この生の理

戒月冷音

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第277話

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タンザ公爵は、ある意味気持ちのいいおじさんだった。
アーサーが謝罪を受け入れると、自分がやったことの後始末は、自分がするとアレキウス王弟殿下に話を通した後、クランベル侯爵を目覚めさせ、自分の中で出た答えを伝え、今後は手を貸さないことを宣言していた。
「なっ、何故ですか?タンザ公爵。
 あれほど私に、賛同してくださっていたのに」
「貴方の言ったことは全て、あなただけの目線だ。
 私はここに来て彼らを見て、貴方の言い分は違うと判断した。
 何より、俺の妹と友達の、ジョージ殿の話の方が、正しいと思う」

「そ、そんな、ではライド公爵のご依頼は・・・」
「叶えられないと、思った方がいいでしょうね」
「ジョージ様っ!?」
「あなたは、王宮で俺が話した時、そこにいたはずだ。
 それでも、俺とアーサーの気持ちを理解できなかったと言うことは、
 アーサーが上にたった時、ついていけないと言うことで、間違いはないな」
「い、いいえ。断じてその様なことは・・・」
しどろもどろに答えるクランベル侯爵に
「俺が、国王になる資格は、ないんだよな」
アーサーが止めを刺す。

「ア、アーサー王太子殿下」
「呼びたくもない言い方を、しなくていいぞ」
「いいえ。けして、その様なことはございません」
「他の女に現を抜かして、王妃候補の女性をないがしろにし、
 公務もしなかったダメ王太子だもんな」
アーサーは珍しく、自分の事を明け透けに言った。
「いやっ、そこまでは言っていません」
「では、どこまで?」

俺がそう聞くと、ニヤリと笑ったクランベル侯爵が
「いや、もう少しで、下級生の子が、王妃候補になる
 ところだったんですよねぇ?」
と、気持ち悪い言い方をした。
「それで?」
「婚約者度のはお怒りになり、破棄寸前とか?」
にやにやしながら、チラチラとアーサーを見るクランベル侯爵は、気持ち悪いことこの上ない。
「で?」

「?ジョージ様?」
「なに?」
「さっきからずっと聞かれておりますが、一番よく知っておられますよね?」
「あぁ、知ってますよ」
「では何故、お聞きになるのですか?」
「それはですね。
 どこまで真実をねじ曲げられたものが、タンザ公爵様に伝わったのかを
 確認しているのです。
 さぁ、続きをどうぞ。
 今のところ、真実はひとっつもありませんが」
にっこりと笑ってそう言う俺を見たタンザ公爵は、信じられないと言った顔をしていた。

「さぁ、その先も教えてください。
 貴方の中で、貴方の次期君主はどんな方になっているのですか?」
真実がひとつもないと言ったとたん、クランベル侯爵はぶるぶると震え出す。
「あなたは、セルドギアスの侯爵だ。
 アーサーの事は、侯爵以上にきちんと話をしたはずだし、
 その場に俺も、アーサーも、そして国王陛下もいた。
 あぁそう言えば、あなたもいらっしゃいましたね。
 現ムルシア公爵、ライオネル様」
ヴィルダ様とアナスタシア様の後ろに姿を表した人も会話に入れて、じわじわとクランベル侯爵を追い詰めることにしよう。
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