貴方の✕✕、やめます

戒月冷音

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第127話

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「何をやっている。何を…」
そう言いながら、個室の裏から現れたのは国王陛下だ。

「兄上。何故そのような場所から、来るのですか?」
「スラヴェ。
 此処に来ようとしたら、入口が人だらけで姿も見れん。
 ならば裏からと、妻とともに来たのだ」
そう言うとともに、後ろから王妃陛下が顔を出した。

「マリア様、体調は大丈夫?」
「はい。
 つわりも落ち着きましたし、何よりラヴェ様が良くしてくださるので…」
私の言葉に、クーディアス様と国王様はタジタジ。
「まぁ…そうなのね。羨ましいわぁ」
王妃様はそう言いながら、ゆっくりとファル夫妻に目を向けた。

「それで。
 この方々は、貴女がこの状態にも関わらず、何かを要求に来たのかしら?」
「ゔ、うん。
 俺もそれを確認に来た。ファル夫妻。我が弟夫妻に何か用かな?」
クーディアス様は、戸惑いながら答える。
「い、いいえ。ただ…」
「ただ?」
「使用人達の感謝を、伝えようと…」
「使用人…の?」
「お前たちではないのか?」
「わ、私達はもちろんですが、屋敷の者達が会ったら伝えて欲しい…と」
「そうか。それで伝えたのか?」
国王様は、私に確認する。
「はい。お聞きしました。ですが私はもう、関係のないものと…」
「まぁ、そうだろうな」
すると王妃様が
「このまま、あなた達がここに居ても。マリア様のご負担になるのではなくて?」
と、話を切り上げようとしてくださった。

クーディアス様は、待っていましたとばかりに顔を上げ
「それもそうですね。それではこれで失礼「待ってください」
と立ち去ろうとしたが、ティスミル様がそれを止める。
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