貴方の✕✕、やめます

第19話

それから数時間後。

護衛の1人が部屋の扉をノックして入ってきた。
「どうしたの？」
「申し訳ございません。お嬢様が外に出たいと言われるのですが、どうしますか？」
「貴方達と数人連れてお願いできるかしら」
「良いのですか？」
「というか、出ていただいたほうが、部屋の掃除ができていいのよ」
「あぁ、それはそうですね」
「貴方だいぶ我が家に馴染んだのね」
そう言うと照れたように頭をかく。
「取り敢えず今日は、侯爵令嬢様をお願いします。
　外出の許可は早めにお伝えして、準備の侍女を2人つけます」
「有難うございます」
「では、動きましょう」
「「はい」」

そして私は、部屋を出て執事長を探し、段取りを組む。
執事長は直ぐに、侍女長と連絡を取り、侍女2人に主人の部屋に行ってもらった。
「貴方がたが手伝ったくれるのねぇ。ありがとぉ～」
と言う声が聞こえ、ほっと息を吐く。
その後すぐさま馬車の準備。質素ではなく豪華な方を使ってもらう。
その方が、あの女性は喜ぶ。

私が使っているのは、装飾を省いた質素な物。
1頭引きで動く軽さなので馬にも人にも優しい。
ただ、中の者にとっては、ゴトゴトとお尻が痛い。
が、私一人我慢すればいいから…
けれど、それに公爵令嬢を乗せると後が怖い。だから揺れが少ない方を準備した。


侯爵令嬢様の準備が終わり、玄関まで出てくると外に豪華な馬車が見えると
「まぁ、あんな馬車があったのね。私のために準備してくださったの？」
「はい」
「まぁ、ありがとう」
彼女は上機嫌で街に繰り出していった。

さぁ、またあの部屋の空気まで洗濯しなくちゃ！！