それは、噂から

戒月冷音

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第139話

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「貴方はそうして、私を遠ざけようとすると思っていました。
 だから、今まで言えなかった。
 でもこうして、貴方が独り身になって、自分から離れると聞いては、
 黙ってはいられません。
 俺は、貴方に惚れています。
 一所懸命仕事する姿も、誰かに聞かれたことで分からない時は、必死に調べることも・・・
 それから、子供を見る顔がとても優しいところも」
「えっ!?子供?って、何時見られたのですか?」
「あの4人が来た、3日後ぐらいだったかな?
 君が1番下の子を抱いて、マリスと話していた」

3日後・・・マリスが2日後に目を覚まし、少しずつ身体を動かす為に、アリアと一緒にお散歩に誘った時?
確か、中庭の木の下にシートを敷いて、休んだ時かしら?

確かあの時、アリアを抱いていた。
良いお天気だったから、風が心地よくて・・・
「あんなにリラックスしたメイリア様を、始めてみたよ」
「あ、あの時は、アリアのお世話を手伝っていたので、寝不足で・・・」
「そうだったのだね」
そう言って微笑む、クルセイダ公爵様の顔が見れない。

「答えを急かそうなんて思っていない。
 ただ、メイリア様が欲しいと思っている男が、ここにいると言うことを
 知ってほしかった。
 それからあの屋敷は、メイリア様に貸したものであって、メフィストだとかは
 関係ないから、カロングラスになっても使ってほしい」
「で、ですがあのお屋敷は、領地に近いからと、お借りしたもので・・・」
「でも直ぐに、子供を返すことは出来ないだろ?だったらあそこで・・・」
「ですが私は」
「君が出る必要はない。と言うか、突然何処かに行ってしまったら、俺は探すよ」
そんなことを言われると、決断が鈍る。

「探さないで・・・」
「探す。絶対に。見つけ出した時は、何処かに繋いでしまうかも?」
「やめてください。そんなこと・・・」
「うん。出きればそんなことしたくない。
 だから、俺になにも言わず、行く先も伝えず、いなくなるのだけは、やめてほしい」
その言葉を言った時のクルセイダ公爵様は、何だか少し雰囲気が違った。
どうしたのだろうと、少し不安になっていると、クルセイダ公爵様はぱっと、何時もの表情に戻った。

「どうかしたのか?難しい顔をして」
「い、いいえ。なんでもありませんわ」
私はそう答えながら、さっきの表情を思い出す。
暗く、寂しそうな目をしたクルセイダ公爵様。
過去に、何かあったのだろうか?
けれど、あんな風になることを、他人の私が聞いてはいけない。
公爵様の思いは、公爵様のモノ。
勝手に、聞き出そうとしてはいけない・・・
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