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after that
紗凪 4
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「そうだね。
はじめから貴哉はそのつもりだったのかもしれない」
何を言っても伝わらないことは予想していたけれど、どんなシュチュエーションで何が行われたのかを伝えれば、少しは理解してくれるかもと淡い期待はあった。もしかしたら貴哉に対して怒りの感情を見せるかも、なんてことを思ったりもした。
だけど姉は全ての責任をボクに押し付け、ボクを悪者にすることで貴哉を正当化した。
結局、姉にとってボクはただの邪魔な存在でしかないのだろう。
貴哉にボクのことを悪く伝えたのは自分を良く見せるための行動だけなのではなくて、ただ単純にボクが嫌いなだけだったのだと今更ながらに自覚する。
だから、姉の言葉を肯定した。
姉の言葉を肯定して、貴哉の気持ちを想像する。
もしかしたらはじまりは脅すようなものだったけれど、それは同性だったが故に起こってしまった事故だったと思い込もうとした。一緒に生活するうちにボクに好意を持ったけれど、それを伝えることができず既成事実を盾に関係を深めるつもりだったのだと。
ボクが素直に受け入れていれば、写真で脅すつもりもなかったのだろうと。
そう思えば、例え、抱かれている時に姉の名前を呼ばれても気づかないふりをすることが出来た。
それに、大輝が彼女を選んだ淋しさから貴哉に縋っていたことで、無意識に貴哉の劣情を煽ってしまったのかもしれないと自分を責めることもあった。
だけど姉の言葉を肯定すると、貴哉の意図は至極単純なものだったのだと笑いたくなる。結局はボクは姉の身代わりだっただけ。
大輝に突き放されたボクは哀れで、姉に似た顔のボクが不安気にしている様は貴哉の劣情を誘ったのだろう。
姉と結婚していたらあったはずの未来。ボクの義兄になっていた未来を楽しみ、あるべきはずだった未来を壊したボクを、あるべきはずだった未来を奪った姉の身代わりにしただけのこと。
ボクを手酷く扱ったのは、姉が伝えていたボクの不甲斐なさと、それを乗り越えることを拒んだ姉にに対するフラストレーションを解消するためだったのだろう。
「無意識に誘ってたのかもしれないね」
言われてみれば、無意識のうちに大輝の代わりに貴哉を求めていたのかもしれない。
あの家で大輝と生活を始める彼女に嫉妬して、その生活を想像して真似ることで大輝との生活を疑似体験しようとしていたのがしれない。
同居人のボクとは違い、将来を考えた相手である彼女とあの家で生活を送る延長線上には結婚があるはずだ。
結婚をすればいずれは家族も増えるだろう。
そう考えた時に、ただの同居人だったボクと、パートナーになる彼女との違いを突きつけられた気がした。仕事のパートナーと、人生のパートナー、どちらが大切かと問われればボクなら人生のパートナーを選ぶだろう。
誰かに人生のパートナーとして選ばれたかった。
心を重ね、身体を重ね、人生を共に重ねていく相手として選ばれる自分を思い描いた。
だから、大輝に抱かれる彼女を羨み、貴哉に抱かれることを願っていたのかもしれない。
それがきっと、貴哉の劣情を刺激してしまったのだろう。
ポツリと溢れた言葉は姉にも母にも届かなかったみたいだったけれど、隣で聞いていた大輝の表情が曇る。
あの時、大輝がボクを諦めなければ。
あの時、ボクが大輝に思いを伝えることができていたら。
あの時、大輝が彼女を選ばなければ。
あの時、淋しさに流されて貴哉の部屋に転がり込まなければ。
少しのことで大きく代わっていたかもしれない世界。
ボクが貴哉の部屋に行かなければ。
