この生の理

戒月冷音

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第281話

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それから馬車は王城に入り、クランベル侯爵は国王の指示通り貴族老牢に送られる。
俺達辺境組は、一旦アーサーと行動してほしいと言われ、皆揃って謁見の間へと通された。

「この度はアーサーの護衛を勤めてくれた辺境の方々に感謝する。
 そして、クランベル侯爵の浅慮な行動に、迷惑をかけてしまったジョージ殿。
 本当に申し訳ない」
国王陛下の謝罪から始まった。

「いいえ。俺は別になんとも思っていません。
 ですが、ムスタファの王族の方達は、このままだと
 誤解を受けられます」
「そうだな。アレキウス王弟殿下、タンザ公爵にも迷惑をかけた。
 申し訳ない」
「いいえ。
 私達も色々認識不足で、兄弟間でも話が通らなかった。
 私達にも、落ち度がある。そちらだけの責任ではない」
「そう言っていただけて、感謝する」
「それで、今回私がお尋ねしたのは、前回のミルファ公爵の
 処分をお伝えしに来たのですが・・・」
アレキウス王弟殿下はそう言いながら、アナスタシア様をチラッとみる。
アナスタシア様は口許を隠してはいるが、不適な笑みを浮かべている。
辺境組はそれを見て震えるものもいるが、ある程度慣れていた。

「ライド公爵が、クランベル侯爵を唆したということで、
 マナス国王陛下には既に、連絡をいれております」
アレキウス王弟殿下がそう言うと
「私からも一報を入れ、既に返事もいただいておりますわ」
アナスタシア様が続けた。
「国王陛下からは、間違いなくカタをつけるとの回答をいただきました」
ヴィルダ様がそう言うと
「兄上は、もう返事を?」
「梟便で送ってくださいましたわ」
「最速便ではないかっ!」
「兄上、大兄上も、アナにはかないませんから・・・」
ここでもやっぱり、女性が一番強かった。


アナスタシア様もマジャ婆も、ここの王妃のように男を使って・・・とかは、絶対にしない。
自分達の情報収集力や、自分が今まで学んできた知識を使って、自分で行動を起こす。
そう言う女性は、男に媚びない。
自分の行動に責任をもって、自分で行動する。
だからたまに、悪い男に引っ掛かるんだけど、アナスタシア様はヴィルダ様に引かれ自分から突った。
マジャ婆は悪い男の例だったけど、自分で後始末をした。
だから俺にとっては、強い女性の代表だった。

アーサーの相手が、そうであってほしいと俺は望んだ。
確かに望んだが、まさかマジャ婆から指導を受けると思っていなかった。
だから今、国王陛下の後ろで、アーサーがリリーベル様からお叱りを受けている。

それを見た、俺を含めた辺境組は
「やっぱり、アーサー様も尻に敷かれるんっすかね(ランベル卜)」
「マージャ様に、色々聞いておられたから(ユーリ)」
「でも、マージャ様より優しいですよ(フラン)」
「お前ら、何て話をしていやがる(アレス)」
「リリーベル様の事です(パトリック)」
「お前達、不躾なことをしたらどうなったか、よーく思い出そうな(おれ)」
そう言った瞬間、辺境組は何かを思い出したのか、みんな青い顔になって頭を横に降った。
やっぱりみんな、マジャ婆にトラウマがあるようだ。
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