それは、噂から

戒月冷音

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第80話

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「それで・・・ここに、アローディア大使がいる理由を、教えていただけますか?」
クルセイダ公爵様が、気を取り直したように聞いた時、お義父様が到着した。

「ク、クルセイダ公爵様」
そう言って、膝をつくお義父様。
「あぁ、クリストファー殿。
 少々野暮用で訪ねたら、このような場に出くわしてな」
「わたくしも今、エドガーからメイリア様の言伝てをいただき、参った次第で
 ございます」
「そうか・・・手は、打っておいたのですね」
「はい。私だけでは、納得していただけそうにありませんでしたから」
そう答えてから大使様に向き直り、ことの説明をしていただいた。

するとここでも、イザリア様が自分勝手に、自分のつてで大使に話を付けたようで、公爵様からの王家から下された
説明を受けて、真っ青になって帰っていった。
イザリア様は、ちょうど来たお義父様に、話を聞いてもらおうとしたが、取り合ってはもらえず、おずおずと帰ろうとした。

しかし、
「あーーっ・・・そうでしたわ。
 わたくし、大使様と一緒に参りましたので、大使様が帰ってしまわれたのでしたら、
 私はどのようにして、帰れば良いのかしら?」
と、どこかの大根役者のような、素晴らしい棒読みで、そんな台詞を吐いた。

「なに?その下手なお芝居は。乗り合いの馬車が、もうすぐ出るわ。
 貴女の大好きな男性も、のっていらっしゃるから、楽しくお家まで
 お帰りになれますわ」
マリフェリア様の一撃で、イザリア様はお義父様とエドガーに引きずられ、乗り合い馬車に積み込まれた。
そして、お義父様が御者に
「これで足りる筈だ。メフィストの屋敷まで頼む」
と頼んでいた。

「メイリア様。困り事は、終わりましたね。では、私とご一緒いたしませんか?」
そう、マリフェリア様が言ってくださるのですが、私にも仕事があります・・・
「申し訳ございません。マリフェリア様。もうしばらく、お待ちいただけますか?」
「なに?まだお仕事があるの?」
「はい。今日こちらに参りましたのは・・・」
そういって、私が見た先には、災害で壊れ、その後の雨で流されたままの橋の残骸が、ある場所だった。
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