私の存在

戒月冷音

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第3話

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「オギャ、おぎゃー」
あれ?私…確か電車にぶつかって…
「オギャ、フニャ、ムニャ」
あの子大丈夫だったかな?
そんな事を思いながら目を開けるとまっ白な天井が見える。

その天井から、何かがぶら下がっていて、取ってみようと手を伸ばしたら、その手の小ささに驚いた。
何でこんなに、小さいの?
私はまだ、15歳の気でいた。だからよっと、体を起こそうとした。
でも、私の体は起きない。
頭が重くて、足が上がるのだ。
もしかして私、赤ちゃんなの?
その答えにやっとたどり着いた時、バタンと音がして一人の女性が私の前に現れた。

「どうしたの?ミシェル。誰かとお話してるの?」
「ぶばぁー」
誰ぇ?と言おうとしたら、変な言葉になった。
「ほら、アクイラス、ハリエット。あなた達の妹よ」
そう言った女性が足元に居るであろう2人を、抱っこして私を見せていた。

えっ…兄と姉がいるの?
また、私は放置されるの?
私は…
「おぎゃーーおぎゃーー」
悲しくて悲しくて涙が出た。要らない。要らない要らない…
兄と姉なんて、要らない。
私は泣き叫ぶことで、講義した。
前と同じになりたくない。
私に近づくな。
その気持を込めて怒りを爆発した。

「ど、どうしたの?何でこんなに…」
ワタワタする女性に抱っこされながらも、泣き叫ぶ。
「奥様。どうされました?」
少し高齢の女性が顔を出し、
「マリアンネ。どうしたら良いの?泣き止まないわ」
「少し、失礼してよろしいですか?」
奥様と呼ばれた女性は、私をその女性に渡す。

「ほらほらどうしたの?そんなに泣くと引きつけを起こしてしまうわ」
そう言いながらあやす女性から、なにかホンワリしたものが溢れた。
それを吸い込むと、心が少し軽くなり落ち着いてくる。
「マリアンネ。ミシェルはどうしたのかしら?」
「生まれてすぐはよくあることです。
 まだ、何もわからない状態なので、すぐ不安になります。
 毎日声をかけてあげることで、不安はなくなるのですが…
 あぁ、初めて会う方が居たからでしょうか」
「じゃあ、僕とハリエットが、毎日話しかけたら大丈夫?」
「そうですね。優しく話しかけてあげてください。
 お兄様とお姉様が、とってもお優しい方だとお伝えして差し上げてください。
 そうすれば、お二人を見ても泣くことはなくなります」
私はその話の間に、眠ってしまった。

兄と、姉が…やさし、い?
そんな事、あるの?
ゆっくりと眠りに落ちながら、こんな声を聞いた。
「ミシェル、ア…ラスです」
「ミシ…、ハリ…トです」
「…覚めた…う一度、…拶をし…ょうね」
優しい…か、ぞく?…だったら、いい、な…
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