3 / 168
第3話
しおりを挟む
「オギャ、おぎゃー」
あれ?私…確か電車にぶつかって…
「オギャ、フニャ、ムニャ」
あの子大丈夫だったかな?
そんな事を思いながら目を開けるとまっ白な天井が見える。
その天井から、何かがぶら下がっていて、取ってみようと手を伸ばしたら、その手の小ささに驚いた。
何でこんなに、小さいの?
私はまだ、15歳の気でいた。だからよっと、体を起こそうとした。
でも、私の体は起きない。
頭が重くて、足が上がるのだ。
もしかして私、赤ちゃんなの?
その答えにやっとたどり着いた時、バタンと音がして一人の女性が私の前に現れた。
「どうしたの?ミシェル。誰かとお話してるの?」
「ぶばぁー」
誰ぇ?と言おうとしたら、変な言葉になった。
「ほら、アクイラス、ハリエット。あなた達の妹よ」
そう言った女性が足元に居るであろう2人を、抱っこして私を見せていた。
えっ…兄と姉がいるの?
また、私は放置されるの?
私は…
「おぎゃーーおぎゃーー」
悲しくて悲しくて涙が出た。要らない。要らない要らない…
兄と姉なんて、要らない。
私は泣き叫ぶことで、講義した。
前と同じになりたくない。
私に近づくな。
その気持を込めて怒りを爆発した。
「ど、どうしたの?何でこんなに…」
ワタワタする女性に抱っこされながらも、泣き叫ぶ。
「奥様。どうされました?」
少し高齢の女性が顔を出し、
「マリアンネ。どうしたら良いの?泣き止まないわ」
「少し、失礼してよろしいですか?」
奥様と呼ばれた女性は、私をその女性に渡す。
「ほらほらどうしたの?そんなに泣くと引きつけを起こしてしまうわ」
そう言いながらあやす女性から、なにかホンワリしたものが溢れた。
それを吸い込むと、心が少し軽くなり落ち着いてくる。
「マリアンネ。ミシェルはどうしたのかしら?」
「生まれてすぐはよくあることです。
まだ、何もわからない状態なので、すぐ不安になります。
毎日声をかけてあげることで、不安はなくなるのですが…
あぁ、初めて会う方が居たからでしょうか」
「じゃあ、僕とハリエットが、毎日話しかけたら大丈夫?」
「そうですね。優しく話しかけてあげてください。
お兄様とお姉様が、とってもお優しい方だとお伝えして差し上げてください。
そうすれば、お二人を見ても泣くことはなくなります」
私はその話の間に、眠ってしまった。
兄と、姉が…やさし、い?
そんな事、あるの?
ゆっくりと眠りに落ちながら、こんな声を聞いた。
「ミシェル、ア…ラスです」
「ミシ…、ハリ…トです」
「…覚めた…う一度、…拶をし…ょうね」
優しい…か、ぞく?…だったら、いい、な…
あれ?私…確か電車にぶつかって…
「オギャ、フニャ、ムニャ」
あの子大丈夫だったかな?
そんな事を思いながら目を開けるとまっ白な天井が見える。
その天井から、何かがぶら下がっていて、取ってみようと手を伸ばしたら、その手の小ささに驚いた。
何でこんなに、小さいの?
私はまだ、15歳の気でいた。だからよっと、体を起こそうとした。
でも、私の体は起きない。
頭が重くて、足が上がるのだ。
もしかして私、赤ちゃんなの?
その答えにやっとたどり着いた時、バタンと音がして一人の女性が私の前に現れた。
「どうしたの?ミシェル。誰かとお話してるの?」
「ぶばぁー」
誰ぇ?と言おうとしたら、変な言葉になった。
「ほら、アクイラス、ハリエット。あなた達の妹よ」
そう言った女性が足元に居るであろう2人を、抱っこして私を見せていた。
えっ…兄と姉がいるの?
また、私は放置されるの?
私は…
「おぎゃーーおぎゃーー」
悲しくて悲しくて涙が出た。要らない。要らない要らない…
兄と姉なんて、要らない。
私は泣き叫ぶことで、講義した。
前と同じになりたくない。
私に近づくな。
その気持を込めて怒りを爆発した。
「ど、どうしたの?何でこんなに…」
ワタワタする女性に抱っこされながらも、泣き叫ぶ。
「奥様。どうされました?」
少し高齢の女性が顔を出し、
「マリアンネ。どうしたら良いの?泣き止まないわ」
「少し、失礼してよろしいですか?」
奥様と呼ばれた女性は、私をその女性に渡す。
「ほらほらどうしたの?そんなに泣くと引きつけを起こしてしまうわ」
そう言いながらあやす女性から、なにかホンワリしたものが溢れた。
それを吸い込むと、心が少し軽くなり落ち着いてくる。
「マリアンネ。ミシェルはどうしたのかしら?」
「生まれてすぐはよくあることです。
まだ、何もわからない状態なので、すぐ不安になります。
毎日声をかけてあげることで、不安はなくなるのですが…
あぁ、初めて会う方が居たからでしょうか」
「じゃあ、僕とハリエットが、毎日話しかけたら大丈夫?」
「そうですね。優しく話しかけてあげてください。
お兄様とお姉様が、とってもお優しい方だとお伝えして差し上げてください。
そうすれば、お二人を見ても泣くことはなくなります」
私はその話の間に、眠ってしまった。
兄と、姉が…やさし、い?
そんな事、あるの?
ゆっくりと眠りに落ちながら、こんな声を聞いた。
「ミシェル、ア…ラスです」
「ミシ…、ハリ…トです」
「…覚めた…う一度、…拶をし…ょうね」
優しい…か、ぞく?…だったら、いい、な…
35
あなたにおすすめの小説
王子様の花嫁選抜
ひづき
恋愛
王妃の意向で花嫁の選抜会を開くことになった。
花嫁候補の一人に選ばれた他国の王女フェリシアは、王太子を見て一年前の邂逅を思い出す。
花嫁に選ばれたくないな、と、フェリシアは思った。
【完結】あいしていると伝えたくて
ここ
恋愛
シファラは、生まれてからずっと、真っ暗な壁の中にいた。ジメジメした空間には明かり取りの窓すらない。こんなことは起きなかった。公爵の娘であるシファラが、身分の低い娼婦から生まれたのではなければ。
シファラの人生はその部屋で終わるはずだった。だが、想定外のことが起きて。
*恋愛要素は薄めです。これからって感じで終わります。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
マジメにやってよ!王子様
猫枕
恋愛
伯爵令嬢ローズ・ターナー(12)はエリック第一王子(12)主宰のお茶会に参加する。
エリックのイタズラで危うく命を落としそうになったローズ。
生死をさまよったローズが意識を取り戻すと、エリックが責任を取る形で両家の間に婚約が成立していた。
その後のエリックとの日々は馬鹿らしくも楽しい毎日ではあったが、お年頃になったローズは周りのご令嬢達のようにステキな恋がしたい。
ふざけてばかりのエリックに不満をもつローズだったが。
「私は王子のサンドバッグ」
のエリックとローズの別世界バージョン。
登場人物の立ち位置は少しずつ違っています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる