私の存在

戒月冷音

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第153話

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すると、
「あの、プリンはお食事が終わってから、皆様にお出しするのは
 どうでしょう?」
と、女性の料理人から提案された。

この世界での食事は、食後のデザートも一緒に出てくるのが主流だった。
だから、デザートをプリンとタルトの二種。
タルトは、シュル粉と糖で簡単に作ったクッキーを砕き、そこにバターを混ぜて固めた後、その上にフルーツを飾ったもの。
カップに敷き詰めて焼いたタルトは、二口くらいで食べれるサイズだ。
その二つは、時間がたっても大丈夫なものだった。

「そうですね・・・ラスクなども増えましたし、それで良いかな?
 あっ、すみません。良い意見をありがとうございます」
「いいえ。私は・・・」
「それに、貴方の言葉で、思い出せました」
彼女のお陰で、前世のレストランの接客を、思い出した。
確か、注文を聞くときに、一緒に持ってくるか後にするかを、確認してた。
だから、食事と一緒じゃなくても良いんだ・・・

そう考えた私は、食事をワンプレートにして、スープを付ける形にした。
スープは、簡単なオニオンスープ。
玉ねぎは玉リョクと言い、玉リョクを30個スライスして炒め、飴色玉リョクを作っていく。
飴色になったら、こちらのスープの元のマギストを入れ、水を入れて煮込んでいく。
それで完成だ。

「昼食のサンプルが出来ました。これと同じように並べてください」
「さん、プル?ですか?」
「あっ、すみません。見本です」
「あぁ、了解しました。
 皆、出来たものを全て集めて、この皿と同じように並べていってくれ」
「「「「はい」」」」」
料理長の言葉に、皆が返事をして、配膳に取りかかるため、残りの作業である、サンドイッチを三角にしたり、フレンチトーストにハムとチーズを挟んで焼く作業を急ぐ。
その後は、最後の行程を急いで進める人と、配膳にかかる人に別れた。
そうして次々と、ワンプレーとが出来る横では、スープをスープカップに入れていく、作業をしていた。

朝早くからかかってやっと、朝食の準備が出来た。
時間は昼前・・・ルーザが大慌てで飛んできて
「ミシェル様、お姉様方が、おいでになられてしまいます。
 すぐにご準備を・・・」
と言った瞬間
「料理長、後は任せて良いかしら?」
と聞いた。
「はい。大丈夫でございます。
 昼食の時間までには完了し、ご指定の場所に配置しておきます」
料理長の力強い言葉に安心した私は、厨房を後にしてルーザの指示に従うことにした。


「今からでは、お肌のケアは出来ませんが、ご入浴はしていただきます」
「はい」
「汗を流し、厨房での油を流さなければ、いけませんから」
「ルーザの言う通りにします」
そう答えた後は、本当にルーザの言うことをそのまま受け入れ、時間までに自分の身支度を終えたのだった。
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