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【第一話】初めまして、俺は誰だ。
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山々の間から覗くどこまでも紅い夕焼け、何処かで鳴く虫の声、肌に纏わりつく風は残暑を思わせる。
(さて、ここはいったい何処だ?)
困り顔で頬を掻く男は今迷子である。
この男の名は…分からない。男には記憶がないのだ。気がついたときにはもう、自分が何者か思い出せなかった。何も持たず、頼れる者もおらず、ただ一人ふらふらと彷徨っている。
男は、ただ彷徨っていたわけではない。何故か、男はよく狙われる、見たことのない"ナニカ"に。そいつらがなぜ男を狙うかわからないが、わかったことがいくつがある。
・一つ ソレは大体黒いモヤを纏っている。
・一つ ソレに言葉は通じない。
・一つ どうやらソレは男以外に視えないらしい。
・一つ ソレはなにか不思議なチカラを使う。
…こんなところである。
そんな事もあって、自身の記憶のことは二の次になってしまっているのだ。今回もまた、執拗に狙われ命からがらここまで逃げてきた。
やっと一息つけた男は、ぐるりと辺りを見渡した。そこは山々に囲まれ、木々は赤や黄色に色づき、大切に手入れされているだろう田んぼが広がっていた。ただ近くに人の気配はしなかった。どうやらここは、都会から割と疎遠な田舎らしい。
「へぇ…こんなに澄んだ場所、初めて見た。」
この見知らぬ美しい地に男は少し心を踊らせているようだ。
少し観光していこう、とユラユラ歩き出す。空気がとても澄んでいる。それに、黄昏時だからだろうか、夕日に照らされ田んぼの稲が黄金色に輝いている。時々、ヒュウと吹く風は秋の匂いを運んでくる。
そんなふうに男が、ふらりふらりと散歩を楽しんでいたら、ザワリとなにかが背を這うような悪寒がした。思わず首筋に手をやりキョロキョロと辺りを確認するが辺りには何も視えない。
さっきのほのぼのとした空気と打って変わって、チリチリと肌に突き刺さるような空気に男は顔を顰めた。
嫌な予感がしたのだろう。何事もなければそれで良いのだが、勘というのは嫌なときほど当たりやすい。男はすぐにそこを離れようとした………
「オマエハドコニイクンダイ?」
が、時すでに遅し。ソレはすでに背後に居た。
「っ………ぁ……………。」
男はカタカタと食い違う歯を抑えながらゆっくりと首だけを動かし後ろを見やる。そこには、想像した通りのモノが、想像したより近くに居た。
(コレは…話たら駄目だ!!!連れて行かれる!!。)
そんなことを思考している間に、そのモヤの中からゆっくりと手?のようなものが伸びてき、男を捉えようとする。そのことに、ハッと気づいた男はダンッと力強く地を蹴り走り出した。
しかし、ソレは男の隣を並走してきた。男は全速力を出している。それでも、逃れることのできない相手のようだ。
男は絶望した。嗚呼、自分はここまでなのだと。いや、逆に運が良かったのかもしれない。今までは、自身の脚力で巻くことができるもののみを相手にしていたのだ。思い返せば、男自身が何者かなのかすらわからずじまいだ。
男は、走りながらそんなことを思った。走り、風を受けた髪は乱れ、ピリピリと冷たい空気が肌を突き刺す。頬に、冷たい、水のようなものが触れた。男は泣いていた。
男の視界は自身の涙で徐々にぼやけていく。そのせいで、男は転んでしまった。すぐに体を起こすがソレはすでに目の前に居た。ソレは、腕のようなものを振り上げる。
男は覚悟して目をつぶった。その瞬間、
「鳴り響け『希望は鈴の音と共に』」
という声が聞こえ、いつまでも来ない衝撃に「なんだ?」と疑問に思い男が目を開けると、目の前には男を庇うように少年が立っていた。
周りを見ると、少年を中心に半透明の箱が覆っており、リィィィィィと鈴を鳴らしたような甲高い音が響いている、前を見ると、腕?を抑え「ハハ、アハハ」と不気味な声で笑うソレが居た。
どうやらソレの腕は、少年の箱によって弾かれたらしい。
パキッと音を立てて箱が壊れた。
「お怪我は?」
少年は振り向き男に聞いた。
「っあ………大丈夫、ありがとう。」
男はそう答え、改めて自身を助けてくれた少年を見た。
その少年は、白髪で、色白で、白いシャツを着、白い羽織を腕から掛けていた。なんというか、全体的に白が際立つ少年だった。
「オマエハドコニイクンダイ?」
ソレが聞く。今度はおそらく少年に向かって。
少年はちらりとソレの方を見て静かに、しかし凛と、鈴のように透き通った声でこう唱えた。
「『隠して』」
