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第23話
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それから数日後、マルクス様から手紙が届いた。
内容はお母様とお父様の手腕で、側妃様の傍にいた侍女が、総入れ替えされたというものだった。
そのおかげで、側妃様の体調が落ち着いた…と。
なんかやってたんだろうな…そして多分、マルクス様は気付いていた。
私は手紙をお父様に見せ、どうするか聞くことにした。
「お父様。今よろしいでしょうか?」
執務室の扉をノックし、声をかける。
「ミシェルか?入りなさい」
「失礼いたします」
「どうした?」
「あの、この手紙の内容を見て頂きたく」
「ん?これはマルクス様からか」
「はい」
「見て良いのか?」
「私が見ていただきたいのです」
「分かった。
お父様はそう言うと、手紙を読み始めた。
「あぁ、そう言うことか…これを伝えたかったのか?」
「はい。手紙を見ていただくほうが早いと」
手紙をしまいながら、何かを考えていたお父様は、私に手紙を差し出すと
「その事は、陛下にお伝えしておく」
「よろしくお願いします。それから…」
「まだなにかあるのか?」
「お母様が、次のお茶会は我が家でと言っておられたのですが、
私は、側妃様とも、お話してみたいのですが…」
「側妃様と…か。そんな事をすれば、王妃と…」
「私は、マルクス様としか話したことがありませんので、王妃様が推している
第一王子様が、どのような方か知りません。
ですが、王妃様があのようなことしてまで、支えなければいけないような方なら、
いくら王太子に決まっていても、王になる資格はないと私は思います」
「なかなか、辛辣なことを言うな。お前は本当に、15なのか?」
「15でなければ、お父様の子ではありませんわね」
「いや。ミシェルは、俺の子だ」
私はクスクスと笑いながら、胸を張ってそう答えるお父様を見ていた。
お父様はその後、家族全員を呼び、さっきの手紙の事を伝える。
「まぁ、あの方。そんな事をしていたの?」
「体調が落ち着いたということは、うちの侍女に渡したものが効いているんだ。
間違いないだろ」
「何で側妃様に、そんな事を…私、王妃様より側妃様のほうが好きなのに」
「お姉様は、あったことがあるのですか?」
「えぇ、側妃様は元々刺繍の先生で、学園に来られてたのよ」
「先生…」
「とっても物静かで、穏やかな先生だったわ。
王宮にはいられてからも、何度かお茶会で刺繍を教えてくださってて、
私も何度か、連れてってもらったの」
「そうか…それなら刺繍を教えてもらいに、行ってみるか?」
「あなた?」「お父様?」「父上?」
多分お父様は、私が会ってみたいと言ったから、その理由をずっと考えていてくれたんだ。
そう思った瞬間私は、お父様に飛びつき、ぎゅっと腰のあたりに抱きつくと
「ありがとうございます。お父様」
と、満面の笑みでお礼をいった。
そこにお姉様が
「私も行きたい!行っていいですか?」
参加したいというと、そこにお母様まで加わって…結局、家族全員でお邪魔できるか、聞いてくる事になった。
内容はお母様とお父様の手腕で、側妃様の傍にいた侍女が、総入れ替えされたというものだった。
そのおかげで、側妃様の体調が落ち着いた…と。
なんかやってたんだろうな…そして多分、マルクス様は気付いていた。
私は手紙をお父様に見せ、どうするか聞くことにした。
「お父様。今よろしいでしょうか?」
執務室の扉をノックし、声をかける。
「ミシェルか?入りなさい」
「失礼いたします」
「どうした?」
「あの、この手紙の内容を見て頂きたく」
「ん?これはマルクス様からか」
「はい」
「見て良いのか?」
「私が見ていただきたいのです」
「分かった。
お父様はそう言うと、手紙を読み始めた。
「あぁ、そう言うことか…これを伝えたかったのか?」
「はい。手紙を見ていただくほうが早いと」
手紙をしまいながら、何かを考えていたお父様は、私に手紙を差し出すと
「その事は、陛下にお伝えしておく」
「よろしくお願いします。それから…」
「まだなにかあるのか?」
「お母様が、次のお茶会は我が家でと言っておられたのですが、
私は、側妃様とも、お話してみたいのですが…」
「側妃様と…か。そんな事をすれば、王妃と…」
「私は、マルクス様としか話したことがありませんので、王妃様が推している
第一王子様が、どのような方か知りません。
ですが、王妃様があのようなことしてまで、支えなければいけないような方なら、
いくら王太子に決まっていても、王になる資格はないと私は思います」
「なかなか、辛辣なことを言うな。お前は本当に、15なのか?」
「15でなければ、お父様の子ではありませんわね」
「いや。ミシェルは、俺の子だ」
私はクスクスと笑いながら、胸を張ってそう答えるお父様を見ていた。
お父様はその後、家族全員を呼び、さっきの手紙の事を伝える。
「まぁ、あの方。そんな事をしていたの?」
「体調が落ち着いたということは、うちの侍女に渡したものが効いているんだ。
間違いないだろ」
「何で側妃様に、そんな事を…私、王妃様より側妃様のほうが好きなのに」
「お姉様は、あったことがあるのですか?」
「えぇ、側妃様は元々刺繍の先生で、学園に来られてたのよ」
「先生…」
「とっても物静かで、穏やかな先生だったわ。
王宮にはいられてからも、何度かお茶会で刺繍を教えてくださってて、
私も何度か、連れてってもらったの」
「そうか…それなら刺繍を教えてもらいに、行ってみるか?」
「あなた?」「お父様?」「父上?」
多分お父様は、私が会ってみたいと言ったから、その理由をずっと考えていてくれたんだ。
そう思った瞬間私は、お父様に飛びつき、ぎゅっと腰のあたりに抱きつくと
「ありがとうございます。お父様」
と、満面の笑みでお礼をいった。
そこにお姉様が
「私も行きたい!行っていいですか?」
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