ボクが貴哉の脅す言葉に屈することがなければ。
あの噂が流れなければ。
姉に流される貴哉を止めることができていれば。
姉の行動を止めることができていれば。
ほんの少しのことで変わるかもしれなかった世界。
ほんの少しのことで壊すことなく続いていたかもしれない日常。
『やっぱり、紗凪が誘ったんじゃないっ』
考えながら発した言葉に姉が噛み付く。
『貴哉があんたになんか興味示すわけないもんね。
結局、私の代わりだったのよ。
だから世界が終わるかもしれないなんて時に、紗凪のこと放っておいて私に会いにきたのよ』
嬉しそうな姉の声と、止めるように懇願する母の声。
「そうだね。
だから、ボクのことを抱く時も姉さんの名前呼んでたんだね。
紗羅、紗羅って。
そんなに姉さんのこと好きだったのに、それなのに姉さんは貴哉のこと捨てたんだったよね」
『ちょっと、何が言いたいのよ。
あんた、私の名前呼ばれながら抱かれてたの?』
嘲るような姉の声と、僕たちの言葉を止めるような悲鳴にも似た母の声。
『可哀想』
言葉の意味とは全くそぐわない嬉しそうな声に重なるように母の静止する声が聞こえたけれど、姉の揶揄する声が止まることはない。
息子であるボクが姉の元婚約者に、姉の名前で呼ばれながら抱かれているなんて、母にとっては聞きたい話ではないのだろうけれど、それを汲み取る気は姉にはないのだろう。
嬉しそうな姉の声と、悲痛な母の声に父や祖父母は何をしているのかと気になったけれど、嘲る言葉を続ける姉を傷付けたくて、どうせなら全てをぶちまけてしまおうと「姉さん、大事な話していい?」とその言葉を止める。
あの日、貴哉にどんなふうに抱かれたのかを仔細に話し始め、どうせボクのこともそんなふうに抱いたのだろうと得意そうに話していた姉は、【大事な話】に反応して『貴哉がどこにいるか、話す気になった?』と言葉を止める。
知らないと何度も言っているのに、姉はボクが貴哉を隠していると本気で思っているのだろうかと考えながら、その言葉を再度否定する。
「だから、貴哉がどこに行ったのかはボクは知らないんだってば。
それよりも、紗柚君とお義兄さんはどうするの?」
『紗凪には関係ないでしょ?』
「でも、お義兄さん、姉さんと別れるつもりみたいだよ、紗柚君連れて」
そんなボクの言葉に『え、なに?』と間抜けな声が重なる。
姉は貴哉と会ったことを義兄が気付いているとは考えていなかったのか、『どういうこと?』と少しだけ動揺を見せ、ボクの次の言葉を待つように口を閉ざす。
「お義兄さん、姉さんが貴哉と会ってたことも、ボクが貴哉と付き合ってたことも知ってたよ。
写真の話もお義兄さんから聞かされてたんだ。
ボクの顔、傷だらけにしたの?」
反撃というわけではないけれど、一矢報いるための言葉は少しだけ姉にダメージを与えたのか、声に動揺の響きが加わる。
『写真のこと、知らないふりしてたくせに』
「別に知らないふりしてたわけじゃないよ。
貴哉とふたりで写った写真なんて本当に心当たりなかったし、貴哉が撮った写真だったら認めたくなかったし。
貴哉がボクを犯した時の写真を送ってた可能性もあったから」
『何のためにそんな写真送るのよ』
「姉さんの気を引くため?」
あの写真を誰かに見られることを恐れていたことが嘘のようにあの写真の存在を口にすることができたのは、大輝が側に居てくれるから。
あの写真がまだ貴哉の手元にあるのかどうかは分からないけれど、今のボクにとっては恐れるものではない。
もしもあの写真が誰かの目に触れたとしても、大輝の庇護から抜ける気のないボクにはどうでもいい事だ。
大輝の存在がボクを支えてくれる。
「写真のことより、お義兄さんのこと、気にならないの?」
貴哉の気持ちなんて、義兄や紗柚の存在に比べたら些細なことなのに、それなのにそんなことを気にする姉がおかしくて、「今もその家にいないんでしょ?」と問いかける。
