46 / 116
第43話 魔物生態学
しおりを挟む
毎日更新中です!
感想、お気に入り追加お待ちしてます!
--------------------------------------
「ということで、魔物の討伐技術や魔物素材の実用的な研究は進んでるけど、魔物の生態についてはほとんどわかっていないことがわかったわけだけど、そういう方面の研究に適した人材っているのかな?」
「やんわりとしたネコさんクビ宣告?」
「この研究したらトリさんにほめられるよって言えばたぶん大丈夫」
「兄貴にほめられる?! やる! やらせていただきます!」
「ほらな」
「あとでおっさんに適当にほめるように言っとこう」
「で、ほかに向いてる人はいないかな? 魔物もたくさん種類があるし、ヘドリン属だってミルヘドリンとスラヘドリンじゃ情報が共有されてないじゃん。そういうのをまとめて研究する必要があると思うんだ」
「俺たちのなかにはいなそうだな」
「魔物のことはさっぱりわからんな」
「勇者チームには期待してない」
「各分野の専門家たちは集めることにして、まとめ役が必要なんだよね? オレに思いつくのは一人だけなんだけど」
「え? だれかいるのか?」
「先生って生物だったよね、たしか」
「なんでうろ覚えなんだよ。牛頭先生なら生物担当だな。むかし生態系とか環境とか研究してたって言ってた気がする」
「適任じゃん」
「いや、なんでだよ。異世界に連れてきちゃダメだろ」
「どうせ彼女もいないし問題ないよ」
「問題しかない……」
「先生ってあのうすぼんやりか?」
「あら、結構トラちゃんのこと心配してくださってたわ。きっといい先生よ」
「うむ。まあ抜けてはいるが専門が合っているならいいんじゃないか? 面接してみよう」
「学校には~お休みします~って言えばいいわね~」
「いやいやいや」
「こっちのことも一応知ってるし問題ないだろう」
「給料は払わなければならないかもな」
「ワイバーン串で大丈夫だよ」
「いやいやいや」
「あのう、みなさんが『先生』と呼ぶってことはかなりの大物ですか?」
「いや全然」
「ぼんやりだ」
「現実逃避するくせがある」
「適応力に難があるな」
「ちょっと理解が追い付かないだけよ」
「ぼ~~っとしてるわ~」
「彼女もいない」
「酷い言われようだし虎彦二回目だぞ」
「まあ父さんたちに面接してもらってこっちに来るって言ったら任せてもいいんじゃない?」
「まあ先生が来たいならいいんだけど」
「じゃあ来週あたり連絡してみよう」
「彼女を紹介するって言ったらきっと飛んで来るよ」
「それは詐欺だろう」
「ヒトちゃんに会わせるんだから詐欺じゃないよ」
「いや詐欺だろ」
「ヒトちゃんに振られるかもしれないけど」
「振られる前提」
「ところで~これ~ヒトモドキ~どっち~?」
「どっちも乳白色でにょんにょんしてるな」
「ヒトちゃんにょーんってなって」
「あっち~?」
「ミルヘドリンさんにょーんってなって」
「こっち~?」
「完全に同じ生物だろこれ」
「お返事するのはかわいいわね」
「ほかのドロヘドリンとかも実は同じって可能性あるのか?」
「デュルフェドゥリィムは明らかに敵対的ですから実用的には区別されるでしょうけど」
「ドロヘドリンも透明で見つかりにくいやつがいるって言ってなかったっけ?」
「そういやあ最近この辺でボゲダゴが増えてるんだけどよ、あれもちょっとデュルフェドゥリィムっぽいんでねえか?」
「ボケタコはデュルフェドゥリィムと同じような場所に潜んでいて足を取られたりするが毒性はなくてあまり脅威ではないが大量発生するとやっかいで特に利用法もないし嫌われている魔物で」
「もしかしてボケタコが育って毒を獲得したのがドロヘドリンになるのかな」
「そういえばミルヘドリンやスラヘドリンは飼育されてるからわかるけど、ヒトモドキはなんで友好的なんだろうな?」
「魔物の出現地域ってかたよりがあるよね? 冒険者組合に言ったら地図とかもらえるかな?」
「目撃情報とかが記録されていればいいが、なければ一から調査しなけりゃダメだろうな」
「出現傾向なんかはまとめられていると思いますが、完全な記録ではないと思いますよ」
「ん? ヘドリン属の分布とか調べるのか? それって……もしかしてもともと同じ生物で生育環境で分化するって考えてるのか?」
「本当にそうなるかは実験してみないとわからないけど、分布を見れば大体わかるよね」
「虎彦たまに頭いいな」
「それほめてる?」
「トラ様はいつも優秀ですよ」
「トラちゃんすごいわ」
「とらちゃん~えら~い」
「ぐるう」
「過保護すぎる」
感想、お気に入り追加お待ちしてます!
