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第27話
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「いないかもしれませんが、お役目を果たしていただけなければ、
世樹は、枯れてしまいますよ」
この国に聖女が召喚されるのは、聖女だけがこの国の世樹を浄化し、成長させるからだ。
聖女の祈りが世樹を清浄化し、聖女がお世話することで世樹は成長する。
それは、これまでの成果で分かっていることだった。
しかし、今世の聖女は、それを怠っている。
と言うか、本当に聖女かどうかも、怪しい状態になっていた。
「ルイアンク様」
「何だ?」
「エリス様は一度でも。世樹に祈りを捧げられたのでしょうか?」
「?確か、一度はやったはずだ」
「はず?ルイアンク様は、見ていないのですか?」
「俺は見ていない。世樹に近づけるのは、協会の者と聖女だけだ」
その言葉を聞いた瞬間
『それはおかしい』
とアイルークが答えた。
どういう事?
『世樹は、王族管理していた』
でも今は、教会が主体よ。
『だとしても、俺が居た時は、王家の者が世樹に祈りを捧げていた。
協会は関わっていない』
じゃあ、何処かですり替わったって、ことかしら?
『かもしれないな。王家から誰か、協会に行ったとか…』
それなら、協会の者だけにしても、王家の祈りは捧げられるわね。
そんな話をしてルイアンク様を見ると、何故かこっちを凝視していた。
「どうなされたのですか?」
そう声をかけると
「あ、いや。ごめん」
と謝られる。
「何の謝罪でしょうか?」
「女性に向ける見方じゃなかったかな?と思って」
「いいえ。私は別に気にしていませんわ。
それはそうと、一つ確認したいのですが」
「何だ?何か、気になったことが?」
「えぇ。いつから世樹は、協会の管理下に?」
「何時からって、どういう事だ?」
「いえ。昔読んだ書物に、世樹は王家の祈りに支えられていると
書かれていたのを思い出しまして…」
「はぁ!?それは本当か?」
「記憶ははっきりしませんが、創世記…か何かだったと思います」
これは、アイルークからの情報。
王家の蔵書に、創世記があったと教えてもらった。
そしてそこにははっきりと、王家の祈りと記してあったことも…
「それは…至急、調べる必要があるな」
やっぱり、エリス様の怠惰が、協会まで影響を及ぼしている。
「私は手伝いませんが、よろしいですか?」
「あぁ、君には執務があるだろう。
本当なら、俺がやることを頼んでいるんだ。
これまで任せては、俺が恥ずかしいことになる」
「まぁ、王族に関わることですから…」
「そうだ。だからすぐに父上に報告して、俺が調べることにする。
そうすれば、彼女を何とか出来るかもしれない」
最後の言葉の内容はよくわからないが、とりあえずルイアンク様が、世樹のことについて調べることになった。
世樹はこの国を支える樹木で、この国を囲むように数本植わっている。
世樹が枯れれば、その周辺の地域が衰退し、獣が増える。
そうならないために、聖女がいるのだ。
世樹は、枯れてしまいますよ」
この国に聖女が召喚されるのは、聖女だけがこの国の世樹を浄化し、成長させるからだ。
聖女の祈りが世樹を清浄化し、聖女がお世話することで世樹は成長する。
それは、これまでの成果で分かっていることだった。
しかし、今世の聖女は、それを怠っている。
と言うか、本当に聖女かどうかも、怪しい状態になっていた。
「ルイアンク様」
「何だ?」
「エリス様は一度でも。世樹に祈りを捧げられたのでしょうか?」
「?確か、一度はやったはずだ」
「はず?ルイアンク様は、見ていないのですか?」
「俺は見ていない。世樹に近づけるのは、協会の者と聖女だけだ」
その言葉を聞いた瞬間
『それはおかしい』
とアイルークが答えた。
どういう事?
『世樹は、王族管理していた』
でも今は、教会が主体よ。
『だとしても、俺が居た時は、王家の者が世樹に祈りを捧げていた。
協会は関わっていない』
じゃあ、何処かですり替わったって、ことかしら?
『かもしれないな。王家から誰か、協会に行ったとか…』
それなら、協会の者だけにしても、王家の祈りは捧げられるわね。
そんな話をしてルイアンク様を見ると、何故かこっちを凝視していた。
「どうなされたのですか?」
そう声をかけると
「あ、いや。ごめん」
と謝られる。
「何の謝罪でしょうか?」
「女性に向ける見方じゃなかったかな?と思って」
「いいえ。私は別に気にしていませんわ。
それはそうと、一つ確認したいのですが」
「何だ?何か、気になったことが?」
「えぇ。いつから世樹は、協会の管理下に?」
「何時からって、どういう事だ?」
「いえ。昔読んだ書物に、世樹は王家の祈りに支えられていると
書かれていたのを思い出しまして…」
「はぁ!?それは本当か?」
「記憶ははっきりしませんが、創世記…か何かだったと思います」
これは、アイルークからの情報。
王家の蔵書に、創世記があったと教えてもらった。
そしてそこにははっきりと、王家の祈りと記してあったことも…
「それは…至急、調べる必要があるな」
やっぱり、エリス様の怠惰が、協会まで影響を及ぼしている。
「私は手伝いませんが、よろしいですか?」
「あぁ、君には執務があるだろう。
本当なら、俺がやることを頼んでいるんだ。
これまで任せては、俺が恥ずかしいことになる」
「まぁ、王族に関わることですから…」
「そうだ。だからすぐに父上に報告して、俺が調べることにする。
そうすれば、彼女を何とか出来るかもしれない」
最後の言葉の内容はよくわからないが、とりあえずルイアンク様が、世樹のことについて調べることになった。
世樹はこの国を支える樹木で、この国を囲むように数本植わっている。
世樹が枯れれば、その周辺の地域が衰退し、獣が増える。
そうならないために、聖女がいるのだ。
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