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第1章 暗い闇と蒼い薔薇
副魔術師長の企て 3
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王太子は、レティシア・ローエルハイドに恋をしている。
だからこそ、有効だった。
(思ったより、いい方向に進むかもしれませんねぇ)
すがるような王太子の瞳に、サイラスは内心でほくそ笑む。
予定を乱しているのは王太子だが、軌道修正はできそうだ。
王太子の緑色の瞳を、じっと見つめる。
彼が3歳の頃、命を救ってからずっと面倒を見続けてきた。
この瞳も、長く見続けてきている。
彼はサイラスの思うように育った。
人形であり、従順な羊。
大事に大事に育て、時期が来れば毛を刈る。
繰り返し、繰り返し。
毛が刈れなくなったら、潰して肉にすればいい。
捨てるところがない、というのは無駄なく利用できるということだ。
「ですが、殿下にとって……」
「かまわん。言え、サイラス。俺は、何をすればよいのだ」
サイラスが育てた彼ならば、きっと期待通りの答えを返すに違いない。
わかっていながら、わざと逡巡する様子を見せる。
自分が、いかに王太子に親身になっているかを印象づけるためだった。
案の定、王太子がサイラスの両手を強く握り返してくる。
「頼む、サイラス。お前が俺のためを思ってくれているのは、わかっている。だが、取るべき手立てがあるのなら、俺は、それを知りたい」
「……かしこまりました、殿下」
あえて視線をそらせた。
本当は言いたくないのだという仕草を見せておく。
サイラスの「したくもない努力」は、こんなふうに積み上げられていた。
「このままでは、あの娘を殿下の正妃とすることはできないでしょう」
「……わかっている」
「仮に……打てる手があったとしても、それをするには殿下に大きな決断をしていただかなければなりません」
「決断? どういう決断だ」
彼は、必ず自分の思う通りの結果を出す。
確信があった。
人は手のとどかないものには手は伸ばさない。
諦めることも必要なのだ。
諦めることで手にいれられるものもある。
そして、人は弱い。
「あの娘のすべてを諦めるか、あの娘の心を諦めるか」
王太子は彼女に恋をしている。
しかも、たった今、気づいたばかり。
だからこそ諦めることなどできはしない。
すべてを失うよりはマシなのだから。
なにもないよりはずっといいのだから。
「今となっては、あの娘が殿下に情を移すことはないでしょう。心までをも、お望みであれば、打つ手はありません。正妃にするのを諦め、あの娘が誰かの妻になるのを見守るべきです」
びくっと、王太子の手がサイラスの手の中で震える。
怖いだろう、と心の中でサイラスは笑った。
愛しい娘を完全に失うことも、その娘が誰かのものになることも、彼にとっては、ひどく怖いことに違いない。
「……では……では、俺が、あの娘の心を望まぬのなら……どうなる……?」
「あの娘は、殿下の正妃となるでしょう」
諦めが肝心。
サイラスが、諦めをつけさせたかったのは、レティシアとの愛し愛される関係だった。
そもそも、彼に、そんなものは必要ない。
サイラスにとっては、2人の子すら無用なのだ。
王太子の血筋が受け継がれれば、それでよかった。
下手に彼女にこだわりを持ち過ぎて側室を娶らず、子が成せなくなることのほうが問題だ。
「私は、殿下のご決断に従います。殿下の望みが、私の望みですから」
王太子は、きゅっと唇を引き結び、しばし黙り込む。
サイラスも黙って返答を待った。
必要であれば時間は惜しまない。
これは必要な時間なのだ。
やがて王太子が、ゆっくりと口を開く。
「……わかった……あの娘の心は……諦める……俺がほしいのは、正妃なのだからな……」
良く出来ました。
褒めたくなるのを我慢する。
羊は、どんなに危うい崖を歩かされようと、無垢に羊飼いに従うものだ。
「かしこまりした。殿下にとっては、さぞ苦しいご決断だったかと存じます。わかっているからこそ、私は殿下の望みを必ずや叶えてごらんにいれます」
王太子が黙ってうなずいた。
サイラスは手を離し、静かに執務室を出る。
彼には「1人で」苦しみを味わってもらう必要があった。
諦めるには、そうした時間も必要だからだ。
そして、サイラスには他にやるべきこともある。
自室に戻ると、すぐさま転移の魔術を使った。
「にぃさま、来てくれたのぉ」
甘ったるい声に、顔をしかめたくなる。
やはり来たくて来たわけではないのだが、いたしかたない。
クィンシーにはクィンシーなりの使い途があった。
サイラスは、まずはご機嫌取りから始める。
またグズグズと話を引き延ばされたくなかったからだ。
「この間の怪我は、どんな具合ですか?」
「もう大丈夫だよぅ。にぃさんに治してもらったもの」
クィンシーが右手を差し出して見せる。
握って、いかにも気づかっているというように、手のひらを何度も確認した。
白く、やわらかな手だ。
クィンシーは魔術だけでなく、武術も習ってはいない。
剣を握ったこともないし、もちろん働いたこともないため、手荒れする要素は何もない。
指先まできれいに整えられている。
「傷が残っていなくて安心しました。私のせいで、きみに怪我をさせてしまい申し訳なく思っています」
「にぃさんのせいじゃないよぅ。うまくいかなくて焦っちゃったボクが悪いんだから」
あの夜会の日、クィンシーには大公の足止めを頼んでいたのだ。
レティシアから大公が離れる隙がきっとできる。
その際に、声でもかけて引き留めるようにと。
が、大公はクィンシーを、あっさりとかわした。
会話にもならず、クィンシーは焦ったのだろう。
わざと、手にしていたグラスを落として割った。
その上で拾うフリをして、手をザックリと切りつけたのだ。
衆人環視の中、さすがに放置もできなかったらしく、大公はクィンシーの元にとどまることになった。
魔術を使えば治癒はできただろうが、それも衆人環視の前で行うのは憚られたに違いない。
一般的な止血をするにとどめている。
「結局、あんまり引き留められなかったし……ボク、役に立たなかったぁ……?」
「そんなことはありません。上出来でしたよ」
微笑みかけると、クィンシーが嬉しそうに顔を輝かせた。
見てから、サイラスは表情を変える。
「ところで……少々、まずいことになっていましてね」
「まずいこと? にぃさまに、なにか悪いことが起きるの……?」
サイラスの顔つきに合わせたように、クィンシーが顔を青ざめさせた。
万事、計算通りだ。
「それで、きみにお願いしたいことがあるのですよ」
「なにぃ? にぃさまのためなら、ボク、なんだってするよぅ」
「アンバス侯爵と旅行に行ってもらえますか?」
「あいつと2人で?」
クィンシーが、ちょっと嫌そうな顔をする。
アンバス侯爵は好色で知られた男だった。
あちらもクィンシーを好色だと思っているからか、遠慮がないそうだ。
クィンシーは、侯爵の欲望と嗜好を押しつけられることについて、よく愚痴をこぼしていた。
「きみがあの男を嫌っているのは知っています。ですから、こんなことを頼むのは、私としても心苦しいのですが」
最終的には、クィンシーがうなずくことをサイラスは知っている。
うなずかせるための「ご褒美」も用意していた。
額にかかったクィンシーの前髪をかき上げ、軽く唇を押しあてる。
「それでも、今、私を助けられるのは、きみだけなのですよ、クィン」
クィンシーの瞳が欲に潤んでいた。
ゾッとはするが、予定を予定通りに進めるためだ。
「わかったよぅ、にぃさん。ボクだけなんだものね、にぃさんを助けられるのは」
頬を上気させているクィンシーは、とても魅力的なのだろう。
が、サイラスにとっては虫唾の走る「残念な弟」でしかなかった。
だからこそ、有効だった。
(思ったより、いい方向に進むかもしれませんねぇ)
すがるような王太子の瞳に、サイラスは内心でほくそ笑む。
予定を乱しているのは王太子だが、軌道修正はできそうだ。
王太子の緑色の瞳を、じっと見つめる。
彼が3歳の頃、命を救ってからずっと面倒を見続けてきた。
この瞳も、長く見続けてきている。
彼はサイラスの思うように育った。
人形であり、従順な羊。
大事に大事に育て、時期が来れば毛を刈る。
繰り返し、繰り返し。
毛が刈れなくなったら、潰して肉にすればいい。
捨てるところがない、というのは無駄なく利用できるということだ。
「ですが、殿下にとって……」
「かまわん。言え、サイラス。俺は、何をすればよいのだ」
サイラスが育てた彼ならば、きっと期待通りの答えを返すに違いない。
わかっていながら、わざと逡巡する様子を見せる。
自分が、いかに王太子に親身になっているかを印象づけるためだった。
案の定、王太子がサイラスの両手を強く握り返してくる。
「頼む、サイラス。お前が俺のためを思ってくれているのは、わかっている。だが、取るべき手立てがあるのなら、俺は、それを知りたい」
「……かしこまりました、殿下」
あえて視線をそらせた。
本当は言いたくないのだという仕草を見せておく。
サイラスの「したくもない努力」は、こんなふうに積み上げられていた。
「このままでは、あの娘を殿下の正妃とすることはできないでしょう」
「……わかっている」
「仮に……打てる手があったとしても、それをするには殿下に大きな決断をしていただかなければなりません」
「決断? どういう決断だ」
彼は、必ず自分の思う通りの結果を出す。
確信があった。
人は手のとどかないものには手は伸ばさない。
諦めることも必要なのだ。
諦めることで手にいれられるものもある。
そして、人は弱い。
「あの娘のすべてを諦めるか、あの娘の心を諦めるか」
王太子は彼女に恋をしている。
しかも、たった今、気づいたばかり。
だからこそ諦めることなどできはしない。
すべてを失うよりはマシなのだから。
なにもないよりはずっといいのだから。
「今となっては、あの娘が殿下に情を移すことはないでしょう。心までをも、お望みであれば、打つ手はありません。正妃にするのを諦め、あの娘が誰かの妻になるのを見守るべきです」
びくっと、王太子の手がサイラスの手の中で震える。
怖いだろう、と心の中でサイラスは笑った。