姉は分かっているのだろうか、自分のしたことがどれだけ義兄を傷付け、それによって何が起ころうとしているのか。
もしも今、家に義兄や紗柚がいればこんな話はできないだろうし、そもそも貴哉に会いに行くことはないだろう。
貴哉との関係を知った彼は、自分と紗柚を守るために動いていると気付いた時に姉はどうするのだろうか。
『あの人に何聞いたの?」
ボクの言葉でやっと義兄の言動を気にし始めた姉は、【別れる】という言葉に動じることなく、その内容を気にする。
姉にとって、義兄の存在がどんなものなのかが知りたくて、彼に聞いた言葉を伝えてみる。
ここまで拗れた関係が元に戻ることはないし、義兄がボクに向けたマイナスな感情を苦い気持ちのまま胸にとどめておく必要もない。
紗柚のことが気にならないでもないけれど、あちらの家族が何とかしてくれるだろう。
「貴哉にもボクの悪口たくさん吹き込んだみたいだけど、お義兄さんにも色々言ってたみたいだね」
『だから、何の話してるの?』
「ボクが産まれてこなければ、姉さんは汐勿の家に固執することはなかったって。
ボクなんて産まれてこなければよかったって。
そんなに関わりのない相手にそこまで言われるのって、どんな気持ちかわかる?
ボクが何かしたならまだしも、勝手に話作られて、勝手に憎まれて。
姉さんの自分勝手な振る舞いの責任を、何でボクが取らされないといけないの?」
『勝手な振る舞いって、何よ。
紗凪のこと、邪魔だと思うのは私だけじゃなかったってことでしょ?』
「ボクが貴哉と付き合ったせいで家族が壊されたって言われたけど、何でボクのせいになるの?」
『だってそれは、紗凪が貴哉と付き合ったから』
「それって、ただの責任転嫁だよね。
夫婦仲なんて、とっくに壊れてたくせに」
『何、あの人、何言ったの?』
ボクの言葉に声を荒げ始めた姉は、自分の置かれた状況を少しずつ把握し始めたようだった。
はじめから貴哉はそのつもりだったのかもしれない」
何を言っても伝わらないことは予想していたけれど、どんなシュチュエーションで何が行われたのかを伝えれば、少しは理解してくれるかもと淡い期待はあった。もしかしたら貴哉に対して怒りの感情を見せるかも、なんてことを思ったりもした。
だけど姉は全ての責任をボクに押し付け、ボクを悪者にすることで貴哉を正当化した。
結局、姉にとってボクはただの邪魔な存在でしかないのだろう。
貴哉にボクのことを悪く伝えたのは自分を良く見せるための行動だけなのではなくて、ただ単純にボクが嫌いなだけだったのだと今更ながらに自覚する。
だから、姉の言葉を肯定した。
姉の言葉を肯定して、貴哉の気持ちを想像する。
もしかしたらはじまりは脅すようなものだったけれど、それは同性だったが故に起こってしまった事故だったと思い込もうとした。一緒に生活するうちにボクに好意を持ったけれど、それを伝えることができず既成事実を盾に関係を深めるつもりだったのだと。
ボクが素直に受け入れていれば、写真で脅すつもりもなかったのだろうと。
そう思えば、例え、抱かれている時に姉の名前を呼ばれても気づかないふりをすることが出来た。
それに、大輝が彼女を選んだ淋しさから貴哉に縋っていたことで、無意識に貴哉の劣情を煽ってしまったのかもしれないと自分を責めることもあった。
だけど姉の言葉を肯定すると、貴哉の意図は至極単純なものだったのだと笑いたくなる。結局はボクは姉の身代わりだっただけ。
大輝に突き放されたボクは哀れで、姉に似た顔のボクが不安気にしている様は貴哉の劣情を誘ったのだろう。
姉と結婚していたらあったはずの未来。ボクの義兄になっていた未来を楽しみ、あるべきはずだった未来を壊したボクを、あるべきはずだった未来を奪った姉の身代わりにしただけのこと。
