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that day
貴哉
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何もすることがないまま時間は過ぎていく。
《ありがとう》
《近くにいてくれると思うと心強い》
《起きた?》
目が覚めたのは夕方で、紗凪から何かメッセージが入っていないかとアプリを開いたけれど、最初に目に入ったのは紗羅からのメッセージだった。
アプリを閉じることなく終わらせたせいで開いた途端に目に入ったメッセージから目を逸らしたくなる。
自分の気持ちに気付かないままだったら紗羅からのメッセージを嬉しく思ったのだろうけれど、自分が本当に大切にしたいと思う相手を間違えていたことに気づいた今、それまでのやり取りでさえ苦々しく思えてしまう。
きっと紗羅は俺からの返信を待っているのだろうと分かっていながらも返すことができないのは後ろめたいからで、今はもうきっと家族と過ごしているのだからと自分に言い訳をして紗羅とのやり取りを閉じ、紗凪のメッセージを呼び出してみる。
紗羅に会う前に送ったメッセージには既読が付けられないままで、押し寄せてくる不安を払拭することができない。
「紗凪、」
無意識にその名前を呼んだものの、今更いくら心配したところで紗凪に対して自分がしてきた酷い行いを無かったことにすることができないことは分かっている。
わざと酔わせて蹂躙し、半ば脅して身体の関係を持った。そして、身体だけでなく心も従わせ、紗凪の全てを自分の都合のいい道具にした。
まだまだ忘れることのできない紗羅への想いを満たすための道具のように紗凪を扱った。
時には紗羅を慈しむように抱き、時には俺を捨てた紗羅への鬱憤をぶつけるように乱暴に抱いた。
食事を与えたのだって、華奢と言うよりは貧弱なその体型を紗羅に近づけたかったから。女性のような柔らかさは無理だったけれど、それでも再会したばかりの頃の筋張った身体よりはマシになった。
そんなことを考えれば考えるほど自己嫌悪に陥る。
弟のように思い一緒に過ごすうちに変化していった感情は紗羅に対する執着で、素顔の紗羅によく似た紗凪を代替えにすることで自分を満たそうとしたのだと思っていた。だけど、本当のところは紗凪と過ごすことで手に入れた満たされた生活を手放して【独り】に戻りたくないという身勝手な感情からくるものだったのだ。
弟のように思っていた紗凪に対する感情の変化を認めたくなくて、紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせて縛り付けたのは紗凪に側にいて欲しかったから。
だけど、同性にそんな感情を抱いたことを認めたくなくて紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせた。
男性不妊が原因で紗羅が去り、身代わりに紗凪を抱いた。
そう、そう思っていたのは自分の弱さを認めたくなかったから。
紗凪への気持ちを認めてしまったら、男性不妊のせいで女性との将来を思い描くことができなくなったから同性である紗凪を選んだのだと嗤われたくなかったから。
紗凪との関係を公にすればいくら否定したところで、女性に相手にされないから同性に逃げたのだという輩だって出てくるだろう。そう言われるのが怖くて自分の気持ちを認めることができなかったせいで、どれだけ紗凪を傷付けてきたのかと考えて胸を痛める。
紗凪を紗凪として慈しんで抱いたことがあっただろうか。
純粋に紗凪を紗凪として労ったことがあっただろうか。
紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせ、紗羅に見立てて労った。それが全て自分の想いを誤魔化すためだったのだともっと早く気付いていれば世界が終わるかもしれない今、この時、隣には紗凪がいたかもしれないのに…。
紗凪のことを考えれば考えるほど身動きが取れなくなるけれど、まだ帰ることができないのだと自分に言い聞かせてどう過ごすかを考える。