愛しい娘を完全に失うことも、その娘が誰かのものになることも、彼にとっては、ひどく怖いことに違いない。
「……では……では、俺が、あの娘の心を望まぬのなら……どうなる……?」
「あの娘は、殿下の正妃となるでしょう」
諦めが肝心。
サイラスが、諦めをつけさせたかったのは、レティシアとの愛し愛される関係だった。
そもそも、彼に、そんなものは必要ない。
サイラスにとっては、2人の子すら無用なのだ。
王太子の血筋が受け継がれれば、それでよかった。
下手に彼女にこだわりを持ち過ぎて側室を娶らず、子が成せなくなることのほうが問題だ。
「私は、殿下のご決断に従います。殿下の望みが、私の望みですから」
王太子は、きゅっと唇を引き結び、しばし黙り込む。
サイラスも黙って返答を待った。
必要であれば時間は惜しまない。
これは必要な時間なのだ。
やがて王太子が、ゆっくりと口を開く。
「……わかった……あの娘の心は……諦める……俺がほしいのは、正妃なのだからな……」
良く出来ました。
褒めたくなるのを我慢する。
羊は、どんなに危うい崖を歩かされようと、無垢に羊飼いに従うものだ。
「かしこまりした。殿下にとっては、さぞ苦しいご決断だったかと存じます。わかっているからこそ、私は殿下の望みを必ずや叶えてごらんにいれます」
王太子が黙ってうなずいた。
サイラスは手を離し、静かに執務室を出る。
彼には「1人で」苦しみを味わってもらう必要があった。
諦めるには、そうした時間も必要だからだ。
そして、サイラスには他にやるべきこともある。
自室に戻ると、すぐさま転移の魔術を使った。
「にぃさま、来てくれたのぉ」
甘ったるい声に、顔をしかめたくなる。
やはり来たくて来たわけではないのだが、いたしかたない。
クィンシーにはクィンシーなりの使い途があった。
サイラスは、まずはご機嫌取りから始める。
またグズグズと話を引き延ばされたくなかったからだ。
「この間の怪我は、どんな具合ですか?」
「もう大丈夫だよぅ。にぃさんに治してもらったもの」
クィンシーが右手を差し出して見せる。
握って、いかにも気づかっているというように、手のひらを何度も確認した。
白く、やわらかな手だ。
クィンシーは魔術だけでなく、武術も習ってはいない。
剣を握ったこともないし、もちろん働いたこともないため、手荒れする要素は何もない。
指先まできれいに整えられている。
「傷が残っていなくて安心しました。私のせいで、きみに怪我をさせてしまい申し訳なく思っています」
「にぃさんのせいじゃないよぅ。うまくいかなくて焦っちゃったボクが悪いんだから」
あの夜会の日、クィンシーには大公の足止めを頼んでいたのだ。
レティシアから大公が離れる隙がきっとできる。
その際に、声でもかけて引き留めるようにと。
が、大公はクィンシーを、あっさりとかわした。
会話にもならず、クィンシーは焦ったのだろう。
わざと、手にしていたグラスを落として割った。
その上で拾うフリをして、手をザックリと切りつけたのだ。
衆人環視の中、さすがに放置もできなかったらしく、大公はクィンシーの元にとどまることになった。
魔術を使えば治癒はできただろうが、それも衆人環視の前で行うのは憚られたに違いない。
一般的な止血をするにとどめている。
「結局、あんまり引き留められなかったし……ボク、役に立たなかったぁ……?」
「そんなことはありません。上出来でしたよ」
微笑みかけると、クィンシーが嬉しそうに顔を輝かせた。
見てから、サイラスは表情を変える。
「ところで……少々、まずいことになっていましてね」
「まずいこと? にぃさまに、なにか悪いことが起きるの……?」
サイラスの顔つきに合わせたように、クィンシーが顔を青ざめさせた。
万事、計算通りだ。
「それで、きみにお願いしたいことがあるのですよ」
「なにぃ? にぃさまのためなら、ボク、なんだってするよぅ」
「アンバス侯爵と旅行に行ってもらえますか?」
「あいつと2人で?」
クィンシーが、ちょっと嫌そうな顔をする。
アンバス侯爵は好色で知られた男だった。
あちらもクィンシーを好色だと思っているからか、遠慮がないそうだ。
クィンシーは、侯爵の欲望と嗜好を押しつけられることについて、よく愚痴をこぼしていた。
「きみがあの男を嫌っているのは知っています。ですから、こんなことを頼むのは、私としても心苦しいのですが」
最終的には、クィンシーがうなずくことをサイラスは知っている。
うなずかせるための「ご褒美」も用意していた。
額にかかったクィンシーの前髪をかき上げ、軽く唇を押しあてる。
「それでも、今、私を助けられるのは、きみだけなのですよ、クィン」
クィンシーの瞳が欲に潤んでいた。
ゾッとはするが、予定を予定通りに進めるためだ。
「わかったよぅ、にぃさん。ボクだけなんだものね、にぃさんを助けられるのは」
頬を上気させているクィンシーは、とても魅力的なのだろう。
が、サイラスにとっては虫唾の走る「残念な弟」でしかなかった。
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