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第144話
「しっかりと、食べられましたか?」
突然そう言われて、公爵様を見ると、目の前に並んでいた料理が、綺麗さっぱり無くなっていた。
「あ、あの、料理は・・・」
「今、持ち帰り用に準備して貰っています。
直ぐに、騎士が一人来るので、渡そうかと・・・」
「そうなのですね」
あんなに沢山並んでいた料理を、私は食べてみたいものを少しずつ取っていただき、それを食べた。
クルセイダ公爵も同じように、少しずつ食べていたが、メインでしっかりした肉料理も食べていらっしゃった。
「フルーツパンケーキは、美味しかったですか?」
「はい。ケーキもふわふわで、クリームが甘すぎずちょうど良くて、フルーツも
甘いものだけではなく、酸味のあるものも・・・」
と話したところで、私はコーフンしすぎていたことに気付き、声を小さくした。
「・・・あって、とても美味しかったです」
「くすくす・・・それは良かったです」
クルセイダ公爵様は、嬉しそうにそう言った。
私の、始めての外食。
こんなこともしてこなかった私は、本当に引きこもりだった。
行くところは、屋敷と領地。
食事は、屋敷に帰ってから、あるものをつまむ程度。
領地にいる間はなにも食べず、食べたとしても馬車の中。
余り食べないから、少しの量でお腹いっぱいになり、食べる回数を増やして空腹を満たす。
水だけでも、お腹は膨れる。
そんな生活を送っていた私が、外食なんて・・・
「私は今まで、もったいないことをしていたのね」
つい、そう呟くと
「そうではなく・・・今までは、その時間も惜しんで、必死に働いてきただけです。
これからは、楽しいことを沢山すれば良い」
「楽しいことを?沢山?」
「えぇ。誰かと遊ぶも良し、旅行に出ても良い。
バスケットを持って、ピクニックや、テントを張ってキャンプでも・・・
今まで出来なかったこと、やってみたかった事を、すれば良いんです」
「ですが領地・・・」
「は、クリストファー殿に、任せるのでしょう?」
「子供達は?」
「今は貴方の元にいますが、教育次第でどこへでもいけますよ」
「例えば?」
「クリスはかなり勉強が出来ますし、エリザは商売に気がありますね。
ブライアンは、エドガーが気になっているようですが、間だ相手に
されていませんね」
「そこまで、分かるのですか?」
「見ていれば、分かります。
私は、子守りに奮闘する別館の人達を見ていただけです。
だから観察する時間があったのですが、実際面倒を見ていれば、そこまで
分からなかったででしょう」
先ほど聞いた、子供達の得意そうなことは、子供達の教育にかなり有り難かった。
私はクルセイダ公爵様の分析をしっかりと覚え、帰ってからの参考にしようと思った。
そしてそれが、子供達の未来を左右する礎となった。
突然そう言われて、公爵様を見ると、目の前に並んでいた料理が、綺麗さっぱり無くなっていた。
「あ、あの、料理は・・・」
「今、持ち帰り用に準備して貰っています。
直ぐに、騎士が一人来るので、渡そうかと・・・」
「そうなのですね」
あんなに沢山並んでいた料理を、私は食べてみたいものを少しずつ取っていただき、それを食べた。
クルセイダ公爵も同じように、少しずつ食べていたが、メインでしっかりした肉料理も食べていらっしゃった。
「フルーツパンケーキは、美味しかったですか?」
「はい。ケーキもふわふわで、クリームが甘すぎずちょうど良くて、フルーツも
甘いものだけではなく、酸味のあるものも・・・」
と話したところで、私はコーフンしすぎていたことに気付き、声を小さくした。
「・・・あって、とても美味しかったです」
「くすくす・・・それは良かったです」
クルセイダ公爵様は、嬉しそうにそう言った。
私の、始めての外食。
こんなこともしてこなかった私は、本当に引きこもりだった。
行くところは、屋敷と領地。
食事は、屋敷に帰ってから、あるものをつまむ程度。
領地にいる間はなにも食べず、食べたとしても馬車の中。
余り食べないから、少しの量でお腹いっぱいになり、食べる回数を増やして空腹を満たす。
水だけでも、お腹は膨れる。
そんな生活を送っていた私が、外食なんて・・・
「私は今まで、もったいないことをしていたのね」
つい、そう呟くと
「そうではなく・・・今までは、その時間も惜しんで、必死に働いてきただけです。
これからは、楽しいことを沢山すれば良い」
「楽しいことを?沢山?」
「えぇ。誰かと遊ぶも良し、旅行に出ても良い。
バスケットを持って、ピクニックや、テントを張ってキャンプでも・・・
今まで出来なかったこと、やってみたかった事を、すれば良いんです」
「ですが領地・・・」
「は、クリストファー殿に、任せるのでしょう?」
「子供達は?」
「今は貴方の元にいますが、教育次第でどこへでもいけますよ」
「例えば?」
「クリスはかなり勉強が出来ますし、エリザは商売に気がありますね。
ブライアンは、エドガーが気になっているようですが、間だ相手に
されていませんね」
「そこまで、分かるのですか?」
「見ていれば、分かります。
私は、子守りに奮闘する別館の人達を見ていただけです。
だから観察する時間があったのですが、実際面倒を見ていれば、そこまで
分からなかったででしょう」
先ほど聞いた、子供達の得意そうなことは、子供達の教育にかなり有り難かった。
私はクルセイダ公爵様の分析をしっかりと覚え、帰ってからの参考にしようと思った。
そしてそれが、子供達の未来を左右する礎となった。
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