自分の気持ちに気付かなければ紗羅の近くでこのまま最後を迎えてもいいと思っていた。紗羅と最後に会えた喜びを噛み締め、紗羅の近くで気持ちだけでも寄り添っているのだと自分に酔うことができたのに、今すぐにでも帰りたいと思ってしまう。
帰ってしまおうか。
そんなことを思いもするけれど、紗羅との約束を思い出して思い留まる。紗凪と向き合おうと考えている今、紗羅との最後の約束を守りたいと思い留まる。
紗羅の最後の願いを叶えて終わりにしよう。
目が覚めたのは夕方だったため空腹を感じ、コンビニに向かう。
明日は外に出る気にはならないだろうと思い、そのまま食べることのできるパンや飲み物を買い込む。時間を潰すために雑誌も数冊選び、部屋に戻るとテレビを付けてみる。
どの局も特別番組ばかりでどこの国でどんな変化が観測されただとか、1番早く日付が変わる国と1番最後に日付が変わる国に設置された定点カメラの映像を映し出したりしている。
目新しい情報がないままに進む時間に耐えきれずスマホを開くけれど、何も変化のない画面に落胆する。
結局、何もできないまま時間は過ぎていく。
紗羅にメッセージを返すこともなく、紗凪に送ったメッセージに既読がつくこともなく、時間が過ぎるのをただ待つだけの苦痛な時間を過ごし、あと数時間で日付が変わることを確認してもうすぐ紗凪の元に向かうことができると安堵する。
世界が終わるその時に近くにいると約束した相手、紗羅は、その時を家族と共に迎えた後は日常に戻っていくのだろう。
家族が寄り添ってくれないからと、不安だと嘆いていたとしても、何事もなく日常が戻れば変わり映えのない毎日が続いていくはずだ。
あと数時間この場所で過ごしたらすぐに紗凪の元に帰ろう。そう考えながらスマホに手を伸ばすけれど俺の送ったメッセージにはやっぱり既読は付かないままで、紗凪の現状が気になり落ち着かない気持ちになる。
だけど、今声を聞いてしまったら紗羅の元に向かうことを許してくれた紗凪の気持ちを裏切ってしまうような気がしてグッと我慢する。
ふたりで会う日も告げてあったから、紗羅と会えないから紗凪に電話をしたのだと思われることを恐れていたせいもあるけれど、1番はこの時間を耐えることで紗羅との約束を果たし、紗羅への想いを今度こそ昇華して紗凪とちゃんと向き合おうと決めたから。
きっと今、紗凪はひとりで世界が本当に終わるのかと不安に思っているのだろう。
もしも帰った時に紗凪が不安に押しつぶされていたら今度こそ【紗凪】を労り、自分の想いを素直に伝えよう。
自分のしたことを真摯に謝り、自分の想いを伝え、ふたりの関係をもう一度構築していこう。
テレビと時計を見比べながら帰るための支度を始める。
日付が変われば世界は終わらなかったと考えていいだろう。
最後に日付が変わる国との時差は大きいけれど、そこまで待つつもりはない。そこまで待つとなるともう一泊する必要が出てくるけれど、そこまで紗羅に付き合う必要もないだろう。
それに、もしも最後の国の日付が変わる瞬間に世界が終わるとすれば、日付が変わってから帰ったとしても最後の時を紗凪と過ごすことができるだろう。
荷物をまとめ、日付が変わったのを確認して紗羅にメッセージを送る。
〈終わらなかったね〉
〈紗羅、会えて嬉しかった〉
〈さようなら〉
決別の意味も込めてメッセージを送り、リアクションを待つことなくスマホを閉じる。最後の言葉は紗羅に対する想いを断ち切るためにも必要な言葉で、本来ならこのままブロックをするべきなのだろうけれど、紗羅からメッセージが返ってきた時に既読を付けるためにそのままにしておいた。
でもそれは自分に対する言い訳。
きっともう会うことはないのだろうけれど、10代の頃からの関係を断ち切ることができないのは紗羅の存在が自分の中の一部になっているからかもしれない。
これから紗凪との時間を過ごすうちに紗羅の連絡先を消すことができる日が来るのかもしれない。
そうなった時が紗羅への想いが消化できた時なのだろう、きっと。
〈今から帰るから〉
チェックアウトを済ませて車に乗り込み、紗凪にメッセージを送る。相変わらず既読はついていないけれど、きっと心細い思いをしているはずだ。
夕方まで眠っていたせいで眠気は全く無い。紗凪が目を覚ますころには部屋に戻ることができるだろう。