ボクを手酷く扱ったのは、姉が伝えていたボクの不甲斐なさと、それを乗り越えることを拒んだ姉にに対するフラストレーションを解消するためだったのだろう。
「無意識に誘ってたのかもしれないね」
言われてみれば、無意識のうちに大輝の代わりに貴哉を求めていたのかもしれない。
あの家で大輝と生活を始める彼女に嫉妬して、その生活を想像して真似ることで大輝との生活を疑似体験しようとしていたのがしれない。
同居人のボクとは違い、将来を考えた相手である彼女とあの家で生活を送る延長線上には結婚があるはずだ。
結婚をすればいずれは家族も増えるだろう。
そう考えた時に、ただの同居人だったボクと、パートナーになる彼女との違いを突きつけられた気がした。仕事のパートナーと、人生のパートナー、どちらが大切かと問われればボクなら人生のパートナーを選ぶだろう。
誰かに人生のパートナーとして選ばれたかった。
心を重ね、身体を重ね、人生を共に重ねていく相手として選ばれる自分を思い描いた。
だから、大輝に抱かれる彼女を羨み、貴哉に抱かれることを願っていたのかもしれない。
それがきっと、貴哉の劣情を刺激してしまったのだろう。
ポツリと溢れた言葉は姉にも母にも届かなかったみたいだったけれど、隣で聞いていた大輝の表情が曇る。
あの時、大輝がボクを諦めなければ。
あの時、ボクが大輝に思いを伝えることができていたら。
あの時、大輝が彼女を選ばなければ。
あの時、淋しさに流されて貴哉の部屋に転がり込まなければ。
少しのことで大きく代わっていたかもしれない世界。
ボクが貴哉の部屋に行かなければ。
ボクが貴哉の脅す言葉に屈することがなければ。
あの噂が流れなければ。
姉に流される貴哉を止めることができていれば。
姉の行動を止めることができていれば。
ほんの少しのことで変わるかもしれなかった世界。
ほんの少しのことで壊すことなく続いていたかもしれない日常。
『やっぱり、紗凪が誘ったんじゃないっ』
考えながら発した言葉に姉が噛み付く。
『貴哉があんたになんか興味示すわけないもんね。
結局、私の代わりだったのよ。
だから世界が終わるかもしれないなんて時に、紗凪のこと放っておいて私に会いにきたのよ』
嬉しそうな姉の声と、止めるように懇願する母の声。
「そうだね。
だから、ボクのことを抱く時も姉さんの名前呼んでたんだね。
紗羅、紗羅って。
そんなに姉さんのこと好きだったのに、それなのに姉さんは貴哉のこと捨てたんだったよね」
『ちょっと、何が言いたいのよ。
あんた、私の名前呼ばれながら抱かれてたの?』
嘲るような姉の声と、僕たちの言葉を止めるような悲鳴にも似た母の声。
『可哀想』
言葉の意味とは全くそぐわない嬉しそうな声に重なるように母の静止する声が聞こえたけれど、姉の揶揄する声が止まることはない。
息子であるボクが姉の元婚約者に、姉の名前で呼ばれながら抱かれているなんて、母にとっては聞きたい話ではないのだろうけれど、それを汲み取る気は姉にはないのだろう。
嬉しそうな姉の声と、悲痛な母の声に父や祖父母は何をしているのかと気になったけれど、嘲る言葉を続ける姉を傷付けたくて、どうせなら全てをぶちまけてしまおうと「姉さん、大事な話していい?」とその言葉を止める。
あの日、貴哉にどんなふうに抱かれたのかを仔細に話し始め、どうせボクのこともそんなふうに抱いたのだろうと得意そうに話していた姉は、【大事な話】に反応して『貴哉がどこにいるか、話す気になった?』と言葉を止める。
知らないと何度も言っているのに、姉はボクが貴哉を隠していると本気で思っているのだろうかと考えながら、その言葉を再度否定する。
「だから、貴哉がどこに行ったのかはボクは知らないんだってば。
それよりも、紗柚君とお義兄さんはどうするの?」
