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最終章 黒い羽と青のそら
ご到着日和 1
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レティシアは、グレイとサリーに、うなずいてみせる。
2人も、しかつめらしい顔をして、うなずき返してきた。
「ひと通り、準備はできたね」
元王子様の爆弾発言から、ひと月。
今日の昼には、ご到着の予定。
「あとは、こっちの心構えだよ」
元王子様は「元」なのであって、今は王子様ではない。
王子様をやめ、このローエルハイド公爵家の勤め人となる。
宰相となるべく「世の中」を知るため、と祖父から聞いていた。
だから、手加減は、いっさいナシ。
彼は、「ただのユージーン」なのだ。
王子様的な振る舞いを、許すつもりはない。
それを許してしまうのなら「ウチ」で働く必要はない、と思っている。
レティシアは、前の世界で働いていた。
派遣社員として、あちこちの会社で勤めた経験がある。
その中で、新入社員の受け入れに関わったこともあった。
備品を揃えたり、社内での各種運用ルールを説明したり、といったことだ。
たとえば、冷蔵庫を使う際の注意事項だとか。
みんなで共有している物も少なくないため、各々が好きにすることはできない。
「しかし……彼は、こういう服は、嫌がるのではないでしょうか?」
グレイが、しかつめらしい顔を、ますます難しくする。
元がつくとはいえ、王子様は王子様として振る舞うのではないか。
当然の心配だ。
なにしろ、ユージーンは「ただのユージーン」であったことなど、1度もないのだから。
口調も態度も、なんら変わらないのではないか、との懸念は、レティシアも持っている。
さりとて、甘やかしは厳禁なのだ。
「嫌なら王宮に戻れって、言うだけだね。最初は、薪割りからって、お祖父さまが言ってたし。外仕事をするのに、タキシードもないでしょ」
「そうですね。動きにくいと仕事になりませんもの」
サリーも表情を崩さず、うなずいた。
はっきり言って、ユージーンは誰からも「歓迎」はされていない。
文句があるなら帰れ、と言えるのだ。
「イジメはダメだけどさ。信頼は自分で勝ち取るべきなんだよ」
「いじめ……というのは、してはならないことなのですね?」
グレイに、うなずいてみせる。
一応、働きに来ると言っているのだし、父も認めた話だった。
仕事上、厳しくするのはともかく、パワーハラスメントはNGだ。
「イジメっていうのは、故意に虐げたり、仲間外れにしたりすることでね。わざと、居づらくさせて追い出そう、なんていうのはナシってコト」
「……そうなのですか」
グレイが、少し釈然としない表情を浮かべる。
気持ちは、わからなくもなかった。
レティシアだって、できれば、早々に去ってほしいと思っている。
ただ、父が宰相を辞められるかどうかは、ユージーンの「出来」次第なのだ。
「追い出したくなるっていうのは、わかる。でもさ、それやっちゃうと、ウチが酷い職……勤め口みたいになるじゃん?」
「当家の評判にも関わる、ということですね」
「まぁね。相手がどうあれ、こっちは正しい姿勢でいなきゃって思うんだよ。自分から出て行ったっていうのと、出て行かせたっていうのは、違うからね」
2人が納得したように、うなずいた。
それに、とレティシアは付け加える。
「お父さまの面目も、潰すわけにはいかないからさ」
こちらが手を上げて降参してしまえば、ほかの貴族たちから、どう言われるか、わからない。
レティシアは貴族と関わっていないので、何を言われようがかまわないが、父は王宮勤めなのだ。
肩身の狭い思いはさせたくなかった。
(お父さまは、気にしなくていいって言うと思うけど。そうもいかないよね。もう決まっちゃったことなんだから)
レティシアは、室内を見渡す。
ここが、ユージーンの住まいになる部屋なのだ。
現代日本で、レティシアが暮らしていた部屋よりも広い。
とはいえ、今のレティシアの部屋よりは格段に狭かった。
王宮で過ごしていたユージーンの部屋より、もっと狭いに違いない。
(でも、社宅としては十分だよなぁ。家賃もいらないし……)
天蓋はついていないが、セミダブルクラスの広々としたベッド。
横にはチェストがひとつと、その上に置き型のシェードランプ。
いわゆる「ランタン」と呼ばれる物に近い形をしている。
が、中の蝋燭に火を灯すのにマッチは使わない。
おそらく、この世界独自の技術なのだろう。
下のほうについている小さな出っ張りを押したり引いたりすることで、点いたり消えたりするのだ。
レティシアの部屋にもある物で、魔術なしでも使えている。
壁際に大きなクローゼットに横長チェスト、書き物机と背もたれ付きのイス。
そのほかに、室内には、小さい丸テーブルと丸イスがあった。
部屋自体が広いので、ほかに置きたい物があれば置ける。
もちろん、王宮の物を、たくさん持って来られても困るのだけれど。
グレイは、クローゼットの扉を開いて、中を見ていた。
そこから、吊り下げられている民服を、ユージーンが嫌がるのでは、という話になったのだ。
確かに、いつもユージーンが着ている服から考えれば、簡素には違いない。
ゴージャス感など、まったくなかった。
(動き易さと、汚しても大丈夫ってトコが大事だよね、制服みたいなもんだし!)
