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第36話
その日から数日後、エリス様の降下が決定した。
ルイアンク様と離縁し、協会預かりとなる。
「嫌よ。私はルイと、一緒にいるのっ」
「貴女は、ルイアンク様の妃ではなくなりました。
ですので、呼び方一つで、不敬とみなされますよ」
私の言葉に、嫌な顔をするエリス様。
「でもでも、私はこの国に、勝手に呼ばれたのよ。
それぐらい、大目に見てくれても…」
そう言って泣き?始める、エリス様。
「お前の泣き真似は、もう見飽きた」
ルイアンク様の一言。
「グス…な、泣き真似なんて、ひどいわっ」
わ~~~っと言いながら、うずくまるエリス様。
さっきから、顔が見えないようにしているところを見ると、本当に泣き真似のようだ。
「それに、勝手に呼んだのは、こちらが悪いと分かっているが、そちらは
仕事もせず、学びもせず、ただ遊んでいるだけ。
その割に、自分の都合の悪い時だけ、お兄ちゃんお母さんと言って泣き出す。
それを盾にしているだけで、悲しんではいないようだ」
「悲しいわよ。でも、それを言っても戻れないんだから、しょうがないじゃん」
「そう思っているなら、盾にするな」
「してないわ」
「そうか。それじゃあこっちも、気にする必要はないな」
「気にしなさいよ」
「気にしたから、王子の妻という位置につけようとした。
でも君は、王太子妃の勉強をしないと言ったから、それを終了している
カサンドラに頼んだんだ」
少し前まで、泣いていたことを感じさせないエリス様は、ぱっと私を見て
「えっ!?カサンドラさん、あれを終えてるの?」
と驚いた。
「あれというのは、王太子妃教育のことかしら?」
「そうよ。
あれって、めんどくさいことばかり書かれてて、あんな事したくなかったわ」
「そう…だから貴方は、第3王子の側妃だったわけね」
「それは、どういう事?」
「今まで召喚された方は、しっかりと王子妃教育と王太子妃教育をされて、
王太子妃になられています」
「はぁ!?王太子妃って、末は王妃じゃん。何で?何で私は…」
「貴方のその言葉遣いと所作では、王妃になった瞬間、
他国からバカにされるわ」
「されないわよ」
「実際、貴女は王子妃になっても、外交をしていないでしょ」
「何?この国以外の国の人に、合うの?」
「そんな事も知らないんだ」
エリス様と話していると、マルク殿下が入ってきて、開口一番呆れた。
「あー、マルク様、私に会いに来たの?」
「そんな言葉遣いだから、王家の顔として使えないんだ。ただの穀潰し」
「ひどいっ!マルク様って、いつもそうよね。絶対にもてないわ」
「もてなくて良い。俺は妻子持ちだ」
マルク殿下がそう言うと、エリス様は信じられないと言ったが、本当のことだ。
マルク殿下は、子供の頃からの婚約者を大切にし、婚姻した年に子供を授かっている。
妻を大切にし、子供の相手もする良いお父様というのは、皆知っていることだ。
ルイアンク様と離縁し、協会預かりとなる。
「嫌よ。私はルイと、一緒にいるのっ」
「貴女は、ルイアンク様の妃ではなくなりました。
ですので、呼び方一つで、不敬とみなされますよ」
私の言葉に、嫌な顔をするエリス様。
「でもでも、私はこの国に、勝手に呼ばれたのよ。
それぐらい、大目に見てくれても…」
そう言って泣き?始める、エリス様。
「お前の泣き真似は、もう見飽きた」
ルイアンク様の一言。
「グス…な、泣き真似なんて、ひどいわっ」
わ~~~っと言いながら、うずくまるエリス様。
さっきから、顔が見えないようにしているところを見ると、本当に泣き真似のようだ。
「それに、勝手に呼んだのは、こちらが悪いと分かっているが、そちらは
仕事もせず、学びもせず、ただ遊んでいるだけ。
その割に、自分の都合の悪い時だけ、お兄ちゃんお母さんと言って泣き出す。
それを盾にしているだけで、悲しんではいないようだ」
「悲しいわよ。でも、それを言っても戻れないんだから、しょうがないじゃん」
「そう思っているなら、盾にするな」
「してないわ」
「そうか。それじゃあこっちも、気にする必要はないな」
「気にしなさいよ」
「気にしたから、王子の妻という位置につけようとした。
でも君は、王太子妃の勉強をしないと言ったから、それを終了している
カサンドラに頼んだんだ」
少し前まで、泣いていたことを感じさせないエリス様は、ぱっと私を見て
「えっ!?カサンドラさん、あれを終えてるの?」
と驚いた。
「あれというのは、王太子妃教育のことかしら?」
「そうよ。
あれって、めんどくさいことばかり書かれてて、あんな事したくなかったわ」
「そう…だから貴方は、第3王子の側妃だったわけね」
「それは、どういう事?」
「今まで召喚された方は、しっかりと王子妃教育と王太子妃教育をされて、
王太子妃になられています」
「はぁ!?王太子妃って、末は王妃じゃん。何で?何で私は…」
「貴方のその言葉遣いと所作では、王妃になった瞬間、
他国からバカにされるわ」
「されないわよ」
「実際、貴女は王子妃になっても、外交をしていないでしょ」
「何?この国以外の国の人に、合うの?」
「そんな事も知らないんだ」
エリス様と話していると、マルク殿下が入ってきて、開口一番呆れた。
「あー、マルク様、私に会いに来たの?」
「そんな言葉遣いだから、王家の顔として使えないんだ。ただの穀潰し」
「ひどいっ!マルク様って、いつもそうよね。絶対にもてないわ」
「もてなくて良い。俺は妻子持ちだ」
マルク殿下がそう言うと、エリス様は信じられないと言ったが、本当のことだ。
マルク殿下は、子供の頃からの婚約者を大切にし、婚姻した年に子供を授かっている。
妻を大切にし、子供の相手もする良いお父様というのは、皆知っていることだ。
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