「紗凪、今から帰るから」
紗凪に届くようにそっと呟き、アクセルを踏む足に力を込めた。
《ありがとう》
《近くにいてくれると思うと心強い》
《起きた?》
目が覚めたのは夕方で、紗凪から何かメッセージが入っていないかとアプリを開いたけれど、最初に目に入ったのは紗羅からのメッセージだった。
アプリを閉じることなく終わらせたせいで開いた途端に目に入ったメッセージから目を逸らしたくなる。
自分の気持ちに気付かないままだったら紗羅からのメッセージを嬉しく思ったのだろうけれど、自分が本当に大切にしたいと思う相手を間違えていたことに気づいた今、それまでのやり取りでさえ苦々しく思えてしまう。
きっと紗羅は俺からの返信を待っているのだろうと分かっていながらも返すことができないのは後ろめたいからで、今はもうきっと家族と過ごしているのだからと自分に言い訳をして紗羅とのやり取りを閉じ、紗凪のメッセージを呼び出してみる。
紗羅に会う前に送ったメッセージには既読が付けられないままで、押し寄せてくる不安を払拭することができない。
「紗凪、」
無意識にその名前を呼んだものの、今更いくら心配したところで紗凪に対して自分がしてきた酷い行いを無かったことにすることができないことは分かっている。
わざと酔わせて蹂躙し、半ば脅して身体の関係を持った。そして、身体だけでなく心も従わせ、紗凪の全てを自分の都合のいい道具にした。
まだまだ忘れることのできない紗羅への想いを満たすための道具のように紗凪を扱った。
時には紗羅を慈しむように抱き、時には俺を捨てた紗羅への鬱憤をぶつけるように乱暴に抱いた。
食事を与えたのだって、華奢と言うよりは貧弱なその体型を紗羅に近づけたかったから。女性のような柔らかさは無理だったけれど、それでも再会したばかりの頃の筋張った身体よりはマシになった。
そんなことを考えれば考えるほど自己嫌悪に陥る。
弟のように思い一緒に過ごすうちに変化していった感情は紗羅に対する執着で、素顔の紗羅によく似た紗凪を代替えにすることで自分を満たそうとしたのだと思っていた。だけど、本当のところは紗凪と過ごすことで手に入れた満たされた生活を手放して【独り】に戻りたくないという身勝手な感情からくるものだったのだ。
弟のように思っていた紗凪に対する感情の変化を認めたくなくて、紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせて縛り付けたのは紗凪に側にいて欲しかったから。
だけど、同性にそんな感情を抱いたことを認めたくなくて紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせた。
男性不妊が原因で紗羅が去り、身代わりに紗凪を抱いた。
そう、そう思っていたのは自分の弱さを認めたくなかったから。
紗凪への気持ちを認めてしまったら、男性不妊のせいで女性との将来を思い描くことができなくなったから同性である紗凪を選んだのだと嗤われたくなかったから。
紗凪との関係を公にすればいくら否定したところで、女性に相手にされないから同性に逃げたのだという輩だって出てくるだろう。そう言われるのが怖くて自分の気持ちを認めることができなかったせいで、どれだけ紗凪を傷付けてきたのかと考えて胸を痛める。
紗凪を紗凪として慈しんで抱いたことがあっただろうか。
純粋に紗凪を紗凪として労ったことがあっただろうか。
紗羅の身代わりだと自分に言い聞かせ、紗羅に見立てて労った。それが全て自分の想いを誤魔化すためだったのだともっと早く気付いていれば世界が終わるかもしれない今、この時、隣には紗凪がいたかもしれないのに…。
紗凪のことを考えれば考えるほど身動きが取れなくなるけれど、まだ帰ることができないのだと自分に言い聞かせてどう過ごすかを考える。
自分の気持ちに気付かなければ紗羅の近くでこのまま最後を迎えてもいいと思っていた。紗羅と最後に会えた喜びを噛み締め、紗羅の近くで気持ちだけでも寄り添っているのだと自分に酔うことができたのに、今すぐにでも帰りたいと思ってしまう。
帰ってしまおうか。
