158 / 168
第165話
しおりを挟む
「ルーザに、嫉妬してくれたんだね」
「こ、これが嫉妬かどうか分かりませんが、嫌なものは嫌なのです」
そう言葉を紡げば、マルクス様の機嫌は良くなり、私は少し困ってしまった。
それから・・・
私が本心を伝えてから、半年立った。
私は、誕生日を向かえて16歳になり、社交界でデビューを向かえた。
その日が過ぎて、最初の夜会の日。
その日が私の、デビュタントになった。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
マルクス様と、そう挨拶を交わし、エスコートしていただいて会場に入る。
「マルクス第2王子殿下、ミシェル・オーギュスト公爵令嬢様、ご入場」
名前を呼ばれ
「ミシェル行くよ」
と声をかけてくださるマルクス様と一緒に、会場にはいる。
入った場所は、会場中央のの階段の上。
ゆっくりと進むマルクス様に合わせて、一段一段階段を降りていく。
その途中に見えたのは、お父様とお母様。
お兄様とメルトリア・ルーペル公爵令嬢様の姿も見える。
そして、お姉様とデビット・コーエン侯爵様。
私を見つけると、コーエン侯爵の袖を引き、何かを耳打ちした。
お姉様・・・あまり話を盛らないでくださいね。
そうして、最後の段を降りると、続いてヘンドリック第1王子殿下と、カサンドラ・コーラル公爵令嬢様が呼ばれた。
この後、国王陛下とマルガ様がご入場され、王座に着座された。
それから、ヘンドリック様から順に挨拶をしていく。
そして、ヘンドリック様が終わり、国王陛下とマルガ様の前に行き、マルクス様と共に挨拶をすると
「ミシェル・オーギュスト公爵令嬢、デビュタント、心よりお祝いする」
「ありがとうございます」
と挨拶を交わすと国王陛下は立ち上がり、大きな声で宣言を始めた。
「皆に紹介しておく。
ミシェル・オーギュスト公爵令嬢は、我が息子、マルクスの婚約者となった。
皆もマルクスと共に、ミシェル・オーギュスト公爵令嬢の行く末を
支えてくれることを切に願う」
「「「「ははー」」」」
私の後ろで、貴族の方々の返事を聞いた。
私は、この人達の上に立つことになる。
今までは、人前から逃げていた。
自分の知識は、この世界に合っていないと思い込み、自分だけで持っていなくてはならないと、勝手に思っていた。
しかし、マルクス様は違った。
一気に教えることなく、少しずつ教えていくと大丈夫だと教えてくれた。
彼は、日本の知識を持っていながら、隠すことなく上手く使っているのだ。
私はそれが出来ず、1人の未来を変えてしまった。
そんな私に、大丈夫だと教えてくれたのがマルクス様だ。
私は、この方を支える存在になりたい。
自分の知っていることを、上手く使っていけるように・・・
「こ、これが嫉妬かどうか分かりませんが、嫌なものは嫌なのです」
そう言葉を紡げば、マルクス様の機嫌は良くなり、私は少し困ってしまった。
それから・・・
私が本心を伝えてから、半年立った。
私は、誕生日を向かえて16歳になり、社交界でデビューを向かえた。
その日が過ぎて、最初の夜会の日。
その日が私の、デビュタントになった。
「おめでとう」
「ありがとうございます」
マルクス様と、そう挨拶を交わし、エスコートしていただいて会場に入る。
「マルクス第2王子殿下、ミシェル・オーギュスト公爵令嬢様、ご入場」
名前を呼ばれ
「ミシェル行くよ」
と声をかけてくださるマルクス様と一緒に、会場にはいる。
入った場所は、会場中央のの階段の上。
ゆっくりと進むマルクス様に合わせて、一段一段階段を降りていく。
その途中に見えたのは、お父様とお母様。
お兄様とメルトリア・ルーペル公爵令嬢様の姿も見える。
そして、お姉様とデビット・コーエン侯爵様。
私を見つけると、コーエン侯爵の袖を引き、何かを耳打ちした。
お姉様・・・あまり話を盛らないでくださいね。
そうして、最後の段を降りると、続いてヘンドリック第1王子殿下と、カサンドラ・コーラル公爵令嬢様が呼ばれた。
この後、国王陛下とマルガ様がご入場され、王座に着座された。
それから、ヘンドリック様から順に挨拶をしていく。
そして、ヘンドリック様が終わり、国王陛下とマルガ様の前に行き、マルクス様と共に挨拶をすると
「ミシェル・オーギュスト公爵令嬢、デビュタント、心よりお祝いする」
「ありがとうございます」
と挨拶を交わすと国王陛下は立ち上がり、大きな声で宣言を始めた。
「皆に紹介しておく。
ミシェル・オーギュスト公爵令嬢は、我が息子、マルクスの婚約者となった。
皆もマルクスと共に、ミシェル・オーギュスト公爵令嬢の行く末を
支えてくれることを切に願う」
「「「「ははー」」」」
私の後ろで、貴族の方々の返事を聞いた。
私は、この人達の上に立つことになる。
今までは、人前から逃げていた。
自分の知識は、この世界に合っていないと思い込み、自分だけで持っていなくてはならないと、勝手に思っていた。
しかし、マルクス様は違った。
一気に教えることなく、少しずつ教えていくと大丈夫だと教えてくれた。
彼は、日本の知識を持っていながら、隠すことなく上手く使っているのだ。
私はそれが出来ず、1人の未来を変えてしまった。
そんな私に、大丈夫だと教えてくれたのがマルクス様だ。
私は、この方を支える存在になりたい。
自分の知っていることを、上手く使っていけるように・・・
7
あなたにおすすめの小説
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。内容も少し変更しておりますので、あわせてお楽しみください。
【完結】あいしていると伝えたくて
ここ
恋愛
シファラは、生まれてからずっと、真っ暗な壁の中にいた。ジメジメした空間には明かり取りの窓すらない。こんなことは起きなかった。公爵の娘であるシファラが、身分の低い娼婦から生まれたのではなければ。
シファラの人生はその部屋で終わるはずだった。だが、想定外のことが起きて。
*恋愛要素は薄めです。これからって感じで終わります。
王子様の花嫁選抜
ひづき
恋愛
王妃の意向で花嫁の選抜会を開くことになった。
花嫁候補の一人に選ばれた他国の王女フェリシアは、王太子を見て一年前の邂逅を思い出す。
花嫁に選ばれたくないな、と、フェリシアは思った。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる