいとも思っていない。なのに、手元には置きたがっていて、ベッドをともにする気もある……永続的な関係になってもいいと考えているから婚姻を持ち出した……そこまで気にいられることをした記憶はないわよ。そんなに脛を蹴飛ばされるのが好きなのかしら」
最後のくだりは、冗談だ。
本気で思っているのではない。
サマンサも、彼の提案に乗らなかったのをどうかしている、と少し思っている。
理性的な部分では、彼女の家族の反応と似たり寄ったりだ。
悪い話ではないと、わかっている。
少なくとも、彼が相手であれば「以前の私だったら」との疑念を、いだかずにいられた。
彼は、サマンサがアドラントを訪れた時から「誘って」いたのだし。
「それでも……」
サマンサは、上掛けを、ぎゅっと握り締める。
そこに、顔を押しつけた。
「朝、顔を合わせて、楽しく会話をしていたとしても……夜、ベッドをともにしていたとしても……毎日、私は思わなくちゃならないのよ……」
ああ、この人は私を愛していないのだ。
そんな人生に耐えられるはずがない。
ただ一緒にいられるというだけでは足りない。
ほかのことがすべて与えられても、満足できない。
「……私が欲張りなのね、きっと……こんないい話はないのに……」
サマンサが心をあずけることを、彼は望まないだろう。
そして、彼がサマンサに心をあずけることもない。
2人の関係は、それぞれの優先順位を越えるものではないのだ。
無意識の中ででも、自分にはこの人がいる、と思えるような関係にはならない。
それは、どこか「無関心」と似ている。
もちろんティモシーのサマンサに対する無関心さとは違うが、互いが別のほうを見ているような感覚だ。
何もかもが揃っているのに、見ている景色はいつも違う、というような。
サマンサは、彼と観た芝居を、ふと思い出す。
主人公の女性は、愛を貫き、殺された。
2人いた子供のうち1人も殺され、愛していた人も命を奪われてしまったのだ。
それでも、サマンサは、彼女は正しかったと感じる。
諦めていれば命を失わずにすんだかもしれない。
だが、生き残ったあとの人生で、彼女は笑って生きていけただろうか。
なにもなかったかのように、元の暮らしに戻れただろうか。
幸せになれただろうか。
「死んだほうがマシとは言えない。ただ……元には戻れない。それは確かね……」
サマンサは、気持ちを切り替える。
この先の人生のほうが長いのだ。
空虚な想いをかかえて、ただ安定した暮らしを続けるのは、つら過ぎる。
諦めるのは、まだ早い。
「そうよ。フレデリックと話せば、先行きの見通しも変わるわ。彼、人脈は広そうだし、誰か紹介してもらえるかもしれないもの。それに、嘘を見抜く方法も心得ているはずだから、それも教えてもらわなくちゃ」
前向きなことを考えられたからか、瞼が重くなってきた。
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