すると、さぁっと霧のようなものが男と少年を覆った。
「ドコニイッタ」
眼の前に居るのにソレにはこちらが視えていないようだ。それは何故か。思い当たるフシは一つ。
「……鈴…の音?」
男は今の出来事を振り返りそう呟いき、少年の方を見た。
少年は唇に人差し指を当てこちらに振り返る。静かにしろということなのだろう。
それに従うように男は自身の手で口を塞いでいた。少年の目は優しげに細められる。その瞳は一等紅いガーネットが嵌め込まれているようだった。
男が黙ると少年は、男の手を引きその場をあとにする。しばらく歩くと少年は手を離し男と向き合った。その頃には男が感じていたピリピリと肌を刺すような悪寒も消えた。
「ありがとう。おかげで助かった。」
男がそう言うと、少年は花がほころぶように笑った。
(あ、可愛い)
なんてことを男は思った。そんな男のことを傍目に、
「ところで、貴方様は何故こちらに?大車菊家の方々が心配しておりましたよ。」
と、少年は言ってのけた。完全に予想外だった言葉に男の時は、カチリと一瞬止まった。
「!!俺のことを知っているのか!?」
と、男は、少年の肩に掴み掛かりガクガクと揺らす。
「えっっ、えっ?……はい。」
少年の方は大層驚いて混乱しながら男の言葉に肯定の意を示した。
男には記憶がない。それに、何故か、男は狙われる。見たことのない"ナニカ"に。どうやら少年は、そんな男のことを知っているらしい。
男はこれはチャンスだと思った。何一つ知らない自分自身のことを知るチャンスだと。
だから男は打ち明けることにした。自身の今の現状を。男は真剣な面持ちで言った。
「俺さ、ある時から記憶がないんだ。それで…あの、よく分からないナニカに追われて………。」
「え………?。」
「だから、君が知っていることを教えて欲しい。」
少年の手を掴み、目を見つめ、男は懇願する。
「…本当に記憶がないのですか?」
男の懇願に息を呑み、数度ゆっくり瞬きしたあと少年が震える声を抑えながら確認するように尋ねた。
「嗚呼。本当だ。」
と、その問いかけに男は言葉を噛みしめるような声で答えた。
「そう………。分かりました。僕が知っていることをお話します。」
「本当か!?ありがとう!!」
男の真剣さを汲み取った少年は、同じような真剣な目でそう返した。それに、男は子供のようにはしゃいだ。少年はその姿を慈しむような目で見て、クスリと笑い、
「では、自己紹介を致します。僕の名は一華風希と申します。貴方様の名は紅葉。秋の象徴とも言える樹木の名ですね。」
「紅葉………。俺の名は紅葉っていうのか!!ありがとう。風希!!」
「勿体ないお言葉を。」
「えっと、それで、今さっきのやつは………?。」
「嗚呼。あれは所謂幽霊ですね。悪霊化していましたが………。」
「あ、くりょう?」
「はい。恨みやら、妬みやら、原因はわかりませんが、人を害するようになった霊のことです。」
「それ、祓わなくて良いのか?風希ならできそうだけど…。」
「僕、祓えないんです。守ることは得意なのですが…。まぁ、祓えても、祓いませんが。」
「何で?放っておいたら危ないでしょ?」
「理由はいくつかありますが…一つは、権限がないからですね。それと…もし霊達が徒党を組んでいた場合、より大きな災を呼び寄せる火種になりかねません。」
「…………。権限って?」
「霊は、元々人です。許可なく祓えば、それは殺人と同じです。それが、多大なる被害を出した悪霊でも。例えるなら、「指名手配されている犯罪者がいたから殺した」、と言っても許されることではないでしょう?餅は餅屋。専門家に任せるのが一番いいのです。」
「そっか。」
「さて、ここで立ち話をしているのも良いですが、夜は冷え込みますから…一度僕の住む家に場所を移しませんか?」
このままの勢いで、少年もとい風希を質問攻めにしそうな紅葉に、風希そう提案した。
「俺が行ってもいいのか?」
紅葉はその提案にちょっと不安そうに返す。
「問題ありません。僕一人ですから。それに、大車菊家に戻るとき場所がわからないと困りますから。あっ、そうだ。大車菊家の方に連絡しないと…。」
思いついたら即行動と、風希はモバイル端末を取り出しタプタプと素早く操作している。
一方、紅葉は風希の発言に引っかかりを覚えた。風希は、やや背が低く、まだ、幼さが残るような感じなのだ。
「………待って、風希今いくつ?」
と、恐る恐る尋ねる。
「16です。」
「自立が早すぎる………。」
驚愕の事実に呆然とする紅葉、そんな紅葉をきょとんとした目で見つめる風希。「大人(だと思う)俺がしっかりしないと」と、紅葉が思い始める今日このごろ。
(さて、ここはいったい何処だ?)
