貴方の✕✕、やめます

戒月冷音

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第133話

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「まぁ…とりあえず今は、スラヴェの子が無事に生まれることが第一だ。
 あまり、無理をせぬように」
「そうですわ。不安や心配事は、お腹の子によくありませんわ。
 スラヴェ様、そのあたりを気にしてあげてくださいませ」
「はい。分かっております」
「アグリア様もメーティス様も、その辺になさい。
 貴方達が気にせずとも、坊ちゃまはよく分かっていらっしゃいますよ」
「マーサには、かなわんな」
「フフフッ、マーサ様はお二人の乳母であり、もう一人のお母様ですからね」
「王妃様。私に、こんな大きな子供はいませんよ」
私達を笑わせて下さるマーサ様は、プリプリとしながら言い返す。
すると、しまっているカーテンの先から声が聞こえだした。


「貴方達、いい加減ここから離れてはいかがかしら」
「どうしてそんな事、エルメリア様に言われなくてはいけないのかしら?」
「当たり前でしょ。マリア様は、私の妹ですわ。守って当然です」
どうやらお姉様が到着して、ガードしてくださっているようだ。

「スラヴェ様、もう大丈夫ですわ。ここを開けましょう」
「だが、君に負担がかからないか?」
「私は大丈夫。王妃様もお姉様も助けてくださいますし…
 何より、ラヴェが傍にいてくれますから…」
私の言葉にラヴェ様は真っ赤になる。
「あらあら、私達邪魔かしら?」
「私は何時も見ていますから慣れてます。
 それではスラヴェ様、奥様のご希望通りここを開けますよ」
「はい。お願いします」
マーサさんは、ゆっくりとカーテンを引いていく。

私は、フー~~っと息を吐いた後
私の横に立つラヴェの手を握り、前を向いた。
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