そんなことを思いもするけれど、紗羅との約束を思い出して思い留まる。紗凪と向き合おうと考えている今、紗羅との最後の約束を守りたいと思い留まる。
紗羅の最後の願いを叶えて終わりにしよう。
目が覚めたのは夕方だったため空腹を感じ、コンビニに向かう。
明日は外に出る気にはならないだろうと思い、そのまま食べることのできるパンや飲み物を買い込む。時間を潰すために雑誌も数冊選び、部屋に戻るとテレビを付けてみる。
どの局も特別番組ばかりでどこの国でどんな変化が観測されただとか、1番早く日付が変わる国と1番最後に日付が変わる国に設置された定点カメラの映像を映し出したりしている。
目新しい情報がないままに進む時間に耐えきれずスマホを開くけれど、何も変化のない画面に落胆する。
結局、何もできないまま時間は過ぎていく。
紗羅にメッセージを返すこともなく、紗凪に送ったメッセージに既読がつくこともなく、時間が過ぎるのをただ待つだけの苦痛な時間を過ごし、あと数時間で日付が変わることを確認してもうすぐ紗凪の元に向かうことができると安堵する。
世界が終わるその時に近くにいると約束した相手、紗羅は、その時を家族と共に迎えた後は日常に戻っていくのだろう。
家族が寄り添ってくれないからと、不安だと嘆いていたとしても、何事もなく日常が戻れば変わり映えのない毎日が続いていくはずだ。
あと数時間この場所で過ごしたらすぐに紗凪の元に帰ろう。そう考えながらスマホに手を伸ばすけれど俺の送ったメッセージにはやっぱり既読は付かないままで、紗凪の現状が気になり落ち着かない気持ちになる。
だけど、今声を聞いてしまったら紗羅の元に向かうことを許してくれた紗凪の気持ちを裏切ってしまうような気がしてグッと我慢する。
ふたりで会う日も告げてあったから、紗羅と会えないから紗凪に電話をしたのだと思われることを恐れていたせいもあるけれど、1番はこの時間を耐えることで紗羅との約束を果たし、紗羅への想いを今度こそ昇華して紗凪とちゃんと向き合おうと決めたから。
きっと今、紗凪はひとりで世界が本当に終わるのかと不安に思っているのだろう。
もしも帰った時に紗凪が不安に押しつぶされていたら今度こそ【紗凪】を労り、自分の想いを素直に伝えよう。
自分のしたことを真摯に謝り、自分の想いを伝え、ふたりの関係をもう一度構築していこう。
テレビと時計を見比べながら帰るための支度を始める。
日付が変われば世界は終わらなかったと考えていいだろう。
最後に日付が変わる国との時差は大きいけれど、そこまで待つつもりはない。そこまで待つとなるともう一泊する必要が出てくるけれど、そこまで紗羅に付き合う必要もないだろう。
それに、もしも最後の国の日付が変わる瞬間に世界が終わるとすれば、日付が変わってから帰ったとしても最後の時を紗凪と過ごすことができるだろう。
荷物をまとめ、日付が変わったのを確認して紗羅にメッセージを送る。
〈終わらなかったね〉
〈紗羅、会えて嬉しかった〉
〈さようなら〉
決別の意味も込めてメッセージを送り、リアクションを待つことなくスマホを閉じる。最後の言葉は紗羅に対する想いを断ち切るためにも必要な言葉で、本来ならこのままブロックをするべきなのだろうけれど、紗羅からメッセージが返ってきた時に既読を付けるためにそのままにしておいた。
でもそれは自分に対する言い訳。
きっともう会うことはないのだろうけれど、10代の頃からの関係を断ち切ることができないのは紗羅の存在が自分の中の一部になっているからかもしれない。
これから紗凪との時間を過ごすうちに紗羅の連絡先を消すことができる日が来るのかもしれない。
そうなった時が紗羅への想いが消化できた時なのだろう、きっと。
〈今から帰るから〉
チェックアウトを済ませて車に乗り込み、紗凪にメッセージを送る。相変わらず既読はついていないけれど、きっと心細い思いをしているはずだ。
夕方まで眠っていたせいで眠気は全く無い。紗凪が目を覚ますころには部屋に戻ることができるだろう。
「紗凪、今から帰るから」
紗凪に届くようにそっと呟き、アクセルを踏む足に力を込めた。
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