困り顔で頬を掻く男は今迷子である。
この男の名は…分からない。男には記憶がないのだ。気がついたときにはもう、自分が何者か思い出せなかった。何も持たず、頼れる者もおらず、ただ一人ふらふらと彷徨っている。
男は、ただ彷徨っていたわけではない。何故か、男はよく狙われる、見たことのない"ナニカ"に。そいつらがなぜ男を狙うかわからないが、わかったことがいくつがある。
・一つ ソレは大体黒いモヤを纏っている。
・一つ ソレに言葉は通じない。
・一つ どうやらソレは男以外に視えないらしい。
・一つ ソレはなにか不思議なチカラを使う。
…こんなところである。
そんな事もあって、自身の記憶のことは二の次になってしまっているのだ。今回もまた、執拗に狙われ命からがらここまで逃げてきた。
やっと一息つけた男は、ぐるりと辺りを見渡した。そこは山々に囲まれ、木々は赤や黄色に色づき、大切に手入れされているだろう田んぼが広がっていた。ただ近くに人の気配はしなかった。どうやらここは、都会から割と疎遠な田舎らしい。
「へぇ…こんなに澄んだ場所、初めて見た。」
この見知らぬ美しい地に男は少し心を踊らせているようだ。
少し観光していこう、とユラユラ歩き出す。空気がとても澄んでいる。それに、黄昏時だからだろうか、夕日に照らされ田んぼの稲が黄金色に輝いている。時々、ヒュウと吹く風は秋の匂いを運んでくる。
そんなふうに男が、ふらりふらりと散歩を楽しんでいたら、ザワリとなにかが背を這うような悪寒がした。思わず首筋に手をやりキョロキョロと辺りを確認するが辺りには何も視えない。
さっきのほのぼのとした空気と打って変わって、チリチリと肌に突き刺さるような空気に男は顔を顰めた。
嫌な予感がしたのだろう。何事もなければそれで良いのだが、勘というのは嫌なときほど当たりやすい。男はすぐにそこを離れようとした………
「オマエハドコニイクンダイ?」
が、時すでに遅し。ソレはすでに背後に居た。
「っ………ぁ……………。」
男はカタカタと食い違う歯を抑えながらゆっくりと首だけを動かし後ろを見やる。そこには、想像した通りのモノが、想像したより近くに居た。
(コレは…話たら駄目だ!!!連れて行かれる!!。)
そんなことを思考している間に、そのモヤの中からゆっくりと手?のようなものが伸びてき、男を捉えようとする。そのことに、ハッと気づいた男はダンッと力強く地を蹴り走り出した。
しかし、ソレは男の隣を並走してきた。男は全速力を出している。それでも、逃れることのできない相手のようだ。
男は絶望した。嗚呼、自分はここまでなのだと。いや、逆に運が良かったのかもしれない。今までは、自身の脚力で巻くことができるもののみを相手にしていたのだ。思い返せば、男自身が何者かなのかすらわからずじまいだ。
男は、走りながらそんなことを思った。走り、風を受けた髪は乱れ、ピリピリと冷たい空気が肌を突き刺す。頬に、冷たい、水のようなものが触れた。男は泣いていた。
男の視界は自身の涙で徐々にぼやけていく。そのせいで、男は転んでしまった。すぐに体を起こすがソレはすでに目の前に居た。ソレは、腕のようなものを振り上げる。
男は覚悟して目をつぶった。その瞬間、
「鳴り響け『希望は鈴の音と共に』」
という声が聞こえ、いつまでも来ない衝撃に「なんだ?」と疑問に思い男が目を開けると、目の前には男を庇うように少年が立っていた。
周りを見ると、少年を中心に半透明の箱が覆っており、リィィィィィと鈴を鳴らしたような甲高い音が響いている、前を見ると、腕?を抑え「ハハ、アハハ」と不気味な声で笑うソレが居た。
どうやらソレの腕は、少年の箱によって弾かれたらしい。
パキッと音を立てて箱が壊れた。
「お怪我は?」
少年は振り向き男に聞いた。
「っあ………大丈夫、ありがとう。」
男はそう答え、改めて自身を助けてくれた少年を見た。
その少年は、白髪で、色白で、白いシャツを着、白い羽織を腕から掛けていた。なんというか、全体的に白が際立つ少年だった。
「オマエハドコニイクンダイ?」
ソレが聞く。今度はおそらく少年に向かって。
少年はちらりとソレの方を見て静かに、しかし凛と、鈴のように透き通った声でこう唱えた。
「『隠して』」
すると、さぁっと霧のようなものが男と少年を覆った。
「ドコニイッタ」
眼の前に居るのにソレにはこちらが視えていないようだ。それは何故か。思い当たるフシは一つ。
「……鈴…の音?」
男は今の出来事を振り返りそう呟いき、少年の方を見た。
少年は唇に人差し指を当てこちらに振り返る。静かにしろということなのだろう。
それに従うように男は自身の手で口を塞いでいた。少年の目は優しげに細められる。その瞳は一等紅いガーネットが嵌め込まれているようだった。
男が黙ると少年は、男の手を引きその場をあとにする。しばらく歩くと少年は手を離し男と向き合った。その頃には男が感じていたピリピリと肌を刺すような悪寒も消えた。
「ありがとう。おかげで助かった。」
男がそう言うと、少年は花がほころぶように笑った。
(あ、可愛い)
なんてことを男は思った。そんな男のことを傍目に、
「ところで、貴方様は何故こちらに?大車菊家の方々が心配しておりましたよ。」
と、少年は言ってのけた。完全に予想外だった言葉に男の時は、カチリと一瞬止まった。
「!!俺のことを知っているのか!?」
と、男は、少年の肩に掴み掛かりガクガクと揺らす。
「えっっ、えっ?……はい。」
少年の方は大層驚いて混乱しながら男の言葉に肯定の意を示した。
男には記憶がない。それに、何故か、男は狙われる。見たことのない"ナニカ"に。どうやら少年は、そんな男のことを知っているらしい。
男はこれはチャンスだと思った。何一つ知らない自分自身のことを知るチャンスだと。
だから男は打ち明けることにした。自身の今の現状を。男は真剣な面持ちで言った。
「俺さ、ある時から記憶がないんだ。それで…あの、よく分からないナニカに追われて………。」
「え………?。」
「だから、君が知っていることを教えて欲しい。」
少年の手を掴み、目を見つめ、男は懇願する。
「…本当に記憶がないのですか?」
男の懇願に息を呑み、数度ゆっくり瞬きしたあと少年が震える声を抑えながら確認するように尋ねた。
「嗚呼。本当だ。」
と、その問いかけに男は言葉を噛みしめるような声で答えた。
「そう………。分かりました。僕が知っていることをお話します。」
「本当か!?ありがとう!!」
男の真剣さを汲み取った少年は、同じような真剣な目でそう返した。それに、男は子供のようにはしゃいだ。少年はその姿を慈しむような目で見て、クスリと笑い、
「では、自己紹介を致します。僕の名は一華風希と申します。貴方様の名は紅葉。秋の象徴とも言える樹木の名ですね。」
「紅葉………。俺の名は紅葉っていうのか!!ありがとう。風希!!」
「勿体ないお言葉を。」
「えっと、それで、今さっきのやつは………?。」
「嗚呼。あれは所謂幽霊ですね。悪霊化していましたが………。」
「あ、くりょう?」
「はい。恨みやら、妬みやら、原因はわかりませんが、人を害するようになった霊のことです。」
「それ、祓わなくて良いのか?風希ならできそうだけど…。」
「僕、祓えないんです。守ることは得意なのですが…。まぁ、祓えても、祓いませんが。」
「何で?放っておいたら危ないでしょ?」
「理由はいくつかありますが…一つは、権限がないからですね。それと…もし霊達が徒党を組んでいた場合、より大きな災を呼び寄せる火種になりかねません。」
「…………。権限って?」
「霊は、元々人です。許可なく祓えば、それは殺人と同じです。それが、多大なる被害を出した悪霊でも。例えるなら、「指名手配されている犯罪者がいたから殺した」、と言っても許されることではないでしょう?餅は餅屋。専門家に任せるのが一番いいのです。」
「そっか。」
「さて、ここで立ち話をしているのも良いですが、夜は冷え込みますから…一度僕の住む家に場所を移しませんか?」
このままの勢いで、少年もとい風希を質問攻めにしそうな紅葉に、風希そう提案した。
「俺が行ってもいいのか?」
紅葉はその提案にちょっと不安そうに返す。
「問題ありません。僕一人ですから。それに、大車菊家に戻るとき場所がわからないと困りますから。あっ、そうだ。大車菊家の方に連絡しないと…。」
思いついたら即行動と、風希はモバイル端末を取り出しタプタプと素早く操作している。
一方、紅葉は風希の発言に引っかかりを覚えた。風希は、やや背が低く、まだ、幼さが残るような感じなのだ。
「………待って、風希今いくつ?」
と、恐る恐る尋ねる。
「16です。」
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