『紗凪には関係ないでしょ?』
「でも、お義兄さん、姉さんと別れるつもりみたいだよ、紗柚君連れて」
そんなボクの言葉に『え、なに?』と間抜けな声が重なる。
姉は貴哉と会ったことを義兄が気付いているとは考えていなかったのか、『どういうこと?』と少しだけ動揺を見せ、ボクの次の言葉を待つように口を閉ざす。
「お義兄さん、姉さんが貴哉と会ってたことも、ボクが貴哉と付き合ってたことも知ってたよ。
写真の話もお義兄さんから聞かされてたんだ。
ボクの顔、傷だらけにしたの?」
反撃というわけではないけれど、一矢報いるための言葉は少しだけ姉にダメージを与えたのか、声に動揺の響きが加わる。
『写真のこと、知らないふりしてたくせに』
「別に知らないふりしてたわけじゃないよ。
貴哉とふたりで写った写真なんて本当に心当たりなかったし、貴哉が撮った写真だったら認めたくなかったし。
貴哉がボクを犯した時の写真を送ってた可能性もあったから」
『何のためにそんな写真送るのよ』
「姉さんの気を引くため?」
あの写真を誰かに見られることを恐れていたことが嘘のようにあの写真の存在を口にすることができたのは、大輝が側に居てくれるから。
あの写真がまだ貴哉の手元にあるのかどうかは分からないけれど、今のボクにとっては恐れるものではない。
もしもあの写真が誰かの目に触れたとしても、大輝の庇護から抜ける気のないボクにはどうでもいい事だ。
大輝の存在がボクを支えてくれる。
「写真のことより、お義兄さんのこと、気にならないの?」
貴哉の気持ちなんて、義兄や紗柚の存在に比べたら些細なことなのに、それなのにそんなことを気にする姉がおかしくて、「今もその家にいないんでしょ?」と問いかける。
姉は分かっているのだろうか、自分のしたことがどれだけ義兄を傷付け、それによって何が起ころうとしているのか。
もしも今、家に義兄や紗柚がいればこんな話はできないだろうし、そもそも貴哉に会いに行くことはないだろう。
貴哉との関係を知った彼は、自分と紗柚を守るために動いていると気付いた時に姉はどうするのだろうか。
『あの人に何聞いたの?」
ボクの言葉でやっと義兄の言動を気にし始めた姉は、【別れる】という言葉に動じることなく、その内容を気にする。
姉にとって、義兄の存在がどんなものなのかが知りたくて、彼に聞いた言葉を伝えてみる。
ここまで拗れた関係が元に戻ることはないし、義兄がボクに向けたマイナスな感情を苦い気持ちのまま胸にとどめておく必要もない。
紗柚のことが気にならないでもないけれど、あちらの家族が何とかしてくれるだろう。
「貴哉にもボクの悪口たくさん吹き込んだみたいだけど、お義兄さんにも色々言ってたみたいだね」
『だから、何の話してるの?』
「ボクが産まれてこなければ、姉さんは汐勿の家に固執することはなかったって。
ボクなんて産まれてこなければよかったって。
そんなに関わりのない相手にそこまで言われるのって、どんな気持ちかわかる?
ボクが何かしたならまだしも、勝手に話作られて、勝手に憎まれて。
姉さんの自分勝手な振る舞いの責任を、何でボクが取らされないといけないの?」
『勝手な振る舞いって、何よ。
紗凪のこと、邪魔だと思うのは私だけじゃなかったってことでしょ?』
「ボクが貴哉と付き合ったせいで家族が壊されたって言われたけど、何でボクのせいになるの?」
『だってそれは、紗凪が貴哉と付き合ったから』
「それって、ただの責任転嫁だよね。
夫婦仲なんて、とっくに壊れてたくせに」
『何、あの人、何言ったの?』
ボクの言葉に声を荒げ始めた姉は、自分の置かれた状況を少しずつ把握し始めたようだった。
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