--------------------------------------
「ということで、魔物の討伐技術や魔物素材の実用的な研究は進んでるけど、魔物の生態についてはほとんどわかっていないことがわかったわけだけど、そういう方面の研究に適した人材っているのかな?」
「やんわりとしたネコさんクビ宣告?」
「この研究したらトリさんにほめられるよって言えばたぶん大丈夫」
「兄貴にほめられる?! やる! やらせていただきます!」
「ほらな」
「あとでおっさんに適当にほめるように言っとこう」
「で、ほかに向いてる人はいないかな? 魔物もたくさん種類があるし、ヘドリン属だってミルヘドリンとスラヘドリンじゃ情報が共有されてないじゃん。そういうのをまとめて研究する必要があると思うんだ」
「俺たちのなかにはいなそうだな」
「魔物のことはさっぱりわからんな」
「勇者チームには期待してない」
「各分野の専門家たちは集めることにして、まとめ役が必要なんだよね? オレに思いつくのは一人だけなんだけど」
「え? だれかいるのか?」
「先生って生物だったよね、たしか」
「なんでうろ覚えなんだよ。牛頭先生なら生物担当だな。むかし生態系とか環境とか研究してたって言ってた気がする」
「適任じゃん」
「いや、なんでだよ。異世界に連れてきちゃダメだろ」
「どうせ彼女もいないし問題ないよ」
「問題しかない……」
「先生ってあのうすぼんやりか?」
「あら、結構トラちゃんのこと心配してくださってたわ。きっといい先生よ」
「うむ。まあ抜けてはいるが専門が合っているならいいんじゃないか? 面接してみよう」
「学校には~お休みします~って言えばいいわね~」
「いやいやいや」
「こっちのことも一応知ってるし問題ないだろう」
「給料は払わなければならないかもな」
「ワイバーン串で大丈夫だよ」
「いやいやいや」
「あのう、みなさんが『先生』と呼ぶってことはかなりの大物ですか?」
「いや全然」
「ぼんやりだ」
「現実逃避するくせがある」
「適応力に難があるな」
「ちょっと理解が追い付かないだけよ」
「ぼ~~っとしてるわ~」
「彼女もいない」
「酷い言われようだし虎彦二回目だぞ」
「まあ父さんたちに面接してもらってこっちに来るって言ったら任せてもいいんじゃない?」
「まあ先生が来たいならいいんだけど」
「じゃあ来週あたり連絡してみよう」
「彼女を紹介するって言ったらきっと飛んで来るよ」
「それは詐欺だろう」
「ヒトちゃんに会わせるんだから詐欺じゃないよ」
「いや詐欺だろ」
「ヒトちゃんに振られるかもしれないけど」
「振られる前提」
「ところで~これ~ヒトモドキ~どっち~?」
「どっちも乳白色でにょんにょんしてるな」
「ヒトちゃんにょーんってなって」
「あっち~?」
「ミルヘドリンさんにょーんってなって」
「こっち~?」
「完全に同じ生物だろこれ」
「お返事するのはかわいいわね」
「ほかのドロヘドリンとかも実は同じって可能性あるのか?」
「デュルフェドゥリィムは明らかに敵対的ですから実用的には区別されるでしょうけど」
「ドロヘドリンも透明で見つかりにくいやつがいるって言ってなかったっけ?」
「そういやあ最近この辺でボゲダゴが増えてるんだけどよ、あれもちょっとデュルフェドゥリィムっぽいんでねえか?」
「ボケタコはデュルフェドゥリィムと同じような場所に潜んでいて足を取られたりするが毒性はなくてあまり脅威ではないが大量発生するとやっかいで特に利用法もないし嫌われている魔物で」
「もしかしてボケタコが育って毒を獲得したのがドロヘドリンになるのかな」
「そういえばミルヘドリンやスラヘドリンは飼育されてるからわかるけど、ヒトモドキはなんで友好的なんだろうな?」
「魔物の出現地域ってかたよりがあるよね? 冒険者組合に言ったら地図とかもらえるかな?」
「目撃情報とかが記録されていればいいが、なければ一から調査しなけりゃダメだろうな」
「出現傾向なんかはまとめられていると思いますが、完全な記録ではないと思いますよ」
「ん? ヘドリン属の分布とか調べるのか? それって……もしかしてもともと同じ生物で生育環境で分化するって考えてるのか?」
「本当にそうなるかは実験してみないとわからないけど、分布を見れば大体わかるよね」
「虎彦たまに頭いいな」
「それほめてる?」
「トラ様はいつも優秀ですよ」
「トラちゃんすごいわ」
「とらちゃん~えら~い」
「ぐるう」
「過保護すぎる」
0
あなたにおすすめの小説
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる