転生したら最弱キャラでした

霜月龍太郎(旧 ツン影)

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4 t h ストーリー 先代ジョーカーと月影

先代ジョーカー、夜桜茜

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 「パワーストーン、使えないんですか!?」
「残念だけど光属性はパワーストーンの属性とは別物なの。さっきも言ったように光属性は本来、私以外は使えないはずの属性なの。存在する属性じゃないからって他の属性が反発するんだよ。試してごらん」
 俺はアリスさんから渡されたアクアストーンを自分の身体と融合させた。が、反発してアクアストーンが身体から飛び出た。
「ね?君は全パワーストーンの力を使えないんだよ」
「それじゃあ、お兄ちゃんの今までの冒険は」
「無駄、では無いと思うよ。何もパワーストーンだけが旅の全てじゃないよね?」
「そうですね。パワーストーンだけでなく仲間もできた。それに、」
 俺はこころの頭の上に手を置いて言った。
「こころとも出会えたしな」
「お兄ちゃん」
 こころは少し頬を赤くしていた。
「月影君も意外とシスコンなのかな?」
「違いますよ!!」
「お兄ちゃん、私のこと、大切じゃないの?」
「大切だよ」
「それじゃあ、月影君はやっぱり」
「ち、違います!!」
「それじゃあ、お兄ちゃんは私の事……」
「違うんだよ、こころ。こころは大切な妹だよ」
 アリスはこころの耳元で囁いた。
「君のお兄ちゃんはこころちゃんのことが好きで好きで独り占めしたいんだよ。こころちゃんとをしたいんだと思うよ。月影君は可愛い可愛い妹とを過ごしたいんだよ。だけどそんなことをしたら世間は月影君を罵倒するんだ。だから禁断の恋はできないんだよ。けど、こころちゃんがお兄ちゃんと同じよう、心と共に身体もお兄ちゃんに捧げた場合は世間の罵倒は無に帰るんだよ」
「アリスさん、こころに変なことを吹き込まないでください!!」
「てへっ、バレちゃった?」
「「てへっ」じゃないですよ。こころの顔、真っ赤になってるじゃないですか」
 顔を真っ赤にしたこころは俺の腕をツンツンしていた。
「こころ?どうかした?」
 するとこころは照れながら言った。
  お、お兄ちゃん、と、な、なら、私、しても、い、い、いい、よ
 (可愛いーーーーー!!いかんいかん!!落ち着け、月影。俺はシスコンじゃない。俺はシスコンじゃない。こころは可愛くて大切な妹だ。だけどシスコンじゃない!!)
「月影君、顔赤いよ?」
「誰のせいでこうなったと思ってるんですか?」
 アリスさんの言葉で俺は冷静になった。
「そう言えばアリスさん。お兄ちゃんの一代前のジョーカーに会わすってどうやって会うんですか?」
「そうだったそうだった。月影君、君には過去に行ってもらうよ。そこで得てほしい情報があるんだ」
「得てほしい情報、ですか?」
「うん。君がジョーカーの力を譲渡された理由を知りたいんだよ。君は最弱キャラだったのにジョーカーの力を譲渡された。その理由が私にはわからなくてね。だからそれを知るために動いてもらいたい。いいかな?」
「いいですよ。俺も気になりますし」
「そっか。それじゃあ、過去にいってらっしゃい!!先代ジョーカーは「夜桜茜」っていう名前の女性だからね」
 俺たちはアリスさんが作ったワープゲートの中に入っていった。

 俺たちは王都、ゴッドタウンの宿屋で目を覚ました。
「お兄ちゃん!!ここ、過去です!!過去ですよ!!」
 部屋の壁に付いていた電子時計には昔の日付が記されていた。
「本当に過去に来たのか、俺たち」
 俺とこころは部屋を整頓して、宿から出た。
「お兄ちゃん、あれ」
 こころが指を指している方に俺は視線をやった。
「嘘、だろ」
 俺たちが目にしたのは空の至る所に飛んでいたディメイションだった。
「お兄ちゃん、あの女の人って」
 ディメイションを茶髪のロングヘアの女性が倒していた。
「こころ、ディメイションを倒すよ」
「うん」
 俺は背中に光の翼を作って空を飛んだ。
「GAME START」
 俺はそう言って空にいたディメイションを一撃で倒した。
「あの子、何者?」
 俺はそのまま女性の方へ行き、ディメイションを次々に倒した。
「君は?」
 女性は俺にそう聞いた。
「お兄ちゃん、こっちはみんな倒せたよ」
「おう、おつかれ、こころ」
「あの~、君たちは?」
「あ、えっと。私、こころ。この人、お、おにぃ、ちゃん」
「こころちゃんと、こころちゃんのお兄さん」
「こころの兄のつ……」
 俺が名乗ろうとすると悲鳴が聞こえた。
「こころちゃんとお兄さんは安全なところに逃げてって、お兄さんは!?」
「お、お兄ちゃん、は、向こう、走って、行った」
「えぇ!?」

 俺は悲鳴のする方へ走った。
「そこか」
 俺は剣を取り出してディメイションを切った。
「大丈夫ですか?あちらに僕の仲間がいるのでそこまで逃げてください」
「ママ~、パパ~!!」
 空を見上げるとディメイションに女の子が攫われていた。
「レイナ!!」
「え?」
 あの子がレイナ?そんなことは今はいい。早く助けないと!!
「お兄ちゃん!!」
「こころと、えっと」
「私は夜桜茜。それよりもあの子を早く助けないと」
「茜さん!!こころとこの人たちを頼みます!!」
「ちょっと、お兄さん!?」
 俺は空を飛んでレイナちゃんを連れ去ったディメイションを追った。
「ママ~、パパ~!!誰か助けて~!!」
 俺はディメイションを殴った。そしてレイナちゃんを地上に下ろしてあげた。
「お兄ちゃん、ありがとう!!」
「どういたしまして。君の親はあっちにいるから一緒に行こっか」
「お兄ちゃん、お名前は?」
「僕は月影。レイナちゃん?であってるよね?」
「はい、月影さん!!」
 俺はレイナちゃんを両親のもとまで一緒に歩いた。

 俺はこころのいた所までレイナちゃんを連れてきた。
「お兄ちゃん!!茜さんが、ディアボロスの所に!!」
「嘘だろ!?とりあえず俺とこころでこの家族を安全なところに避難させるよ」
「うん、お兄ちゃん」
 俺達はレイナちゃんとその両親を避難場所に連れて行き、急いでディアボロスのところまで走った。

 「お前がジョーカーか?」
「ディアボロス!!この私があなたを退治します!!」
 茜さんはディアボロスと対戦した。

 俺たちはディアボロスと茜さんが戦っているところに到着した。
「お兄ちゃん、茜さんが!!」
 茜さんはディアボロスに抱えられ、連れ去られた。
「ま、ま、待て!!」
 俺は蛍を生成して茜さんを追尾させた。そしてこの場からこころと一緒に逃げた。
「ごめんなさい、茜さん」
 俺はまだ弱い。ネイチャータウンのトラウマによりディアボロスに恐怖を感じていた。ディアボロスを視界に入れただけで震えが止まらなかった。しかも今のディアボロスは弱体化されていない完全体。勝てる見込みはなかった。だから、逃げることしかできなかった。ごめんなさい、茜さん。
「お兄ちゃん……」
 俺が震えていたことに気づいたこころは俺の手を繋いだ。
「お兄ちゃんは、私が守るから。大丈夫だよ。お兄ちゃんは頑張ったよ。だから、助けよう。茜さんを」
 こころは優しく微笑んでそう慰めてくれた。
 俺はダメだな。こころに励まされてばっかだ。
「そうだね。茜さんは俺が絶対に助ける」
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