クローゼットには、似たようなものが何着かと、それに合わせた靴が何足か。
細々とした生活用品は、横長チェストにおさまっている。
隣に小さい部屋が、もうひとつ。
洗面所に近い造りで、水が出せるようになっていた。
この世界では、いくつか生活様式が違う。
水で顔や手を洗うことは、あまりないのだ。
顔用、手足を含む体用の洗液を、用途に合わせ、専用の布に染み込ませて使う。
洗う、というより、拭くといった習慣だった。
湯船に浸かってのんびり寛ぐのは、貴族でも上級以上。
風呂は贅沢品なのだ。
それでも、ローエルハイド公爵家では、夜は交代制で湯に浸かれる。
(ここに来て、1番、驚いたのは、やっぱりアレだよね……今は、なんとも思わないけどさ。そのほうが楽だし)
なんと、この世界には「トイレ」というものが存在しない。
アイドルが「トイレに行かない」のとは違い、本当に、トイレを必要とする生理的現象自体が、存在していなかった。
なので、そもそも「トイレ」との概念がないのだ。
レティシア自身、最初は気づかなかったぐらい、もよおさない。
もよおさなければ、トイレに行くことなんて考えないし。
(体質が違うんだろうなぁ。でも、お腹が痛くなることはあるって言うし……謎過ぎる……時間ができたら、医療関係の本でも読んでみようかな……)
グレイ曰く「勤め人の部屋で水を扱えるのは、めずらしいのです」とのこと。
祖父の造った魔術道具をふんだんに使った公爵家の屋敷は、ほかの貴族屋敷とは異なる設備が整っているらしい。
自然に明かりが灯る街灯や交代制とはいえ風呂などがあるのは、貴族多しと言えど、この屋敷だけだろう。
(やっぱり、お祖父さまって、すごいよね……素敵過ぎる……)
中庭での、膝抱っこを思い出し、ふわん…と、なりかける。
「お戻りください、レティシア様」
最近、心の声すら聞こえるようになってきたようだ。
グレイが、光速でカウンターを入れてきた。
そうだ、と思い返す。
今は、祖父にウットリ心の旅、に出かけている時ではない。
「環境は整ったと思うのですが、我々の心構えというのは?」
「イジメをしない、ということで、よろしいのですか?」
グレイとサリーに聞かれる。
レティシアは、頭にユージーンを思い浮かべた。
むうっと顔が、しかめ面になる。
「イジメはNGだけど、ナメられてもダメ! あ、ナメるっていうのは、侮られるって意味だよ。とくにグレイ!」
キリッとしたレティシアの視線に、グレイが背筋を伸ばした。
サリーは、さもありなん、といった顔をしている。
「グレイはウチの執事で、みんなのまとめ役なんだからね! 押し負けないように、踏ん張ってね!」
「かしこまりました!」
執事として、グレイは有能なのだ。
押し負けさえしなければ、ユージーンに対抗できるに違いない。
ちらっと、サリーに視線を向ける。
(サリーは負けないね。何かあったら、ホウキでぶつくらいのことはする)
場合によっては、そのくらいなら許してもいいのではないか、と思った。
なにしろ相手は、あの「元王子様」なのだから。
2人も、しかつめらしい顔をして、うなずき返してきた。
「ひと通り、準備はできたね」
元王子様の爆弾発言から、ひと月。
今日の昼には、ご到着の予定。
「あとは、こっちの心構えだよ」
元王子様は「元」なのであって、今は王子様ではない。
王子様をやめ、このローエルハイド公爵家の勤め人となる。
宰相となるべく「世の中」を知るため、と祖父から聞いていた。
だから、手加減は、いっさいナシ。
彼は、「ただのユージーン」なのだ。
王子様的な振る舞いを、許すつもりはない。
それを許してしまうのなら「ウチ」で働く必要はない、と思っている。
レティシアは、前の世界で働いていた。
派遣社員として、あちこちの会社で勤めた経験がある。
その中で、新入社員の受け入れに関わったこともあった。
備品を揃えたり、社内での各種運用ルールを説明したり、といったことだ。
たとえば、冷蔵庫を使う際の注意事項だとか。
みんなで共有している物も少なくないため、各々が好きにすることはできない。
「しかし……彼は、こういう服は、嫌がるのではないでしょうか?」
グレイが、しかつめらしい顔を、ますます難しくする。
元がつくとはいえ、王子様は王子様として振る舞うのではないか。
当然の心配だ。
なにしろ、ユージーンは「ただのユージーン」であったことなど、1度もないのだから。
口調も態度も、なんら変わらないのではないか、との懸念は、レティシアも持っている。
さりとて、甘やかしは厳禁なのだ。
「嫌なら王宮に戻れって、言うだけだね。最初は、薪割りからって、お祖父さまが言ってたし。外仕事をするのに、タキシードもないでしょ」
「そうですね。動きにくいと仕事になりませんもの」
サリーも表情を崩さず、うなずいた。
はっきり言って、ユージーンは誰からも「歓迎」はされていない。
文句があるなら帰れ、と言えるのだ。
「イジメはダメだけどさ。信頼は自分で勝ち取るべきなんだよ」
「いじめ……というのは、してはならないことなのですね?」
グレイに、うなずいてみせる。
一応、働きに来ると言っているのだし、父も認めた話だった。
仕事上、厳しくするのはともかく、パワーハラスメントはNGだ。
「イジメっていうのは、故意に虐げたり、仲間外れにしたりすることでね。わざと、居づらくさせて追い出そう、なんていうのはナシってコト」
「……そうなのですか」
グレイが、少し釈然としない表情を浮かべる。
気持ちは、わからなくもなかった。
レティシアだって、できれば、早々に去ってほしいと思っている。
ただ、父が宰相を辞められるかどうかは、ユージーンの「出来」次第なのだ。
「追い出したくなるっていうのは、わかる。でもさ、それやっちゃうと、ウチが酷い職……勤め口みたいになるじゃん?」
「当家の評判にも関わる、ということですね」
「まぁね。相手がどうあれ、こっちは正しい姿勢でいなきゃって思うんだよ。自分から出て行ったっていうのと、出て行かせたっていうのは、違うからね」
2人が納得したように、うなずいた。
それに、とレティシアは付け加える。
「お父さまの面目も、潰すわけにはいかないからさ」
こちらが手を上げて降参してしまえば、ほかの貴族たちから、どう言われるか、わからない。
レティシアは貴族と関わっていないので、何を言われようがかまわないが、父は王宮勤めなのだ。
肩身の狭い思いはさせたくなかった。
(お父さまは、気にしなくていいって言うと思うけど。そうもいかないよね。もう決まっちゃったことなんだから)
レティシアは、室内を見渡す。
ここが、ユージーンの住まいになる部屋なのだ。
現代日本で、レティシアが暮らしていた部屋よりも広い。
とはいえ、今のレティシアの部屋よりは格段に狭かった。
王宮で過ごしていたユージーンの部屋より、もっと狭いに違いない。
(でも、社宅としては十分だよなぁ。家賃もいらないし……)
天蓋はついていないが、セミダブルクラスの広々としたベッド。
横にはチェストがひとつと、その上に置き型のシェードランプ。
いわゆる「ランタン」と呼ばれる物に近い形をしている。
が、中の蝋燭に火を灯すのにマッチは使わない。
おそらく、この世界独自の技術なのだろう。
下のほうについている小さな出っ張りを押したり引いたりすることで、点いたり消えたりするのだ。
レティシアの部屋にもある物で、魔術なしでも使えている。
壁際に大きなクローゼットに横長チェスト、書き物机と背もたれ付きのイス。
そのほかに、室内には、小さい丸テーブルと丸イスがあった。
部屋自体が広いので、ほかに置きたい物があれば置ける。
もちろん、王宮の物を、たくさん持って来られても困るのだけれど。
グレイは、クローゼットの扉を開いて、中を見ていた。
そこから、吊り下げられている民服を、ユージーンが嫌がるのでは、という話になったのだ。
確かに、いつもユージーンが着ている服から考えれば、簡素には違いない。
ゴージャス感など、まったくなかった。
(動き易さと、汚しても大丈夫ってトコが大事だよね、制服みたいなもんだし!)
クローゼットには、似たようなものが何着かと、それに合わせた靴が何足か。
細々とした生活用品は、横長チェストにおさまっている。
隣に小さい部屋が、もうひとつ。
洗面所に近い造りで、水が出せるようになっていた。
この世界では、いくつか生活様式が違う。
水で顔や手を洗うことは、あまりないのだ。
顔用、手足を含む体用の洗液を、用途に合わせ、専用の布に染み込ませて使う。
洗う、というより、拭くといった習慣だった。
湯船に浸かってのんびり寛ぐのは、貴族でも上級以上。
風呂は贅沢品なのだ。
それでも、ローエルハイド公爵家では、夜は交代制で湯に浸かれる。
(ここに来て、1番、驚いたのは、やっぱりアレだよね……今は、なんとも思わないけどさ。そのほうが楽だし)
なんと、この世界には「トイレ」というものが存在しない。
アイドルが「トイレに行かない」のとは違い、本当に、トイレを必要とする生理的現象自体が、存在していなかった。
なので、そもそも「トイレ」との概念がないのだ。
レティシア自身、最初は気づかなかったぐらい、もよおさない。
もよおさなければ、トイレに行くことなんて考えないし。
(体質が違うんだろうなぁ。でも、お腹が痛くなることはあるって言うし……謎過ぎる……時間ができたら、医療関係の本でも読んでみようかな……)
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祖父の造った魔術道具をふんだんに使った公爵家の屋敷は、ほかの貴族屋敷とは異なる設備が整っているらしい。
自然に明かりが灯る街灯や交代制とはいえ風呂などがあるのは、貴族多しと言えど、この屋敷だけだろう。
(やっぱり、お祖父さまって、すごいよね……素敵過ぎる……)
中庭での、膝抱っこを思い出し、ふわん…と、なりかける。
「お戻りください、レティシア様」
最近、心の声すら聞こえるようになってきたようだ。
グレイが、光速でカウンターを入れてきた。
そうだ、と思い返す。
今は、祖父にウットリ心の旅、に出かけている時ではない。
「環境は整ったと思うのですが、我々の心構えというのは?」
「イジメをしない、ということで、よろしいのですか?」
グレイとサリーに聞かれる。
レティシアは、頭にユージーンを思い浮かべた。
むうっと顔が、しかめ面になる。
「イジメはNGだけど、ナメられてもダメ! あ、ナメるっていうのは、侮られるって意味だよ。とくにグレイ!」
キリッとしたレティシアの視線に、グレイが背筋を伸ばした。
サリーは、さもありなん、といった顔をしている。
「グレイはウチの執事で、みんなのまとめ役なんだからね! 押し負けないように、踏ん張ってね!」
「かしこまりました!」
執事として、グレイは有能なのだ。
押し負けさえしなければ、ユージーンに対抗できるに違いない。
ちらっと、サリーに視線を向ける。
(サリーは負けないね。何かあったら、ホウキでぶつくらいのことはする)
場合によっては、そのくらいなら許してもいいのではないか、と思った。
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