この生の理

戒月冷音

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第253話

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2人が休んでしばらくすると、ガイヤが俺をチラチラと見る。
「何?相手でも、してくれるのか?」
「スッキリしたいなら、良いぞ」
「俺、このところじじいにも、数回勝ってんだけど?」
「何っ!コークスを負かすまでに、なったのか?」
「完全じゃないけど、数回勝った」

その話の後、俺とガイヤは少し離れた森の中に居た。
「大丈夫か。ジョー」
「本気で来ないと、怪我するぞ」
「なんか、前よりコークス様ににてねぇか?」
「俺のじいさんなんだから、似てても良いだろ」
「まぁ、そうだわな。それじゃあ、始めるか」

そうして始まった、ガイヤとの手合わせは、みっちりしっかりしたものだった。
うっそうとした森の中から、夜が明ける寸前まで、剣がぶつかる音がしていた。

そして・・・

「「おはようございます」」
「おはよう。アレスとユーリ。きちんと休めたか?」
「ジョージ様、おはようございます」
「おはよう、ランベルト」
「あれ?なんか、スッキリしました?」
「あぁ、ガイヤじいさんに、ぶちまけた」
「えっ!?どっちが勝ったんですか?」
パトリックが、身を乗り出して聞いてきた。
「パトリック、おはよう」
「あっ、おはようございます。それで、どっちが・・・」
「引き分けじゃよ」
「「「「「ガイヤさん、おはようございます」」」」」
「おはよう。ジョーは起きれたのか。つまらん」
「そんな、なまっちょろい鍛え方は、していませんよ」
「まぁ、そうだな」

がっはっはっ・・・と、笑いながら話しかけてくるガイヤは、眠そうだ。
「昨日はありがとう。ある意味、助かった」
「スッキリしてよかったな。このまま溜めていたら、
 どっかでブチキレただろうからな」
「本当にそうだよ。今回だけは、やばかった」
あまりに大勢を片付けて来たから、気分が悪かった。
それを、スッキリするまで相手してくれたガイヤに感謝する代わりに、彼の家を、出発ギリギリまで綺麗にしていくことにした。


とりあえず、まずは朝飯。
アーサーとリリーベル様は、まだ出てきていない。
普通に、何時ものように、一人で作る簡単な朝食を準備していく。
「手慣れてますね」
「まぁ、いっつもやってるからね」
「自分で作ってるんっすか?」
「その方が、気楽で良いからな」
そんなことを話ながら、準備していると
「君たちは、早いな」
と、アーサーが起きてきた。

「おはようアーサー。よく眠れたかな?」
「おはよう。俺たちが部屋には行ってから、特訓していたようだな」
「特訓じゃないよ。遊び。見えたのか?」
「あれが、遊び・・・な分けないだろ」
アーサーは、わなわなとしながら言った。
しかし
「遊びだよ。ガイヤとは、昔よく遊んだから」
「あ、あれが遊びだというなら、俺とやっていたのは?」
「あれは、指導。アーサーはまだ、俺たちの早さにはついてこれないから」
俺の言葉に、アーサーは唖然としていた。
大体、ちょっと辺境に来て、ちょっとコー爺にしばいてもらったからって、10年以上やってる僕達に、追い付けると思う方が、おかしいよね。
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